'70年代特撮グラフィティ

ジャンル 混載
出版社 朝日ソノラマ
シリーズレーベル 宇宙船別冊
サイズ A4
発売年月 各巻を参照
ポイント マニアックな視点で70年代特撮作品を紹介
豊富なスチールが満載
宇宙船別冊


概要

古くは『スペクトルマン*1』、『帰ってきたウルトラマン』、『仮面ライダー(初代)』の各作品、そして新しくは『仮面ライダー(スカイライダー)』まで、1971~79年の9年間に放映された特撮ヒーロー番組を系統ごとに取り上げた3冊のシリーズ。
ソノラマらしく、他所では見ることのできない貴重なスチールに加え、メインで扱われているヒーロー系の作品*2は放送リストも取り上げられている。
ヒーロー系以外の特撮ドラマおよび、周辺の関連作品についても、紹介は若干軽めだが、可能な限り取り上げられている。
のちに、全3冊を合本した『'70年代特撮ヒーロー全集(以下、全集)』として復刻されており、本項では『全集』についても紹介する。
書名 発売時期 略称 備考
'70年代東映特撮グラフィティ 変身ヒーローアルバム 1986/12 変身 71~73年の東映作品を紹介
'70年代特撮グラフィティ 超人(スーパー)ヒーローアルバム 1987/4 超人 71~73年の東映以外の作品を紹介
'70年代特撮グラフィティ 超人(スーパー)ヒーローアルバム2 1987/6 超人2 74~79年の東映含めた各社全般を紹介
宇宙船SPECIAL '70年代特撮ヒーロー全集 1998/5 全集 上記3冊の合本版
新たに一部記述が追加された反面、東映スパイダーマンが権利関係からカット

各巻の概要


『'70年代東映特撮グラフィティ 変身ヒーローアルバム』

本シリーズ第1弾にして、1971~73年に放送された東映特撮ヒーロー番組9タイトルを取り上げたもの。
そのため、副題として『'70年代東映特撮グラフィティ』が記載されている。
紹介作品が少ないぶん、人気のある作品に関しては、それなりのページ数を割いて取り上げられている。
全体の流れは、カラーページで各作品のスチールを掲載後、モノクロページでメインレギュラーキャストの紹介および、サブタイトルリストを解説する構成となっている。
モノクロページには伴直弥(旧芸名ならびに現芸名:伴大介)、安藤三男*3、南城竜也各氏のインタビューも記載されている。
ヒーローもの、もしくはSF要素のある作品に限られており、少年向け時代劇の『熱血猿飛佐助』、児童向けドラマの『どっこい大作』は未紹介である。
紹介作品は以下の通り(紹介順)。
作品名 備考
仮面ライダー
人造人間キカイダー
キカイダー01
変身忍者 嵐
超人バロム・1
仮面ライダーV3
イナズマン カラーページは無印のみの紹介ながら、サブタイトルリストについては『F』時も記載
ロボット刑事
好き!すき!!魔女先生
これ以外にも、ロボット刑事と魔女先生の間には、1P分のみだが、70年代の各出版物に掲載されたV3・01・Kの3大ヒーローの特写スチールについても掲載されている。

『'70年代特撮グラフィティ 超人(スーパー)ヒーローアルバム』

前書『変身』と対になる構成として、東映以外の71~73年放送の特撮作品にスポットを当てた1冊。
メインで掲載されているのは『トリプルファイター』以外、すべて30分の箱番組のテレビシリーズのみであり、それ以外の作品はカラーページの最後にまとめて紹介される形式になっている(これらの作品については、サブタイトルリストなしの簡素な紹介となる)。
メイン作品については、すべて2P扱いでの紹介となっているが、前書とは異なり、すべての登場人物が紹介されているわけではなく、メジャーなウルトラシリーズの『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』は主人公以外の防衛チーム関連のメンバーのスチールが未掲載となっている。
紹介作品は以下の通り(紹介順)。
作品名 備考
メイン作品
スペクトルマン
帰ってきたウルトラマン
シルバー仮面
ミラーマン
快傑ライオン丸
ウルトラマンA
トリプルファイター 帯番組系としては唯一のメイン扱い
緊急指令10-4・10-10 非変身ヒーロー作品ながら、メイン扱いでの紹介
サンダーマスク
レインボーマン
アイアンキング
ファイヤーマン
魔人ハンターミツルギ 『全集』時には怪獣紹介がカットされ、1Pのみの掲載に変更*4
ジャンボーグA
流星人間ゾーン
ウルトラマンタロウ
風雲ライオン丸
スーパーロボット レッドバロン
ダイヤモンド・アイ
鉄人タイガーセブン
+ その他の紹介作品
以下は個別の項目で紹介されず、特別枠として取り上げられている作品群。
おはよう!こどもショー関連作品*5
レッドマン 3作品を2Pでまとめて紹介
行け!ゴッドマン
行け!グリーンマン
その他の作品
新諸国物語 笛吹童子
恐怖劇場アンバランス
走れ!ケー100
へんしん!ポンポコ玉
クレクレタコラ
魔神ガロン 1971年制作のパイロットフィルム
ワイルド7
白獅子仮面 他作品と抱き合わせの特別枠扱いながら、サブタイトルリストが『ミツルギ』と同時に記載*6
突撃!ヒューマン!! 1P扱いでの紹介*7
また、モノクロページではメイン作品のサブタイトルリストに加え、以下の項目が記載されている。
コーナー名 備考
70年代スーパーヒーローコミックリスト 当時のコミカライズ作品(一部は原作)についての簡素な紹介
70年代ヒーローガレージキットコレクション 87年当時のガレージキットの紹介
70年代特撮・アニメ年表 71~79年の作品年表
70年代特撮映画年表 71~79年の作品年表

『'70年代特撮グラフィティ 超人(スーパー)ヒーローアルバム2』

シリーズ3弾として、74~79年放送の特撮作品にスポットを当てた1冊だが、前書とは異なり、74年以降の東映作品を含めた構成である。
構成はほぼ前書を踏襲しているが、メイン扱いの作品群のうち、2P扱いなのは比較的人気の高い作品に限られ、それ以外は1Pでの紹介となる。
紹介作品は以下の通り(紹介順)。
作品名 ページ数 備考
メイン作品
電人ザボーガー 2P
仮面ライダーX 1P
イナズマンF 1P サブタイトルリストは『変身』で記載済みのため、スチールのみ掲載
ウルトラマンレオ 1P
仮面ライダーアマゾン 1P
スーパーロボット マッハバロン 2P
コンドールマン 1P
仮面ライダーストロンガー 1P
秘密戦隊ゴレンジャー 2P
アクマイザー3 2P
宇宙鉄人キョーダイン 2P
ザ・カゲスター 1P
忍者キャプター 1P
超神ビビューン 1P
円盤戦争バンキッド 1P
バトルホーク 1P
プロレスの星 アステカイザー 1P
快傑ズバット 2P
大鉄人17 2P
ジャッカー電撃隊 2P
小さなスーパーマン ガンバロン 1P
恐竜大戦争アイゼンボーグ 1P
スターウルフ 2P
スパイダーマン*8 2P 権利関係から、スチール関連は本書のみ掲載で、『全集』では実質カット
UFO大戦争 戦え!レッドタイガー 1P
恐竜戦隊コセイドン 1P
宇宙からのメッセージ 銀河大戦 1P
メガロマン 1P
バトルフィーバーJ 1P
仮面ライダー*9 1P
+ その他の紹介作品
以下は個別の項目で紹介されず、特別枠として取り上げられている作品群。
その他の作品
ミラーファイト
行け!牛若小太郎
電撃!ストラダ5
がんばれ!!ロボコン
猿の軍団
冒険ロックバット
ぐるぐるメダマン
巨獣惑星 『ボーンフリー』の前身的作品といえる円谷プロ制作の実写&アニメを合成したパイロットフィルム
円谷立体アニメ
恐竜探検隊ボーンフリー*10
5年3組魔法組
ロボット110番
冒険ファミリー ここは惑星0番地
透明ドリちゃん
西遊記 1978年放映のテレビドラマ
西遊記Ⅱ
科学冒険隊タンサー5
日本沈没 1974年放映のテレビドラマ版
少年探偵団 1975年放映のいわゆる『BD7』版
それゆけ!カッチン
怪人二十面相 1977年放映のテレビドラマ版
コメットさん 1978年放映の大場久美子さん主演版
ふしぎ犬トントン
なお、『闘え!ドラゴン』、『がんばれ!レッドビッキーズ』、『燃えろアタック』など、特撮に近い要素があり、特撮としても扱われる児童向けドラマについては紹介されていない。
また、モノクロページでは『イナズマンF』以外のメイン作品のサブタイトルリストに加え、以下の項目が記載されている。
コーナー名 備考
70年代スーパーヒーロー関連ビデオ一覧 87年当時、東映ビデオから発売された関連ビデオの紹介
70年代ヒーロー関連レコード&書籍 87年当時、各社から発売された関連レコード&ムックの紹介
変身サイボーグ 70年代にタカラ*11から発売された変身フィギュアの紹介

『宇宙船SPECIAL '70年代特撮ヒーロー全集』

上記3冊の発売から約10年を経た1998年に、3冊をまとめて合本復刻したもの。
全体的な内容はほぼ旧版と同一だが、以下の追加点および、変更点がある。
追加&変更点 概要
巻頭カラーページ
70年代当時の時代背景 本書のために新規追加されたもの。
当時の雑誌記事、レコードジャケット、プラモのカタログなどで、改めて時代背景を解説するコーナー。
『超人』部分
『ミツルギ』紹介ページ 『白獅子仮面』を次ページで独立紹介する関係から、1Pのみの紹介に変更され、怪獣紹介がまるごとカットされている。
『白獅子仮面』紹介ページ 『超人』時では、サブタイリストが記載されながら、その他の作品に組み込まれていたが、本書で1P分、正式紹介となっている。
なお、『超人』時で本作が紹介されていたパートでは『ワイルド7』の記述を拡大している。
ガレキ紹介コーナー 全面的にカットされ、代わりに70年代当時の玩具広告・雑誌記事・レコードの紹介パートへと差し替えられている。
『超人2』部分
『スパイダーマン』紹介部分 権利関係から、旧版表紙の再掲載部分*12、本文内表紙部分*13含め、スパイダーマンの紹介されたスチール部分が全面にカットされ、サブタイリストのみの紹介に変更された*14
87年当時の関連グッズ紹介 全面的に除外されたが、代わりとして、70年代の特撮番組に参加した各制作会社と放送局の概要、金田益実氏によるコラムが追加された。
こうした理由から、現在、中古で購入するには『全集』版がお得な構成だが、実質、スパイダーマン目当てならば『超人2』も購入すべきである。
最終更新:2025年09月06日 12:15

*1 正確には『宇宙猿人ゴリ』→『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』→『スペクトルマン』。

*2 非変身ヒーロー作品の『緊急指令10-4・10-10』、『スターウルフ』も含む。

*3 本書発売直後に講談社から発売された『メーキング・オブ・東映ヒーロー』1巻「アクションヒーローの世界」でも、悪役俳優の座談会に参加しているが、確認できる限りでは本書が最後の単独インタビューである。

*4 『白獅子仮面』の扱いが変更されたため。

*5 本書では「おはようこどもショー」表記であったが、『全集』に再録されるにあたり、修正された。

*6 これは『全集』も同様である。

*7 サブタイトルリストは未掲載。

*8 いわゆる東映版。

*9 いわゆる『スカイライダー』版だが、本書ではそのまま表記されている。

*10 正確な表記は『恐竜探険隊』だが、なぜか本書ではこの表記である。

*11 現:タカラトミー

*12 ゴレンジャーのアオレンジャーの隣に写っていたが、スーツの青い部分がそのままトリミングされずに残っている。

*13 やはりビビューンの3超神の並びスチールに差し替えられたが、こちらも跡形が残っている。

*14 モノクロ部分でも、一部キャストの紹介スチールが割愛された。