地獄(BLEACH)

登録日:2021/09/20 Mon 22:10:36
更新日:2021/10/13 Wed 23:39:35
所要時間:約 20 分で読めます



この項目は劇場版「BLEACH 地獄篇」及び読み切り「獄頣鳴鳴篇(ごくいめいめいへん)」のネタバレを含みます。
















此処は地獄…心は要らない…!!!

そんなモノは闇に葬れ!!!


……ようこそ地獄へ



漫画『BLEACH』に登場する用語。



【概要】

尸魂界(ソウルソサエティ)・現世・虚圏(ウェコムンド)とも異なる更なる“世界”の一つ。
魂魄は本来、死神が(ホロウ)を倒して虚となってからの罪を洗い流した後に尸魂界に送られるが、「生前の罪の重さ」に応じて尸魂界ではなく、地獄に引き渡す契約となっている。
地獄の門は突如として現れて、罪人の魂を地獄に落とす。地獄に落ちた者は魂魄の持つ「因果の鎖」によく似た地獄の鎖で身体を地獄と繋がれ「咎人」と呼ばれる存在となる。後は自身の罪を永遠に責め続けられるという。

地獄に堕ちる基準として、原作では連続殺人鬼であるシュリーカーや「BLEACH Spirits Are Forever With You」で非道な人体実験を行っていた錬金術師であると判明したザエルアポロが地獄に送られたことから「殺人」が一つの区切りとなっていると考えられる。
ただ「正当防衛の殺人」や「不慮の事故に近い殺人」など情状酌量があるような案件でも地獄に落ちるのかは明言されていない。
また、小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」においては、死神を殺すなど数々の重罪を犯してきた銀城が地獄行きを免れたことに対して檜佐木は若干驚いていた。

「地獄の存在」自体の初出は単行本二巻と早いが、本誌連載中はその後「地獄」の「地」の文字すら出てこなかった
尸魂界においても死神はよほどのことがない限り*1地獄に関わることを禁じており、概要を知る者は非常に少ない。
ただし、管理下に置かれてはいないが、監視はされており小説「BLEACH Spirits Are Forever With You」では涅マユリが「ザエルアポロ・グランツは地獄に落ちたのを観測した」という旨の発言をしている。

一応は「死後の世界」であるので物質は現世のように器子ではなく霊子で構成されている模様。*2
さらに地獄には「瘴気」と呼ばれる物質が大気中に満ちており、秘めたる本能を開放する他*3、何らかの事情で落ちてしまった咎人でない霊や人間、死神でも死亡したりすると咎人になってしまう
特に霊力の弱い人間はただ地獄に存在しているだけで強制的に咎人へと貶められてしまう効果も有する。
もしも地獄の門が破壊された場合、現世に瘴気が漏れ出すので止める必要がある。
劇場版では鬼道衆が数十人地獄の門の周りに結界を張って流出を防いでいる描写があった。

地獄にはクシャナーダと呼ばれる番人(後述)は存在しているが、尸魂界における中央四十六室、虚圏を実質統治していたバラガン・ルイゼンバーン見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)の皇帝だったユーハバッハなどに当たる統治者・為政組織は存在していない。*4

霊王による今の世界が構築される前からあった様子。「BLEACH Can't Fear Your Own World」において五大貴族の名前の明かされていない一族が「後に地獄と呼ばれることになる世界を抑える“蓋となる世界”(今の世界)が必要だと訴えていた」とのこと。
千年血戦篇でもユーハバッハの目的は「死の恐怖を無くす」ことであったのが判明したが、彼の救済対象は尸魂界・現世・虚圏だけで地獄は含まれていない。
ユーハバッハの「父」が尸魂界の五大貴族の始祖から受けた所業から地獄の存在を知らなかったとは考えにくいので「流石に(少なくとも)人殺しをするようなろくでなしはスルーしよ」とでも考えたのだろうか?

【劇場版『BLEACH 地獄篇』】

咎人(とがびと)

地獄に落ちた罪人の魂。咎人は虚や完現術者のような特殊な能力を与えられる。だがその力では決して番人たるクシャナーダに傷一つ付けることが出来ない。これによって「抗う力を持ちながらも何もすることが出来ない」という絶望感を植え付けている。
地獄では死しても何度でも甦るが、いずれは精神が磨滅しきり、限界を迎えて本当の「死」を迎え砂となって身体が崩れ去り、以降は地獄を構成する要素になり果ててしまう。
一方で、抵抗を諦めず続けることで肉体が地獄の瘴気と混じりあい、肉体・能力が強化される場合もある。
力に沿って肉体が変質し、虚や破面じみた、もはや人間とは思えない容貌となっているものも居る。
また、「怨みや怨念」などを持ち続けることにより力を増幅されるとのこと。中には護廷十三隊隊長十刃に匹敵するまで能力を練り上げた咎人も見受けられる。
さらに何らかの方法で現世に出現することもある。出現方法は破面の黒腔を開けるために使う解空(デスコレール)に近い。
ただし、クシャナーダに見つからないための戦闘力を削ぐマントと仮面を身に着けなければならない上に短時間しか出向くことが出来ない。

咎人は死を繰り返すたびに生前の記憶が薄れ、自分の名前すらも忘れてしまうので、作中の咎人の名前は自身の身体的特徴などから付けたコードネームに近いものとなっている。それらは下記の通り色に関する文字が必ず入っている。

●クシャナーダ

地獄の番人にして咎人を責め続ける鬼のような存在。
下級大虚(ギリアン)程の巨体を持ち、頭部は白骨化した狒々のようで両肩がせりあがって右肩に鎧の肩当のようなものを着けている。
ただし頭部に下顎は存在せず、下顎の代わりに自身の手を使って上顎との間で咎人を磨り潰すようにして貪ることがある。

かなりの数が存在しており地獄を徘徊しつつ、咎人をあらゆる方法で蹂躙・虐殺し、咎人の心を折りに来る地獄の(ことわり)を体現したかのような存在。
知能はかなり低いらしく、咎人だけでなく、地獄に侵入した死神なども殺す対象とみなしている。
咎人の力は一切受け付けないという正に「地獄の番人にして支配者」のようではあるが、これはあくまで戦闘力の高低ではなく能力的な相性の問題らしく地獄以外の理の力は受け付けるようで天鎖斬月の虚化+月牙天衝で真っ二つにされたりもした。
一応は彼らにも「死」の概念はあるようで地獄の所々に彼らの遺骸が存在している。



シュリーカーの引き渡しの際めっちゃ高笑いしながら地獄に引きずり込んだのは多分黒歴史

◆咎人一覧

□シュリーカー

CV:江川央生
二巻に登場した虚。
地獄に落とされたことでルキアを逆恨みし、映画と連動したアニメオリジナルエピソードでは死神を殺して回り朽木ルキア阿散井恋次をおびき出すも反撃を食らい、地獄に逃げ帰るも仮の上司であった朱蓮に殺害される。

朱蓮(シュレン)

CV:古谷徹
現世に現れた咎人たちのリーダー格。
どこからか「黒崎一護の力なら地獄の門を破壊し、咎人たちは解放される」という情報を仕入れ、手下達と共に現世へ向かう。一護の捕縛こそ失敗したものの妹・遊子の拉致には成功。地獄にて一護を待ち受ける。

能力は「炎を操る
炎を固形化し剣や槍のように振るったり、矢のように飛ばし攻撃する。
戦闘力はかなり高く、地獄篇の前日譚として描かれた読み切りでは地獄に落ちたザエルアポロとアーロニーロを一蹴したり、卍解状態の一護に追従するスピードを持つ他、
月牙天衝の威力を鑑みて遊子を巻き込むよう射線に位置取り一方的になぶるように攻撃するなどかなり狡猾な手段を取ったりした。

だがその戦法が一護の逆鱗に触れ、ゼロ距離虚化月牙天衝を食らい敗北。これにより地獄での戦いに決着がついたと思われたのだが...


群青(グンジョウ)

CV:相沢正輝
朱蓮の手下である咎人で、副官的存在。両目が包帯で覆われており、丁寧口調で喋る。
黒崎家にて遊子と夏凛を攫う役目を担っており、ルキアと交戦。
当初は二対一と二人の人質のアドバンテージがあったものの、一護の参戦と黒刀の横やり、紫雲の仮面破損による正体露呈での地獄への強制送還を知り、撤退した。その後、地獄にてルキアと交戦。

能力は「触手を操る」
体内から触手を出してそれを鞭のように振るったり対象を捕縛したりする。現世では未開放のルキアを全く寄せ付けなかった。強度もなかなか高く、天鎖斬月には斬られてしまったものの袖白雪をへし折った。
お察しの通り参の舞「白刀」フラグです
地獄にて再戦するも敗れてしまったが…?

我緑涯(ガロガイ)

CV: 酒井敬幸
朱蓮の手下の咎人。一部が三つ編みになったおかっぱ頭で「我緑涯(ガロガイ)自由(ジユウ)」などあまりおつむが良くないような片言の喋り方をする。
立った状態でも拳が地面に届くほど太くて長い腕をしており、充分筋肉が付いた胴体と両足が細く見えるほど。
学校の校庭で恋次と交戦した。

能力は「ロケットパンチと怪力」
骨がワイヤーのようになっており、ロケットパンチのような技が使用可能。
チャドの巨人の一撃と狒々王蛇尾丸の突進攻撃を真っ向から受け止めたり、狒骨大砲を受けても戦闘続行可能なほどのタフネスを誇ったが、
地獄にある強酸の池に落下してしまい、弱ったところを*5狒牙絶咬を食らい絶命した。

太金(タイコン)

CV:塩屋浩三
デブでオカマ口調で喋る。我緑涯には劣るもののかなりの巨漢。
現世に現れた咎人の一人で一護の学校を襲撃した。紫雲と我緑涯と共に学校を襲撃する。未知の能力と敵という点で有利に立ち回っていたものの余裕ブッコいていたら恋次が助太刀に現れ紫雲の仮面が割れて地獄へ強制送還というアクシデントが発生したので撤退した。

能力は「身体中どこでも口を発生させて霊子を飲み込む」
カウンター系の能力で石田雨竜の矢やルキアの鬼道を飲み込み投げキッスの要領で反撃していた。
吸収限界の有無は不明だが石田の「光の雨」程度なら余裕で吸収可能。また応用として刀などの斬撃による物理攻撃も歯で噛み受け止めることによりある程度は防御可能。

地獄でも石田と再戦、石田を苦戦させるも調子に乗って霊子を吸収しまくった結果「封庫滅陣(ゲルトシュランク)」で爆死した。

紫雲(ムラクモ)

CV:高岡瓶々
槍と大剣を組み合わせたような武器で戦うおっさん。
学校を襲撃するも石田の放った矢が仮面を割ってしまい、地獄から出たことが露呈してしまい、クシャナーダの刃に貫かれて地獄へ強制送還されてしまった。
…その後は分かっていないが、おそらく地獄の最下層で更なる責め苦を受けていると思われる。

ちなみに中の人は二代目山本元柳斎重國のCVを担当している。

黒刀(コクトー)*6

CV:中井和哉
飄々とした態度で右目のあたりを黒い包帯で覆い、白い着物を身に着けている青年の咎人。
朱蓮を「気に食わない」と評し、彼らの邪魔をしている。「敵の敵は味方」の理論ではないが、妹を助けようとする一護に手を貸すこととなる。地獄全体の構造や朱蓮らのアジトを知っているなど地獄にいて長いような素振りを見せている。
一護に手を貸した理由は彼自身にも妹がおり、地獄から解放されて謝りたいから。同じ“兄”だからこそ手を貸してくれたのである。しかし、朱蓮達曰く咎人が人間に手を貸すなど本来はあり得ないらしく...

白熱する朱蓮との戦いの中、わざと敗れた朱蓮の手下たちがアジトで復活。二対四と言う数の上での不利と遊子と言う人質も相まって苦戦を強いられる。遊子を狙った一撃を見て我緑涯を真っ二つにして遊子の身代わりとなり群青、太金を道連れに溶鉱炉のような場所に飛び込む自己犠牲精神を見せた。


◆内部構造

尸魂界・現世・虚圏とは違い、四層の世界で構成されており各階層について順次説明していく。

第一階層

地獄の門から見える階層。
空は血のように赤く染まっており、立方体や直方体の石のような物質で出来た白いブロックのような建造物に咎人たちが隠れていたりしている。
石の建造物の合間には青い歩道のようなものが血管のように張り巡らされており下の階層へ向かうための飛び降り場も存在している。
この階層には“クシャナーダへの抵抗を諦めた”咎人たちが大勢おり、恐怖でおびえているか繰り返される所業に耐え切れず発狂している。
勿論、クシャナーダはそのような咎人も容赦なく喰らい尽くす。

第二階層

藤色の空の下、地面が無く全体が濃紺の毒水で覆われ、蓮の花を思わせる岩が浮かんでいる。
死亡したのかクシャナーダの遺体と思わしき骨も確認できる。

第三階層

第二階層の海を突破することで到達する。
青黒い曇り空と大量の黄色の強酸の池が印象的な階層。
大量の池を抜けるとクシャナーダへの抵抗を諦め、地獄の炎に焼かれて完全に息絶えた咎人たちの砕けた骨で出来上がった砂漠がある。
もちろんここもクシャナーダの管理下にあり、油断していると襲われる。

第四階層

地獄の最下層であり、酸の池と同様に黄色の積乱雲が空を覆っている。
朱蓮のアジトはこの階層にあり、さらに死亡してもアジト中央にあるマグマの窯があり、そこから復活することが出来る。最終決戦はここで行われた。

またクシャナーダの巣も存在しており、一護が2回目に地獄を訪れた際には地獄の門を破壊したからか、完全虚化の変化の兆しに気付いて大量のクシャナーダが駆け付けた。



【獄頣鳴鳴篇】




◆概要

原作二巻以来久々の登場となった地獄。
こちらでは地獄に餓鬼や獄吏といった存在が潜んでいることをザエルアポロが仄めかしており、実際に伝承や神話などで語られている地獄に近いものなのかもしれない。

上記の映画はあくまでも「パラレル」なので設定変更した可能性がある。

◆関連用語

魂葬礼祭

戦死した隊長の葬儀の後、十二年おきに行う儀式。
現世で虚を捕まえて墓の前で殺すという儀式らしいが…?


餓鬼

ザエルアポロと共に出てきた地獄の生物。
虚のように穴を持つが複数の穴を持ち、身体には地獄の鎖のような紋様が描かれている異形の怪物。
副隊長が集結してる中、堂々とその陣の中に現れる。姿・霊圧共に感知できず対応の遅れが出てしまった。
だが、そこまで強くはないらしく奇襲以外で負傷した死神はいなかった。これらを殲滅してしまったことで魂葬礼祭は完了した。

地獄蝶

クロアゲハに似た作中でも最初の方から出てきた存在。
普段は伝令の役割を持つと共に断界を介さずに安全に死神を尸魂界へと送る存在のはずだが「地獄」と名付けられているということは…?


【余談】

実は久保先生はオリジナルキャラクターデザイン原案以外の「地獄篇」の製作の関わりが薄く、打ち合わせは白熱したものの脚本家から脚本が届くのが遅れてしまって思うほど製作に関わることが出来なかったので「製作総指揮」のクレジットを外してほしいと申し出たものの、編集部の熱意や製作委員会の説得もあってクレジットを外さない方針で行くことになってしまった。
そういったもやもやがあったからこそ「獄頣鳴鳴篇」を読み切りとして執筆したのかもしれない。



追記修正は獄頣鳴鳴篇の続きが出たらお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2021年10月13日 23:39

*1 「地獄篇」は例外の一つとも言える。

*2 滅却師である石田が弓を形成ができたことや地獄での戦闘で太金の霊子が爆弾のようになったことからの推察。

*3 虚化が勝手に発動する、完全虚化の侵食が早まるなど。

*4 『獄頣鳴鳴篇』では「獄吏」という言葉が出てきたため設定が変わったのかもしれない。もちろん後述のクシャナーダの可能性も0ではない。

*5 それでも瞬歩のような歩法で一瞬で間合いを詰めるなどそれなりには戦闘力は残っていた模様

*6 「トー」の部分は「刀」+「刂(りっとう)」で表記される

*7 曰く「地獄は掃きだめのような所なので別世界の感情などが流れ着くことは無くは無い」とのこと

*8 第二解放状態のウルキオラの黒虚閃でも相殺できないほどの威力。また、このバリアに全霊圧を使い果たしたような様子も無く高笑いしながら余裕で防いでいる