*モンスター出現テーブル **概要 警報の罠と、アイテム効果「強敵と遭遇」とも絡んでくるため、なかなか把握しづらいシステムになっています。 これを、少しずつ順を追って説明していきます。 たとえば 地下一階:バブリースライム、オーク、コボルド、アンデッドコボルド、ローグ、ブッシュワッカーetc. 地下二階:クリーピングコイン、クリーピングクラッド、ガスクラウド、レベル1メイジ、ハイウェイマンetc. 地下三階:ワーベア、ボーパルバニーetc... こんなゲームを作ってみたいとします。 どの階層にどんなモンスターが出てくるか決めるのは、二つの画面で指定します。 ひとつは、ある場所でどのモンスターがどんな確率で出現するかを決める「エンカウント設定」。いわばチーム編成です。 #ref(01.PNG) この画面で、 「バブリースライム、オーク、コボルド、アンデッドコボルド、ローグ、ブッシュワッカー」 「クリーピングコイン、クリーピングクラッド、ガスクラウド、レベル1メイジ、ハイウェイマン」 などの、階層ごとに出てくるモンスターをまとめていくわけです。 こうして編成されたモンスターたちのチーム名を「エンカウント番号」と言います。 もうひとつは、そのモンスター軍団が迷宮の何階で出現するのかを決める「モンスター出現テーブル」。 地下一階にはエンカウント番号00、地下二階にはエンカウント番号00、などと指定していきます。 #ref(02.PNG) **警報の罠 さて、地下十階まであるダンジョンに、エンカウント番号00から09までを割り振りました。これで完成です。 ……と思いきや、バグが見つかりました。地下十階で警報の罠にひっかかると、バブリースライムしか出てきません。 これはどういうことでしょうか? 実は、警報の罠で登場するモンスターは、エンカウント番号がひとつ大きい数字のチームが出てきます。 地下十階での警報の罠では、エンカウント番号09ではなく、エンカウント番号10のチームが出現します。 この設定をしていなかったために、おかしなことになってしまったのです。 必ず「迷宮の階層+1」のエンカウント番号を作っておきましょう。 **階層別警報設定 だんだん敵が強くなっていくタイプの迷宮は、これまでの説明のとおりに作れば大丈夫です。 今度は、ちょっと趣向を凝らした迷宮での話をします。 地下一階:盗賊の住処。レベル1シーフ、ルーター、ハイウェイマンなどが登場 地下二階:凶暴な動物たちのエリア。ボーパルバニー、ジャイアントトードなどが登場 地下三階:獣人たちのエリア。ワーベア、ワータイガー、ワーウルフなどが登場 地下四階:炎系モンスターのエリア。イフリート、ファイアーエレメンタルなどが登場 地下五階:氷系モンスターたちのエリア。フロストジャイアント、フリージーなどが登場 ……と、階層のイメージを決めて作ってみたとします。 ところがこの迷宮で警報の罠にかかると、盗賊の巣窟に動物たちが現れたり、 炎の床を一面に敷き詰めて雰囲気を盛り上げている炎のフロアに場違いなフロストジャイアントが現れたりします。 これではせっかくの迷宮のイメージが壊れてしまいます。 これは、通常出現用チームと、警報出現用チームを別々に作ることで解決できます。 エンカウント番号00:盗賊たち・通常出現用チーム エンカウント番号01:盗賊たち・警報出現用チーム エンカウント番号02:動物たち・通常出現用チーム エンカウント番号03:動物たち・警報出現用チーム エンカウント番号04:獣人たち・通常出現用チーム エンカウント番号05:獣人たち・警報出現用チーム このように編成していき、 地下一階:エンカウント番号00 (盗賊たち・通常出現用チーム) 地下二階:エンカウント番号02 (動物たち・通常出現用チーム) 地下三階:エンカウント番号04 (獣人たち・通常出現用チーム) と、ひとつずつ数字を飛ばしていけばいいのです。 警報の罠で参照されるのは「次の階層の番号」ではなく、「ひとつ大きい番号」なのです。 また、これを応用して、警報で呼ばれてくるモンスターは強めのものばかり出てくるとか、 警報の罠でしか出てこないモンスターを作る事もできます。 **強敵と遭遇 アイテムの魔法効果「強敵と遭遇」は、エンカウント番号を常に一つ大きいものにする効果があります。警報の罠の場合、さらに一つ大きくなります。 単純にモンスターが強くなっていく迷宮の場合、うっかり忘れていると「最下層&強敵と遭遇&警報の罠」の時にバブリースライムしか出てこない、と言う事が起こります。 階層+2までエンカウント番号を設定しましょう。 **強敵と遭遇が出る凝った迷宮 先ほどの迷宮に「強敵と遭遇」の効果が付いたアイテムを出す事にします。 すると、モンスターの出現場所が少しずつずれていって、警報の罠が発動した時におかしなことになってしまいます。 エンカウント番号00:盗賊たち・通常出現用チーム エンカウント番号01:盗賊たち・警報or強敵と遭遇用チーム エンカウント番号02:盗賊たち・警報&強敵と遭遇用チーム エンカウント番号03:動物たち・通常出現用チーム エンカウント番号04:動物たち・警報or強敵と遭遇用チーム エンカウント番号05:動物たち・警報&強敵と遭遇用チーム エンカウント番号06:獣人たち・通常出現用チーム エンカウント番号07:獣人たち・警報or強敵と遭遇用チーム エンカウント番号08:獣人たち・警報&強敵と遭遇用チーム このように、一階層につき3つのエンカウント番号が必要になってきます。 **ありがちなミス ・同じ階層の中で、ある区域だけは別の玄室モンスターが登場する場合、警報や強敵の遭遇で出現モンスターがおかしくなってしまう ・二つ迷宮を作っていた。第一迷宮の最終階層で警報の罠にかかったら、第二迷宮の最初の階層のモンスターが出てきた こんな事が起きないように、できる限り警報用や警報・強敵用のエンカウント番号も設定しておきましょう。 **あまりにも面倒、理解できない、という場合 「強敵と遭遇」の効果を持ったアイテムを出さず、警報の罠がかかった宝箱を設定しなければいいのです。 こうすれば、今まで読んできたような難しいことは一切考えなくても良くなります。 階層ごとにエンカウント番号をひとつずつ当てていけばいいでしょう。 ----