1
曹操が征西の軍を起こしたとき、彼は .二二二二l'" ̄ ゙̄'l二二
息子たちに城門で見送りするように申し渡した。 | .:::|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━… .| .:::|
. | .:::| | .:::|
. | .:::| | .:::|
. | .:::| | .:::|
. | .:::| _,,,......,,.__ | .:::|
. | /_~ ,,...:::_::;; ~"'ヽ | .:::|
. | (,, '"ヾヽ i|i //^''ヽ,,) | .:::|
. | ^ l⌒i ▽ i⌒ " | .:::|
. | .:::| :. | ( ゚Д゚) 丕 | .:::|
_____l゙ー‐一"l_(ノ 曹 |つ_____(Д´ )___ 植 ___.l゙ー‐一"l___
゙'ー‐一'" | 操 | .( ) ('A` ) ゙'ー‐一'"
ヽ _ ノ ハ ( )
U "U | |
2
それを聞いた曹丕、
さっそく腹心の呉質に相談する
━━━━━━━━━━━━━━・・・
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┃┃┃┃┃| |┃┃┃┃┃| |┃┃┃┃┃|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋\_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_/
|┗┻┻┻┛| r:-,, ┻< きっと子建のヤツは、 て_,
|〒〒〒〒〒(´⌒ ::)) < 詩文を詠みあげてオヤジの ≪
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´~ ll!l!~ ` < 歓心を買おうとするにちがいないっ !! Z`
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ⌒Y⌒l/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
コノママデハ 丕 ∧呉
アイツガ ヽ(#`Д´)ノ (゚ω゚=)
後継者ニ ( ) / ̄ ̄ ̄\ (ly l_ゝ
ナッテシマウ !! ノ > '┳┳━┳┳' ∪∪
..  ̄  ̄
3
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┃┃┃┃┃| |┃┃┃┃/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋| 百の美辞麗句より、一つの行動だょぅ。 |
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋| 詩才で敵わないのなら、嘘泣きして |
|┗┻┻┻┛| |┗┻┻┻| 父君の歓心を買えばいいょぅ。 .|
|〒〒〒〒〒| |〒〒〒〒\_______ ________/
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| レ'
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. 丕 ∧呉
Z:: (;`Д) Z n(゚ω゚=)
( l l / ̄ ̄ ̄\ ` ly l_ゝ
, ノ .ゝ '┳┳━┳┳' .∪∪ ,
\lヽ从人人从人人人∧/レi_人人∧从人人ノ{,/l/
─=゙ なっ!!曹魏の公子である俺様が ゙=─
》 衆目の面前で そんな恥ずかしいマネ 《
─=, できるわけないだろうがっ!! ,=─
⌒Y⌒WY⌒Y⌒W⌒W⌒W⌒Y⌒WY⌒Y⌒W⌒Y⌒
4
、 、 , ,
\ ヽ / /
__ __ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ \ /呉 \ | だからこそ泣いてみるんだょぅ。
/ ー── ゙ , | 父君との別れを惜しんで、
, ゙ 、 r .| | 大泣きする曹丕さまを見れば
| o o __,| | 配下の人たちも、感動して心が
| l´ | `l ___| ∠. 揺り動かされるはずなんだょぅ。
((( ゝ 'ー^ー一' ノ ))) \______________
` ー--- .......,,, ,.-一 '
丕 (( {ヲd y l__,ゝ
(;`Д) ゙u-u-゙ ぐ っ ! !
< l / ̄\
5
____
,イヽ
/ | ヽ \从人∧从人从人∧从人从人∧从人从人∧从/
──┴── ≫ 却下だ、却下っ! ≪
, 、 =≪ お前の策は姑息すぎるっ!! ≫-・
/三三 \ \ ≫ 嘘泣きするくらいなら、玉砕覚悟で ≪
/三三三 ト-------イ ! ・-≪ 子建に詩文で挑んだ方がマシだっ!! ≫=・
|:三三三 | | | /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y^\
|:三三三 | | |
\.三三 ノ | /
ヽ三三 ´~ ̄ ̄ ̄ ̄~` " ∧呉 て
` ¬==--ュ、 ,,. --―‐ ´ (゚ω゚;) そ
(、旦) _,_ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ (ly l_ゝ ``
<二>> .c(_ア '┳━━━━━━┳' ∪∪
6
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┃┃┃┃┃| |┃┃┃┃┃| |┃┃┃┃┃|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┗┻┻┻┛| |┗┻┻┻┛| |┗┻┻┻┛| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|〒〒〒〒〒| |〒〒〒〒〒| |〒〒〒〒〒|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
丕 フン! ∧呉
(`Д´ ) (゚ω゚=)
,__l ,> )) / ̄ ̄ ̄\ (ly l_ゝ
l '┳┳━┳┳' ∪∪
.  ̄  ̄
7
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┃┃┃┃┃| |┃┃┃┃┃| |┃┃┃┃┃|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫| |┣╋╋╋┫|
|┗┻┻┻┛| |┗┻┻┻┛| |┗┻┻┻┛| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|〒〒〒〒〒| |〒〒〒〒〒| |〒〒〒〒〒|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧呉 ,.-───-.,
(゚ω゚=) < ‥‥。 )
/ ̄ ̄ ̄\ (ly l_ゝ ゙ー──一''゙
'┳┳━┳┳' ∪∪
.  ̄  ̄
8
,.-───────.,
。 。 | 奥方さま…、 |
《g ◎g》 | 奥方さま…、 |
c-巛《”0”》〉-っ 'ー───y──‐一゙
~~州::::∀:::》~ 相談ガ アルノデスガ… ,-―-,
/^》`◇´> ∧呉 ヽ,(,,_r‐ュ ∠ ? )
〈 〈|l〉 ⊂|ヽ (゚ω゚=) ノハヾヽハ `ー一゙
―(_ノ∽∽ト、つ──── (ly l_ゝ .── (、` ,,ぅハゝ ─ ,
(ヾ §ヽ ∪∪ ,r'^ 、__ \
とlノ ) 〈ヽ__ノ
彡、__/ ̄ _|ヽ_______
/ ヽ
| あら。なにかしら? |
\_________ノ
9
そして翌日、出陣式──
ゝェェェェェェェェノ
|> ィ|o_o_o_o_o_o_ト、 |>
n_n_h_n_n_r|_h_n_n_n_n_r|_n_n_h_n_n_
| ____. ||
| | 城 門 | ||
| l二i二i二i二i二il ||
| |::r' ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | ||
| | |::::::::::::::::::::::::::| | ||
| | |::::::::::::::::::::::::::| | ||、、、、、、、、、
vir`===''´ `゙===''´ vir ,, vir ,, vir ,,
,, vir ,, / \wイv wイv wイv wイv;
10
\│││││││││││││││││/
三 あのプライドの高かった子桓が 三
三 兵士たちの眼前で泣いている・・・!! .三
/│││││││││││││││││\
_,,,......,,.__
/_~ ,,...:::_::;; ~"'ヽ
(,, '"ヾヽ i|i //^''ヽ,,)
,ィ彡ヽ,__ ,ィ彡ヽ,,_ ⌒i ▽i⌒ "
r'<ニニI. r'<ニニI | (;`゚Д゚) て う っ う っ
ノミl,,´ハ`) ノミl,,´ハ`) |(ノ 曹 |) そ :: 丕 ::.
//7う とi: //7う とi: | 操 ト う っ ::(;Д;) ::. う っ
/_8甘8ゝ /_8甘8ゝ ヽ _ノ ::( ) ::.
|_|_| |_|_| / U "U ::_| |_ ::.
11
曹丕は父との別れを惜しんで、涙した。
その姿を見た曹操や配下の臣たちは 思わず、もらい泣きしてしまったという。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・
"ヾヽ i|i //^''ヽ,,) おお、子桓よ。それ程までに わしの身を案じて くれていたのか…。
⌒i ▽i⌒ ホロリ 百の麗句を並び立てる子建よりも、父への孝心あふれる子桓の方が
| (ノД`)゚・。 わしの跡継ぎとして ふさわしいのかもしれん…。
::::::::::::::::::::,' ',::::::::::::::::::::: ,r'⌒~'⌒~'⌒'~'⌒~'⌒~'⌒⌒ヽ,
::::::::::::::::::,' ',::::::::::::::::::: (, かあちゃんに .,)
::::::::::::::::,' ',:::::::::::::::::: ヽ(,,__r‐ュ (, 秘蔵のおはじきコレクション ,)
::::::::::::::,' ',:::::::::::::::: ノハヾヽハ (, 捨てられたのが、泣くほど ,)
::::::::::::,' オーーイ ',:::::::::::::: (Д`;ぅハゝ o O(, ショックだったんだ…。 ,)
::::::::::,' オイオイオイ… ',::::::::::::: l'y/,へ__, ゝ_,、_,、_,、_,、_,_,、_,、_,、__,ノ
:::::::::, ,...- 丕 ー─-- .., ,::::::::::: <| ̄ヽ_ノ
:::::::::/。 (;Д; ) 。 \j::::::::::. |___ゝ ∧呉 ,r'⌒~'⌒~'⌒'~'⌒~'⌒~'ヽ,
::::::::ゝ ノノ Z乙 ,イ:::::::::: (゚ω゚;) (, さすが奥方さま。 ,)
::::::::::`'''''ー-------ー'''''´::::::::::::: (ly l_ゝ o O(, やること えげつないょぅ…。,)
'''''''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::''''''' ∪∪ ゝ_,、_,、_,、_,、_,_,、_,、__ノ
12
MEMO───────────────────────────────────
呉質( ??? - 230年 )
∧呉 曹丕の四友の一人。
(゚ω゚=) 寒門の出身で、曹丕とは かつて南皮にいた頃に
(ly l_ゝ. 一緒におはじきや双六をして遊んでいた仲。ペンフレンドでもある。
∪∪ 四友とはいっても、曹丕には四人しか友人がいなかったという意味ではない。