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IA -ARIA ON THE PLANETES-

登録日:2026/10/19 Mon 22:47:16
更新日:2026/10/19 Mon 23:32:55NEW!
所要時間:約 10 分で読めます






The voice breathes again.
クリスタルヴォイスが再び息づく。



IA -ARIA ON THE PLANETES-(イア -アリア オン ザ プラネテス-)とは、1st PLACE株式会社が企画・発売している音声合成ソフトウェア、およびそのイメージキャラクターの名前である。
通称はIA(イア)。

2012年にVOCALOID3用ライブラリとして登場し、じん、kemu、Orangestarらのヒット曲とともに名を広めた歌声。
発売元が「所属アーティスト」として本人名義の活動も展開しており、ソフトであると同時に、世界各地でライブを行ってきたバーチャルアーティストでもある。



目次



◇概要   


初出は2012年1月27日発売の「VOCALOID3 Library IA -ARIA ON THE PLANETES-」。
ヤマハの歌声合成技術VOCALOIDの第3世代エンジンに対応した音声ライブラリで、企画・開発は1st PLACEの「IA PROJECT」が担当している。

声の元になったのは、ゲーム『AIR』の主題歌「鳥の詩」などで知られる歌手Lia。
VOCALOID SHOPでの売り文句は「“クリスタルヴォイスの歌姫”Liaによるボーカロイド」。
収録にあたっては、Liaの透明感はそのままに、伴奏に埋もれない存在感と、サビで映える声の張りが重視されたという。

発売当時の報道によれば、製品には「鳥の詩」のVSQX(VOCALOID用の演奏データ)とインスト音源まで付属していた。
買ったその日にIAに「鳥の詩」を歌わせられるわけで、Liaのファンにはたまらない特典である。

反響は大きく、公式によれば発売週にAmazonの音楽制作ソフトウェアランキングで1位を獲得。
ニコニコ動画でも発売直後から人気ボカロPの楽曲が続々と投稿され、当時のネットメディアには「大ブレイク中の新たな歌姫」として紹介されている。

推奨音域はB2〜A4、推奨テンポは63〜228BPM。
2026年10月現在もVOCALOID SHOPでダウンロード版(10,185円・税込)が販売されており、VOCALOID4以降のエディター上でも歌声ライブラリとして使える。
ただしVOCALOID3用ライブラリなので、グロウル機能には対応していない。


◇キャラクターとしてのIA   


キャラクターデザインを手掛けたのは赤坂アカ。
『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』や『【推しの子】』(原作:赤坂アカ×作画:横槍メンゴ)で知られる漫画家である。

長く伸ばした髪がトレードマークで、公式も「長年にわたり彼女の象徴でもあったロングヘア」と表現しており、2026年の新製品でショートヘアになった際には、そのこと自体がプレスリリースの見出しになった。

公式の肩書きは「魂を持つバーチャルアーティスト」。
ライブショー「ARIA」で語られる物語では、IAは宇宙の果てにある音の惑星“ARIA”の精霊。妹のOИE(オネ)とともにその星で生まれ育ち、いまは地球で活動している、という設定になっている。
活動のフィロソフィーとして掲げているのは「生命・愛・平和」。

OИEは2015年1月27日にCeVIO Creative Studio用のボイスとして登場した、1st PLACEのもう一人のバーチャルアーティスト。キャラクターデザインはIAと同じく赤坂アカが担当した。
姉妹揃ってのライブ出演や、連名での楽曲発表も多い。

なお、最初の製品の発売日である1月27日は節目の日として扱われており、2026年の同日には周年記念イベント「IA & ONE ANNIVERSARY PARTY!!」も開催された。
OИEの発売(2015年)、VoiSona版の配信(2024年)、VOCALOID6版の発売(2026年)も、すべてこの日付である。


◇声の特徴   


濁りのない高音と真っ直ぐに伸びるロングトーンが持ち味。
公式の製品紹介ではバラード、ポップス、ダンスミュージックからロックまで対応できるとされ、設定次第でキュートな声から澄んだハイトーンまで作り分けられる。

もうひとつの強みが「扱いやすさ」。
ヤマハ公式の紹介記事はタイトルからして「調声が苦手でも安心!」で、声のつなぎ目が自然で調整しやすく初心者にも人気、という趣旨の説明がされている。
推奨音域・推奨テンポの幅が広く、速い曲にも音の高い曲にも付いてこられるため、疾走感のあるロックとの組み合わせが定番になった。

その反面、澄んだ声質のせいで激しい曲では線が細く聴こえることもある。
これを補うために作られたのが追加ライブラリ「IA ROCKS」で、子音の強いアタックやブレスノイズといった「声の雑味」をあえて加え、透明感と力強さを両立させている。


◇製品の変遷   


VOCALOID


  • IA -ARIA ON THE PLANETES-(2012年1月27日)
すべての原点。VOCALOID3用の日本語ライブラリ。

  • IA ROCKS -ARIA ON THE PLANETES-(2014年6月27日)
前述のパワフル版。こちらもVOCALOID3用で、2種を同梱した「DUO PACKAGE」なども用意された。

  • VOCALOID6 Voicebank IA :[R] -ARIA ON THE PLANETES-(2026年1月27日)
読みは「イア リブレス」。VOCALOID用ライブラリとしては約11年半ぶりの新作。
AI技術を搭載したVOCALOID6エンジンに対応し、1つのボイスバンクで日本語・英語・中国語の3言語を歌えるのが最大の特徴。自分の歌い方をIAの声に変換できる「VOCALO CHANGER」にも対応する。
名前の「:[R]」にはRebirth(再生)・Resonance(共鳴)・Rebreath(再呼吸)の3語が込められている。
キャラクターデザインとイラストはMiku Ohya(原案:赤坂アカ)。VOCALOID SHOPでの価格はダウンロード版で11,220円(税込)。

CeVIO・VoiSona


  • IA TALK(2017年3月1日)
CeVIO Creative Studio S用のトークボイス。歌姫がついに喋るようになった。

  • IA ENGLISH C -ARIA ON THE PLANETES-(2018年6月29日)
CeVIO Creative Studio 6専用の英語ソングボイス。ネイティブ監修のもと、流暢さ重視の「Natural」と力強い「Powerful」の2種を収録。

  • CeVIO AI版(2021年)
AI技術を用いたCeVIO AI向けに、まず3月12日にトークボイスが登場。同年10月27日には日本語ソングボイス「IA AI SONG」と英語ソングボイス「IA AI SONG ENGLISH」が同時発売された。

  • VoiSona版(2024年1月27日)
「IA AI SONG」「IA AI SONG ENGLISH」がAI歌唱ソフトVoiSonaにも搭載。CeVIO AI版と同等の合成品質を、月額・年額のライセンス形式で利用できる。


◇主なオリジナル曲   


  • 六兆年と一夜物語
作詞・作曲 kemu
2012年4月11日投稿。
忌み子として生まれた少年の物語を、畳みかけるような高速ロックに乗せて歌う一曲。イラストはハツ子、動画はke-sanβが手掛けた。
同じ世界観の連作「KEMU VOXX」ではGUMIの起用が多いが、シリーズ最大のヒット曲である本作の歌唱はIA。ここを取り違える人は意外と多い。
ニコニコ動画で1000万再生を突破して「VOCALOID神話入り」を果たしており、角川書店から小説版も刊行された。

  • アスノヨゾラ哨戒班
作詞・作曲 Orangestar
2014年8月19日投稿。
夜空へ駆け上がっていくような疾走感のあるナンバーで、M.Bのイラストとともに作者の名を一気に広めた。
こちらもニコニコ動画で1000万再生を突破済み。
ちょうど1年後の2015年8月19日には、生演奏によるバンドアレンジ版「キミノヨゾラ哨戒班」も投稿されている。

  • カゲロウプロジェクト
作詞・作曲 じん(自然の敵P)
じんによる楽曲群を軸に、小説・漫画・アニメへと広がったメディアミックス作品。
「ヘッドフォンアクター」「チルドレンレコード」「ロスタイムメモリー」など、シリーズの多くの楽曲でIAが歌唱を担当している。
なかでも少女と森を描いたファンタジックな一曲は、IA発売直後の2012年2月に「想像フォレスト」として投稿され、のちに「空想フォレスト」として改めて公開された。
2014年にはTVアニメ『メカクシティアクターズ』の挿入歌にもIAの歌声が使われた。
初期のIA人気は、じんとの組み合わせを抜きには語れない。

  • 日本橋高架下R計画
作詞・作曲 じん
公式コンピレーションアルバム『IA/01 -BIRTH-』の収録曲。
発売前に公開されたショートアニメ仕立てのPVが話題を呼び、アルバムの宣伝役を果たした。

  • Inner Arts
作詞・作曲 じん
後述するゲーム『IA/VT -COLORFUL-』のために書き下ろされた主題歌。

  • Euphoria
作詞・作曲 じん
2018年9月につくば市で開催された第30回国際情報オリンピック(IOI 2018)のテーマソング。
カゲロウプロジェクトの映像で知られるしづがジャケットイラストを担当しており、IA・じん・しづの3者が揃うのは久々のことだった。

  • SEE THE LIGHTS
アーティスト ASY
カーレース「SUPER GT」とのコラボレーション楽曲。2013年発表のコンピレーションアルバム『CiRCUiT BEATS -SUPER GT 20th Anniversary-』に収録された。

  • Shooting Star
編曲 TeddyLoid
公式デモソングとしても使われているダンスチューン。2015年、IA初の北米ライブ開催を記念してMV完全版が公開された。

  • セツナドライブ
楽曲制作 滝 善充(9mm Parabellum Bullet)
IA ROCKSを使ったロックチューン。コンピレーションアルバム『IA/03 -VISION-』収録。

  • Conqueror
公式プロフィールでも名前を挙げて紹介されている楽曲で、関連動画を合わせた再生数は2000万回を超えるという。

  • アルカナイデア
Song by gaburyu
「IA :[R]」のデモソング。同製品のデモソングとしては他にr-906「シリーテラー」、■37「リマインド」などが公開されている。
2026年9月30日には、原口沙輔・LanPage・142clawzらの書き下ろしを収めたEP『再呼吸』も配信された。


◇バーチャルアーティストとしての活動   


IAが他のボカロと少し違うのは、発売元が本人名義の音楽活動を積極的に展開してきた点にある。
公式プロフィールによれば、これまでにシングル11作・アルバム9作をリリース。楽曲提供者にはSUGIZO、大沢伸一、KOHH、TeddyLoid、MINMIといった名前も並ぶ。

公式アルバム


1st PLACEの看板企画が、IAとさまざまなクリエイターの共演を集めたコンピレーションアルバム「IA/0X」シリーズ。

  • IA/01 -BIRTH-(2012年4月25日)
シリーズ第1弾。Keyの麻枝准による書き下ろし曲や、Liaの「My Soul,Your Beats!」のIAバージョンなどを収録。

  • IA/02 -COLOR-(2013年1月30日)
第2弾。じんとIAによる「VOICE FES 2012」テーマソング「ワールド・コーリング」などを収録。

  • IA/03 -VISION-(2014年)
第3弾。発売されたばかりのIA ROCKSを使った楽曲が加わった。

  • IA/04 -STAR-(2018年3月28日)
第4弾。「Euphoria」や「キミノヨゾラ哨戒班」などを収録し、IAの英語の歌声もここで初めて披露された。

  • IA/05 -SHINE-(2024年2月2日)
第5弾。10周年企画として始まり、2年がかりで完成した6年ぶりの新作。総勢20名のクリエイター・ボーカリストが参加した全15曲を配信で発表し、最終曲「シンギュラリティ」にはOИEがゲストボーカルで参加している。

このほか2022年1月19日には、10周年を記念した初のベストアルバム『IA SUPER BEST -THE ARTIST-』も発売された。

ライブ


  • PARTY A GO-GO(2015年〜2018年)
「ヴァーチャルとリアル(人間)の共演」をテーマにしたワンマンライブ。生身のダンサーやゲストアーティストと同じステージに立つスタイルが評価され、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、上海、マドリードなどを巡る世界12都市のワールドツアーへと発展した。
公式発表では延べ30,000人超を動員。ライブ映像の上映キャラバンも世界300都市以上で開かれ、こちらは延べ9万人を動員している。

  • BILIBILI MACRO LINK 2017
上海で開催された音楽フェスに出演。IAの出番中、生配信の同時視聴者数は最大72万人に達した。

  • ARIA -IA MUSICAL & LIVE SHOW-(2018年〜)
音楽・アート・テクノロジーの融合を掲げた全4章構成のショー。
フランス・アンギャンレバン市のデジタルアートフェスでのプレミア公演を皮切りに、2019年1月にはDMM VR THEATER YOKOHAMAで日本初演を迎え、北米でも上演された。ライブパートには「PARTY A GO-GO」の続編も組み込まれている。

  • 周年ライブ
2022年はデビュー10周年として、ベスト盤や記念書籍、アート展などを1年がかりで展開。同年12月31日にはヒューリック東京で10周年ライブと、自身初のカウントダウンライブを開催した。
2025年には13周年記念ライブの中国公演も行われている。

ゲーム


  • IA/VT -COLORFUL-
2015年7月30日にマーベラスから発売されたPlayStation Vita用リズムゲーム。読みは「イア ビジュアルトラックス カラフル」。
IAにとって初の主演ゲームで、収録曲は60曲。当初は2014年7月31日発売予定だったが、延期を重ねて丸1年遅れての発売となった。

タレント活動


  • 国内最大級のカーレース「SUPER GT」のイメージガール(2013年・2014年)
  • 前述の国際情報オリンピックで、バーチャルアーティスト初の実行委員に就任(2018年)
  • JR東日本「案内AIみんなで育てようプロジェクト」に参加し、上野駅でアテンダントを担当(2019年)
  • OИEとともに東京都西多摩郡瑞穂町のPRソングを公開(2025年)



◇余談   


公式によると、IAの関連動画の総再生数は10億回を超えているという。

二次創作については1st PLACEが「二次創作ガイドライン」を公開している。イラストや動画を作って公開する前に、一度目を通しておこう。





追記・修正は、紡いだ声と新たな声でお願いします。



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最終更新:2026年10月19日 23:32