パーティ

迷宮に赴く冒険者一行を「パーティ」と呼ぶ。

冒険者たちはそれぞれ善・悪・中立の性格があり、善と悪で対立する者は酒場でパーティを組む事ができない。
中立の者は、善のパーティにも悪のパーティにも参加する事ができる。
(迷宮内で「仲間を探す」コマンドでパーティに入れる事で、善悪混成パーティを組む事はできる)

パーティは最大6人で編成され、先頭から3人目までが前衛、4人目から6人目までが後衛となる。
この前衛と後衛について解説してから、具体的なパーティの例を紹介する。

前衛と後衛

前衛は敵と打撃戦闘を行う。
後衛は敵に打撃攻撃をする事はできないが、敵からの打撃攻撃も届かない安全な位置。
これが基本となる考え方である。

しかし例外がある。
冒険者が中距離射程、遠距離射程の武器を装備していればより遠くの敵に攻撃できたり、後衛にいる者が打撃攻撃ができる。
また、敵が「後列攻撃」の能力を持っていると後衛にも攻撃が届いてしまう。
(この射程距離に関するルールを採用しないシナリオもある。それらのシナリオでは、前段の基本形がそのまま前衛・後衛のルールとなる)


これが戦闘画面。冒険者6人、召喚モンスター1グループ、敵6グループが戦闘に参加する最大の数。
冒険者も敵も縦一列に並んでいるように見えるが、実際には以下のように位置している。
短距離射程の武器を装備している時は、味方前衛は敵前列(1グループ目と2グループ目)に攻撃できる。後衛からは攻撃できない。
しかし中距離、遠距離射程の武器があれば、一段遠くの敵を攻撃できるようになり、たとえば後衛から敵前列を攻撃できるようになる。

最後列
敵5グループ目   敵6グループ目

後列
敵3グループ目   敵4グループ目

前列
敵1グループ目   敵2グループ目
味方
前衛
冒険者1人目 冒険者2人目 冒険者3人目 召喚モンスター
味方
後衛
冒険者4人目 冒険者5人目 冒険者6人目

前衛の者がHPが0になり死亡、呪文で睡眠状態になる等で倒されると、その者はパーティの最後尾に移され、隊列順に繰り上がる。
つまり後衛の者が前衛に出されてしまう。
この時、隊列変更は縦一列であるかのように動く。上の表で言えば、「2人目が倒されたので5人目と位置交代」とはならない。
2人目が倒されると、前衛は「1人目、3人目、4人目」になり、後衛は「5人目、6人目」となる。

後衛の者は普段はアーマークラス(回避力)が悪い場合が多い。このため、前衛が倒されて後衛の者が引きずり出されるのは非常に危険である。
また、前衛の者が倒れた時の用心のために、後衛でも4番目に位置する者はある程度の防具を身に着けておいた方が良い。

TIPS 前衛の順番について

後衛の順番は「前衛の者が倒れた時に、前衛に押し出される優先順位」という意味があるが、
前衛については順番に意味は無い。

過去の機種には「敵が二匹いる時の攻撃対象選択の関係上、先頭は攻撃力が最も低い者、二番手が攻撃力が最も高い者が良い」という場合があったが、
五つの試練では攻撃対象選択はランダムになったので、必ずしもそうする必要は無くなった。
また、敵から攻撃を受ける確率も前衛の三人はそれぞれ均等であり、防御性能に秀でた順に並べる必要も無い。

ただし、「行動順の判定が同値であった場合は隊列順に行動する」という仕様があるため、
素早さによる行動順修正が大きくなったverのシナリオ(現行ではほぼ全て)において、パーティーが充分に育ってきた場合は意味が出てくる。
全員の素早さが20を超えるくらいになると行動順が固定になるので、
敵を一撃で倒せる攻撃力を持つキャラや、魔法を先行させたいキャラを先頭にするといった工夫の余地が出る。

前衛職と後衛職

各職業のうち、戦士、侍、ロードは攻撃のために優秀な武器と、戦線を支えるために優秀な防具が用意されているシナリオが多い。
忍者も攻撃力と回避力を兼ね備えているという事になっているがシナリオによっては防御面が心許ない場合もある。
この四職業が前衛に立つのに向いている「前衛職」と呼ばれる。

僧侶はHPが高めで、防具も優秀な事が多く、侍や忍者より硬い場合もある。
前衛に立つ事ができなくもない防御力だが、打撃攻撃力については前衛職には及ばない。
五つの試練では何故か僧侶の初期攻撃回数が2になっているので、序盤に限定すればそれなり。

盗賊はHPが低めで、防具も軽い物しか装備できない事が多い。
しかし、シナリオによっては前衛を務める事ができる強力な武具や、後列から攻撃できる優秀な武器が用意されている事もある。
必要経験値が全職で最も低いため高レベルシナリオでは逆にHPが高い方になる。
総じてシナリオによる強弱が激しい。

魔法使いとビショップはHP、防具、武器のどれを取っても前衛向きでは無い。
ビショップは希に僧侶並の防具が用意されている場合もあるが、全てのシナリオでそれを期待するべきでは無い。

これら僧侶・盗賊・魔法使い・ビショップの四職業が「後衛職」と呼ばれる。


パーティの例

基本形A 前衛職三人型

移動時
隊列
戦闘時
隊列
戦士
戦士
戦士
僧侶
盗賊
魔法使い
前衛 戦士 戦士 戦士
後衛 僧侶 盗賊 魔法使い
代表的なパーティの組み方のひとつで、前衛を戦士たちが固めた防御の厚い形である。
五つの試練には「味方への攻撃を代わりに受ける」「前衛全体を一人で守る」といった行動は存在しないので、
前衛に立つ者は全員が自分の身を守れなければならない。
攻撃全振り・防御は紙という者は前衛に立つべきでは無いのだ。

このパーティの欠点は、呪文攻撃が手薄になっている事が挙げられる。
魔法使いが一人だけではあまりに多量の敵に対処しきれず、
また敵の呪文攻撃はパーティ全員が対象となるため、前衛の守りだけでは防ぎきれないのである。
守りを固めるよりも、速攻で敵を全滅させる方が結果的に被害を減らす事に繋がる。

また、シナリオに大きく左右されるが、装備品の職制限が厳しいシナリオの場合、
前衛職が全員同じ戦士(か装備の傾向が似通っているロード)だと入手アイテムに無駄が発生してしまう。
序盤から侍や忍者限定の刀や手裏剣、武者鎧や忍者装束が出てくるシナリオが典型例である。

基本形B 魔法使い二人型

移動時
隊列
戦闘時
隊列
戦士
戦士
僧侶
盗賊
魔法使い
魔法使い
前衛 戦士 戦士 僧侶
後衛 盗賊 魔法使い 魔法使い
代表的なパーティの組み方のひとつで、魔法使いを二人入れて攻撃力を高めたもの。
前衛にはアーマークラスが比較的良い僧侶が上がるが、これは守備を期待しての事で、僧侶の打撃攻撃は主戦力では無い。

このパーティの欠点は、魔法使い二人による攻撃力と引き換えに、唯一の回復要員である僧侶が危険な前衛に身を晒している事だ。
これでは僧侶が真っ先に倒れたら、後は誰も回復ができなくなる。
その事を嫌って、3人目には盗賊を出すという組み方もある。
しかし、盗賊に前衛が務まるかどうかは、そのシナリオに用意された防具次第だろう。
盗賊を忍者に転職させる事も考えた方が良いかもしれない。

上級職入りパーティの例1 基本形A+上級職

移動時
隊列
戦闘時
隊列
戦士

ロード
僧侶
盗賊
魔法使い
前衛 戦士 侍 ロード
後衛 僧侶 盗賊 魔法使い
前衛職三人型パーティの戦士を、侍とロードに置き換えた例。
キャラクタの作成でいきなり上級職を作るのは、非常に多くのボーナスポイントを求められるが、
五つの試練では処理が高速なので思ったより早く作る事が可能。
また、オプションで「職業優先」を選べばロードも確実に選択可能だ。
最終的に転職させる予定でいるなら、最初から選んでおいた方が転職によるデメリットを受けずに済む。

侍を入れる理由は主に二つある。
ひとつは、最強の武器「村正」を代表とする侍用の武器防具が設定されているシナリオが大多数であり、
侍を入れておかないとせっかくの専用アイテムが丸ごと使えなくなってしまうこと。
もうひとつは、迷宮内でパーティの位置を示す「ウィザードアイ(デュマピック)」の呪文が使えること。
他の魔法使い系呪文を使う機会は多くないが、敵全体を攻撃できる「サンダー(モリト)」が役に立つ事もある。

ロードは、僧侶ほどでは無いものの呪文の習得がなかなか早く、キャンプ中の回復要員としては頼りになる。
そしてロードがキャンプ中の回復を受け持ってくれると言う事は、戦闘中の回復のため僧侶がMPを温存しておけると言う事にも繋がるのだ。

上級職入りパーティの例2 基本形B+上級職

移動時
隊列
戦闘時
隊列
戦士

僧侶
盗賊
ビショップ
魔法使い
前衛 戦士 侍 僧侶
後衛 盗賊 ビショップ 魔法使い
魔法使い二人型パーティの戦士を侍に、魔法使いをビショップに置き換えた例。

ビショップは第二の回復要員とするには呪文修得が遅すぎて、実際の戦力とは見なせない事が多い。
また魔法使い系呪文の修得も遅く、ひたすらスリープ(カティノ)、サイレンス(モンティノ)、サンダー(モリト)、マジックスクリーン(コルツ)を唱え続けるに留まるだろう。
そんなビショップを最初から入れる理由は、ひとえにアイテム鑑定能力のためだ。
五つの試練では早い段階で宝箱からアイテムが多数発見され、ビショップが鑑定して行く事を前提としているようなシナリオも多くある。
そうしたシナリオでは、商店で金を払っての鑑定では追いつかず、また常に金欠になって寺院の蘇生代金が捻出できないといった事態が起こり得る。
アイテムに「鑑定に必要なレベル」が設定されて「酒場に1レベルのビショップが鑑定用に待機している」という手は封じられており
どうしてもビショップのレベルを上げねばならないのだ。
また、13レベルの魔法使いからビショップに転職した直後は、せっかくビショップに転職したと言うのにまるで鑑定に成功しないという時期を過ごす事になる。
このような鑑定にまつわる問題を解消するため、ビショップを最初から育てる必要性は高まっている。

五つの試練で酒場に初期登録されているパーティはこの編成になっており、本作のデフォルト仕様と言えるだろう。

変形A 僧侶二人型

移動時
隊列
戦闘時
隊列
戦士
戦士
僧侶
僧侶
盗賊
魔法使い
前衛 戦士 戦士 僧侶
後衛 僧侶 盗賊 魔法使い
前衛職三人型パーティに、さらに僧侶を一人加えたパーティ。
回復役が二人になることで、僧侶が一人やられてももう一人が回復できるという連携を組める。
13レベルになったら前衛僧侶は侍かロードに転職、後衛僧侶はビショップに転職すればさらに戦力が充実する。

ただ、ウィザードリィは敵の攻撃によって回復する間もなく一気に全滅する事も珍しくないゲームである。
呪文攻撃やブレスを連発されると、僧侶が二人いてもなお回復が間に合わずにやられる場合も多々ある。
このため、僧侶二人体制よりも魔法使い二人体制で速攻で片を付ける作戦の方が一般的。

変形B 僧侶・魔法使い二人型

移動時
隊列
戦闘時
隊列
戦士
盗賊
僧侶
僧侶
魔法使い
魔法使い
前衛 戦士 盗賊 僧侶
後衛 僧侶 魔法使い 魔法使い
魔法使い二人型のパーティに、さらに僧侶を一人加えたパーティ。
僧侶を前衛に配置するパーティの欠点である「唯一の回復要員が倒れたらいきなり全滅の危機」という点を後衛の僧侶が補い、
攻撃は魔法使い二人の呪文が行い、攻守ともに非常に安定する。

欠点は前衛の打撃攻撃の能力が心許ない事と、盗賊を前衛に出さねばならない事(僧侶二人を前に出しては「僧侶が後衛にもいる」という作戦の意義を失う)。
盗賊の装備が充実しているシナリオで行うといいだろう。
盗賊の鎧は革鎧どまりである場合がほとんどなので、
「盗賊が装備できる盾のACが強い」「革の兜、革の籠手、革のブーツ、革のマントなど後衛職が装備できるAC-1の防具が存在する」
といった要素がポイント。

打撃能力の低さは、後半になったら盗賊→忍者、前衛僧侶→侍かロード、後衛僧侶→ビショップ、魔法使い→ロードなどの転職によって補う事ができる。
終盤での転職も視野に入れた組み方と言えるだろう。

特殊 忍者三人型

移動時
隊列
戦闘時
隊列
忍者
忍者
忍者
僧侶
ビショップ
魔法使い
前衛 忍者 忍者 忍者
後衛 僧侶 ビショップ 魔法使い
前衛を全員忍者にする特殊なパターン。宝箱の罠識別は三人が意見を出し合い、意見が割れたら僧侶やビショップが呪文で確認する。

最初に忍者を作るにはキャラクタの作成で「職業優先」にしておくか、転生を使うこと。
この編成を使うためには、まずゲームを開始したら商店の品揃えを確認しよう。
忍者の防具は、戦士と同様に鎧、兜、小手などを装備できるか? 「鎧は鎖帷子まで、盾や兜や小手は装備できない」という設定の場合は、あきらめた方がいい。

このパーティの強みは、最も危険な最序盤での戦闘能力がとても高いことだ。
忍者の攻撃回数は他の前衛職よりも1回多い。それは「序盤の敵は一撃で倒せる事が多い。攻撃命中の判定を2回行うため、命中=撃破の可能性が非常に高い」という事に繋がる。
二刀流が使えるシナリオであれば、補助武器の攻撃回数まで1回多い。忍者3人で、1ターンに6匹の敵を倒す事ができる。
忍者は成長が遅いので攻撃回数はいずれ他の職業に追い抜かれて行くが、死の危険が最も大きい1レベルでの戦闘能力が強い事は極めて重要な意味を持つ。

また、僧侶を後衛に置くことで回復要員を敵から守れること、後衛全員を魔法職にできて戦闘中に暇になってしまう者が出ないことも強みだ。

弱点は、忍者のHPの伸びが悪いこと。中盤以降、敵の攻撃呪文でばたばたやられる可能性がある。


最終更新:2023年10月31日 14:29
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