能力値
「能力値」という言葉で解説しているが、正式な用語は「特性値」である。
設定
能力値の初期値と成長上限はシナリオごとに個別の設定が可能。
能力値の初期値は最大19までで、種族・性別ごとに自由に決められる。
たとえば人間の初期能力は全て8であるとか、力8知恵8信仰心5生命力8素早さ8運の良さ9であるとか。
男性は「力+1」で、女性は「生命力+1」という性別による差を作る事もできるし、逆にそれを無くす事も可能。
成長上限は
- 通常のレベルアップによる成長(設定可能な範囲:+10~+19、デフォルト:+15)
- 呪文(プロデイジー/イハロン)を使用した時の上限(設定可能な範囲:+10~+99、デフォルト:+17)
- SPを使用した時の上限(設定可能な範囲:+10~+19、デフォルト:+17) ※宝箱の罠「女神の口づけ」はこれと同じになる模様
の3種類を設定可能。
FC版Wiz3(KOD)やSFC版#5に近いシステム。
また、「初期能力は各種族で異なるが、最終的には全種族オール18」という設定も可能。
能力値の下限は、レベルアップ時の能力低下では2、アイテムのスペシャルパワーでの低下では3。
生命力3以下でレベルアップすると老衰でロストするが、
「アイテムのスペシャルパワーで生命力3になった瞬間」や、
「生命力3のキャラクターが宿で寝たがレベルアップはしない」、
「生命力以外の能力が3以下になる」という条件ではロストはしない。
参考までに、戦闘の監獄、並びに、五つの試練でのデフォルトの能力値は次の通り。
「監獄セット」ボタンを押すと、この設定になる。
差がある部分は左側:男性、右側:女性の数値。男性は力に+1、女性は生命力に+1される。
|
人間 |
エルフ |
ドワーフ |
ノーム |
ホブ |
力 |
9/8 |
8/7 |
11/10 |
8/7 |
6/5 |
知恵 |
8 |
10 |
7 |
7 |
7 |
信仰心 |
5 |
10 |
10 |
10 |
7 |
生命力 |
8/9 |
6/7 |
10/11 |
8/9 |
6/7 |
素早さ |
8 |
9 |
5 |
10 |
10 |
運の強さ |
9 |
6 |
6 |
7 |
15 |
- 【Tips:成長上限を「+10/+15」に変更した場合の影響】
五つの試練では、デフォルトの「+15/+17」を元にして呪文の修得率などが決定されている。
この為、過去作に多い「+10/+15」の設定に変更すると、その分、呪文の修得率などが低下する事になるので、シナリオ作成の際は注意が必要。その影響を以下に列挙する。- キャラクタの作成の際に、呪文を覚えている数は従来のウィザードリィでは知恵や信仰心が12と18で増えて行くが、五つの試練では14、17、22、26で増える。能力値の上限が基本値+10になっていると、知恵22には誰も届かなくなる。また、「人間の僧侶が上限15なので17に届かない」という事が起きる。
- 打撃攻撃の際に力が高いと命中確率とダメージにボーナスが入るが、従来では16以上だったのが五つの試練では18以上になっている。このため、能力値の上限が基本値+10になっていると、エルフ、ノーム、ホビットは最大でも18には届かず、力の能力値がほぼ無意味になってしまう。
- ドワーフの素早さが基本値+15なら20まで伸びるところが、基本値+10では15までしか伸びず、モンスターよりも行動が遅れる事が起きてくる。
逆に言うと、基本値+15のシナリオではドワーフに欠点が全く無くなるので、それはそれで問題がある。
- デフォルトの設定では忍者になるために必要な能力値はオール18だが、基本値+10では全ての種族でオール18には届かず、訓練場の転職では忍者になることが不可能になってしまう。
また、転生で他のシナリオから忍者を連れてくると、その能力値はオール18になるため種族の上限を突破したキャラクターを作れてしまう。
このため能力値+10のシナリオでは、忍者の就業条件を下げておく必要がある。
説明
前述のとおりシナリオごとに事情は異なるが、ここでは便宜上初期能力は#1と同じとして考える。
力
- 打撃攻撃の命中率が上がる。
力が18以上の時、[力-17]ごとに4.55%ずつ上昇。詳しくはTipsの「命中判定」を。
武器などに付いている「力+a」の効果はそのまま命中ボーナスに影響する。つまり力20のキャラと、力15+5のキャラの命中率は後者が強い。
ちなみに4以下の時、[力-5]ぶんだけ悪化。あまり気にしなくていいだろう。ホビット盗賊がレベルアップで能力低下した時ぐらいか。
- 打撃攻撃のダメージが大きくなる。
力が18以上の時、[力-17]ごとに1ずつ上昇。10回ヒットなら10点の差が生まれる。
武器などに付いている「力+a」の効果は命中率の上昇だけで、ダメージは変化しない。つまり力20のキャラと、力15+5のキャラのダメージは前者が強い。- 変化が現れるのは力18以上で、力5~17は全く変化がない。前衛はなるべく力18以上にしよう。
- 能力値+10までのシナリオで、力が17までしか上がらないエルフ・ノーム・ホビットの前衛は
戦士になったばかりの力11から種族最上限の力17まで、力の成長が完全に無意味になってしまう。
(命中率そのものは力の成長とは別にレベルアップによって向上するので、完全に無力ではない)
五つの試練のデフォルトは+15であり、ドワーフは25、ホビットは20まで伸びることが前提なのだろう。
- 命中率については、レベルが上がり続ければ「シナリオに登場する全てのモンスターに対してほぼ確実に10回ヒットする」という状態になるが、
ダメージの差は無くならないので、前衛の力は単純に強ければ強いほど良い。要するにドワーフが最強だ。
- ドワーフが最強ではあるが、命中率もダメージも、武器の性能次第で簡単に調整できる。
たとえばエルフ専用の最強武器があるのなら、ドワーフより命中率が高く破壊力があるエルフの戦士が誕生する。
- 打撃攻撃をしないキャラクターにとっては無縁な能力値。
知恵
- 初期に覚えている魔法使い系呪文の数が多くなる。
14、17、22、26が分岐点。能力値+10が限度のシナリオでは、知恵17には誰でも届き、22には誰も届かない。
能力値+15が限度のシナリオでは、知恵22には誰でも届き、26にはエルフでもぎりぎり届かない。知恵の高さが持ち味のエルフ涙目である。
- レベルアップした時、魔法使い系呪文を覚えやすくなる。
「レベルは上がったものの重要な呪文を覚えなかった」では悲劇である。
シナリオ進行上必須になる呪文も存在するので無視できない要素。
必要になる数値はシナリオによって違い、そのシナリオでの上限に達した数値が呪文修得率100%となる。
そのため、同じ「知力20」でも能力値+10のシナリオなら確実に全ての呪文を覚えてくれるが、能力値が+17まで伸びるシナリオでは修得率100%では無い。
言い換えれば、上限が高いシナリオほど呪文修得率は悪いという事になる。
- 「魔法ボーナスあり」のシナリオでは、攻撃呪文のダメージが大きくなる。
知恵12が標準で、13以上はダメージ1点ずつ大きくなる。15d10+10はあまり変わらないが、1d8+8は大違い。
ファイア(メリト)、サンダー(モリト)など基本のダメージが小さい呪文は知恵によって大きな差が出る。
逆に、知恵12を分岐点にダメージ低下もする。たとえば知恵7の盗賊や僧侶がファイア(メリト)の巻物を使った時、ダメージは1d8-5。これでは役に立たない。
後衛の僧侶が呪文を使ったり巻物で支援するシナリオでは注意。
僧侶呪文であっても、ダメージ増加に影響するのは知恵。信仰心でダメージは増加しない。
- 「魔法ボーナスあり」ではないシナリオでは強化されないが、該当するシナリオは少ない。
- 呪文を覚えきった後の影響は少ないが、シナリオ開始時点ではとても重要。
- 呪文を使わないキャラクターにとっては無縁な能力値。
意外にも影響しない要素
- ビショップのアイテム鑑定の成功確率には影響しない。
- 睡眠など状態変化呪文の成功確率には影響しない。
信仰心
- 初期に覚えている僧侶系呪文の数が多くなる。
14、17、22、26が分岐点。能力値+10が限度のシナリオでは、人間以外は信仰心17に届く。選択の幅は広い。
- レベルアップした時、僧侶系呪文を覚えやすくなる。
「レベルは上がったものの重要な呪文を覚えなかった」では悲劇である。
シナリオ進行上必須になる呪文も存在するので無視できない要素。
必要になる数値はシナリオによって違い、そのシナリオでの上限に達した数値が呪文修得率100%となる。
そのため、同じ「信仰心20」でも能力値+10のシナリオなら確実に全ての呪文を覚えてくれるが、能力値が+17まで伸びるシナリオでは修得率100%では無い。
言い換えれば、上限が高いシナリオほど呪文修得率は悪いという事になる。
- 「魔法ボーナスあり」のシナリオでは、敵が使ってきた攻撃呪文の被害が大きくなる。
信仰心14が標準で、13以下は被害が1点ずつ大きくなる。信仰心5のキャラがスパーク(ハリト)を食らったら1d8+9のダメージを受ける。おそらく即死だ。
シナリオ初期に信仰心14に達するにはボーナスポイントが多く必要で、なかなかできる事ではない。地下1階のレベル1メイジは脅威だ。
- 信仰心が15以上あっても呪文ダメージを軽減する事はできない。
つまり、信仰心+15とか、信仰心+95というアイテムを気前よく出してもゲームバランスは崩壊しない。知恵はそうではない。
- 呪文を覚えきった後の影響は少ないが、シナリオ開始時点ではとても重要。
- 全てのキャラクターに影響がある能力値。
僧侶呪文を使わないキャラクターにとっても、呪文ダメージの被害を悪化させないという役割がある。
意外にも影響しない要素
- ディスペルの成功確率には影響しない。
- 死者蘇生呪文の成功確率には影響しない。
- 僧侶系攻撃呪文を使用した際のダメージ増加には影響しない。
- HP回復呪文を使用した際の回復量には影響しない。
生命力
- レベルアップした時、HPの上昇が大きくなる。
生命力6~13が基準で、14以上は2上がるごとにHPが12.5%増加する。最大は22でHPは162.5%。5以下は悪化する。詳しくはTipsの「HP計算」を参照。
- レベルアップした時、3になると老衰死する。(従来作では2でロストだったが、本作では3でロストするのを確認済)
アイテムの効果で「生命力-20」というものを作り、合計して生命力が3以下になった場合は老衰しない。
逆に生命力3になるキャラクターを「生命力+20」の効果で救う事はできない。
この場合、スペシャルパワーの「生命力+1」なら救う事ができる。
- 初期能力値がドワーフ10ホビット6である時、能力上限が+17のシナリオではどちらも生命力22に達する。
この場合、ドワーフとホビットのHP格差が最終的に消滅する。
最終的にもドワーフの優位性を維持したい場合は能力上限を+10や+15にしておくこと。
ただ、力によるダメージの優位性はまた別に残るが。
- 死亡・灰からの蘇生の成功確率に影響する。冒険者の呪文、城の寺院のどちらも。
過去の検証で、寺院での蘇生は生命力14~16ほどあれば絶対失敗しないらしいという結果が出ている。
冒険者の呪文による蘇生の場合、どんなに生命力を上げても成功確率100%にはならないようだ。
(従来作では、寺院では生命力17以上で絶対成功、冒険者の呪文は生命力18でも失敗の可能性あり)
生命力低下や年齢増加のデメリットも無く、今作の寺院は物凄く優秀。
- 全てのキャラクターに影響がある能力値。特に、基本のHPが低い魔法使いや忍者は重要である。
意外にも影響しない要素
- 敵からの毒攻撃や麻痺攻撃やクリティカルヒットなどへの抵抗成功確率には影響しない。
素早さ
- 戦闘時の行動順が先になる。シナリオが製作されたエディタのバージョンによって挙動が大きく異なるため、注意を要する。
- 【ver19T以前のエディタで作られたシナリオの場合】
変化が現れるのは全種族の最低値よりも下・最高値よりも上の場合になってから。
たとえば初期はドワーフ5ホビット10で、能力値が+15の場合、素早さ5から25までは全く変化しない。
素早さ増減アイテムによるバランス調整の思案のしどころである。
- もしも行動順に関して何の調整もしなければ、力と生命力が強く素早さが弱いドワーフのデメリットが全く無くなり、
その逆のホビットが何の取り柄もなくなってしまう。
シナリオ製作の際には種族専用アイテムなどでのバランス調整も考慮に入れよう。
- ユーザーシナリオでは、ユーザーシナリオのページで「2006年版本体ver19T/新エディタ対応」の欄よりも上にあるものが該当する。
公式シナリオは全てが該当。
- 【ver19T以降のエディタで作られたシナリオの場合】
素早さ14くらいから変化が現れる。そのため、シナリオによっては同じ数字でも全く意味が違ってくる。
- 宝箱の罠の識別成功確率が向上する。
素早さと運の良さの平均×職業補正。盗賊は6、忍者は4、その他は1。
「盗賊は95%、忍者は72%」という構図は、人間で能力上限+10の場合(素早さ18運の良さ19)に該当する。
ホビットで能力上限+15の場合(素早さ25運の良さ30)は、忍者でも確率95%に達する。
- 宝箱の罠の解除に失敗した時、罠が発動せず「罠は外せなかった」になる可能性が高くなる。
- 全てのキャラクターに影響がある能力値……のはずだが、SPやアイテムで上限越えができるシナリオでなければ
(宝箱担当以外は)無視しても構わない能力になってしまう。
ver19T以降の場合、間違いなく全てのキャラクターに影響がある能力値である。
意外にも影響しない要素
- 打撃攻撃の命中確率には影響しない。
- アーマークラス(回避力)には影響しない。
- 奇襲をしたり、されたりする確率には影響しない。
- 逃走成功確率には影響しない。
- 宝箱の罠の解除成功確率は影響しない。レベルと職業補正(盗賊か忍者であるか、他の職業か)が影響する。
- 宝箱の罠の識別を間違えていた(正しくない罠を選択した)場合は確実に罠が発動する。
運の良さ
- 宝箱の罠の識別成功確率が向上する。
このため、エルフやノームの盗賊は昔よりも不利になった。
- 宝箱の罠の解除に失敗した時、罠が発動せず「罠は外せなかった」になる可能性が高くなる。
- 宝箱を「開ける」を選んだ時にランダムで罠が発動せず「罠はかかっていなかった」事になるが、その確率が高くなる。
- ブレスの被害を半減する確率が高くなる。あくまで確率なので、まともに喰らう場合もある。「割合でダメージ減少」では無い。
- 運が悪いと、迷宮内のピット(落とし穴、炎の床)のダメージが倍増される。
30点固定ダメージの床を作ったはずが、60点食らうことも。
- 全てのキャラクターに影響がある能力値。
意外にも影響しない要素
- ブレスとは違い、呪文のダメージを確率で半減する事は無い。
- 奇襲をしたり、されたりする確率には影響しない。
- 逃走成功確率には影響しない。
- 使うとランダムで壊れるアイテムが壊れずに残ってくれる確率には影響しない。
- 宝箱からアイテムが出たり、出た物がレアアイテムであるかどうかの確率には影響しない。
- 宝箱の罠の識別を間違えていた(正しくない罠を選択した)場合は確実に罠が発動する。
最終更新:2025年01月29日 20:51