関羽の懇願

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三国演義の作者、羅貫中は関羽を非常に尊敬し
あらゆる場所で美化して書いている。                      ∴ ∵  Zフ
××××××××××××××××××××××           ⊿  ・  N
                                                | | ,. ‐‐‐‐マ
                                            、   ェ-ェ<華雄ェ> l  ※    "
                                   c‐っ        \   lヲ(゙ Д, ゚' Lゝ    ,@
                      l            r´三 ¨`ヽ         \  ゝ ` ∞= '゙L.7つ ;  ,  “
                      |` 、__ト、_,,,.._  ィ,,.ェrカカ全〉        ヽ. `,_ト,_/レレ|__,  *     ・
                      ゝ、____l爻j,fノ小ゝ、´┏)へ7====マ   |丶:∴∵∴:r'" ;  #  ”
            __,,,ィュ                   l,_ゝ~~ゝ  =/        /  |∴∵∴:&>
          〃ハハゝヾ           `  .,      ゝ三  、 _ イ    -=  /  /`Y^VW^ヽl\
          (´∀`ぅノゝ             ¨ ー-------======-----‐‐ ''    /  ┃ ・・    ・・
      ___φ y m,_,,_ カキカキ   `  .,                      ,/.  ┣━━ ╋━┓     ▼
     〃rュ /77777 .|/  ,イ  カキカキ      ¨ ー-------======-----‐‐ ''     ┃     ┃  ┃ ・・./ ●
    〃 (___)/_'_'_'_'_' .[__] 〃 : : : : : : : : : .
    `┳━━━━━━┳'  : : : : : : : : : .

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しかし、関羽が劉備の二夫人を守って曹操の軍門に降ったときの箇所まで
書き進めたとき、何かあだめいた話を付け加えて、読者を引きつけたいと思い、
こう、筆を進ませた。
××××××××××××××××××××××××××××××××××

  , ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~` 、
  |  「曹操は故意に関羽と                 |
  |  二人の若く美しい兄嫁をひとつの部屋に置いて、 |
  |  毎日、夜になると蝋燭を一本、送り続けた」     |
  ゝ、_____________  _______,ノ     _,,,......,,__    
                       レ゙            /_~ ,,...:::_::;; ~"'ヽ  
            __,,,ィュ                      (,, '"ヾヽ  i|i //^''ヽ,,) 
          〃ハハゝヾ                           ^ '⌒i   ▽i⌒j、
          (´∀`ぅノゝ                              | ( ゚Д゚) (0,)
      ___φ y m,_,,_ カキカキ                    |(ノ 曹 |つ|j|
     〃rュ /77777 .|/  ,イ  カキカキ                  |   操 |  "
    〃 (___)/_'_'_'_'_' .[__] 〃 : : : : : : : : : .                ヽ _ ノ
    `┳━━━━━━┳'  : : : : : : : : : .                U " U

 3



   , ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` .、
   |  「一本の蝋燭で関羽が「春秋」を読もうすれば、兄嫁たちが相近寄り…、 |
   |   兄嫁たちが針ものをしようとすれば、関羽が相近寄り…、            |
   |    三人は、そうして 仲良く 睦みあった。」                     |
   ゝ、_____________  __________________ノ 
                        レ゙  
            __,,,ィュ 
          〃ハハゝヾ    ウム。われながら
          (´へ`ぅノゝ     良いアイデアだ。  .::::::::::::::....         パンパンパン  ....:::::::::::::.
      ___ rfぅt,rへ,,,_              ::::::::::::::....    (┏┓`)    甘  j、  ....:::::::::::::..
     〃rュ /77777 .|/  ,イ             ::::::::::::::....    糜 /,  , ヽ_  (゙∀゙*)(0,) ....:::::::::::::..
    〃 (___)/_'_'_'_'_' .[__] 〃 : : : : : : :         ::::::::::::::....  (゚д゚#)⌒(,/ ノ三 ‐( ( )‐|j|  ....:::::::::::::.
    `┳━━━━━━┳'  : : : : : : :         ::::::::::::::.... と( ( とノ、_つつ  u"u   .....:::::::::::::.:.

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そこまで考えたとき、突然、彼を呼ぶ声がした。
×××××××××××××××××××××××
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

        , ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` 、
        |   羅先生、                        |
        |   そのように書くのはご容赦くだされ。    |
        ゝ、_________________ノ 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 5


                    , ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`、
                    |  先生がそのように書けば       |
                    |  拙者のけがれなき一生が      |
                    |  台無しではありませぬか.。      |
                    ゝ、________  _____ノ
                                   \|

          ィュ,,,__                       __Ω 
         〃レ'ハハヾ  /                    /____ヽ   幺
          ノjc,,´へ)   ー                  (┏┓` )ゝ
     ___ fフっytヘ,,,_              幺   (▼  ,,) 
    〃rュ /77777 .|/  ,イ                   y  ノ, 
   〃 (___)/_'_'_'_'_' .[__] 〃 : : : : : : :              (__ノJ  っ っ
   `┳━━━━━━┳'  : : : : : : :

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   , ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`、
   |  これはこれは、関羽どの。                             |
   |  わたし、そこここであなた様を褒め称える話ばかりを書いております。 |
   |  昔より、「英雄、色を好む」と申すではありませぬか 。               |
   |  心配せずとも、節義を汚したりなど、なるわけがありません 。      |
   ゝ、_____________  ________________ノ
                       レ¨

          ィュ,,,__                        __Ω 
         〃レ'ハハヾ    ×                 /____ヽ   
         ノjc´∀`)     ±               (┏┓:::)ゝ
     ___ rへ_yn._,,_                   (▼   ,)
    〃rュ /77777 .|/  ,イ                   y  ノ,   カチン‥
   〃 (___)/_'_'_'_'_' .[__] 〃 : : : : : : :              (__ノJ  
   `┳━━━━━━┳'  : : : : : : :

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すると関羽はカンカンに怒りだした。
×××××××××××××××××××××××
                          ・
               ・        N       ・
                \|\         /∨    (´⌒;;)   BOM!
            ゙  .,       __Ω      (´ ;;; ⌒`)
                     /____ヽ      ・ ´´'l|!i!|i`゙` ・
          ー─v‐‐      (┏┓::#)ゝ   ヽ从ノ( ,::::)ソ  , 
                      (▼  ,,)    r´ ⌒`)ト、从ノ( 
   \,人,_,人,_,人,_,人,_,人,_,人,_,人,_,人,_,人,_,人,_,人,/  ━┛  ┗━
   < 拙者は女色を好まぬのだっ!          > 
   < どうしてそのようなデタラメが書けるっ!!>.   ━┓  ┏━
   /⌒W⌒W⌒W⌒W⌒W⌒W⌒W⌒W⌒W⌒WW\

 8


 , ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~` 、
 |  お怒りくだされますな。                     | 
 |  この本にあなた様のあだ話があれば         | 
 |  読者を引きつけ、版元も儲かろうというもの….   | 
 ゝ、________  _____________ノ
                レ´

          ィュ,,,__                       __Ω 
         〃レ'ハハヾ     ヨ!              /____ヽ  ∬ ∬ ∬
          ノjc,,´∀)h     商売の神っ!        (┏┓::#)ゝ
     ___ ,r´_フy レ,,_                   ( ▼   ,)   ピキピキピキ…
    〃rュ /77777 .|/  ,イ                    | |   |
   〃 (___)/_'_'_'_'_' .[__] 〃 : : : : : : :             (__(__,)
   `┳━━━━━━┳'  : : : : : : :
                  ×××××××××××××××××××××
                        しかし、いくら
                        頼もうとも、羅貫中は書く姿勢を崩さない。

 9


すると 関羽。
怒って、凶器をふりまわし、机の上に立ててあった
ロウソクを真っ二つに 叩き切った。
×××××××××××××××××××××××
                             、
                              |\  
                              / /  
        ムカーーーーーーー ッ          ┌' /
                     __Ω  ,七r" 
                      /____ヽ/'`       彡"
                    (┏┓::#,ィt)
  ━╋━━╋━          r▼つ/r'     
    ┃    ┃            〉  / '┐              ィュ,,,__   
  ━╋━━╋━          し"/て_ノ          -=  〃,レ'ハハヾ  っ
              彡"                   -=   ノj、c,,+Д)    っ
                 ス¨ ハ¨ ーーーー ン!!  -=  r´  フフ   っ

10


 
             __
          ,、'"   .  `' 、        , ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、
          i`ー  _    ',      |  どうしても書くというのなら   __Ω   | 
.          l| !|      i""!|       |  その方の頭もこれと     /____ヽ  | 
             }: }i    |{  !j        |  同様の運命だからな。    (┏┓::#)ゝ | 
            〈| 'J |!   }j  :}      ゝ、_________________ノ
         _ノ;し  i}  {J  |
      ,、-,、'         ハ- 、  ×××××××××××××××××××
      ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )   
     ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"      関羽は こう言い捨てると、
     (  _   ,、'"    ̄         荒音を立てながら どこかへ去ってしまった。

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羅貫中は驚きのあまり、冷や汗でびっしょりになりながら
やはり、あだ話は書かないほうが良かろうと思った。
××××××××××××××××××××××××


                           r'⌒'⌒'⌒'⌒'⌒'⌒'⌒'⌒'ヽ
    ,.,                         (,  ふ ~~ っ       ,)
    | /             ィュ,,,__        (,    ビックリした …。  ,)
   「[__]' ̄ヽ         〃レ'ハハヾ      ゝ_,、_,、_,、_,、_,、_,ノ
   l l ̄ ゙̄、 \       ノjc,,´Д)  ー3
   |.  ̄ ̄~  .\    u   .rヘ y∩       やっぱり、ホモっ気があったのかなあ…?
   '┳━━━━┳`     く__r〒、フ

12


このとき、目前の真っ二つにされたロウソクを見て
良い考えを閃いた。
×××××××××××××××××××××××××
                      
    ,.,                    
    | /             ィュ,,,__       (m)
   「[__]' ̄ヽ         〃レ'ハハヾ     曰  /
   l l ̄ ゙̄、 \       ノjc,,´∀)  
   |.  ̄ ̄~  .\      rヘ y∩    ピコーーーン!
   '┳━━━━┳`    く__r〒、フ

13


「 関羽は 剣を抜くと ロウソクをたたき斬り、
 自分は半分で兵書を読む。もう半分で兄嫁が針ものをする。
 こうして一筋の邪念も とうとう、起こすことはなかった。」
××××××××××××××××××××××××××××××××


            __,,,ィュ             
          〃ハハゝヾ            
          (´∀`ぅノゝ          
      ___φ y m,_,,_ カキカキ    
     〃rュ /77777 .|/  ,イ  カキカキ    
    〃 (___)/_'_'_'_'_' .[__] 〃 : : : : : : : : : .    ××××××××××××××××××
    `┳━━━━━━┳'  : : : : : : : : : .      「義の人、関羽」を より 印象づける
                                       名 エピソードの誕生である。







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