転職

職業を変えることで、一つの職業だけでは実現できない力を持ったキャラクタを作り出す。
後の多くのRPGにも採用されていった要素だが、ウィザードリィのそれは特殊な事柄が多い。

  • 上級職は、基本職の上位互換では無い。成長が遅いデメリットは重い。
    単純に「必要な能力値に達したから、上のクラスにクラスチェンジ」というゲームでは無い。
  • 転職の際に大きなデメリットを伴う場合がある。
  • 万能キャラクタを作ったとしても、実際にそのスペックをフル活用するかどうかが問題である。
    転職で得た能力が飾りに過ぎないとしたら、デメリットの分だけ丸損と言う事になる。

こうした特徴を踏まえて、しっかりとプランを立てて行わねばならない。

「どう転職するのがいいですか?」
「最強のパーティは何ですか?」
こうした問いへの返事は「五つの試練」には無い。
基本的に習得呪文や最終武器の都合で転職を決めていくのが良い。
そのため、説明が長くなるが順を追って説明を読んでいって欲しい。

基本事項

転職必須の職業

【従来のウィザードリィとの違い】
従来のウィザードリィでは、ロードと忍者は最初に作ることはできず、転職でしか作ることができなかった。
しかし、五つの試練ではキャラクタの作成の際にオプションで「職業優先」を選択すれば、最初からロードや忍者を作成可能。
そのため、転職を経る必要性はほとんど無くなっている。

転職後に引き継がれる能力

転職によって、前職から引き継がれる能力は「それまで覚えていた呪文」だけである。
戦士など前衛職の打撃能力、
僧侶、ビショップ、ロードのディスペル能力、
盗賊、忍者の宝箱の罠を識別・解除する能力、シークレットドアを探知する能力、
ビショップのアイテム鑑定能力、
忍者のクリティカルヒット、非装備時に素手の攻撃力やアーマークラスが強化される能力は、
転職後には残らない。

そのため、転職で作成するキャラクタは
  • 「魔法使い/僧侶から転職した盗賊や忍者」のように、本来呪文を使えない職業でも呪文を使えるキャラクタ
  • 「僧侶から転職した侍」「魔法使いから転職したロード」のように、両系統の呪文を使えるキャラクタ
という形に限られると思っていい。
盗賊から戦士へ、戦士から僧侶へ、といった転職をしても、全くメリットは存在しないのだ。

また、ビショップは呪文修得が極めて遅いため、最初は魔法使いか僧侶で13レベルまで育ててから転職するという方法も良く採られる。

転職後の呪文習得について

系統の全呪文を覚える前に転職した場合、未習得の呪文は、
同じレベルの呪文を一つでも覚えていれば、そのレベルの呪文は以後のレベルアップのタイミングで覚えていってくれる。
しかし、一つも習得していないレベルの呪文は、その後どれだけレベルを上げても覚えてくれない。
このため、魔法職からの転職は全ての呪文を覚える13レベルに達してからがお勧め。

転職の方法1:訓練場での転職

転職をする方法は二つある。訓練場で転職を行うものと、アイテムのスペシャルパワーや呪文で転職するものである。
一般的な方法は前者で、全てのシナリオで実行できるが、デメリットが非常に大きい。

  • レベルは1、経験値は0になる。
  • 能力値は種族の初期値になる。
  • 年齢が5年ほど増える。

いずれも簡単には済まないデメリットである。
13レベルになったら転職するとして、それは戦闘中に「○○は 12も レベルを下げられた!」と同じだと言われたらどう思うか。
呪文を使える盗賊を作ったら、まず宝箱の罠識別成功率を確認してみよう。あまりの低さに愕然とすること間違いなし。
年齢は20歳までは呪文で下げることができるが、だからこそ19歳以下は貴重な存在なのである。
それらのデメリットを受けてまで転職を行うべきなのか? 単に「13レベルになったら転職」で本当に強いキャラクタになるのか?
「全ての呪文を覚えた万能キャラ」が、本当に全ての呪文を活用するパーティ構成なのか?
大きなデメリットがあるからこそ、しっかりと考えて行わねばならない。
14レベル以降はレベルアップに必要な経験値も莫大なものになるため、転職の時期は遅れれば遅れるほど被害が甚大になる。
100レベルにもなったキャラクタを転職させれば「○○は 99も レベルを下げられた!」と同じことである。
強力なアイテムを見つけて、別の職業を試したくなったとしたら、転職ではなく新しいキャラクタを作った方がいいのではないか。

また、転職直後の1レベルの状態でエナジードレインを受けるとロストする。
こうなると完全に取り返しが付かないので、転職直後はしばらく安全な階層でレベルを上げよう。

転職前に何レベルまで育てたかは記録されない。
僧侶で13レベルまで育てる→魔法使いに転職して13レベルまで育てる→また僧侶に転職した場合、僧侶のレベルは1になる。

訓練場での転職後の最大HPについて

転職後に残る要素はもう一つ、キャラクタの最大HPがある。
HP100のキャラクタが転職すれば、「1レベルなのにHP100」というキャラクタができあがる。
この時、しばらくの間はレベルを上げても最大HPは1ずつしか増えて行かない。

これは、ウィザードリィのHP上昇の計算式が
1.レベルアップした時、それまでの最大HPは無視して、新規に最大HPを職業ごとのランダム範囲の中から再設定する
2.再設定された値と、それまでの最大HPを比較して、新しい値の方が大きければその数値に。それまでの値の方が大きければ、それに+1する
というルールになっているため。
そのままレベルを上げ続け、新しい職業での最大HPがそれ以前を上回った時から、再び大きな上昇を見せるようになる。

つまり、「戦士から魔法使いに転職してHPの多い魔法使いを作ろう」と考えても、最終的にはそれは無意味になってしまうのだ。
HP100の戦士から転職しても、「魔法使いとしてレベルを上げたぶんのHP + 戦士として上げたHP100ぶんを加算」では無い。
また、エナジードレインを受けてレベルが低下すると最大HPは低くなったレベルに合わせて再計算されるが、この時も転職前の最大HPは無視され、丸ごと失ってしまう。

転職の方法2:アイテムのスペシャルパワー、呪文での転職

アイテムの中には「忍者に転職」などのスペシャルパワーが付いたものがある。これを使うと転職が可能。
また、シナリオによっては、呪文「プロディジー(イハロン)」の効果が「ランダムに職業を変える」になっている場合がある。(デフォルト設定では「ランダムに性格を変える」)

その特徴は、訓練場での転職と違って、

  • レベルと経験値はそのまま維持される。
  • 能力値もそのまま維持される。
  • 年齢もそのまま。

と、デメリットが全く無い、素晴らしい形で転職ができる。
できればこの形で転職を行いたいものだが、そうしたアイテムが本当に登場するかどうかはシナリオ次第であるため、
未知のシナリオを遊ぶ時には最初からプランに組み込めないのが欠点である。
(シナリオ製作者の方は、シナリオの説明に書いて頂けると非常に有り難いです。「このシナリオには登場しない」でもいいので)

従来のウィザードリィでよく登場したアイテムは、
  • 盗賊の短刀(盗賊→忍者)
  • 蝶のナイフ(盗賊・ビショップ→忍者)
  • 変化の指輪(侍以外の全職業→ロード)
  • 力のコイン(全職業→全職業、ランダムに変化)
  • エクスカリバー(戦士→ロード)
といった品がある。
シリーズ伝統のアイテムを多数登場させているシナリオの場合、これらのアイテムも出る可能性が高い。
特に盗賊の短刀は定番である。必ず出るとは言い切れないが……。

アイテム転職後の経験値について

「レベルと経験値はそのまま維持される」と書いたが、この時、職業によって次のレベルに必要な経験値は大きく違う。
たとえば50レベルの盗賊から忍者になったとしたら、50レベル盗賊ぶんの経験値から忍者が51レベルに上げるためには、途方もない経験値が必要になる。
これはレベルアップに「忍者レベル51に必要な累計経験値」が要求されるのに対し、手持ちが「盗賊レベル50に必要な累計経験値」しかないため差額が膨大になってしまうからである。
しかし、ワザとここでエナジードレインを1レベルぶん受けるかマハマンを唱えると、なんと経験値が激増する。
「盗賊レベル50に必要な累計経験値」と「忍者レベル49に必要な累計経験値」は圧倒的に後者の方が多いからである。

逆に、50レベルの忍者が盗賊になった場合は、50レベル忍者の経験値があれば盗賊としては一気に100レベルくらいまで上げることができる。
自由自在に転職できるアイテムが存在するシナリオでは、この差額を利用して、物凄い速さでレベルを上げることが可能。

もしも商店に「セブンスブーン(マハマン)」が使えるアイテムが売ってあったら、まず間違いなくこの作業を円滑に行うため「わざとレベルを下げる」目的で売られている。
と言う事は、初期状態で商店に在庫が無くても、「後に盗賊の短刀が発見される可能性がある」と推測できるのだ。

アイテム転職後のMPについて

【従来のウィザードリィとの違い】
従来のウィザードリィでは、アイテムによる転職の後は増えた最大MPはそのまま残ったが、
五つの試練では覚えている呪文の個数まで低下してしまう。
全ての呪文を9回使えるのはビショップだけになった。

傾向と対策

従来のウィザードリィや、デフォルト設定に近いシナリオの場合

これまでのウィザードリィでは、転職についてこのような思案が為されてきた。

  • 盗賊は戦闘中にやれる事が少ない(あるいは、全く無い)。そのため魔法使いや僧侶から転職させ、魔法で支援できる盗賊を作ろう。
  • ロードを作るには必ず転職する必要がある。どうせなら魔法使いから転職して、全ての呪文を使えるキャラクタを作ろう。
  • ビショップの呪文修得はあまりにも遅い。魔法使いとして13レベルまで育ててから転職させれば、戦力にもなり、鑑定もできる。
  • 忍者を作るのはあまりにも大変だ。盗賊のレベルを上げて、盗賊の短刀で転職すれば経験値を失わずに済む。
    その際、可能な限りレベルを上げてからにすれば、ドレインを受けた差額で得る経験値も多くなる。
  • 宝箱の罠の「プリーストブラスター」は、僧侶やビショップがやられてしまい、誰も治せなくなる危険な罠だ。
    しかし、僧侶から転職した盗賊や、僧侶から転職した侍はこれを受けない。パーティに一人いれば緊急時も安心だ。
  • 魔法使いや僧侶が呪文を覚えきったら、後はもう成長させても特に何も変わらない。だったらビショップに転職させた方がいい。
  • パーティ全員に全ての呪文を覚えさせてから、前衛は忍者、侍、ロードに、後衛はビショップ3人にしよう。これで最強のパーティだ!

以前ならこれで良かったし、五つの試練でも大きく変更が加わっていないシナリオなら、おおむねこれでいい。
しかし、五つの試練の転職議論はここからが問題なのだ。

五つの試練の各ユーザーシナリオの場合

【従来のウィザードリィとの違い】

まず、先述した従来の方針がどう変わったのかを解説して行く。

  • 盗賊は戦闘中にやれる事が少ない(あるいは、全く無い)
    • 盗賊が後列から弓で攻撃できたり、忍者ばりに前衛で大活躍したり、巻物や薬で支援できたり、盗賊が呪文を覚えられるアイテムが出るので転職しなくても呪文を使えたり、盗賊の戦闘能力はシナリオごとに全然違う。

  • ロードを作るには必ず転職する必要がある。どうせなら魔法使いから転職して、全ての呪文を使えるキャラクタを作ろう。
    • 上述のように、ロードは転職しなくても作れる。ロードが魔法使い呪文を覚えていても、実戦で使う機会はほとんど無く、ただの飾り同然になってしまう。

  • ビショップの呪文修得はあまりにも遅い。魔法使いとして13レベルまで育ててから転職させれば、戦力にもなり、鑑定もできる。
    • ビショップに呪文を覚えさせるアイテムがあったり、宝箱から出るアイテムが多すぎてビショップが即座に鑑定して行かないとゲーム進行に差し障りが出る事があったり、キーアイテムの名前や内容が分からなくていったん街に戻らなければならなくなったり、ビショップが鑑定したアイテムを売った金で強力な巻物を買って戦力にできるようになっていたり、ビショップの戦闘能力はシナリオごとに全然違う。
    • 鑑定に必要なレベルがアイテムそれぞれに設定されたため、13レベル魔法使いから転職直後の1レベルビショップは全然鑑定に成功しない。
      ビショップに転職して、溜まりに溜まった未鑑定アイテムを一斉鑑定開始だ!と意気込んだところでいきなり出鼻をくじかれてしまう。
      侍だけが装備できる鑑定料50万ゴールドの「?武器」や、ロードだけが装備できるヒーリング付きの鑑定料50万ゴールドの「?鎧」が出たのに、転職したため他のみんなよりレベルが低いビショップは「レベルが足りません」と答えるばかり……。こんな事なら最初からビショップとして育てていれば!と叫ぶ事態も起こり得る。

  • 忍者を作るのはあまりにも大変だ。盗賊のレベルを上げて、盗賊の短刀で転職すれば経験値を失わずに済む。
    • 盗賊の短刀が出ないシナリオもある。また、盗賊が強すぎて十分な戦力になるため、忍者が全くいらないシナリオもある。盗賊でも忍者でもどちらでもOKという形だが、だいたい最初は盗賊で始めるので忍者は出番が無くなる……。

  • 宝箱の罠の「プリーストブラスター」は、僧侶やビショップがやられてしまい、誰も治せなくなる危険な罠だ。
    しかし、僧侶から転職した盗賊や、僧侶から転職した侍はこれを受けない。パーティに一人いれば緊急時も安心だ。
    • 宝箱の罠は「スペルブラスター」が新たに加わり、こちらがデフォルト設定なのでプリーストブラスターの出番は少ない。これは呪文を覚えたキャラクタ全員が対象なので、僧侶から転職した盗賊もやられてしまう。詳しくは罠効果のページを参照。
    • プリーストブラスター、メイジブラスターも存続してはおり、採用しているシナリオも存在する。その場合、「僧侶から転職した盗賊」は有効だ。

  • 魔法使いや僧侶が呪文を覚えきったら、後はもう成長させても特に何も変わらない。だったらビショップに転職させた方がいい。
    • 魔法使いだけが装備できる強力な魔法の杖や、僧侶だけが装備できる強力なメイスが登場するシナリオもある。魔法使いや僧侶はそれぞれの系統の専門家、ビショップは両方できて鑑定もできるが最強にはならないという位置付けだ。そうしたシナリオでは、無目的にビショップに転職させるとせっかくのアイテムが使えなくなる。
    • 状態変化呪文(スリープ/カティノや、プリズミックミサイル/マウジウツなど)の成功確率や、マジックスクリーン(コルツ)の性能はレベルが高くなるほど強力になる。つまり魔法使いが呪文を覚えきってもレベルを上げる意義はあるし、成長の早い魔法使いの方がビショップよりも呪文の利きは良くなる。

  • パーティ全員に全ての呪文を覚えさせてから、前衛は忍者、侍、ロードに、後衛はビショップ3人にしよう。これで最強のパーティだ!
    • スペルブラスターで一瞬にして全滅する。少なくともパーティに一人は、呪文を全く使えない者がいた方が安全だ。
    • 上級職が戦士より強いとは限らない。なんとなく「侍は村正があるから最終的に攻撃力最強」とイメージしがちだが、実際に村正が出るかどうかはシナリオ次第なのだ。実は戦士のロングソード+5の方が村正より強く、しかも防具も戦士の方が圧倒的に強いため、侍は泣くしかなかったというシナリオだって過去に存在した……。
      とにかく、どんなパーティが最強なのかはシナリオごとに全部違う。

このように、従来のウィザードリィの特徴は、基本はそのまま受け継いでいながら、実際には全部覆されている。

だから「どうすればいいですか?」と聞かれて従来の知識で答えると、正しいはずなのに間違っているという事が起きる。
「狂王の試練場」の攻略法は、「ウィザードリィ」全ての攻略法では無かったのだ。

その問いへの答えは、全て「シナリオによって違う」としか言えない。

各シナリオへの傾向と対策

まず完璧な答えを得るためには、一度シナリオをクリアしたり、攻略サイトを見たりして、そのシナリオにどんなアイテムが出るのを把握しなければならない。
例えば、侍には村正があり、忍者は手裏剣があるが悪専用で、ロードは君主の聖衣を装備すれば悪魔系に2倍ダメージが出せて、戦士はカシナートの剣どまり……
そうした情報が無くては「どうしたらいいですか?」の答えなど出ない。

つまり、初見でのプレイは、どうしても一発で完全な最強パーティなどできない。
複数のパーティを運用するように、最強の武器防具を6人パーティでは使い切れないように多数用意しているシナリオもある。
8種類の職業で6人のパーティなのだから、それは「どの職業でも強くなるように作った」だけで6人パーティのぶんを超えてしまうのだ。
(そうしたシナリオであれば、どんな組み方をしてもきちんとクリアできるし、優秀な装備を楽しむ事ができるはずだ。最も理想的なゲームと言える)

多くのシナリオに通じる傾向と対策は以下のようになるだろうか。
  • レベルを上げることで打撃攻撃の命中率や、状態変化呪文の成功率が上がる以上、レベルを上げれば上げるほど強くなる。
    それはつまり、訓練場での転職をすればするほど不利にしかならないという事である。
    絶対に行わねばならない予定があるものでない限り、訓練場で転職はしない方がいい。ロードも忍者も転職せずに作れるのだ。
  • 「そのシナリオが想定しているレベル帯はどのくらいなのか?」というのも重要なポイントになってくる。
    10~13レベル程度で終わる短編シナリオであれば転職や最初から上級職の旨みが活かし辛いし、クリアレベルが高くなってくれば基本職1→13レベルの累積経験値は上級職14以降の2レベル分にも満たないので上述の転職デメリットは相対的に薄くなる。
    更なる高レベルシナリオの場合、今度はレベル差の開きが無視できなくなり、戦士が45レベル(攻撃回数10カンスト)に到達する頃ロードや侍は33レベル前後しかないので僧侶→戦士といった基本職転職も視野に入る、といった具合。
  • シナリオを始めたらまず最初に商店の品揃えを見て、シナリオの傾向を把握する。
    二刀流はできるか。できるなら、戦士や盗賊でもできるか、侍や忍者だけではないか。
    侍が装備できる防具は戦士と同一か、それとも独立しているか。戦士と比べて極端に弱くは無いか。
    魔法使いやビショップが使う杖やローブに特殊効果が付いているか。知恵を上げたり、呪文のダメージを上げたり、「敵の呪文抵抗を半減」が無いか。
    そうした特徴付けをしているシナリオは、商店を見れば後の傾向が推測できるように作られている。
  • 転職アイテムがあれば素晴らしいが、それは必ずあるとは限らない。
    しかし、無いと思っていたら出たという事も割とあるので悩ましい。特に訓練場で転職した後に見つけた時の嘆きたるや壮絶なものがある。
  • 13レベル以降になって、そのまま何のテコ入れもされていないと一番困るのが僧侶。
    「前衛職に転職」「魔法使いかビショップに転職」「転職せずに進める」の三択だが、どれが正解かはクリア後にしか分からない。
    なのでシナリオ製作者の方は転職アイテムが出るのか出ないのか事前に説明が欲しいです。本当に、切実に。
  • パーティのうち何人かは男女を分けた方がいい。ダンジョンに「特定の性別限定で通れる扉」があるかも知れないからだ。
    また、女性だけが装備できる強力なアイテムが出るシナリオもあり、そういうシナリオなら全員女性という手もある。
    女性優遇のシナリオはあるが、女性が不遇なシナリオはほとんど見かけない。
    ごく稀に「女性はプレートメイルを装備できない」というシナリオがあるが、その場合女性のロードは聖なる鎧を装備できないという最悪の事態が有り得る。君主の聖衣であれば助かるが……。
  • 歴代シリーズで人気のアイテムが出る可能性を当て込んで、それに備えておくという手もある。
    戦士:金剛の戦斧(ドワーフ限定)
    魔法使い:木霊の弓(エルフ限定)
    僧侶:大地のフレイル(ノーム限定)
    盗賊:アイシングダガー(ホビットホブ限定)、盗賊の短刀(忍者に転職可能)
    侍:村正
    ロード:君主の聖衣/聖なる鎧、オーディンソード、エクスカリバー、ベイキングブレード(人間限定)
    忍者:手裏剣、蝶のナイフ
    と言ったものが挙げられる。
    例えば、「ドワーフは力と信仰心が高いのでロードに向いている」と転職させた後に、ドワーフ戦士専用(ロードは装備できない)の金剛の戦斧が出るかも知れないのだ。
  • 仮に転職アイテムや職・種族限定アイテムが出ることが分かっていたとしても「それが攻略時期のいつ頃に出るのか」次第であるという点は注意が必要である。
    最終装備が有利でも、それがエクストラダンジョンのやりこみで集めるような想定であれば攻略途中の最適解とはほど遠かったということがままあるのだ。

具体例:旅人の財産
  • 最強の武器は侍の村正。しかし、二刀流の補助武器の国光はかなり威力は落ちる。
  • 戦士は最初のうちは補助武器が無く、剣と盾で戦うスタイル。ただし最終的に「サイクロンブレード」「銀の刃」といった補助武器が現れ、その攻撃力は侍の国光を大きく上回る。最終的に二刀流の使い手として、侍は戦士に追い抜かれてしまう。
  • 戦士の最強武器「フューリーブレード」の威力は村正に劣らず、しかも強敵が多い悪魔系に2倍ダメージがある。ロードはこの武器を装備できない。
  • ロードには聖なる鎧があるが、戦士の装備でも悪魔系・不死系・獣人系に2倍ダメージが出せる。これ酷くない?
  • 以上により、侍とロードは捨てる。打撃職は全員戦士。フューリーブレードを装備するため種族は人間。途中で手に入る死の大鉈とサイクロンブレードを装備するため性格は中立か悪。
  • 鎧は戦士・ロードの女性専用アイテム「シェルプレート」が麻痺と石化を防げて便利。戦士の性別は女性に。
  • 盗賊はホビットホブ専用のアイシングダガーの二刀流が物凄く強い。前衛で堂々とやっていける威力を持つ。
    ホブ以外でも森の精の弓とカメレオンスーツ、忍者は死の大鉈とサイクロンブレードの二刀流でどちらも優秀。趣味で選んでいいし、盗賊の短刀が出るので転職も可能。
  • 全職業に優秀な女性限定アイテム「フローラのリース」があるので、全員女性に。男性のための装備は無い。
  • 魔法使い以外が装備できる小手「ホビットの小手ホブの小手」があるので、人間にする戦士以外は全員ホビットホブ。戦士はシェルプレートで石化を防げる。
  • 魔法使いを僧侶に、僧侶を魔法使いに転職させるアイテム「拝火の書」が出るため、魔法使いや僧侶は無理に転職する必要は無い。いずれレベルをそのままで全ての呪文を習得できる。

……と言った事がアイテムリストから分かってくる。
これにより、転職計画は「魔法使いや僧侶は、アイテム転職まで待つ」「盗賊から忍者へは、アイテム転職まで待つ。転職せずに最後まで戦い抜くことも可能」「前衛は侍やロードに転職する必要は無く、戦士で最後まで行ける」となる。
村正や聖なる鎧が出るからと言って、侍やロードが最強の前衛職になるとは限らない。
公式シナリオの最初に置かれたシナリオでありながら、「旅人の財産」は従来の攻略法が最適解では無い事を教えてくれているのだ。


最終更新:2024年06月22日 10:03