地獄(BLEACH)

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地獄(BLEACH) - (2025/06/16 (月) 03:22:53) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2021/09/20 Mon 22:10:36
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 20 分で読めます

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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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この項目は劇場版「BLEACH 地獄篇」及び読み切り「&ruby(ごくいめいめいへん){獄頣鳴鳴篇}」のネタバレを含みます。
 
 
 
 
 
 





 
 
 
 
#center(){
&sizex(7){&font(b,#ff0000,#333c5e){此処は地獄…心は要らない…!!!}}
 
&sizex(7){&font(b,#ff0000,#333c5e){そんなモノは闇に葬れ!!!}}
 
 
&sizex(7){&font(b,#ff0000,#333c5e){……ようこそ地獄へ}}
}
 
 
 
漫画『[[BLEACH]]』に登場する用語。
&ruby(ソウルソサエティ){尸魂界}・現世・&ruby(ウェコムンド){虚圏}とも異なる更なる“世界”の一つ。 
尸魂界においてはよほどのことがない限り((「地獄篇」は例外))地獄に関わることを禁じており、概要を知る者は非常に少ない。
管理下に置かれてはいないが、小説「[[BLEACH Spirits Are Forever With You]]」で[[涅マユリ]]が「[[ザエルアポロ・グランツ]]は地獄に落ちたのを観測した」という旨の発言をしているので、監視はされているようだ。

#openclose(show=●目次){
#contents()
}

*【概要】
「[[五大貴族の名前の明かされていない一族>BLEACH Can't Fear Your Own World]]」が「後に地獄と呼ばれることになる世界を抑える“蓋となる世界”(今の世界)が必要だと訴えていた」ので[[霊王>霊王(BLEACH)]]による今の世界が構築される前からあった世界。

魂魄は本来、&ruby(ホロウ){[[虚>虚(BLEACH)]]}となってからの罪を洗い流した後に尸魂界に送られるが、「&bold(){生前の罪の重さ}」に応じて、地獄の門が突如として現れて、罪人の魂を落とす。
落ちた者は魂魄の持つ「因果の鎖」によく似た&b(){地獄の鎖}で身体を地獄と繋がれ「&bold(){咎人}」と呼ばれるとして自身の罪を永遠に責め続けられるという。 

なお「死の恐怖を無くす」ことが目的のユーハバッハによる救済対象には含まれていない。&s(){「人殺しをするようなろくでなしはスルーしよう」とでも考えたのだろうか?}
  
そんな「地獄の存在」の初出は単行本二巻と早いが、本誌連載中は&bold(){その後「地獄」の「地」すら出てこなかった}。

落とされる基準は原作で連続[[殺人鬼]]「シュリーカー」や[[非道な人体実験を行っていた錬金術師>BLEACH Spirits Are Forever With You]]「[[ザエルアポロ>ザエルアポロ・グランツ]]」が送られたことから、地獄に堕ちる基準は「殺人」と考えられる。
ただ「[[正当防衛]]の殺人」や「不慮の事故に近い殺人」など情状酌量があるような案件でも地獄に落ちるのかは明言されておらず、[[死神を殺すなど数々の重罪を犯してきた「銀城」>>BLEACH Can't Fear Your Own World]]が地獄行きを免れたことに対して檜佐木は若干驚いていた。

一応は「死後の世界」であるので物質は現世のように器子ではなく霊子で構成((滅却師である石田が弓を形成ができたことや地獄での戦闘で太金の霊子が爆弾のようになったことからの推察。))されているほか、「&bold(){瘴気}」と呼ばれる物質が大気中に満ちている。
この瘴気は秘めたる本能を開放する他((虚化が勝手に発動する、完全虚化の侵食が早まるなど。))、何らかの事情で落ちてしまった&bold(){咎人でない霊や霊力の弱い人間、死神でさえもただ地獄に存在しているだけで強制的に咎人へと貶められてしまう}効果も有する。
地獄の門が破壊された場合はこの瘴気が漏れ出すので、劇場版では数十人の鬼道衆が結界を張って流出を防いでいる描写があった。
 
地獄にはクシャナーダと呼ばれる番人(後述)は存在しているが、尸魂界における中央四十六室、虚圏を実質統治していた[[バラガン・ルイゼンバーン]]、&ruby(ヴァンデンライヒ){見えざる帝国}の皇帝だった[[ユーハバッハ]]などに当たる統治者・為政組織は存在していない。((『獄頣鳴鳴篇』では「獄吏」という言葉が出てきたため設定が変わったのかもしれない。もちろん後述のクシャナーダの可能性も0ではない。))



*【劇場版『BLEACH 地獄篇』】
**&font(#c71585){∥}●&ruby(とがびと){咎人}
地獄に落ちた罪人の魂。咎人は虚や[[完現術者>完現術者(BLEACH)]]のような特殊な能力を与えられる。だがその力では&bold(){決して番人たるクシャナーダに傷一つ付けることが出来ない}。これによって「抗う力を持ちながらも何もすることが出来ない」という絶望感を植え付けている。
地獄では死しても何度でも甦るが、いずれは精神が磨滅しきり、限界を迎えて本当の「死」を迎え砂となって身体が崩れ去り、以降は地獄を構成する要素になり果ててしまう((作中の設定で魂魄のバランスが保たれるのかは不明。))。
一方で、抵抗を諦めず続けることで肉体が地獄の瘴気と混じりあい、肉体・能力が強化される場合もある。
力に沿って肉体が変質し、虚や破面じみた、もはや人間とは思えない容貌となっているものも居る。
また、「怨みや怨念」などを持ち続けることにより力を増幅されるとのこと。中には[[護廷十三隊隊長]]や[[十刃>十刃(BLEACH)]]に匹敵するまで能力を練り上げた咎人も見受けられる。
さらに何らかの方法で現世に出現することもある。出現方法は破面の黒腔を開けるために使う&ruby(デスコレール){解空}に近い。
ただし、クシャナーダに見つからないための戦闘力を削ぐ[[マント]]と仮面を身に着けなければならない上に短時間しか出向くことが出来ない。
 
咎人は死を繰り返すたびに生前の記憶が薄れ、自分の名前すらも忘れてしまうので、作中の咎人の名前は自身の身体的特徴などから付けたコードネームに近いものとなっている。それらは下記の通り色に関する文字が必ず入っている。
 
**&font(#c71585){∥}●クシャナーダ
地獄の番人にして咎人を責め続ける鬼のような存在。
&ruby(ギリアン){[[下級大虚>虚(BLEACH)]]}程の巨体を持ち、頭部は白骨化した狒々のようで両肩がせりあがって右肩に鎧の肩当のようなものを着けている。
ただし頭部に下顎は存在せず、下顎の代わりに自身の手を使って上顎との間で咎人を磨り潰すようにして貪る。
 
かなりの数が存在しており地獄を徘徊しつつ、咎人をあらゆる方法で蹂躙・虐殺し、咎人の心を折りに来る地獄の&ruby(ことわり){理}を体現したかのような存在。
知能はかなり低いらしく、咎人だけでなく、地獄に侵入した死神なども殺す対象とみなしている。
咎人の力は一切受け付けないという正に「地獄の番人にして支配者」のようではあるが、これはあくまで戦闘力の高低ではなく能力的な相性の問題らしく、地獄以外の理の力は受け付けるようで[[天鎖斬月>斬月(BLEACH)]]の虚化+月牙天衝で真っ二つにされたりもした。
一応は彼らにも「死」の概念はあるようで地獄の所々に彼らの遺骸が存在している。


 
&s(){シュリーカーの引き渡しの際めっちゃ高笑いしながら地獄に引きずり込んだのは多分黒歴史}

**◆咎人一覧
***□シュリーカー
CV:江川央生
二巻に登場した虚。
地獄に落とされたことでルキアを逆恨みし、映画と連動した[[アニメオリジナルエピソード]]では死神を殺して回り[[朽木ルキア]]と[[阿散井恋次]]をおびき出すも反撃を食らい、地獄に逃げ帰るも仮の上司であった朱蓮に殺害される。
 
***□&color(orangered){&ruby(シュレン){朱蓮}}
CV:[[古谷徹]]
現世に現れた咎人たちのリーダー格。
どこからか「[[黒崎一護]]の力なら地獄の門を破壊し、咎人たちは解放される」という情報を仕入れ、手下達と共に現世へ向かう。一護の捕縛こそ失敗したものの妹・遊子の拉致には成功。地獄にて一護を待ち受ける。
 
能力は「&color(#F54738){炎を操る}」
炎を固形化し剣や槍のように振るったり、矢のように飛ばし攻撃する。
戦闘力はかなり高く、地獄篇の前日譚として描かれた[[読み切り]]では地獄に落ちたザエルアポロと[[アーロニーロ>アーロニーロ・アルルエリ]]を一蹴したり、卍解状態の一護に追従するスピードを持つ他、
月牙天衝の威力を鑑みて遊子を巻き込むよう射線に位置取り一方的になぶるように攻撃するなどかなり狡猾な手段を取ったりした。

だがその戦法が一護の逆鱗に触れ、ゼロ距離虚化月牙天衝を食らい敗北。これにより地獄での戦いに決着がついたと思われたのだが...

&font(l){汚い[[タキシード仮面>地場衛/タキシード仮面]]}
 
***□&color(mediumblue){&ruby(グンジョウ){群青}}
CV:相沢正輝
朱蓮の手下である咎人で、副官的存在。両目が包帯で覆われており、丁寧口調で喋る。
黒崎家にて遊子と夏凛を攫う役目を担っており、ルキアと交戦。
当初は二対一と二人の人質のアドバンテージがあったものの、一護の参戦と黒刀の横やり、紫雲の仮面破損による正体露呈での地獄への強制送還を知り、撤退した。その後、地獄にてルキアと交戦。
 
能力は「[[触手]]を操る」
体内から触手を出してそれを鞭のように振るったり対象を捕縛したりする。現世では未開放のルキアを全く寄せ付けなかった。強度もなかなか高く、天鎖斬月には斬られてしまったものの袖白雪をへし折った。
&s(){お察しの通り参の舞「白刀」フラグです}
地獄にて再戦するも敗れてしまったが…?
 
***□&color(green){&ruby(ガロガイ){我緑涯}}
CV: 酒井敬幸
朱蓮の手下の咎人。一部が三つ編みになったおかっぱ頭で「&ruby(ガロガイ){我緑涯}、&ruby(ジユウ){自由}」などあまりおつむが良くないような片言の喋り方をする。
立った状態でも拳が地面に届くほど太くて長い腕をしており、充分筋肉が付いた胴体と両足が細く見えるほど。
学校の校庭で恋次と交戦した。
 
能力は「[[ロケットパンチ>伸びる腕]]と怪力」
骨がワイヤーのようになっており、ロケットパンチのような技が使用可能。
[[チャド>茶渡泰虎(チャド)]]の巨人の一撃と狒々王蛇尾丸の突進攻撃を真っ向から受け止めたり、狒骨大砲を受けても戦闘続行可能なほどのタフネスを誇ったが、
地獄にある強酸の池に落下してしまい、弱ったところを((それでも瞬歩のような歩法で一瞬で間合いを詰めるなどそれなりには戦闘力は残っていた模様))狒牙絶咬を食らい絶命した。
 
***□&color(gold){&ruby(タイコン){太金}}
CV:[[塩屋浩三]]
デブでオカマ口調で喋る。我緑涯には劣るもののかなりの巨漢。
現世に現れた咎人の一人で一護の学校を襲撃した。紫雲と我緑涯と共に学校を襲撃する。未知の能力と敵という点で有利に立ち回っていたものの余裕ブッコいていたら恋次が助太刀に現れ紫雲の仮面が割れて地獄へ強制送還というアクシデントが発生したので撤退した。

能力は「身体中どこでも口を発生させて霊子を飲み込む」
カウンター系の能力で[[石田雨竜]]の矢やルキアの[[鬼道>鬼道(BLEACH)]]を飲み込み投げキッスの要領で反撃していた。
吸収限界の有無は不明だが石田の「光の雨」程度なら余裕で吸収可能。また応用として刀などの斬撃による物理攻撃も歯で噛み受け止めることによりある程度は防御可能。

地獄でも石田と再戦、石田を苦戦させるも調子に乗って霊子を吸収しまくった結果「&ruby(ゲルトシュランク){封庫滅陣}」で爆死した。

***□&color(purple){&ruby(ムラクモ){紫雲}}
CV:高岡瓶々
槍と大剣を組み合わせたような武器で戦うおっさん。
他の咎人の名前が音読みなのに対し、彼だけは訓読みになっている。
学校を襲撃するも石田の放った矢が仮面を割ってしまい、地獄から出たことが露呈してしまい、クシャナーダの刃に貫かれて地獄へ強制送還されてしまった。
…その後は分かっていないが、おそらく地獄の最下層で更なる責め苦を受けていると思われる。

ちなみに中の人は二代目[[山本元柳斎重國]]のCVを担当している。

***□&color(black){&ruby(コクトー){黒刀}}((「トー」の部分は「刀」+「刂(りっとう)」で表記される))
CV:[[中井和哉]]
飄々とした態度で右目のあたりを黒い包帯で覆い、白い着物を身に着けている青年の咎人。
朱蓮を「気に食わない」と評し、彼らの邪魔をしている。「敵の敵は味方」の理論ではないが、妹を助けようとする一護に手を貸すこととなる。地獄全体の構造や朱蓮らのアジトを知っているなど地獄にいて長いような素振りを見せている。
一護に手を貸した理由は彼自身にも妹がおり、地獄から解放されて謝りたいから。&color(#F54738){同じ“兄”だからこそ手を貸してくれたのである}。しかし、朱蓮達曰く咎人が人間に手を貸すなど本来はあり得ないらしく...

白熱する朱蓮との戦いの中、&bold(){わざと敗れた}朱蓮の手下たちがアジトで復活。二対四と言う数の上での不利と遊子と言う人質も相まって苦戦を強いられる。遊子を狙った一撃を見て我緑涯を真っ二つにして遊子の身代わりとなり群青、太金を道連れに溶鉱炉のような場所に飛び込む[[自己犠牲]]精神を見せた。

#openclose(show=大丈夫かァ?一護?){
黒刀の犠牲と引き換えに一護は朱蓮を倒すも、それはあまりにも呆気ない幕切れだった。一護が遊子の元に向かおうとした瞬間、何者かが投げつけた刀が彼の体を貫く。突然の事態に困惑する一護の目の前に死んだはずの黒刀が現れるが、その雰囲気は先程までとは別人のようになっていた。黒刀は一護に刺さった刀を抜くと、彼を何度も足蹴にしながら自分の過去と真の目的を明かす。

その正体は&bold(){地獄篇における全ての騒動の黒幕}。
彼にとっての心残りだった妹は実は亡くなっており、黒刀の生前に起きた殺人事件の被害者だった。大切な家族を奪われた事で犯人への復讐を誓い、自らの手で殺して目的を果たすが、その後には虚しさしか残らなかった。
やがて幸せな人間達を逆恨みするようになっていき、八つ当たり同然で多くの殺人を犯していったが、殺人に快楽を覚えたわけではなく、心の穴は埋まらなかった。
現世で死を遂げて地獄に落ちてからも脱出を試みては失敗し、やがて自分だけが苦しい思いをしているという思い込みから地獄そのものへの怨念に囚われてしまい、生前の記憶を殆ど失った影響もあってか残忍にして非道な性格へと変貌していき、己の目的のためなら「(地獄の門の破壊により瘴気が流出し続ける事で)&bold(){現世が地獄になろうが知ったこっちゃねぇ...!!}」と嘯くエゴイストに成り果てていた。
一護達と出会ってからの一連の言動や行動は彼らの信用を得るための演技に過ぎなかったが、妹を守れなかった事への罪の意識は残っており、もう一度会えるなら謝りたいと思う気持ちだけは決して嘘ではなく、生前は妹の事を大切に思っていた事が窺える。しかし、人間として越えてはいけない一線を越えた事は決して許されるわけではなく、自身が地獄に堕ちる原因の一つとなったあの時の復讐は決して間違ってないという固執を捨てられずにいた。地獄を抜け出しても妹には二度と会う事が叶わない絶望に加え、多くの人々を身勝手な動機で殺してしまった事への罪悪感や後悔すらも精神的な苦痛だと感じており、地獄からの脱出を試みる本当の目的は心身の苦しみから解放される事だった。現在の自分の心には、長年積み重なった怨念や憎悪、地獄から脱出に対する執念深さしか残っていないと自覚しており、僅かに残っていた良心も己の目的のために利用するなど、朱蓮一派や妹殺しの犯人以上の外道と化していた。一方で、一護がどれだけ怒りや絶望に飲み込まれても、自分と違って決して憎しみだけは抱かなかった事には少なからず思う事があった様子。

地獄の底で身を焼かれている最中、[[ウルキオラ・シファー]]と完全虚化一護の戦闘を垣間見((曰く「地獄は掃きだめのような所なので別世界の感情などが流れ着くことは無くは無い」とのこと))、復活して朱蓮たちに「&bold(){地獄の門を破壊すれば地獄から解放される}」という情報を流し、行動に移させた。(映画冒頭で肉体が再生するも崩れかけ、激しく慟哭する咎人が登場するのだが、実は彼の正体こそ黒刀であった)
しかし、実際に咎人を地獄に縛り付けているのは「地獄の鎖」であり、これをどうにか破壊しないと地獄から脱出しても意味はない。
自分以外の咎人を地獄から脱出させる気はなく、朱蓮達にも少し間違った情報を流してペテンにかけて、己の野望のための道具として彼らを影で操り利用する事に成功し、朱蓮が一護に倒される事も見越していた。それでも朱蓮達が自身にとっての脅威と成り得る可能性も想定してたのか、彼らの肉体の再生に気付くと、不完全な体を踏み潰す事で復活を妨害。次に復活するタイミングも分からないため、一護が一旦現世に戻されてから再び地獄を訪れるまでは寝ずに監視を続けていた。
本性を現した後の口調は気怠げで狂気を帯びた物に変化している他、何度も地獄の底で体を焼かれ続けた事で右半身はミイラ化しており、それを顔に巻いた包帯と着物で隠していた。

能力は「黒い刀を創り出す」
単純な能力ながらこいつの場合、能力よりも&bold(){長年地獄に居続けたことで積み重なった怨念・死亡しては甦るを繰り返し、体が朽ちていく程に増幅されていった力や技量が最大の武器であり}、本性を現す前は本気を見せずに戦っていたが、本来の実力はBLEACHの作品全体を通してトップクラスで、「能ある鷹は爪を隠す」を体現したような存在。
「絶対に切れない」と言う地獄の鎖を巧みに操り、搦手に使用・恋次の斬撃を逸らせたり、朱蓮のアジトへ駆けつけた石田・ルキア・恋次を瞬く間に斬り伏せた。
更に遊子が地獄に囚われてブチ切れ完全虚化した一護の虚閃を初回は余裕で見切り、鎖の一部分「だけ」を破壊させたり、謎のバリアを発生させる事で&bold(){完全に防ぎ切る}((第二解放状態のウルキオラの黒虚閃でも相殺できないほどの威力。また、このバリアに全霊圧を使い果たしたような様子も無く高笑いしながら余裕で防いでいる))など、当初の黒幕だと思われていた朱蓮を遥かに凌ぐどころか護廷十三隊の隊長格や十刃ですら勝てないかもしれない最強の咎人。

あわや完全虚化一護の虚閃で地獄の鎖が断たれる前に恋次が角を折って虚化を解除させ、予め用意していた術式で一護は現世に強制送還された。

取り返しのつかない事態を招きかけた一護は元柳斎から叱責された上、咎人となってしまった遊子は織姫の力でも救う事ができず、更に死神達も地獄への介入を禁止されている以上、瘴気の流出を防ぐ事しかできず、ルキア達の救出さえも困難である事に絶望してしまう。黒刀はもはや救いようがない極悪人である一方、それに至った要因が悲しみや絶望の果てである事も理解しているがために一護は苦悩するが、[[白哉>朽木白哉]]の𠮟咤と遊子の地獄の鎖が消滅した事で立ち直り、ルキア達を救出するために再び地獄へ向かう。
そして黒刀は遊子の地獄の鎖の消滅を知ると、今度はルキアが咎人になったことや石田と恋次が咎人に成りかけている姿を見せて挑発し完全虚化を促すも、己の中の虚の力に抗う事を選んだ一護はそれに屈しなかった。
それでも自分に憎しみを抱かせるための挑発を続け、殺さない程度に甚振っていき、瘴気の影響もあって徐々に虚の力に飲み込まれていく一護を決戦の末に追い詰めるが、自身にとっての唯一の天敵であるクシャナーダが虚化の気配を察した事で大量に襲来。しかしそれすらも想定内であり、一護の完全虚化が完了すれば彼によってクシャナーダは倒され、自分も安全に地獄を脱出できると見越していた。完全な勝利を確信した矢先、一護が虚の力に必死で抗い自ら角を折る事で虚化を回避される。
そして、妹の復讐の果てに多くの人々を殺めてしまったのは&bold(){自身の視野の狭さや心の弱さが原因だ}と指摘され、それ以外の道を選べていれば地獄に堕ちる事はなく、そもそも妹は復讐なんて望んでいなかったのではと問いかけるなど、黒刀に残った僅かな良心に訴えるように一護は説得を試みる。それにより生前の過ちにようやく気付きかけるが、今更受け入れられない現実を突きつけられた事で激しく動揺する程に逆上し、怒りのままに力任せの斬撃を繰り出してしまう。
そのまま止めを刺してしまったと思われたが、一護はクシャナーダの掌に覆われており、更に彼の体が輝き出す。それを完全虚化の完了だと解釈し、一護の一連の抵抗は無駄な足掻きだったかのように嘲笑ったが、実際は黒刀の暴走を止めるために咎人の攻撃が通用しない特性を利用して一護を守っており、彼らが一護に力を貸した事で「スカルクラッド一護」へ&ruby(しんか){変化}。新たな力を得た事で形勢を逆転され、更には一連の行動を「自分の不幸を人のせいにする事で苦しみから逃げているだけだ」と断罪される。黄金の月牙天衝を食らい、全ての鎖が砕けているのに気づいて歓喜し、地獄から逃亡しようとした矢先、地獄が事の真相に気付いたため夥しい量の地獄の鎖に捕えられ、恐怖による悲鳴を上げながら地獄の深淵に堕ちていった。

ノベライズ版では生前の大量殺人の動機が、自身のような「大切な人を失った者」を増やすためだったと説明されている。また、地獄の深淵に引きずりこまれる際には妹のことを思い出そうとする描写があったが、何度もクシャナーダに殺され続けたのと、長い年月が経ったことで、あれほど大切だったはずの妹の顔も名前も忘れてしまっていた事に最後の最後で気付いたのだった。
黒刀が真の黒幕であった事は公開まで徹底的に伏せられていたのだが、ポスターをよく見ると味方であるはずの一護と刀を向け合っている構図となっており、朱蓮が黒幕であるかのような事前宣伝及び彼の担当声優が大ベテランの古谷徹氏である事も相まって、公開直後に鑑賞した多くの観客が見事に騙される結果となっている。
一方、黒刀の生前の様子や現在の性格に至ってしまった経緯などの掘り下げが少なかったり、更に公開から数日後に流されたCMで黒刀の正体と本編の核心を含めた物語の後半部分がネタバレされてしまった事に関しては否定的な声が少なくなかった。
}
 
**◆内部構造
尸魂界・現世・虚圏とは違い、四層の世界で構成されており各階層について順次説明していく。
***第一階層
地獄の門から見える階層。
空は血のように赤く染まっており、立方体や直方体の石のような物質で出来た白いブロックのような建造物に咎人たちが隠れていたりしている。
石の建造物の合間には青い歩道のようなものが血管のように張り巡らされており下の階層へ向かうための飛び降り場も存在している。
この階層には“クシャナーダへの抵抗を諦めた”咎人たちが大勢おり、恐怖でおびえているか繰り返される所業に耐え切れず発狂している。
勿論、クシャナーダはそのような咎人も容赦なく喰らい尽くす。

***第二階層
菫色の空の下、地面が無く全体が濃紺の毒水で覆われ、蓮の花を思わせる岩が浮かんでいる。
死亡したのかクシャナーダの遺体と思わしき骨も確認できる。

***第三階層
第二階層の海を突破することで到達する。
青黒い曇り空と大量の黄色の強酸の池が印象的な階層。
大量の池を抜けるとクシャナーダへの抵抗を諦め、地獄の炎に焼かれて完全に息絶えた咎人たちの砕けた骨で出来上がった砂漠がある。
もちろんここもクシャナーダの管理下にあり、油断していると襲われる。

***第四階層
地獄の最下層であり、酸の池と同様に黄色の積乱雲が空を覆っている。
朱蓮のアジトはこの階層にあり、さらに死亡してもアジト中央にあるマグマの窯があり、そこから復活することが出来る。

またクシャナーダの巣も存在しており、一護が2回目に地獄を訪れた際には地獄の門を破壊したからか、完全虚化の変化の兆しに気付いて大量のクシャナーダが駆け付けた。



*&sizex(7){&bold(){&font(#ffdc00,#000000){【獄頣鳴鳴篇】}}}



**◆概要
原作二巻以来久々の登場となった地獄。
こちらでは地獄に餓鬼や獄吏といった存在が潜んでいることをザエルアポロが仄めかしており、実際に伝承や神話などで語られている地獄に近いものなのかもしれない。

上記の映画はあくまでも「パラレル」なので設定変更した可能性がある。

**◆関連用語
***&ruby(こんそうれいさい){魂葬礼祭}
戦死した隊長の葬儀の後、十二年おきに行う儀式。
現世で虚を捕まえて墓の前で殺すという儀式らしいが…?

#openclose(show=真実){
&bold(){本当は死した隊長格を地獄へ堕とす儀式}
尸魂界の貴族の間で用いられてきた霊圧の濃度を指す“&bold(){霊威}”
-一般隊士で二十霊威
-副隊長で五~四等霊威
-隊長で三等霊威以上

死神は死ぬと霊子となって尸魂界に還るが、三等以上…隊長格の霊子は霊圧濃度が濃すぎてどうやっても尸魂界に還らない。
なので虚という贄と共に隊長たちを地獄に落としていることが判明。

藍染、ユーハバッハなど強大な霊圧で地獄の蓋を抑えていた人物を立て続けに封印・殺害した上に、そこに強大な霊圧を堕としたことにより地獄側からの干渉が可能となり、ザエルアポロが現世へと現れた。そして少なくとも

-“護廷開祖”山本元柳斎重國
-“死剣”[[卯ノ花烈]]
-“神掛”[[浮竹十四郎]]
が地獄にいることが判明

他にも歴代“剣八”や隊長が地獄にいるものと思われる。

&s(){どうでもいいが「霊威」という言葉は十巻で一度だけ出て、それ以降原作では一切出てこない用語である。よくそんなところから拾ってきたな}

}


***餓鬼
ザエルアポロと共に出てきた地獄の生物。
虚のように穴を持つが複数の穴を持ち、身体には地獄の鎖のような紋様が描かれている異形の怪物。
[[副隊長>護廷十三隊副隊長]]が集結してる中、堂々とその陣の中に現れる。姿・霊圧共に感知できず対応の遅れが出てしまった。
だが、そこまで強くはないらしく奇襲以外で負傷した死神はいなかった。これらを殲滅してしまったことで魂葬礼祭は完了した。


***地獄蝶
クロアゲハに似た作中でも最初の方から出てきた存在。
普段は伝令の役割を持つと共に断界を介さずに安全に死神を尸魂界へと送る存在のはずだが「地獄」と名付けられているということは…?


*【余談】
原作者の久保帯人が制作総指揮を務める事が話題となった「地獄篇」だが、実は久保先生は[[オリジナルキャラクター]]デザイン原案以外での製作上の関わりが薄く、打ち合わせは白熱したものの、脚本家から脚本が届くのが遅れてしまい、更にその脚本には打ち合わせの中で発案したアイデアが反映されておらず、映画のスタッフ側にも伝わっていなかったという。
その後も脚本家の交代が発生するなど、制作が大きく遅れてしまった事も仄めかされており、最終的には思うほど製作に関わることが出来なかったために「製作総指揮」のクレジットを外してほしいと申し出たものの、編集部の熱意や製作委員会の説得もあってクレジットを外さない方針で行く事になった事をDVD限定版付属のブックレットのコメントで明かしている。
そういったもやもやがあったからこそ「獄頣鳴鳴篇」を読み切りとして執筆したのかもしれない。
なお、スマホゲーム「Brave Souls」でも「地獄篇」のメインストーリーは未だに実装されておらず、簡易イベント及び朱蓮と黒刀の実装に留まっている。



追記修正は獄頣鳴鳴篇の続きが出たらお願いします。

#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,18)
}
#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 黒刀は、うん、そりゃ地獄に堕ちるよ...ってなる  -- 名無しさん  (2021-09-20 22:27:59)
- タクヤさんの項目へのリンクを貼るのは辞めて差し上げろ  -- 名無しさん  (2021-09-20 22:31:20)
- 手に負えないので一護に協力させたのに融合解いたら即再敵認定して無言で襲いかかってくる超現金なクシャナーダ君たち嫌いじゃないよ  -- 名無しさん  (2021-09-20 22:52:40)
- 双極が隊長を地獄送りにしないように完全消滅させて処刑するための道具だった説まで出てきた  -- 名無しさん  (2021-09-20 23:00:46)
- 「瘴気」が「燐気」に変更?してるから映画の話は完全に別物になって細かい設定が変更になってるかもしれない。師匠の手による黒刀とか朱蓮とか見たくはあるけれど  -- 名無しさん  (2021-09-20 23:04:55)
- 一護がやすやすと鎖を切断できたのは一護がそれだけ強くなったからなのか、あの骨アーマーみたく何らかの地獄関連の力を持ってる伏線なのか  -- 名無しさん  (2021-09-20 23:06:20)
- ここはあくまで世界観としての「地獄」だけを解説して、劇場版「BLEACH 地獄篇」と「獄頣鳴鳴篇」の解説はそれぞれ別の項目とした方がいいのでは?なんか趣旨がごちゃつきすぎているように見える  -- 名無しさん  (2021-09-20 23:34:02)
- ザエルアポロが地獄に落ちてたってのは地獄篇前日譚の読み切りでの情報が初出だから獄頣鳴鳴篇と地獄篇の繋がりが0ってわけでも無いのよね  -- 名無しさん  (2021-09-21 00:25:05)
- 今回地獄に堕とす少年は浮竹!  -- 名無しさん  (2021-09-21 00:57:27)
- ↑3 地獄篇の咎人たちは確かに別でもいいかもしれないね。多くのファンにとって重要な内容なのは師匠がしっかり手を付けた獄頣鳴鳴篇の方だろうし  -- 名無しさん  (2021-09-21 01:09:45)
- 地獄にいながら外界の様子を知れる設定もそのまま残されてるっぽいんだよね。コクトーが完全虚化のことを知ってたようにザエルアポロもユーハバッハの死やら恋次に娘が出来たことやら知ってたし。  -- 名無しさん  (2021-09-21 04:04:48)
- 千年血戦篇であれだけ死んだのに、なんだかんだ全員生存になりそうだな。全員生存エンドに越したことはないから、それでいいと思う。  -- 名無しさん  (2021-09-21 08:14:48)
- 地獄にユーハバッハや星十字騎士団、十刃もいそうに思えてならない。この話、過去の敵がわんさか出るというドラゴンボールZやGTの地獄と似たようなカオスな状況になるのかね。  -- 名無しさん  (2021-09-21 08:19:36)
- 久保先生が地獄篇の製作にあまり関わっていないという話は納得できる。地獄篇はやってることがほぼ破面篇だからね。囚人がガルガンダみたいな穴を開けたり、黒刀の最期の展開がほぼ藍染だったり。  -- 名無しさん  (2021-09-21 08:26:31)
- ↑↑叫谷、花天狂骨の具象化、アニオリとか映画から設定引っ張ってきてるのに地獄篇の設定はガンスルーしてるからな…結構頭に来てるんだとは思う  -- 名無しさん  (2021-09-21 20:27:08)
- ↑3 今更過去の敵が復活したところで少年漫画のインフレ則で即死やろ…と思わなくもない。まあさすがにそうはならんだろうけど。  -- 名無しさん  (2021-09-21 21:01:01)
- 当時の冊子に地獄編は漫画で描くつもりなかったって書いてあったんだよな。今更描いたのは単にネタ切れかアニスタへの当て付けか。  -- 名無しさん  (2021-09-22 01:40:54)
- ↑×2 少年漫画の法則なんて最初から無いようなものだろう、思い込み。  -- 名無しさん  (2021-09-22 09:05:14)
- 地獄に落ちる条件に死ぬまでに罪に対する後悔、罪悪感の有無がありそう 沓澤、銀城あたりはそれがあったから地獄に行かなかった  -- 名無しさん  (2021-09-22 12:31:21)
- 気が早すぎるだろ。地獄篇と獄顎篇の地獄は全くの別物でも驚きはないな。  -- 名無しさん  (2021-09-22 14:29:17)
- コクトーとかいう闇堕ちした一護。倒して否定して終わりじゃなくてもっとちゃんと掘り下げたりして欲しかった  -- 名無しさん  (2021-09-22 20:21:41)
- コクトーはある意味、闇落ちした井上の兄貴でもあるような気がする。織姫が殺されてたら井上の兄貴もそうなっていたのかもしれない。  -- 名無しさん  (2021-09-22 23:04:56)
- 同じ暗黒面に落ちた兄貴でも、黒死牟とは対極だな...  -- 名無しさん  (2021-09-22 23:51:21)
- 最終決戦で一護が一貫して黒刀を哀れんでて境遇やら道を誤った同情やらで本当に親近感あったんだなってのがなんか辛かった。朱蓮達がザエル達の地獄墜ちに立ち会った事実は残ってるだろうし黒刀共々登場して欲しい。  -- 名無しさん  (2021-09-23 17:20:27)
- 黒死牟といい、デビルメイクライのバージルといい、兄ってのは暗黒面に落ちる宿命なんですか...  -- 名無しさん  (2021-09-23 17:57:08)
- 歴史上の人物ならヒトラー辺りが地獄にいるのかね?  -- 名無しさん  (2021-09-25 18:34:56)
- 尸魂界が複数あるなら、地獄もそれぞれの尸魂界に応じた形で複数存在するのだろうか?  -- 名無しさん  (2021-09-25 19:30:43)
- ↑どうかなぁ…地獄は世界の最初から存在するものだろうし、尸魂界みたいに作られた世界じゃないだろうからなぁ  -- 名無しさん  (2021-09-25 20:41:29)
- 120年前に死んだ  -- 名無しさん  (2021-10-01 19:36:25)
- 失礼。120年前に死んだ十番隊隊長も地獄にいるのかな。一心と日番谷のマッチアップ相手になりそう  -- 名無しさん  (2021-10-01 19:37:43)
- 尸魂界・現世・虚圏を生む楔となった霊王は地獄で生まれたのかな?それとも放置されてるだけで別に世界がそんざいするのか  -- 名無しさん  (2021-10-13 23:39:35)
- 身もふたもない話、使い物にならない魂魄のごみ箱  -- 名無しさん  (2021-12-23 00:53:00)
- 脚本が先生の元に届いたのが冬公開なのに同年の夏という…マジでチェック出来なかったとか  -- 名無しさん  (2022-01-17 12:42:45)
- 獄頣鳴鳴篇で出てきたわずかな情報だけでワクワクが止まらないので続きが読みたい!  -- 名無しさん  (2022-11-23 18:34:51)
- 死神の本来の役割は地獄の管理なんじゃないか説は密かに思ってる、死神の卍解に地獄の要素多いし山爺とかモロ灼熱地獄だし大紅蓮氷輪丸は紅蓮地獄だしで  -- 名無しさん  (2022-12-16 21:42:56)
- 地獄でならむしろ山じい、ガラじゃない管理者職から解き放たれたぶん活き活きしてそうな気がする  -- 名無しさん  (2022-12-16 21:50:55)
- 千年前の隊長連中とかもそのうち出す予定だからデザインしたのかな  -- 名無しさん  (2023-07-29 02:00:27)
- 小説版を持ってないからわからないんだが、銀城が地獄にいないのっておかしい話ではないはずなんだが…。地獄に行くのは生前に罪を犯した虚のはずだし  -- 名無しさん  (2024-11-24 17:24:34)
- 獄頣鳴鳴篇の続きが読みたい。  -- 名無しさん  (2024-11-24 18:25:00)
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