全怪獣怪人

本項では1990年に勁文社から発売されたもの(以下、初版)と、同社倒産後の2003年に英知出版&インフォレストから発売された増補版の『全怪獣怪人大事典』の双方について取り上げます。


初版

ジャンル 混載
出版社 勁文社
サイズ A5
発売年月 1990年3月(上巻)
1990年11月(下巻)
ポイント 昭和の特撮テレビ映画における怪獣・怪人を総まとめ
未掲載キャラがありながらも密度の濃い構成
人物キャラは作品ごとに異なる扱い

概要(初版)

古くは1958年2月開始の『月光仮面』、そして新しくは90年1月に放送を終了した『機動刑事ジバン』まで、主に昭和作品をメインとして、およそ30年以上にわたる特撮テレビ映画の怪獣・怪人を取り上げた上下巻の愛蔵版書籍。
過去の『全怪獣怪人大百科』をマニア向けにブラッシュアップした内容として発売されたものであり、全体的な内容は同シリーズを踏襲しているが、より密度の濃い構成がポイントとなっている。
どちらも、諸事情で未紹介の怪獣・怪人がいくつかありながらも、当時としては画期的な資料となっており、ビニールカバー付きでの発売であった。
本書の発売から約12年を経て、勁文社倒産後の2003年には『全怪獣怪人大事典(以下、大事典)』が発売されたが、諸事情により、本家とは大きく異なる構成となってしまった。

上巻(初版)

1990年3月発売。
掲載範囲は1969年までの特撮テレビ映画黎明期の作品全般に加え、巨大ヒーロー&ロボ作品、ウルトラシリーズおよび円谷プロ制作作品全般、『バトルフィーバーJ』以降のスーパー戦隊シリーズがメインで、いわゆる「怪獣編」とでもいえる構成だが、円谷作品は巨大怪獣の要素がない作品についても取り上げられている。
一方、スーパー戦隊シリーズは、当時の定義が、原則として『バトルフィーバーJ』以降の作品を指していたため、本書でもそれにならう扱いとなっているが、「戦隊もの」の定義としては、『秘密戦隊ゴレンジャー』と『ジャッカー電撃隊』の2作品も含まれており、これら2作品も一部コーナーでは戦隊シリーズ扱いとする部分がある*1
各コーナーでの紹介作品は、基本的に放送開始順の収録だが、『東映巨大ヒーロー』のパートでは、『大鉄人17』と『スパイダーマン』の2作品の次に制作年代の違う『巨獣特捜ジャスピオン』を紹介後、改めてBFJ以降のスーパー戦隊シリーズの解説へと移る構成である。
+ 紹介作品(上巻)
作品名 備考 『大事典』再録
黎明の時代
特撮テレビ映画黎明期に制作された作品を取り上げるコーナー。
月光仮面
遊星王子
少年ジェット
鉄腕アトム(実写版)
まぼろし探偵
七色仮面
豹の眼
海底人8823
鉄人28号(実写版)
怪獣マリンコング
快傑ハリマオ
アラーの使者
ナショナルキッド
少年探偵団 1960~63年放送のテレビドラマ
少年発明王
少年ケニヤ
恐怖のミイラ
忍者部隊月光
第1次怪獣ブーム
第1次怪獣ブームに制作された作品を取り上げるコーナー。
ウルトラQ
丸出だめ夫 1966年放送の実写ドラマ
忍者ハットリくん 1966年放送の実写ドラマ
マグマ大使
悪魔くん 1966年放送の実写ドラマ
快獣ブースカ
仮面の忍者 赤影
キャプテンウルトラ
コメットさん 1967~68年放送の九重佑三子さん主演版
忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ
光速エスパー
怪獣王子
ジャイアントロボ
マイティジャック
戦え!マイティジャック
怪奇大作戦 現在欠番の『狂鬼人間』もスチール付きで紹介
河童の三平 妖怪大作戦
バンパイヤ
怪盗ラレロ
魔神バンダー
妖術武芸帳
チビラくん
俺は透明人間!
第2次怪獣ブーム
第2次怪獣ブームに制作された作品を取り上げるコーナー*2
宇宙猿人ゴリ
宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン
スペクトルマン
シルバー仮面
シルバー仮面ジャイアント
ミラーマン
レッドマン
トリプルファイター
緊急指令10-4・10-10
サンダーマスク
行け!ゴッドマン
突撃!ヒューマン!!
アイアンキング
ファイヤーマン
魔人ハンター ミツルギ
ジャンボーグA
流星人間ゾーン
へんしん!ポンポコ玉
スーパーロボット レッドバロン
クレクレタコラ
行け!グリーンマン
ミラーファイト
スーパーロボット マッハバロン
小さなスーパーマン ガンバロン
炎の超人 メガロマン*3
ウルトラマンシリーズ
ウルトラシリーズについて取り上げるコーナー。
ウルトラマン
ウルトラセブン
ウルトラファイト
帰ってきたウルトラマン
ウルトラマンA
ウルトラマンタロウ
ウルトラマンレオ
ウルトラマン80
アンドロメロス
円谷プロの系譜
1974年以降の円谷プロ作品全般について取り上げるコーナー。
SFドラマ 猿の軍団 *4
恐竜探険隊ボーンフリー
プロレスの星 アステカイザー
恐竜大戦争アイゼンボーグ
スターウルフ
恐竜戦隊コセイドン
ぼくら野球探偵団
東映巨大ヒーロー
1970年代後半以降における東映特撮作品のうち、巨大ロボの要素がある作品群について取り上げるコーナー*5
大鉄人17
スパイダーマン 東映版 *6
巨獣特捜ジャスピオン*7
バトルフィーバーJ
電子戦隊デンジマン
太陽戦隊サンバルカン
大戦隊ゴーグルV
科学戦隊ダイナマン
超電子バイオマン
電撃戦隊チェンジマン
超新星フラッシュマン
光戦隊マスクマン
超獣戦隊ライブマン
その他、コラム扱いで、以下の作品の記述が取り上げられている(紹介順)。
作品名 備考
風小僧 3作品とも「時代劇ヒーロー」扱いでまとめて紹介
白馬童子
隠密剣士
宇宙Gメン
怪獣アゴン*8 スチール写真なし
スパイキャッチャーJ3
アタック拳
くらやみ五段
ジャングル・プリンス*9 スチール写真なし
恐怖劇場アンバランス *10
ザ・ウルトラマン*11 主役ヒーローのジョーニアスは実写着ぐるみのスチールで紹介
ウルトラマンキッズ*12 2作とも、『ザ』同様にアニメ版ウルトラシリーズ扱いで、文字のみ紹介
ウルトラマンUSA
独身のスキャット
科学冒険隊タンサー5
+ 巻頭カラーページ(上巻)
カラーページでは、以下の代表的な作品について、1P取り上げられている。
作品名 『大事典』再録
月光仮面 下(新規)
ウルトラQ 中(新規)
マグマ大使
悪魔くん
赤影
Gロボ
スペクトルマン*13
アイアンキング 下(新規)
ウルトラヒーロー集合(2P)*14
ウルトラシリーズ各作品
(初代マン~80+メロスの8作品)
スーパー戦隊集合(2P)*15
戦隊シリーズ各作品
(BFJ+ライブマンの10作品)
ジャスピオン
  • 最初のページにおいて、代表的な怪獣・怪人のスチールが集結しているが、『レッドバロン』の敵ロボのバイキングⅢ世をセンターに、なんともマイナーな面々が多数選ばれている。
    • ウルトラシリーズからのチョイスは『帰りマン』のコダイゴンのみというコアなチョイスである。
  • ウルトラシリーズ以外の円谷作品は、なぜかカラーページでは一切掲載されていない*16
    • ただし、先述のように、巻頭ページでは、『野球探偵団』のレギュラー悪役である怪人赤マントなど、非ウルトラ系の円谷怪獣・怪人も数体掲載されており、なんともマニアックな面々のチョイスである。
+ 問題点(上巻)
  • 一部作品の放送局の表記が本放送以降の表記になっており、『ジャンボーグA』ではテレビ朝日*17、『スパイダーマン』ではテレビ東京*18との表記になっている。
    • 『赤影』でも、制作キー局は関西地方の関西テレビだが、本書では関東のフジテレビの表記である。
    • 逆に『大鉄人17』では、キー局の表記が関西の毎日放送のみの表記になっている*19
  • 『ウルトラファイト』および『レッドマン』は当時、正確な資料が存在していなかったため、放送データが実際と異なる。
  • 『サンダーマスク』は、『鉄腕アトム』、『マグマ大使』同様、手塚治虫氏が原作者のように扱われているが、実際の手塚氏はコミカライズ担当としての参加である。
  • 基本的に各作品の解説文は、当時の制作背景および基本ストーリー要素でまとめられているが、『流星人間ゾーン』のみ、ストーリーのみの解説にとどまっている。
  • 防衛チームは扱いの差が激しく、ウルトラシリーズの場合は科学特捜隊(初代マン)、ウルトラ警備隊(セブン)、TAC(A)のようにメンバー個人が1人ずつ解説されるパターンもあれば、チームごとにまとめて解説される場合もある。
    • まとめて紹介される場合でも、チームのメンバー個別の名前表記があるチームと、個別表記すらないチームが存在する。
      • 円谷作品は比較的まともな扱いだが、それ以外の『スペクトルマン』や『サンダーマスク』のように、関連チームの紹介すらない作品も存在している。
    • メカ類の紹介についても、ウルトラシリーズでは科特隊とU警備隊のみの紹介であり、帰りマンのMAT以降のチームはメカ類が紹介されていない。
    • 戦隊系でも、メカ・マシン類で紹介されているのはロボの合体ユニットおよび、大型母艦類にとどまっており、地上用マシン(いわゆる車およびバイク系のマシン)の大半が未紹介である。
  • 一部の怪獣・怪人・ロボが、実際の本編登場のスチールおよび、本編映像からの抜粋ではなく、デザイン画で紹介されている*20
    • その一方、『レッドマン』、『サンダーマスク』、『レッドバロン』では、未登場に終わった怪獣・ロボもしっかりイラスト付きで紹介されている。
  • タイトルの『全怪獣怪人』に反して、大百科時代同様、未紹介の怪獣・怪人・キャラも多数存在しており、特に1970年代以前の作品は大半の怪獣・怪人・キャラの記述が未紹介となっている。
    • 中には、過去の大百科では紹介されたにもかかわらず、本書では一切未紹介となった怪獣・怪人・キャラもいくつか存在している。

下巻(初版)

1990年11月発売。
上巻と対になるこちらは「怪人編」ともいえる内容になっており。1971年以降の等身大特撮ヒーロー作品*21および、コメディキャラクター系に代表されるファミリー特撮路線についての紹介がメインである。
巻末には『仮面ライダー(初代)』のロケ地探訪企画が掲載された。
+ 紹介作品(下巻)
作品名 備考 『大事典』再録
仮面ライダーシリーズ
仮面ライダーシリーズについて取り上げるコーナー。
仮面ライダー
仮面ライダーV3
仮面ライダーX
仮面ライダーアマゾン
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダー(新)*22
仮面ライダースーパー1
10号誕生!仮面ライダー全員集合!!*23
仮面ライダーBLACK
仮面ライダーBLACK RX
変身ヒーローの世界
多彩な変身ヒーロー作品を取り上げるコーナー。
超人バロム1*24
レインボーマン*25
イナズマン
ダイヤモンドアイ*26 *27
鉄人タイガーセブン
イナズマンF
コンドールマン*28
秘密戦隊ゴレンジャー*29
アクマイザー3
ザ・カゲスター
超神ビビューン
円盤戦争バンキッド
バトルホーク
快傑ズバット
ジャッカー電撃隊*30
UFO大戦争 戦え!レッドタイガー
星雲仮面マシンマン
兄弟拳バイクロッサー
電脳警察サイバーコップ
ロボットヒーローの世界
等身大ロボットヒーロー作品を取り上げるコーナー。
人造人間キカイダー
ロボット刑事
キカイダー01
電人ザボーガー
宇宙鉄人キョーダイン
超人機メタルダー
時代劇・忍者ヒーローの世界
時代劇および、忍者要素のあるヒーロー作品について取り上げるコーナー。
快傑ライオン丸
変身忍者 嵐
新諸国物語 笛吹童子 1972年放送版
白獅子仮面
風雲ライオン丸
行け!牛若小太郎
忍者キャプター
宇宙からのメッセージ 銀河大戦
世界忍者戦ジライヤ
ファミリー特撮の系譜
ヒロイン、コメディ、探偵団路線をはじめ、ファミリー特撮全般について取り上げるコーナー。
好き!すき!!魔女先生
がんばれ!!ロボコン
オズの魔法使い 1974年放送版
冒険ロックバット
ぐるぐるメダマン
5年3組魔法組
怪人二十面相 1977年放送版
ロボット110番
冒険ファミリー ここは惑星0番地
透明ドリちゃん
ふしぎ犬トントン
ロボット8ちゃん
バッテンロボ丸
ペットントン
どきんちょ!ネムリン
TVオバケ てれもんじゃ
勝手に!カミタマン
もりもりぼっくん
おもいっきり探偵団 覇悪怒組
じゃあまん探偵団 魔隣組
魔法少女ちゅうかなぱいぱい!
魔法少女ちゅうかないぱねま!
メタルヒーローシリーズ
メタルヒーロー作品について取り上げるコーナー*31
宇宙刑事ギャバン
宇宙刑事シャリバン
宇宙刑事シャイダー
時空戦士スピルバン
機動刑事ジバン
その他、コラム扱いで、以下の作品の記述が取り上げられている(紹介順)。
作品名 備考
柔道一直線 VHSのジャケット画像で紹介
ワイルド7
電撃!ストラダ5*32
少年ドラマシリーズ
Xボンバー
参上!天空剣士 文字のみでスチール写真なし
鞍馬天狗(1990年版) 新番組紹介も兼ねた扱い*33
影の軍団シリーズ *34
西遊記
西遊記Ⅱ
スチール写真なし
スケバン刑事シリーズ Ⅰはスチール写真なし
ⅡとⅢはVHSのジャケット画像で紹介
ゲゲゲの鬼太郎(月曜ドラマランド版)
コメットさん(1978年版)
少年探偵団(BD7) スチール写真付き
怪人二十面相と少年探偵団
怪人二十面相と少年探偵団Ⅱ
上記『少年探偵団(BD7)』とセット扱いで紹介
スチール写真なし
悪魔くん(月曜ドラマランド版)
+ 巻頭カラーページ(下巻)
下巻のカラーページは、上巻とは構成が異なり、ライダーシリーズ全作品は上巻と同様の体裁で掲載されているが、それ以外の作品はブロックごとに分けての紹介となる。
ブロックごとに紹介された作品は、いずれも同一ページ内での組み合わせを表記。
作品(コーナー)名 ページ数 『大事典』再録
歴代ライダー集合*35 2P
ライダーシリーズ各作品
(初代~RX)
初代ライダー&V3:2P*36
X以降:1P
変身ヒーロー系
パロム1
レインボーマン、イナズマン、タイガーセブン *37
コンドールマン、ゴレンジャー
ズバット、アクマイザー、ビビューン
ジャッカー、カゲスター、バンキッド *38
マシンマン、バイクロッサー、サイバーコップ *39
*40
ロボットヒーロー系
キカイダー&01
ロボット刑事、ザボーガー、キョーダイン、メタルダー *41
時代劇・忍者ヒーロー系
1P
ライオン丸2作品(快傑&風雲) *42
小太郎*43、キャプター
銀河大戦、ジライヤ
メタルヒーロー系
ギャバン 1P
シャリバン、シャイダー、スピルバン、ジバン
ファミリー作品系
魔女先生&ロボコン
110番、ドリちゃん、8ちゃん、ペットントン *44
カミタマン、覇悪怒組、ぱいぱい、いぱねま
  • 比較的マイナーな面々を掲載していた上巻とは異なり、本書の巻頭ページでは、キカイダーのライバルにして、根強い人気のあるダークヒーローのハカイダーをメインに、幹部級の面々が並ぶ構成となっている。
    • それでも『サイバーコップ』登場のデューウィン女史のように、レギュラー幹部扱いながらも、上巻同様にかなりコアなキャラがチョイスされている。
  • ライダー以外の作品は、『大事典』再録にあたっては、当然ながら、区分けの関係で紹介できる作品が限られており、例として中巻ではマシンマン&バイクロッサー+8ちゃん&ペットントン、下巻ではザボーガー+バンキッド+サイバーコップ*45の組み合わせへと変更されている。
  • そのためか、メジャーシリーズへと組み込まれる作品でありながら、ゴレンジャー&JAKQ、メタルダー&ジライヤのように、『大事典』では紹介スペースの関係から再録されなかった作品もある。
+ 問題点(下巻)
  • 解説文がありながら、一部のキャラ・怪人のスチール、もしくは本編映像からの切り抜きが未掲載となっている作品もある。
    • 主に『カゲスター』や『銀河大戦』の一部怪人が該当*46
    • 『バンキッド』では、なぜかメンバーの1人である少年、宇崎龍一*47のみ、スチールが未掲載である。
      • バンキッドと同時期の『バトルホーク』に至っては、変身後のヒーローのみが紹介されており、素顔のキャラに関する記述は文字のみにとどまっている。
  • ファミリー特撮関連はメインキャラの紹介にとどまっており、各話に登場するゲストキャラの紹介はほとんどない。
  • 上巻同様、一部の怪獣・怪人はイラストでの紹介であり、『タイガーセブン』や『バトルホーク』では、半数近くの怪人がイラスト扱いとなっている。
  • 上巻同様、サブキャラは最低限の面々のみの紹介であり、レギュラーの変動が大きい作品の場合、一部キャラに関しては解説文すらなく、文字のみで紹介されている。
  • 初代ライダーの紹介ページでは、メイン扱いで大きく紹介されているのは旧1号*48のみで、2号がサブ扱いとなっている反面、V3ではV3とライダーマンの両方ともメイン扱いとなっている。

全怪獣怪人大事典

ジャンル 混載
出版社 英知出版(発売)
インフォレスト(販売)
サイズ A5
発売年月 2003年2月(上巻)
2003年3月(中巻)
2003年4月(下巻)
ポイント 12年ぶりの復刻・・・のはずが超残念なクオリティに
版権料の関係で追加分はほとんどスチールなし
東映&円谷以外は一切新規追加なし
一応、下巻には昭和特撮映画作品紹介コーナーあり

概要(大事典)

2002年4月の勁文社の倒産から約1年後、テレビ放送50周年にして、特撮テレビ映画の原点『月光仮面』放送開始45周年のタイミングとなる翌03年に、およそ45年分の特撮テレビ映画の怪獣・怪人をまとめたシリーズとして、実に約12年ぶりの復刻を果たしたもの。
だが、歳月の流れからか、諸事情が重なり、初版とは大きく異なる構成になってしまった。

各巻ごとの概要(大事典)

本シリーズの構成は、以下のような構成になっている。
紹介範囲
上巻 1950~70年代までの東映作品、歴代ライダー&戦隊
中巻 80~90年代の非ライダー&戦隊系東映作品、円谷作品
下巻 東映、円谷以外の各社作品
+ 新規追加作品
シリーズ名 作品名 備考
上巻
仮面ライダーシリーズ 仮面ライダークウガ 巻頭カラー紹介あり
仮面ライダーアギト
スーパー戦隊シリーズ 高速戦隊ターボレンジャー
地球戦隊ファイブマン
鳥人戦隊ジェットマン
恐竜戦隊ジュウレンジャー
五星戦隊ダイレンジャー
忍者戦隊カクレンジャー
超力戦隊オーレンジャー
激走戦隊カーレンジャー
電磁戦隊メガレンジャー
星獣戦隊ギンガマン
救急戦隊ゴーゴーファイブ
未来戦隊タイムレンジャー
百獣戦隊ガオレンジャー 巻頭カラー紹介あり*49
中巻
メタルヒーローシリーズ 特警ウインスペクター 巻頭カラー紹介あり
特救指令ソルブレイン
特捜エクシードラフト
特捜ロボ ジャンパーソン
ブルースワット
重甲ビーファイター
ビーファイターカブト
ビーロボカブタック
テツワン探偵ロボタック
不思議コメディシリーズ 美少女仮面ポワトリン 巻頭カラー紹介あり
不思議少女ナイルなトトメス
うたう!大龍宮城
有言実行三姉妹シュシュトリアン
その他東映作品 超光戦士シャンゼリオン 巻頭カラー紹介あり
燃えろ!!ロボコン
円谷プロ作品 電光超人グリッドマン 巻頭カラー紹介あり
ブースカ!ブースカ!!
ウルトラマンシリーズ ウルトラマンG 巻頭カラー紹介あり
ウルトラマンパワード
ウルトラマンティガ
ウルトラマンダイナ
ウルトラマンガイア
ウルトラマンコスモス
ザ・ウルトラマン*50 アニメ作品ながら、特別枠で紹介
  • ライダーシリーズでは、Vシネマ作品として展開された『真』、劇場映画の『ZO』、『J』の1990年代制作の各作品(いわゆるネオライダー)は一切未紹介である。
  • ウルトラシリーズでは、上記の作品群に加え、昭和の『ウルトラマン物語(ストーリー)*51』および、『ゼアス』~『コスモス2』までの劇場映画7タイトルの解説が追加された一方、CM用の『ナイス』、雑誌展開からビデオシリーズ化された『ネオス』、特番およびビデオシリーズとして展開された平成セブンシリーズが未紹介となった。
  • 下巻では一切、新規の特撮テレビ番組の追加紹介がなく*52、その代わりとして、1950~60年代の東宝・大映特撮映画の記述が追加された。
    • ただし、メインはあくまで50~60年代の作品のため、70年代の東宝特撮映画はスチールのみでの紹介であり、それ以降の作品は未紹介である。
    • 文字のみだが、東映・松竹・日活の特撮映画作品についても、巻末のリストで触れられている。

問題点(大事典)

  • 新規分について
新規分ページの構成は、版権料の高騰に加え、肖像権の関係から、基本的に怪獣・怪人のスチールはほとんど掲載されておらず、旧版とのクオリティの差が強くなっている。
+ 新規分ページの問題点
  • 作品によって紹介ページ数が不安定であり、ほとんど2~4Pでの紹介となっている。
    • 上巻ではクウガが8P、アギトが7P割かれているのに対し、戦隊関連はすべて4Pでの紹介である。
    • 一方、中巻では、東映作品はメタル系(BFカブトまで)が4P、コメディ作品(不思議コメディ4作品、カブタック&ロボタック、新ロボコンの7作品)が2P、シャンゼが3P扱いなのに対し、円谷作品のグリッドマン&ティガ~コスモスの平成ウルトラ4作品はいずれも6P扱い、平成ブースカも4P扱いでの紹介である*53
  • スチール写真のセレクトについても、微妙なものが多い。
    • 例として、上巻で紹介されているオーレンジャーロボのスチールは、なぜか基本となるウイングヘッドではなく、バルカンヘッド*54のスチールが使われている。
    • また、中途半端な部分でトリミングされる例もあり、同じ上巻の『ギンガマン』の場合、素顔のギンガマンメンバー(初期5人)の並びのスチールで、なぜか紅一点のピンクのサヤのスチールがカットされてしまっている。
    • 中巻では、SRSの紹介ページでJPのネオギルドのスチールが掲載されており、いくら同シリーズとはいえ、別作品のキャラを間違えて掲載する現象まで起こっている。
    • カラーページでもスチールミスがいくつかあり、中巻では重甲BFのスチールがなぜか紅一点のレッドル*55をセレクトしていたり、ポワトリンのスチールがプティットのものになっていたりする。
    • ティガの主演がV6の長野博氏である関係も影響してか、平成ウルトラシリーズは人物キャラのスチール写真が一切掲載されていない
  • 新規追加された戦隊でターボ~タイムがまるごと未掲載なことからもわかるように、カラーページでも新規分の扱いの差が激しい。
    • メタル系の場合、中巻ではWSP~JPがまるごと1Pなのに対し、BS~BFカブトは1P抱き合わせでの紹介となっている。
    • 反面、初版では一切カラーページで紹介されなかった『ミラーマン』&『ファイヤーマン』は、抱き合わせながら、新規の1Pが追加された。
    • 下巻では、初版のカラーページで紹介されなかった作品群のカラーページが大量に追加されており、大半のパートが新規となっている。
      • 初版上巻でそれぞれ1P紹介された『月光仮面』、『ウルトラQ』、『アイアンキング』の3作品は、大事典では完全新規に変更された*56
    • 紹介文でも、初版同様に作品のストーリーそのものを解説している作品もあるが、上・中巻の新規追加作品はどちらかといえば制作背景についての文章を掲載している傾向が多く見られる。
  • 作品路線の関係上、カブタック&ロボタックの2作品はメタルヒーローシリーズとしてではなく、次番組の平成ロボコン同様、「ファミリー特撮」扱いでの紹介である。
    • 単発作品のシャンゼに至っては「東映異色ヒーロー」のカテゴリでの紹介となっている。
  • 作品の掲載順は旧版のカテゴリ別から一転、基本的に年代順、もしくはシリーズ順での紹介に変更されたため、読みやすくなったが、一方で中巻ではカテゴリ分けがやや煩雑になっている。
    • 再録分となる80年代作品は年代順での紹介だが、一方で新規の90年代作品ではメタル系(BFカブトまで)→コメディ系→シャンゼの紹介順となっており、系統順での紹介となっているため、統一感のない構成である。
  • 放送時間についても誤表記があり、戦隊の場合、放送時間はすべて、当時の放送時間であった「日曜午前7時30分~8時」との表記になっている。
    • 史実ではメガレン#8以降の時間帯だが、それ以前の作品もこの時間表記である
  • 上巻に再録された『スパイダーマン(東映)』は、権利関係から、写真がカットされ、文字のみの紹介へと変更されたため、事実上の新規ページになっている。
  • 新規ページがほぼ東宝・大映特撮映画のみの紹介となっている下巻では、上・中巻と比べて、半分近く薄い構成である。
  • 中巻の平成ブースカのように、似たようなページで埋め合わせしている部分もある。
  • 再録分について
初版から再録されたパートは、基本的に変更なしでそのまま収録*57されているが、初版とは違和感のある構成がいくつか存在する。
+ 再録分ページの問題点
  • 本シリーズでは版権ごとに整理された反面、本来収録されるべきはずのページ(主にコラム関連)が、同巻の別ページおよび、別巻に掲載されている関係から、初版とは一部の作品の紹介ページがずれてしまっている
    • 主な例としては上巻の『メダマン』~『銀河大戦』までの70年代東映特撮作品*58、中巻の8ちゃん~ジバンまでの非ライダー&戦隊系80年代東映特撮作品のほとんどが顕著である*59
      • この関係から、初版下巻では柱部分で説明されていた『メタルダー』のネロス帝国軍団員の紹介ページの注釈が、中巻の再録では、よりにもよって本ののど部分に配置される現象まで起こってしまった。
    • 下巻の『シルバー仮面』と『サンダーマスク』の2作品に至っては、一部ページの順番が入れ替わってしまっており、違和感ある構成になっている。
  • 中巻に再録された『怪奇大作戦』のパートにおいて、現在欠番の『狂鬼人間』が紹介されているが、そのまま再録されている
  • 逆に、同じく中巻再録の『アステカイザー』のパートにおいて、アントニオ猪木氏のスチールが黒塗りになっている。
  • 版権ごとに作品が整理されたとはいえ、上部のコーナー名の表記はそのまま残っている。
  • 初版と比べて紙質がダウンしており、カラーページに至っては、現物をスキャンしたかのような鮮度の粗さになっている。
  • 本シリーズでは、再録されたカラーページの基準も、作品ごとに扱いが異なる。
    • 上・中巻では、各作品とも解説文を残しての再録だが、下巻では解説文が一切記載されておらず、どちらも初版の上巻に1P扱いとして掲載された『マグマ大使』と『スペクトルマン』の2作品も、番組名、スチール類、キャッチコピーはそのままだが、解説文をカットしての再録となっている。

余談(大事典)

  • 本シリーズを発売していた英知出版および、販売元だった子会社のインフォレストは、勁文社同様、のちに倒産している。
最終更新:2025年08月13日 19:31

*1 これは下巻も同様。

*2 制作はブームが沈静化した1974年以降だが、円谷作品以外の巨大ヒーロー要素のある作品も、本コーナーで取り上げられている。

*3 正式な番組タイトルは『メガロマン』だが、当時の新聞のラテ欄での表記で紹介されており、解説欄でも#14から改題されたとの表記がある。

*4 円谷プロ側の意向により、『大事典』では、旧作で唯一紹介されなかった。しかし、他社のムック本では従来通り、他作品同様に紹介されており、別の理由があったと思われる。

*5 ただし、『巨獣特捜ジャスピオン』以外のメタルヒーローシリーズは、巨大ロボが登場しても、実質、巨大戦の相手が敵の戦闘機、または巨大要塞の場合が多いこともあり、未紹介である。

*6 権利関係上から、写真関連はすべてカットしたうえでの再録であり、実質、新規に近い構成となった。

*7 作品タイトルからわかるように、本作においては「巨獣」と呼ばれる巨大怪獣が登場している関係上、上巻での扱いとなっている。なお、解説文ではメタルヒーローシリーズという説明はなく、宇宙刑事シリーズの後継作という扱いになっている。

*8 正式タイトルは『アゴン AGON』。

*9 表記まま

*10 放送年が「昭和47年1月開始」となっているが、実際は約1年後の放送である。

*11 表記まま

*12 1984年公開の映画版および、1986年放送の短編テレビアニメシリーズ『ことわざ物語』の2作品について解説。

*13 カラーページでは一貫してスペクトルマン表記。

*14 映画『ウルトラマン 怪獣大決戦』時に撮影された、ジョーニアスも含めた12人のウルトラファミリーのスチールを掲載。そのため、同ページでは80とユリアンは一切紹介されていない。

*15 (『ターボレンジャー』#1時に撮影された、BFJ~ターボの11戦隊53人および、女性戦士14人の集合スチールを掲載。

*16 なお、『ミラーマン』と『ファイヤーマン』は、抱き合わせ扱いだが、『大事典』下巻で新規のカラーページが追加されている。

*17 放送当時はNET。まだ腸捻転解消前だったため、制作キー局は毎日放送であった。

*18 放送当時は東京12ch。

*19 もっとも、過去の『全怪獣怪人大百科』でも同様のミスがあった。

*20 これは下巻でも同様。

*21 円谷プロ制作作品はすべて上巻で紹介のため、未紹介。

*22 現在は『仮面ライダー(スカイライダー)』との表記が一般だが、当時のメディアはこの表記の媒体が多かった。

*23 雑誌掲載版のみに登場のオリジナル怪人も、コラム扱いで紹介されている。

*24 正式タイトルは『超人バロム・1』だが、本書では一貫して中黒なしの表記である。

*25 現在のメディアでは『愛の戦士 レインボーマン』との表記が一般だが、実際の放送と同じタイトルで取り上げられている。

*26 正式タイトルは『ダイヤモンド・アイ』だが、本書では一貫して中黒なしの表記である。

*27 正確には変身ヒーローとはニュアンスが違うが、便宜上、本コーナーでの紹介である。

*28 現在のメディアでは『正義のシンボル コンドールマン』との表記が一般だが、実際の放送と同じタイトルで取り上げられている。

*29 当時、スーパー戦隊シリーズにはカウントされておらず、別枠扱いである。

*30 ゴレンジャー同様、当時、スーパー戦隊シリーズにはカウントされておらず、別枠扱いである。

*31 上巻で紹介済みのジャスピオン、別枠で紹介済みのメタルダー&ジライヤ以外。

*32 正式なタイトルは『電撃!!ストラダ5』である。

*33 本書発売時点では一番最新となる作品だった。

*34 『影の軍団Ⅳ』の改題後が『激闘編』となっているが、正式には『幕末編』である。

*35 RX時に撮影された、1号~RXまでの11人ライダーの並びスチールを掲載。

*36 1号&2号、V3&ライダーマンの双方を紹介のため。

*37 レインボーマン&タイガーセブンのみ。イナズマンの部分をダイヤモンドアイに差し替えての再録となる。

*38 バンキッドのみ。

*39 マシンマン&バイクロッサーのみ。

*40 サイバーコップのみ。

*41 ザボーガーのみ。

*42 解説はカット。

*43 『大事典』下巻では、新規の単独ページで紹介された。

*44 8ちゃん&ペットントンのパートのみ。上述のマシンマン&バイクロッサーとの組み合わせ。

*45 3作品とも解説文をカット。

*46 VHSの『東映怪人大図鑑』で紹介された両作品の怪人は、本書ではスチールが未掲載の怪人がチョイスされている。

*47 黄色の戦士、ドラゴンに変身。なお、本作には黄色の戦士が2名おり、その弟で最年少の少年、純二が、もう一人の黄色で小柄なラビットに変身する。

*48 スーツは#40~52のいわゆる「桜島1号」仕様のもの。

*49 新規パートで追加された戦隊は本作のみであり、巻頭カラーでは、ライブマンの次にいきなり本作の紹介になってしまっている。

*50 表記まま。初版では実写着ぐるみのスチール付きで、その他のアニメシリーズとともにコラム扱いとして紹介された。

*51 旧版でも、その他のウルトラシリーズの劇場映画作品と同時にコラム扱いで紹介されており、同作に登場したオリジナル怪獣のグランドキングもスチール入りで紹介されている。

*52 1996年の東宝作品『七星闘神ガイファード』や、90年代末期から増え始めたハイターゲット向けの作品群に関する記述は一切ない。

*53 グレート&パワードは2P扱い。

*54 女性戦士2人のうちの1人、オーイエローがメインパイロットとなる形態。

*55 赤の戦士。同作の主人公は青の戦士であるブルービートだが、おそらくリーダーらしい色からレッドルを間違えてチョイスしたものと思われる。

*56 ウルトラQは中巻、月光仮面とアイアンキングは下巻に掲載。

*57 ただし、中巻のみ、一部の文章の変更がある。

*58 メダマンの前に再録されたキャプターの隣ページが、初版の本来のページでは『西遊記』シリーズのコラムだったのが、大事典では下巻に再録されているためである。

*59 本来、8ちゃんの前には『ふしぎ犬トントン』が1P紹介後、8ちゃんを3P紹介していたが、当然ながらトントンは東映作品ではない関係から、本シリーズでは下巻に再録されているためである。