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SCP-3025-JP

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SCP-3025-JP - (2026/10/20 (火) 16:54:13) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2026/10/04 Sun 17:26:22
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 18 分で読めます

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SCP-3025-JPとは、怪異創作コミュニティサイト『[[SCP Foundation]]』に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]の一つである。
項目名は「"以"は「&ruby(いつまで){以津真天}」の"以"」。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は &s(){Euclid} &bold(){Keter}。

『"◯"は「✕✕」の"◯"』という[[特徴的なメタタイトル>始のいろは(SCP Foundation)]]からも分かる通りアンソロジー企画の作品であり、「始のいろは」に対抗して行われた企画「恣のいろは」に所属する作品である。

* 概要
SCP-3025-JPは日本国内で不定期に出現する異常な鳥である。といっても特定の姿を持っているわけではなく、出現の際は出現地点付近に多く住む鳥と生物学的に全く同一の状態で出現する。つまり見かけ上はただのスズメだったりカラスだったりマチマチらしい。
財団がその出現を確認した1900年代から現在まで合計281体、種類にして48種のSCP-3025-JPが確認されている。

その異常性は接触した人間に幻覚や幻聴を伴う重度の精神汚染をもたらすこと。ただしこの影響を受けるのは&bold(){過去に殺人を犯した者}に限られており無差別に精神汚染をばら撒くわけではない。
幻覚・幻聴は「過去に自身が殺した人間と同じ顔を持つ人面鳥に、その罪を糾弾される」という内容で、記憶処理により一時的に影響から脱することこそできるものの完全な除去はできず不定期に再発してしまうそうだ。
なお精神汚染を受けやすい人間には
・殺人行為を実行してから1年以上が経過している人物である
・認知抵抗値が高くない人物である
という傾向がある模様。『認知抵抗値』とは脚注の説明曰く
>悪性ミームや精神汚染への耐性を数値化したもの
とのことで要するに[[SAN値>SAN値/正気度]]的な指標だろう。

そんな神出鬼没のSCP-3025-JPだが出現傾向として先述の汚染条件を満たす人物の近くに出現することが多く、確認されている限りでは国内の重犯罪者の大半をDクラス職員として&s(){使い潰す}雇用している財団関連施設への出現事例がほとんどらしい。
現在のオブジェクトクラスこそKeterだが、かつてEuclidと判定されていたのはこうした『財団組織内で異常性が完結しており一般社会への露見リスクが低い』という特性に由来している。

元の報告書ではこれらの情報に続けてSCP-3025-JPに遭遇したDクラス職員へのインタビューが展開されているが、ココではその前にSCP-3025-JPの特別収容プロトコルを紹介しておこう。

特別収容プロトコルは主に
・財団関連施設にSCP-3025-JPが出現したら付近の職員は直ちに避難してね
・出現したSCP-3025-JPは認知抵抗値が10.0を超える職員により構成された機動部隊によって殺処分されるよ
・SCP-3025-JPの影響を受けた職員にはカウンセリングを行ってね
・もし重篤な症状に陥っている場合は記憶処理するけど、再発の懸念から今後重大な役職につくことが禁止されるよ
という内容。先述の通りSCP-3025-JPのほとんどは財団関連施設に出現するが、一応刑事施設やその他の場所で出現した場合のプロトコルも定められておりソレらは
・日本国内の刑事施設でSCP-3025-JPが出現した時は先述の機動部隊が派遣されるよ
・影響を受けた人間にはカウンセリングを行い、重大な影響を受けている場合は記憶処理したうえで監視下に置いとこう
・民間の場で出現する場合もあるにはあるだろうけどその場合そもそも出現を把握できるかすら微妙だし…
・条件に合致するような殺人鬼がそんなゴロゴロいるわけでもないんで被害軽微ってことで緊急的な対応は実施されてないよ
という内容になっている。

それではDクラス職員へのインタビュー記録に移ろう。


* 影響を受けたDクラス職員へのインタビュー
このインタビューは初めてSCP-3025-JPが財団関連施設に出現した際に行われたものである。インタビュー対象はD-19915、インタビュアーは岡本博士。
なおこの事例ではDクラス職員寮にSCP-3025-JPが出現し最終的に12人のDクラスが精神汚染を受けている。

>[ログ開始]
>
>&bold(){岡本博士:} それでは、これからインタビューを開始する。調子はどうだ、D-19915?
>
>&bold(){D-19915:} この顔色を見ろよ。最悪も最悪だ。博士様の癖してそんなことも分かんねえのかよ。[罵倒]
のっけから随分な態度だが元より死刑囚なうえに異常事態で錯乱しているとなれば酷い態度を取るのもまあおかしくはないだろう。
D-19915の悪態を無視し、他人からは「ただのカラス」にしか見えていないSCP-3025-JPがどのように見えているか問いかける岡本博士にD-19915は答える。

>&bold(){D-19915:} [舌打ち] ありゃあどう見たって化け物というか……言っちまえばデカい人面鳥だよ。しかも顔がコロコロ変わりやがる、な。そんで、その顔は全部あのクソ共と来た。あいつらとは二度と顔合わせたくなかったってのに。
>
>&bold(){岡本博士:} その「クソ共」とは、どのような人々のことを指しているのだろうか。
>
>&bold(){D-19915:} [机を強く叩く] 俺がぶっ殺した奴らだよ!何だってんだ気色悪い!ただでさえ、ここ数週間はずっと死にかけながら働いてるってのに、あんなもんまで見えるようになるとかどうしてくれるんだよ!いや、こんな所にいるからあんなもん見る羽目になったんじゃないのか?
>
>[以下、内容が不明瞭な罵倒が78秒間続いたのち、沈黙]

ちなみにインタビューを受けているD-19915は脚注曰く『一家4名の殺人容疑』で逮捕されその後財団に雇用されたという経緯を持っているらしい。普通にド畜生である。

>&bold(){岡本博士:} うむ。……では、君が聞いたという人面鳥の声について、詳しく話してくれるか。
>
>&bold(){D-19915:} ああ。あの時、俺はデカい人面鳥と出くわして、面食らって動けなかった。そしたらあいつは口を開いて、人の声でベチャクチャ俺に喋ってきたんだ。気色悪いことに、顔が変わると声も変わってさ。俺、あいつらの内2人は寝てる時にぶっ殺したから声なんか聞いてないし、起きた2人の声も覚えてねえけど……ちゃんと、それぞれあいつらの声をしてる、んだと思う。
>
>&bold(){岡本博士:} その人面鳥が話していた内容について、覚えているか。
>
>&bold(){D-19915:} 覚えてるも何も……。[咳払い] 確か、まず最初に「いつまでこちらに来ない気だ」って言われた。それから、「いつまでそこにいる」「いつまで忘れたままでいる」「いつまで放っている」みてえなことを言いながら、そいつはこっちに迫ってきた。意味分かんねえ。
>
>&bold(){岡本博士:} なるほど。ではその後、君はどうしたのかな。
>
>&bold(){D-19915:} いや、もうそれからは怖くなって、我武者羅に逃げ回ってたと思う。……おかしいよな。確かに気色悪い化け物だったけどさ、でも気色悪いだけだし、言ってる事も滅茶苦茶で笑えてくるほどだってのに。先週、もっと危ない奴に会って、死にかけたばっかりだってのに。[沈黙] ……なんでこんなに怖えんだよ。

SCP-3025-JPの見せる幻覚については冒頭で「過去に自身が殺した人間と同じ顔を持つ人面鳥に、その罪を糾弾される」と紹介したが具体的には「いつまで〜しているんだ」という風に急かす口調のようだ。

>&bold(){岡本博士:} 君の経歴を考えれば、その人面鳥と対峙した経験は強く脳裏に残っても仕方のないことだろう。その恐怖と罪悪感は相当なもののはずだ。だから……。
>
>&bold(){D-19915:} [言葉を遮るように] ああクソ、だから違えんだって! 脳裏に残るとかじゃなくてさあ、今でも居るんだよ! 頭ん中でピーチクパーチク喋って、目を閉じると、いや、閉じなくてもしけた面が見えてくる! いつまでいつまで喧しくて、気が触れちまいそうだ……。
>
>&bold(){D-19915:} んでもって、これは俺の罪悪感がどうとかは関係ねえ。正直に言う。俺は別にあいつらを殺したことを特段悔いちゃいない。あいつらがどれだけ幸せだった家族で、俺がどれだけ酷えことをやったかなんて話は飽きるほど聞かされたが、あいつらの顔写真を見て思うことなんか一つも無かったさ。だってのに今は、あのクソ鳥の顔一つ一つが気味悪くてたまんねえ。全部、全部あのクソ鳥のせいなんだよ……。
>
>&bold(){岡本博士:} [沈黙] ……分かった。他の人間にもインタビューを実施し、あの鳥が及ぼす精神影響について詳細に調査していくよ。

あくまでも罪悪感由来ではなくSCP-3025-JP単独の影響でこのような事態に陥ってると主張するDクラス。&s(){もうこのまま因果応報ってことで苦しませといた方がいいんじゃないかな}

とりあえずインタビュー内容を含めてSCP-3025-JPの性質をまとめると
・1年以内に殺人を犯した者の付近に現れる鳥
・対象者にはその姿が『被害者の顔をした人面鳥』という風に見える
・対象者はSCP-3025-JPが自身に向けて「いつまでソッチにいる」「いつまで忘れている」と急かして責め立てる内容の幻聴を聞く
と言った感じだろう。ある程度情報もまとまりここらでインタビューを締めようとする岡本博士に対し、ココでDクラスが質問を返してきた。

>&bold(){D-19915:} なあ。逆に、こっちからも一つ聞いて良いか。
>
>&bold(){岡本博士:} ん? なんだ。
>
>&bold(){D-19915:} 俺は、いや、俺達はどんぐらいの間ここで働かされてるんだ?
>
>&bold(){岡本博士:} 君に関しては、3週間前にここに雇用されたと聞いているが。
>
>&bold(){D-19915:} 違う。正直に答えろよ。今は何年、何月、何日だ? 
>
>&bold(){岡本博士:} そうだな……。[室内の研究員に呼びかけて] すまない、カレンダーを用意してもらえると……。

Dクラス職員が雇われる経緯についてこの作品では
「『特定の期間Dクラスとして働くことで釈放してもらえる』という取引により雇用されている」
という設定を用いているようである。それに加え
「約束の釈放の日に記憶処理を施すことで、記憶をリセットし死ぬまでDクラスとして働かせる」
という設定も。
ところがD-19915はその記憶処理を突破し自身が何時から財団に雇用されているかについて疑問を持ち始めた。『カレンダー』という隠語を用いてD-19915の体感時間調整準備を指示する岡本博士にD-19915がさらに追撃をかける。

>&bold(){D-19915:} そうやって、お前達はずっとこんなことを俺達に続けさせるのか?
>
>&bold(){岡本博士:} なんだ、君の発言の意図が分からないのだが……。
>
>&bold(){D-19915:} 俺があいつらをぶっ殺したのはいつだ? 俺がここに来たのはいつだ? 数か月働きゃ解雇されて釈放ってのは本当か? 俺はいつまでここに居なきゃいけない? これまではここら辺のことについて考えてると、頭ん中がモヤモヤしてどうしようもなかったんだが、今は違うんだ。変にスッキリしてる。あいつがいつまでいつまでってうるせえのは、相応の月日が経ってるからじゃないのか? あいつはそれを思い出させようとしてんじゃないのか? 俺は一体、何を忘れさせられてんだよ。なあ、教えてくれよ。なあ!
>
>&bold(){岡本博士:} [沈黙] ……深刻な精神汚染を受けているようだな。後ほど記憶処理を実施する。一先ずはそれで楽になるだろう。それでは、これでインタビューを終了する。
>
>[ログ終了]

発言を見れば分かる通りD-19915は完全に記憶処理の影響を突破している。これはD-19915に限った話ではなく、続く終了報告書を見るかぎりSCP-3025-JPの影響を受けた全Dクラス職員が同様に自らの雇用期間に疑問を抱いているとのこと。
先述の通りSCP-3025-JPの影響を受けた人物は例え記憶処理によって一時的にその影響から脱したとしても再発する可能性が高い。財団の意向としては「&bold(){Dクラス職員という資源}の円滑な運用のためDクラス職員がSCP-3025-JPの影響を受けるのは避けたい」というのが実情のようである。

* 以津真天
Dクラス職員より報告された幻聴・幻覚の内容から財団はSCP-3025-JPの見せる内容には特定のイメージ元が存在するとの仮説を立てた。
妖怪に詳しい読者なら既に何度もよぎっているかもしれないが、その存在こそがメタタイトルにもある『以津真天』である。

#region(以津真天について軽く解説)
『以津真天』とは江戸時代の画家、鳥山石燕によって名付けられた妖怪の一種である。「いつまで」と読むのが一般的だがゲゲゲの鬼太郎など一部作品では「いつまでん」と読まれる場合も。

わざわざ『名付けられた』と表現した通り元は室町時代の軍記物「太平記」に登場する名無しの怪異で
>疫病により多くの死者が出た年、京都のとある御屋敷にて毎晩「いつまで、いつまで」と鳴く怪鳥が現れた。
>真弓広有という弓の名手にこれを射落とさせた所、その怪鳥は人のような顔に曲がったクチバシ、ノコギリのような歯を持ち蛇のような身体と鋭い剣のような爪を持っていたという。
といったエピソードにて語られている。「いつまで、いつまで」と鳴くから「以津真天」。いかつい文字列だが要は江戸時代に生まれた『夜露死苦』的な造語である。

なお見ての通り原典における『以津真天』は変な鳴き声の奇形生物でしかないが、近年では「放置された死体を指し『&bold(){いつまで}このままにしておくのか』との意味を込めて『いつまで、いつまで』と鳴く」、あるいは「放置された死者の怨霊が以津真天となりそうした恨み言を吐く」といった解釈がされている他、[[某海賊系冒険漫画>ONE PIECE]]にて[[作中屈指の猛者>マーカス・マーズ聖]]が操る能力モチーフに抜擢されるといった優遇を受けたりもしている。
#endregion

以津真天それ自体の解説は上記の通りとしてSCP-3025-JPの『死人の姿をとり「いつまで」と詰る人面鳥』という要素は確かに以津真天に通じるものがあると言えるだろう。


* SCP-3025-JPの悪影響
補遺1、補遺2では主にSCP-3025-JPによって引き起こされている実害について触れられている。

まず補遺1だがコチラはDクラスに関する内容。曰く&bold(){『SCP-3025-JPが出現してから補遺1が記載されるまでの間で、Dクラスの年間死亡率が上がり続けている』}とのことである。しかもSCP-3025-JPに影響されたDクラスに限った場合その年間平均死亡率は72%。
いくらDクラスが生死問わない使い切りのコマとはいえ流石にこの死亡率は異常であると判断した財団が調査に乗り出したところ、実験・任務中にDクラスが突如SCP-3025-JPの精神汚染を再発しその結果死亡に繋がったあるいは周囲の人間が巻き込まれたという事例が多数存在することが判明した。
またソレに加えDクラスを由来としない不可解な実験機器の誤動作、任務中の装備の破損も確認されたという。

続く補遺2はそれまでDクラスに対してのみ発生していたSCP-3025-JPの影響が他の財団職員にも発生し始めたという内容。
Dクラス程ではないにせよ一般の財団職員もアノマリーに関わる以上は十分に危険が伴う職業である。なんならオブジェクトへの対応を誤り甚大な収容違反が起こる可能性を考えると一般職員の方が影響を受けた時のリスクが高いと言えるかもしれない。


これらの変化を検知した財団は
・一般社会へ露見するリスクこそ据え置きだが、相変わらず出現条件が不明な点
・SCP-3025-JPの影響により職員が必要以上に死ぬことで財団の業務に不安要素が増加する点
といった点からSCP-3025-JPをKeterに再分類することにしたようだ。


* 財団職員へのインタビュー
また補遺2ではSCP-3025-JPの影響を受けてノイローゼ気味になった高崎研究員に対するインタビューも載せられている。インタビュアーは有弘博士((名前の由来は太平記にて以津真天を討ち取った真弓広有だろうか))が担当している。

この高崎研究員、話を見る限りでは認知抵抗値こそ高くは無いものの別に過去に人を殺めた経験があるというわけでも無いようだ。おそらく先述の「Dクラス以外にもSCP-3025-JPの影響が出始めた」というケースの一例だろう。

有弘博士が行ったインタビューによると高崎研究員はDクラス職員の死亡場面に立ち会う機会が増えた結果
・「自分があの指示を出さなければあの人は死ななかったのかな」
・「あの人は自分が殺したようなものなんじゃないのかな」
と考えるようになってしまったようで、本人曰くSCP-3025-JPの幻覚は『自身の関わった実験にて死亡したDクラス職員の顔』を持つ人面鳥から恨み言を吐かれるという内容らしい。

またSCP-3025-JPの恨み言の内容にも多少の変化があったようで過去の罪を責め立てる内容から
&bold(){「いつまでこんなことを続けさせる」}
&bold(){「いつまで記憶を奪い続ける」}
&bold(){「いつまで私たちを苦しめる」}
というDクラスの立場から財団全体への恨み言を吐く形に変化しているとのこと。

その後のインタビューは高崎研究員が錯乱し
「精神汚染を記憶処理したところで根本的な解決にはならない。いつまでも見ないフリをせず、今まで放置してきた物たちへ贖罪するべき」
と語ったところで終わっており、後に続けてこのインタビューの終了報告書パートが載っている。

終了報告書の内容は主にSCP-3025-JPの挙動変化に対する考察で、財団はSCP-3025-JPの挙動変化についてDクラスの死亡率が継続的に上昇したことが原因とみているようだ。

SCP-3025-JPの正体が『杜撰な扱いを受け死んでいった者たちの怒りが形を成した妖怪「以津真天」』とするならば、財団により使い潰され死んでいくDクラス達もまた以津真天と成りうる存在であり、
被害者の怨念であるSCP-3025-JPが財団に集中する
→Dクラスが大量に死ぬ
→Dクラスを由来とするSCP-3025-JPが増える
→それらが財団に対して牙を剥いている
というロジックである。
* 以津真天への鎮魂、あるいは供養
というわけでSCP-3025-JPに対する対応が必須項目となったわけだが具体的にはどうするのか。

財団は当初
「そもそもSCP-3025-JPの標的になる原因な『殺人経験を持つDクラス』をまとめて処分しちゃえば出現件数が減るのでは」
として
・過去に殺人歴のあるDクラス職員に強めの記憶処理を施し、財団に雇用されてからの記憶を全て消し飛ばす
・コレにより財団に悪感情を持たない状態にしたDクラス職員を終了(ようするに処分)する
・不足するDクラス職員数は、自殺志願者だったり財団が確保した一部要注意団体構成員だったりで補填する
・こうして殺人歴のあるDクラス職員の割合を段階的に減少させていく
といったプロトコルを実施しようとした。

しかし『SCP-3025-JPを引きつけてるやつ片っ端から処分して残りは敵対組織の構成員で賄おうぜ』は流石に倫理委員会出動案件だったらしく、加えて先程インタビューにて登場した有弘博士からも
・それまでの記憶を消したところで結局最終的に財団側が殺す役目を負っている点
・財団職員に対して湧くSCP-3025-JPが「いつまで繰り返す」と記憶処理を突破して来ている点
を根拠に『こんな方法使ったら余計に財団へ悪感情持ってる死亡済Dクラスが増えて大変なことになるぞ』とSTOPが掛けられたためこのプロトコルは中止になったとのこと。

そして代案として出されたのが『プロトコル・カブラヤ』という方法だった。
こちらは
・Dクラスに対し定期的にカウンセリングを行い、更生を促しながら財団への敵意を減らす
・そもそもDクラスが必要以上に死なないようその運用方法について適切な訓練や指導を行う
・記憶を消し飛ばして再雇用するのではなく可能な限り社会復帰、あるいは正規雇用として雇用するといった方法をとる
・財団職員に向け必要以上にDクラスを冷遇しないよう講習を行う
というDクラスを丁寧に扱い敵意を減少させることで『財団に恨みを持つDクラス職員』を減らす方向に動くプロトコルである。

コレにはSCP-3025-JPへの対策の他により効率的なDクラス職員の運用方法の開発やDクラス職員の業務意欲向上といったメリットも期待されており、 財団内部部門のうち『匡済部門』という「Dクラスの尊厳を守りながら効率的かつ円滑な運用を行うことを目指す部門」が全面的に協力するそうだ。

報告書によると一旦この方法で様子見しつつ、SCP-3025-JPによる被害が減ったのを確認した後でSCP-3025-JPそのものの発生を抑制する方向で財団は動いていくつもりらしい。




怪物退治、英雄譚の側面を持つ「以津真天」の逸話の裏には「名も残らない大量の死者」が存在している。そして財団によって記される報告書の裏にもまた番号で管理され名を残すことも許されない無数のDクラス職員たちがいる。
彼らが以津真天と化し財団に牙を剥いたのは決して偶然ではないだろう。


追記・修正は目の前の問題を"&ruby(いつまで){以津真天}"も先送りにせずお願いします。

#right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){
SCP-3025-JP "以"は「&ruby(いつまで){以津真天}」の"以"
by eagle-yuki
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3025-jp


この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。}}
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