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デスティニープラン - (2024/01/09 (火) 14:31:48) の1つ前との変更点
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#center(){
&font(#800080){これこそが繰り返される悲劇を止める唯一の方法です。}
&font(#800080){私は人類存亡を賭けた最後の防衛策として、デスティニープランの導入実行を、今ここに宣言いたします!!}
}
デスティニープランとは、『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』に登場した社会構想である。
プラント最高評議会議長[[ギルバート・デュランダル]]が提唱したものであり、
彼の&bold(){&font(#800080){「人は自分を知り、精一杯できることをして役立ち、満ち足りて生きるのが一番幸せだろう」}}という思想に基づく。
*【概要】
プランを提唱する際にデュランダル議長が掲げた内容は以下の通りである。
基本的には人間の遺伝子を解析することで個人の適性を見出し、それに合った職業に就くことで誰もが幸福に生きられる社会を作るシステム。
個人の適性に合わせることを最優先にすることで不満も生じず、争いも生まれないことを理想としている。
更には国家間の争いを無くすことも視野に入れていた。
生まれ持った「性格」「知能」「才能」「重篤な疾病の有無」などを遺伝子解析によって解明し、
その情報に基づいて、その人の特性に適した役割を与えるというシステム。
例えば、音楽的な才能を持つ者には、その才能を開花させられる環境を与えよう、というような仕組みである。
能力がないにも関わらず、親のコネなどの不正な手段で職業や地位を得たものを蹴落とし、
年齢や縁故、経験に関わらず、その職業や地位に適した人物がその役割を与えられる、という革命とも言える交代劇を引き起こす。
ある意味では「徹底的な能力主義」とも言える社会構造を作り出す。
以上の内容がプラン発表の際に議長側から発信されたプランの説明である。
[[シン・アスカ]]は、今の世界を根底から変えようとするシステムだと考えた上で、才能を見出され浮かぶ者がいる一方で沈む者もいるはずだ、と不安を感じていた。
野球選手になりたくて頑張ってきた人が、ある日突然「君の能力では無理だ。歌手になりなさい」と言われて「はい、そうですか」と納得できるものだろうか、とも考えていた。
[[ラクス・クライン]]達は「人々から決定権を国家が取り上げて管理する」というものと捉え、「世界を殺すシステム」だと断じた。
実際のところはプランへの参加は自発的なものとしつつ、デュランダルは世論を操作することで、プランを導入せざるを得ない状況にもっていこうとしていたらしく、プランの導入とプラン自体は&bold(){強制}である。
戦争の只中で突然の発表に至ったのも、戦争とロゴス壊滅による政治経済の混乱に乗じて、なし崩し的に導入させるためと思われる。
*【問題点】
プラン導入に伴う問題点はいくつか指摘されている。
と言うのも、&bold(){プラン発表の際に掲げられた「徹底した能力主義」といった概要と説明はほとんどが虚偽}であり、実際は&bold(){&font(#800080){徹底した生まれの遺伝子による人間の管理社会にする事で人類の競争・努力を排除し長い時間をかけて争いの原因になる様々な方向の向上心を衰退させて戦争を無くす}}という、&bold(){人類の発展や可能性を徹底的に否定・排除し生きながらえさせる最終プラン}である事が監督により説明されている。
遺伝子とひとくくりに言っても、生まれたときから発現している遺伝子と潜在的な遺伝子の二種類が存在し、後者の遺伝子は本人を取り巻く後天的環境で発現するか否かが決まってくる。
例えば遺伝子上はスポーツ選手の適性が潜在的にあったとしても、適切な食事や運動ができない環境ではその能力を発揮できない。
仮にプランの導入によって適切な環境の提供が確約されたとしても、そういった潜在的な遺伝子が確実に発現するとも限らず、実際は遺伝子=能力とはいかない。
つまりこれからプラン下で教育されて生まれてくる子供はともかく、今居る人類(主にナチュラル)は能力を度外視して職業シャッフルされる事になり、社会と経済は大きく後退する事は避けられない。
遺伝子的才能があっても、遺伝子による適性と本人の望む職業に高確率で齟齬が生じる為、不満が生じる上に優秀な人間であれば多くの適性があるのが普通である。
その場合、二番目以降に適性のある職業が割り当てられる・選べる仕組みならば、不満が生じるのを抑えられるかもしれないが、そういった説明は本編中には無い。
そして天才の子どもが天才とは限らないように、親は優秀だったが本人には遺伝子的才能がなく、親やコネ、教育などで経験を得て後天的才能を得た組織の重鎮に納まっているタイプの人間の場合、
このプランが導入されることで地位や権力、果ては職を失うことにもなり、そういった人々からの反発や、それに伴う大規模な社会的混乱も必至である。
また、それがデスティニープランを推進・運営する側の重鎮だった場合、システムを保持する為に不正を行わないかの説明や設定も無く、プランを強行する必要上そういった不正を許容していく危惧もある。
最大の問題点として、プランを実行・維持する為にデュランダル議長はじめプラン推進派がプラン実行後もその地位を保持する必要がある為、推進派はシステムの外で支配層に座る事が絶対条件になってくる。(仮にプラン否定派が検査で代表者に選ばれると、当然プランは即中止されてしまう)
つまり実際は&bold(){AIではなく一部の特権階級が人類を遺伝子で支配する社会構造}になってしまう為、放送直後の時点で視聴者層からもそういった指摘が挙がっていた。
この点について[[アスラン・ザラ]]等は「そぐわない者は淘汰、調整、管理される」と予想していた。
[[キラ・ヤマト]]等はこれを「逆らうものは排除する」という意思表示と見ている(実際、デュランダル自身もそのように述べている。これについては後述)。
この計画を悪人が利用した場合、「強者が弱者を不正に蹴落とす」という弱肉強食の社会構造を生み出す可能性も高い。
また仮にプランに従って各々が適性のある職についても、その適性のある人間同士で実力差などから妬み等が生じる可能性はあり、長い時間をかけてそれらを淘汰していくと結局多くの血と涙が流される事になる。
悪人が利用せずとも、漫画『[[THE EDGE>機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE]]』でもキラが言及していたが、
「遺伝子で職業が決まるなら、より職業の適性の高い優れた人間を狙って製造する方向へと加速する」という問題がある。
元々資金力のある人間・家が地位を保持する為に一層金をかけて、子孫が人気の職業に就けるように、より正確に発現するよう高精度の遺伝子調整を行うデザインベビー合戦へと発展し、
結果的に以前より富裕層と貧民層の格差が広がり、プランの説明とは真逆になってしまう。
作中世界で、クローンであり、遺伝子上同一人物である[[ラウ・ル・クルーゼ]]と[[レイ・ザ・バレル]]が歩んだ人生の過程でまったく別の人間として別の選択肢を選べる事を描写した事で遺伝子を全てとするデスティニープランを&bold(){事実上完全否定}した。
また、福田監督はデスティニープランを採用した世界を進化の否定としており、「自ら進化しないということは計算外の希望や未来は許されない。言い換えれば、生物種としての自死を意味する。」と酷評している。
戦争の解決を、「才能を適切に見出し不満と争いを無くす」では無く、人類が長期の徹底した人間管理社会で競争・闘争心を失う変化(退化?)で実現させる内容である為、発表時に提唱した概要とはまったく異なる未来を解説している。
また、当然長い時を要する解決法の為、少なくともプラン実行後の数十年~百年単位でプランの体制を巡って戦争や紛争が起きないとは一切説明しておらず、一部の視聴者の「プランが実行されれば少なくとも戦争は無くなる」は完全に誤解である。
はっきりしている事は、プラン実行後の未来がプランを否定した未来より平和という保証は無く、具体的な年表などは解説されていない。
*【発表後とその末路】
デスティニープランが発表された後、機動要塞メサイアでシステムが起動し、各国にそのマニュアルが届けられた。
早速遺伝子調査を始めるプラント地区もあったが、多くの国は突然の発表に当惑した。
以前からプランについて知っていたクライン派、オーブ連合首長国やスカンジナビア王国、そして地球連合の一部は反対を表明(オーブについてはそもそも明確に敵対状態になっていたのだから、プラン以前の問題でもある)。
これらの勢力に対し、デュランダルは『人類の存亡を賭けた最後の防衛策』としたうえでプランに敵対する者を『人類の敵』と見なし、修理したレクイエムを発射。
プラントに向けて艦隊を発進させていた月のアルザッヘル基地を艦隊ごと破壊する。
その後、メサイア攻防戦が勃発し、デュランダルの死でプランは頓挫した。
なお、製作者スタッフはデュランダル派の残党やそれ以外の組織によってデスティニープランが後の世に復活する可能性を示唆している。
そして、実際に『SEED ASTRAY~天空の皇女~』では世界を誘導して自発的にデスティニープランを導入させようとする者が現れている。
*【本編に於けるデスティニープランの問題点】
この項目ではデスティニープランの多くの問題点を指摘しているが、実は本編ではキラたちが「もしかしたらこれで戦いはなくなるのかもしれない」と(皮肉交じりだが)擁護もしている。
にも関わらず作中でキラ、アスラン、ラクス、カガリを始め多くの者が徹底的にこのプランを否定したのは他ならぬ&bold(){デュランダル議長のやり方に問題があったため}である。
というのも議長はこのプランを決行するために様々な暗躍・暗闘((ミーアの存在や二度に渡るラクスの暗殺(ラクス暗殺は議長による指示と本編では明言されてないが、ミーアの存在があるので絶対に無関係ではない)、ある意味最悪のタイミングでのロゴスへの宣戦布告など))を繰り広げており、これがキラたちの不信を煽った。
もっとも最悪だったのは&bold(){&color(#F54738){レクイエムの発射}}である。
連邦が反抗の素振りを見せたタイミングでこれを撃ち無力化した訳だが、自国に甚大な被害を齎した兵器を逆利用して今度は敵を壊滅せしめたのである。
しかも実際に自軍と戦闘に至る前、&bold(){兆しがあったというだけ}で、基地や主要都市諸共に粉砕した。
これはキラたちどころか(レイ以外の)ミネルバクルーですら絶句し、イザークやディアッカに至っては完全に議長に愛想が尽きた大暴挙であった。
ちなみに議長は「反抗の兆しがあったから(自軍の被害が出る前に)撃った」ともはや体裁を取繕うことなく言っており、これには議長を信頼していたシンですら顔を曇らす程((小説版の内心では「こんなやり方じゃオーブが反抗するのも当たり前だ」とまで思っていた))だった。((敵を無力化するという最低限の言い訳はあったが、そもそも「一度は撃たなければならない」と議長本人が言い切っているので、アルザッヘル基地は防衛目的というより丁度良い試し打ちと見せしめの側面が強かった))
つまりデスティニープランにも問題点はあるが、それ以上に問題点があったのが議長が様々な手腕や暗躍、挙句に&bold(){大量虐殺兵器による力と脅しでこのプランを強行したこと}なのである。
そもそも大前提としてキラやラクスたちが議長に不信感を抱いたのも&bold(){『自分たちが殺されかけたため』}である。((ミーアの存在はこの件が無ければある程度容認していた))
デスティニープランを強制執行するために用いた数々の策略がギルバート・デュランダルという人間の本質を浮き彫りにし、彼が最も警戒したキラたちの反発を招き、最終的に彼らによってデスティニープランは頓挫させられたという結果は皮肉としか言いようがないだろう。
ちなみにこれに関しては漫画の『THE EDGE』でアスランが議長に対して明確に疑問を投げかけている。((その問いに対する答えは「結局人間は話合いではいつまで経っても解決出来ないから、最後は力で物事を決めるのが手っ取り早い」(要約)という身も蓋もない返答だったが…))
*【その他あれこれ】
◇「デスティニープラン」の名前が出て来たのは終盤はじめ頃。44話にて概要が説明された。&br()しかし急な展開に加えコミカルなSDアニメを交えた説明から混乱した視聴者も少なくない。
◇外伝『[[機動戦士ガンダムSEED ASTRAY]]』シリーズの一作、『ΔASTRAY』に登場する&br()火星への移住者、「マーシャン」の社会制度は遺伝子的素養を重視するという点でこれに近い。&br()が、これはあくまで地球圏に比べて人材・物資など厳しい環境下にある火星圏において仕方の無い措置である、とマーシャンのリーダー、アグニス・ブラーエは言及しており((なおデュランダルとの会談でこの火星の社会制度に触れられた際、政治的な非難を予想したアグニスは強い口調で反論しているが、デュランダルはむしろ好意的に見ている旨を発言している))&br()アグニス自身副官のナーエ・ハーシェルを(遺伝子的素養から割り当てられた)異業種からスカウトしたように「遺伝子的素養以外にも重要な物がある」と理解しているためデスティニープランを否定している。
◇放送前のSEED DESTINYの番宣アニメのナレーションには「繰り返される悲劇を止める事が出来るのは一体?」という台詞がある。&br()冒頭のデュランダルの台詞は、これに対する自身の返答となっている。
◇一応「遺伝子によって人間の適性を判断し、個人がそれを人生の判断材料にする」という発想自体はそこまで問題のある物ではない。&br()あくまでデスティニープランが問題とされたのは、「遺伝子を社会の絶対的な基準にする」という極端な方向に行ってしまったからである。
*【他ゲームでの扱い】
本編では説明不足により詳細不明だったため、『[[スーパーロボット大戦シリーズ]]』では他作品とのコラボレーションも交え、より充実した内容となっている。
最終的に自軍から反対されるのは本編と変わらないが、プラン自体が充実したためか反対される理由も本編より充実している。
◇[[スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd]]
[[シロッコ>パプテマス・シロッコ]]のクローンによる地球圏の防衛計画。
一応、遺伝子的な欠陥は取り除いた上でのものと説明されてはいるが、真相を知ったレイからは
&b(){「自分やクルーゼの悲劇を繰り返そうとしている」}と見なされてしまい、デュランダルはレイの手で撃たれてしまう…
(デュランダル自身も「レイとクルーゼを裏切ってしまった」という自覚はあった模様)
◇[[スーパーロボット大戦Z]]シリーズ
[[黒歴史]]の遺産の一つで、「[[ニュータイプ>ニュータイプ(ガンダムシリーズ)]]に覚醒する人類を探し出す」方法として流用される。
[[フロスト兄弟]]はプランの副産物兼被害者という設定で登場しているため、デュランダルを恨んでいた。
後に[[第3次Z>第3次スーパーロボット大戦Z]]にて、[[SEED>SEED(能力)]]保有者を発見してクロノ保守派(ナチュラル)から隠し、[[絶望の未来>御使い(スパロボ)]]に抵抗しようとしていたことが判明する。
またZシリーズにおける[[コーディネイター>コーディネイター(ガンダムSEED)]]は、クロノ改革派による保守派への対抗策として生み出された存在で、
ナチュラルとコーディネイターの対立は、クロノにおける保守派と改革派の抗争でもあった。
◇[[スーパーロボット大戦L]]
&b(){恐らく独自の解釈が大幅になされた作品。}
[[バジュラ>バジュラ(マクロスF)]]や[[クトゥルフ>戦え!!イクサー1]]といった異星人対策の延長上として提唱される。
この作品におけるデスティニープランは、『「[[ゼントラ>マクロスF]]化可能な者」や「SEED保有者」を見つけ出し、LOTUSのような軍事組織を多く作り、地球圏を防衛すること』が目的。
作中の時点で多数の敵勢力との戦争で地球の軍事力は劣勢に立たされており、一部のスーパーロボットを結集したLOTUSの活躍によって辛うじて撃退できている状況であり、目的は至極真っ当。
さらに、適性職業の斡旋などまで含まれていたのかは語られていないが、少なくともゼントラ化可能かどうかは完全に遺伝子の適性だけで決まる問題なので、原作で指摘されていたプランの矛盾点にある程度の答えが出ている形になる。
加えて言うなら、作中の敵勢力の中でも特に大きな「[[統一意思セントラル>鉄のラインバレル]]」の存在がある。
その実態は「行き詰ったエネルギー問題を解決するために徹底的な効率化を図った結果、個々人の自由意思を完全に消して全人類を単一の意識の基に統一・システム化したもの」である((ゲーム内ではセントラルの発生した「向こう側の地球」では他勢力との兼ね合いで人類半数となっているが、原作のアニメバレルでは本当にほぼ全人類をシステム化している。))。
言うならばデスティニープランを極限まで突き詰めるどころか100万倍して濃縮したような地獄絵図が仲間を求めて侵食してきているようなものである。
彼らはあらゆる無駄を切り捨てて人類を均一化するが、それはそれとして新たな可能性を見出せる突出した能力を利用しようとする意志はある。
これに真っ向から軍事力で今すぐ対抗することは難しいと考えたデュランダルはそこに漬け込み、セントラルへの協力体制を装いながらカウンターの準備ができる苦肉の策として、遺伝子解析による戦力の発見というプランを考え出したのだ。
今作ではシンなど原作ではデュランダルに従ってプラン推進派に属していたザフト軍の面々も、多数の仲間に助けられて自らの意思で進む道を決めているため、
デュランダルに従う道を優先するレイ以外はザフト軍のメンバーも全てLOTUSに残留してデュランダルと敵対する。
しかし今作におけるデュランダルはこういった外敵への脅威のためにアークエンジェルをわざと見逃すなど全人類のためを真に考えた行動を取る人物になっており、
敵対してもなおプレイヤー部隊から最後まで説得を試みられるなど、上述のプランの背景もあり、デュランダルおよびデスティニープランそのものはそこまで敵視されていない。
あくまで「人類の未来を憂う者として一定の理解ができるが、主義主張の違いから止むを得ず対立しなければならなかった相手」となっている。
◇[[スーパーロボット大戦UX]]
[[シン>マークデスティニーのパイロット]]が[[総士>皆城総士]]に対して「かつて実行されようしたが、その思想は人々に受け入れられなかった」と語っている。
もしデュランダルが[[イノベイター>イノベイター(機動戦士ガンダム00)]]の存在を知っていたら、プラン内に「イノベイターに覚醒し得る人間の発見」も盛り込んでいた可能性が高い。
前大戦で[[「運命」という言葉を一番に嫌う男>真上遼(マジンカイザーSKL)]]がこの計画名と内容を聞いていたら間違いなく怒り狂っていただろう。
ついでに[[声的にデュランダルの宿敵だったであろう男>リボンズ・アルマーク]]はブチキレるか、自分が頂点である上でその成果をそっくりいただこうとするかどっちかだったに違いない。
また、シンは[[ファフ>真壁一騎]][[ナー>羽佐間翔子]][[の>春日井甲洋]][[パイロットに>近藤剣司]][[選ばれた>要咲良]][[少年>小楯衛]][[少女達>遠見真矢]]の生き様と、彼らを待ち受ける[[宿命>同化現象(蒼穹のファフナー)]]をデスティニープランと重ね合わせていた。
この時、彼は「人は生まれながらに生き方を左右されたりはしない」と暗にデスティニープランを否定しており、原作とは違い反対する立場に回ったようにも見えなくもないが…?
◇[[スーパーロボット大戦V]]
『SEED DESTINY』が原作終了後参戦ということで大きく原作再現はされなかったが、
&bold(){このデスティニープランと同種の政策を極端な形で導入・実践したオリジナル勢力[[超文明ガーディム>超文明ガーディム(スパロボ)]]が登場する。}
しかしその実情は、&bold(){合理化とシステム化の名の元に愛や恋愛といった「人間性」が切り捨てられ、種族全体がシステムに隷属する管理社会であった。}
人間性が失われた反面、技術力と武力は非常に優れた文明となっていたものの、同時に他種族を頭ごなしに見下し蔑む傲慢な差別意識の権化となり果て、
更には他文明を「管理」や「矯正」の名目で侵略する蛮行まで働いていた。
詳しくは当勢力の個別ページを参照。
彼らの醜悪で歪な傲慢さとプライドは、[[自分達が開発したシステム>ネバンリンナ(スパロボ)]]からも&font(#ff0000){&bold(){「害悪」}}とまで評して蔑まれた。
*【余談】
現実でも遺伝子を解析するサービスが一部では始まっている。(一回数十万円程度から行える模様)
遺伝子解析で判定できる内容は身体能力(短距離走向きか長距離走向きか等)、精神面(楽観的か悲観的か等)など多岐にわたり、未だ発展途上で信頼性や倫理面において賛否が分かれているが、英才教育の一環として一定の利用者がいるようである。
また上記の問題点の一部は放送当時の遺伝子研究に基づいた問題点であり、現在では遺伝子研究が進み、個人が先天的に持ちうる「能力」だけでなく、性格や精神の傾向(コミュニケーション能力やストレス耐性など)、
後天的に発症するリスクのある疾患(癌やうつ病など)などもある程度はわかるようになってきている。
遺伝子解析技術の発展次第では、プランを実行した場合に想定される問題のうち、「割り振られた職業に適応できない」や「後天的な疾患で働けなくなる」などの問題が解消される可能性もある。
追記・修正は遺伝子調査をしてもらってからお願いします。
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デスティニープランとは、『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』に登場した社会構想である。
プラント最高評議会議長[[ギルバート・デュランダル]]が提唱したものであり、
彼の&bold(){&font(#800080){「人は自分を知り、精一杯できることをして役立ち、満ち足りて生きるのが一番幸せだろう」}}という思想に基づく。
*【概要】
プランを提唱する際にデュランダル議長が掲げた内容は以下の通りである。
基本的には人間の遺伝子を解析することで個人の適性を見出し、それに合った職業に就くことで誰もが幸福に生きられる社会を作るシステム。
個人の適性に合わせることを最優先にすることで不満も生じず、争いも生まれないことを理想としている。
更には国家間の争いを無くすことも視野に入れていた。
生まれ持った「性格」「知能」「才能」「重篤な疾病の有無」などを遺伝子解析によって解明し、
その情報に基づいて、その人の特性に適した役割を与えるというシステム。
例えば、音楽的な才能を持つ者には、その才能を開花させられる環境を与えよう、というような仕組みである。
能力がないにも関わらず、親のコネなどの不正な手段で職業や地位を得たものを蹴落とし、
年齢や縁故、経験に関わらず、その職業や地位に適した人物がその役割を与えられる、という革命とも言える交代劇を引き起こす。
ある意味では「徹底的な能力主義」とも言える社会構造を作り出す。
以上の内容がプラン発表の際に議長側から発信されたプランの説明である。
[[シン・アスカ]]は、今の世界を根底から変えようとするシステムだと考えた上で、才能を見出され浮かぶ者がいる一方で沈む者もいるはずだ、と不安を感じていた。
野球選手になりたくて頑張ってきた人が、ある日突然「君の能力では無理だ。歌手になりなさい」と言われて「はい、そうですか」と納得できるものだろうか、とも考えていた。
[[ラクス・クライン]]達は「人々から決定権を国家が取り上げて管理する」というものと捉え、「世界を殺すシステム」だと断じた。
実際のところはプランへの参加は自発的なものとしつつ、デュランダルは世論を操作することで、プランを導入せざるを得ない状況にもっていこうとしていたらしく、プランの導入とプラン自体は&bold(){強制}である。
戦争の只中で突然の発表に至ったのも、戦争とロゴス壊滅による政治経済の混乱に乗じて、なし崩し的に導入させるためと思われる。
*【問題点】
プラン導入に伴う問題点はいくつか指摘されている。
と言うのも、&bold(){プラン発表の際に掲げられた「徹底した能力主義」といった概要と説明はほとんどが虚偽}であり、実際は&bold(){&font(#800080){徹底した生まれの遺伝子による人間の管理社会にする事で人類の競争・努力を排除し長い時間をかけて争いの原因になる様々な方向の向上心を衰退させて戦争を無くす}}という、&bold(){人類の発展や可能性を徹底的に否定・排除し生きながらえさせる最終プラン}である事が監督により説明されている。
遺伝子とひとくくりに言っても、生まれたときから発現している遺伝子と潜在的な遺伝子の二種類が存在し、後者の遺伝子は本人を取り巻く後天的環境で発現するか否かが決まってくる。
例えば遺伝子上はスポーツ選手の適性が潜在的にあったとしても、適切な食事や運動ができない環境ではその能力を発揮できない。
仮にプランの導入によって適切な環境の提供が確約されたとしても、そういった潜在的な遺伝子が確実に発現するとも限らず、実際は遺伝子=能力とはいかない。
つまりこれからプラン下で教育されて生まれてくる子供はともかく、今居る人類(主にナチュラル)は能力を度外視して職業シャッフルされる事になり、社会と経済は大きく後退する事は避けられない。
遺伝子的才能があっても、遺伝子による適性と本人の望む職業に高確率で齟齬が生じる為、不満が生じる上に優秀な人間であれば多くの適性があるのが普通である。
その場合、二番目以降に適性のある職業が割り当てられる・選べる仕組みならば、不満が生じるのを抑えられるかもしれないが、そういった説明は本編中には無い。
そして天才の子どもが天才とは限らないように、親は優秀だったが本人には遺伝子的才能がなく、親やコネ、教育などで経験を得て後天的才能を得た組織の重鎮に納まっているタイプの人間の場合、
このプランが導入されることで地位や権力、果ては職を失うことにもなり、そういった人々からの反発や、それに伴う大規模な社会的混乱も必至である。
また、それがデスティニープランを推進・運営する側の重鎮だった場合、システムを保持する為に不正を行わないかの説明や設定も無く、プランを強行する必要上そういった不正を許容していく危惧もある。
最大の問題点として、プランを実行・維持する為にデュランダル議長はじめプラン推進派がプラン実行後もその地位を保持する必要がある為、推進派はシステムの外で支配層に座る事が絶対条件になってくる。(仮にプラン否定派が検査で代表者に選ばれると、当然プランは即中止されてしまう)
つまり実際は&bold(){AIではなく一部の特権階級が人類を遺伝子で支配する社会構造}になってしまう為、放送直後の時点で視聴者層からもそういった指摘が挙がっていた。
この点について[[アスラン・ザラ]]等は「そぐわない者は淘汰、調整、管理される」と予想していた。
[[キラ・ヤマト]]等はこれを「逆らうものは排除する」という意思表示と見ている(実際、デュランダル自身もそのように述べている。これについては後述)。
この計画を悪人が利用した場合、「強者が弱者を不正に蹴落とす」という弱肉強食の社会構造を生み出す可能性も高い。
また仮にプランに従って各々が適性のある職についても、その適性のある人間同士で実力差などから妬み等が生じる可能性はあり、長い時間をかけてそれらを淘汰していくと結局多くの血と涙が流される事になる。
悪人が利用せずとも、漫画『[[THE EDGE>機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE]]』でもキラが言及していたが、
「遺伝子で職業が決まるなら、より職業の適性の高い優れた人間を狙って製造する方向へと加速する」という問題がある。
元々資金力のある人間・家が地位を保持する為に一層金をかけて、子孫が人気の職業に就けるように、より正確に発現するよう高精度の遺伝子調整を行うデザインベビー合戦へと発展し、
結果的に以前より富裕層と貧民層の格差が広がり、プランの説明とは真逆になってしまう。
作中世界で、クローンであり、遺伝子上同一人物である[[ラウ・ル・クルーゼ]]と[[レイ・ザ・バレル]]が歩んだ人生の過程でまったく別の人間として別の選択肢を選べる事を描写した事で遺伝子を全てとするデスティニープランを&bold(){事実上完全否定}した。
また、福田監督はデスティニープランを採用した世界を進化の否定としており、「自ら進化しないということは計算外の希望や未来は許されない。言い換えれば、生物種としての自死を意味する。」と酷評している。
戦争の解決を、「才能を適切に見出し不満と争いを無くす」では無く、人類が長期の徹底した人間管理社会で競争・闘争心を失う変化(退化?)で実現させる内容である為、発表時に提唱した概要とはまったく異なる未来を解説している。
また、当然長い時を要する解決法の為、少なくともプラン実行後の数十年~百年単位でプランの体制を巡って戦争や紛争が起きないとは一切説明しておらず、一部の視聴者の「プランが実行されれば少なくとも戦争は無くなる」は完全に誤解である。
はっきりしている事は、プラン実行後の未来がプランを否定した未来より平和という保証は無く、具体的な年表などは解説されていない。
*【発表後とその末路】
デスティニープランが発表された後、機動要塞メサイアでシステムが起動し、各国にそのマニュアルが届けられた。
早速遺伝子調査を始めるプラント地区もあったが、多くの国は突然の発表に当惑した。
以前からプランについて知っていたクライン派、オーブ連合首長国やスカンジナビア王国、そして地球連合の一部は反対を表明(オーブについてはそもそも明確に敵対状態になっていたのだから、プラン以前の問題でもある)。
これらの勢力に対し、デュランダルは『人類の存亡を賭けた最後の防衛策』としたうえでプランに敵対する者を『人類の敵』と見なし、修理したレクイエムを発射。
プラントに向けて艦隊を発進させていた月のアルザッヘル基地を艦隊ごと破壊する。
その後、メサイア攻防戦が勃発し、デュランダルの死でプランは頓挫した。
なお、製作者スタッフはデュランダル派の残党やそれ以外の組織によってデスティニープランが後の世に復活する可能性を示唆している。
そして、実際に『SEED ASTRAY~天空の皇女~』では世界を誘導して自発的にデスティニープランを導入させようとする者が現れている。
*【本編に於けるデスティニープランの問題点】
この項目ではデスティニープランの多くの問題点を指摘しているが、実は本編ではキラたちが「もしかしたらこれで戦いはなくなるのかもしれない」と(皮肉交じりだが)擁護もしている。
にも関わらず作中でキラ、アスラン、ラクス、カガリを始め多くの者が徹底的にこのプランを否定したのは他ならぬ&bold(){デュランダル議長のやり方に問題があったため}である。
というのも議長はこのプランを決行するために様々な暗躍・暗闘((ミーアの存在や二度に渡るラクスの暗殺(ラクス暗殺は議長による指示と本編では明言されてないが、ミーアの存在があるので絶対に無関係ではない)、ある意味最悪のタイミングでのロゴスへの宣戦布告など))を繰り広げており、これがキラたちの不信を煽った。
もっとも最悪だったのは&bold(){&color(#F54738){レクイエムの発射}}である。
連邦が反抗の素振りを見せたタイミングでこれを撃ち無力化した訳だが、自国に甚大な被害を齎した兵器を逆利用して今度は敵を壊滅せしめたのである。
しかも実際に自軍と戦闘に至る前、&bold(){兆しがあったというだけ}で、基地や主要都市諸共に粉砕した。
これはキラたちどころか(レイ以外の)ミネルバクルーですら絶句し、イザークやディアッカに至っては完全に議長に愛想が尽きた大暴挙であった。
ちなみに議長は「反抗の兆しがあったから(自軍の被害が出る前に)撃った」ともはや体裁を取繕うことなく言っており、これには議長を信頼していたシンですら顔を曇らす程((小説版の内心では「こんなやり方じゃオーブが反抗するのも当たり前だ」とまで思っていた))だった。((敵を無力化するという最低限の言い訳はあったが、そもそも「一度は撃たなければならない」と議長本人が言い切っているので、アルザッヘル基地は防衛目的というより丁度良い試し打ちと見せしめの側面が強かった))
つまりデスティニープランにも問題点はあるが、それ以上に問題点があったのが議長が様々な手腕や暗躍、挙句に&bold(){大量虐殺兵器による力と脅しでこのプランを強行したこと}なのである。
そもそも大前提としてキラやラクスたちが議長に不信感を抱いたのも&bold(){『自分たちが殺されかけたため』}である。((ミーアの存在はこの件が無ければある程度容認していた))
デスティニープランを強制執行するために用いた数々の策略がギルバート・デュランダルという人間の本質を浮き彫りにし、彼が最も警戒したキラたちの反発を招き、最終的に彼らによってデスティニープランは頓挫させられたという結果は皮肉としか言いようがないだろう。
ちなみにこれに関しては漫画の『THE EDGE』でアスランが議長に対して明確に疑問を投げかけている。((その問いに対する答えは「結局人間は話合いではいつまで経っても解決出来ないから、最後は力で物事を決めるのが手っ取り早い」(要約)という身も蓋もない返答だったが…))
*【その他あれこれ】
◇「デスティニープラン」の名前が出て来たのは終盤はじめ頃。44話にて概要が説明された。&br()しかし急な展開に加えコミカルなSDアニメを交えた説明から混乱した視聴者も少なくない。
◇外伝『[[機動戦士ガンダムSEED ASTRAY]]』シリーズの一作、『ΔASTRAY』に登場する&br()火星への移住者、「マーシャン」の社会制度は遺伝子的素養を重視するという点でこれに近い。&br()が、これはあくまで地球圏に比べて人材・物資など厳しい環境下にある火星圏において仕方の無い措置である、とマーシャンのリーダー、アグニス・ブラーエは言及しており((なおデュランダルとの会談でこの火星の社会制度に触れられた際、政治的な非難を予想したアグニスは強い口調で反論しているが、デュランダルはむしろ好意的に見ている旨を発言している))&br()アグニス自身副官のナーエ・ハーシェルを(遺伝子的素養から割り当てられた)異業種からスカウトしたように「遺伝子的素養以外にも重要な物がある」と理解しているためデスティニープランを否定している。
◇放送前のSEED DESTINYの番宣アニメのナレーションには「繰り返される悲劇を止める事が出来るのは一体?」という台詞がある。&br()冒頭のデュランダルの台詞は、これに対する自身の返答となっている。
◇一応「遺伝子によって人間の適性を判断し、個人がそれを人生の判断材料にする」という発想自体はそこまで問題のある物ではない。&br()あくまでデスティニープランが問題とされたのは、「遺伝子を社会の絶対的な基準にする」という極端な方向に行ってしまったからである。
*【他ゲームでの扱い】
本編では説明不足により詳細不明だったため、『[[スーパーロボット大戦シリーズ]]』では他作品とのコラボレーションも交え、より充実した内容となっている。
最終的に自軍から反対されるのは本編と変わらないが、プラン自体が充実したためか反対される理由も本編より充実している。
◇[[スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd]]
[[シロッコ>パプテマス・シロッコ]]のクローンによる地球圏の防衛計画。
一応、遺伝子的な欠陥は取り除いた上でのものと説明されてはいるが、真相を知ったレイからは
&b(){「自分やクルーゼの悲劇を繰り返そうとしている」}と見なされてしまい、デュランダルはレイの手で撃たれてしまう…
(デュランダル自身も「レイとクルーゼを裏切ってしまった」という自覚はあった模様)
◇[[スーパーロボット大戦Z]]シリーズ
[[黒歴史]]の遺産の一つで、「[[ニュータイプ>ニュータイプ(ガンダムシリーズ)]]に覚醒する人類を探し出す」方法として流用される。
[[フロスト兄弟]]はプランの副産物兼被害者という設定で登場しているため、デュランダルを恨んでいた。
後に[[第3次Z>第3次スーパーロボット大戦Z]]にて、[[SEED>SEED(能力)]]保有者を発見してクロノ保守派(ナチュラル)から隠し、[[絶望の未来>御使い(スパロボ)]]に抵抗しようとしていたことが判明する。
またZシリーズにおける[[コーディネイター>コーディネイター(ガンダムSEED)]]は、クロノ改革派による保守派への対抗策として生み出された存在で、
ナチュラルとコーディネイターの対立は、クロノにおける保守派と改革派の抗争でもあった。
◇[[スーパーロボット大戦L]]
&b(){恐らく独自の解釈が大幅になされた作品。}
[[バジュラ>バジュラ(マクロスF)]]や[[クトゥルフ>戦え!!イクサー1]]といった異星人対策の延長上として提唱される。
この作品におけるデスティニープランは、『「[[ゼントラ>マクロスF]]化可能な者」や「SEED保有者」を見つけ出し、LOTUSのような軍事組織を多く作り、地球圏を防衛すること』が目的。
作中の時点で多数の敵勢力との戦争で地球の軍事力は劣勢に立たされており、一部のスーパーロボットを結集したLOTUSの活躍によって辛うじて撃退できている状況であり、目的は至極真っ当。
さらに、適性職業の斡旋などまで含まれていたのかは語られていないが、少なくともゼントラ化可能かどうかは完全に遺伝子の適性だけで決まる問題なので、原作で指摘されていたプランの矛盾点にある程度の答えが出ている形になる。
加えて言うなら、作中の敵勢力の中でも特に大きな「[[統一意思セントラル>鉄のラインバレル]]」の存在がある。
その実態は「行き詰ったエネルギー問題を解決するために徹底的な効率化を図った結果、個々人の自由意思を完全に消して全人類を単一の意識の基に統一・システム化したもの」である((ゲーム内ではセントラルの発生した「向こう側の地球」では他勢力との兼ね合いで人類半数となっているが、原作のアニメバレルでは本当にほぼ全人類をシステム化している。))。
言うならばデスティニープランを極限まで突き詰めるどころか100万倍して濃縮したような地獄絵図が仲間を求めて侵食してきているようなものである。
彼らはあらゆる無駄を切り捨てて人類を均一化するが、それはそれとして新たな可能性を見出せる突出した能力を利用しようとする意志はある。
これに真っ向から軍事力で今すぐ対抗することは難しいと考えたデュランダルはそこに漬け込み、セントラルへの協力体制を装いながらカウンターの準備ができる苦肉の策として、遺伝子解析による戦力の発見というプランを考え出したのだ。
今作ではシンなど原作ではデュランダルに従ってプラン推進派に属していたザフト軍の面々も、多数の仲間に助けられて自らの意思で進む道を決めているため、
デュランダルに従う道を優先するレイ以外はザフト軍のメンバーも全てLOTUSに残留してデュランダルと敵対する。
しかし今作におけるデュランダルはこういった外敵への脅威のためにアークエンジェルをわざと見逃すなど全人類のためを真に考えた行動を取る人物になっており、
敵対してもなおプレイヤー部隊から最後まで説得を試みられるなど、上述のプランの背景もあり、デュランダルおよびデスティニープランそのものはそこまで敵視されていない。
あくまで「人類の未来を憂う者として一定の理解ができるが、主義主張の違いから止むを得ず対立しなければならなかった相手」となっている。
◇[[スーパーロボット大戦UX]]
[[シン>マークデスティニーのパイロット]]が[[総士>皆城総士]]に対して「かつて実行されようしたが、その思想は人々に受け入れられなかった」と語っている。
もしデュランダルが[[イノベイター>イノベイター(機動戦士ガンダム00)]]の存在を知っていたら、プラン内に「イノベイターに覚醒し得る人間の発見」も盛り込んでいた可能性が高い。
前大戦で[[「運命」という言葉を一番に嫌う男>真上遼(マジンカイザーSKL)]]がこの計画名と内容を聞いていたら間違いなく怒り狂っていただろう。
ついでに[[声的にデュランダルの宿敵だったであろう男>リボンズ・アルマーク]]はブチキレるか、自分が頂点である上でその成果をそっくりいただこうとするかどっちかだったに違いない。
また、シンは[[ファフ>真壁一騎]][[ナー>羽佐間翔子]][[の>春日井甲洋]][[パイロットに>近藤剣司]][[選ばれた>要咲良]][[少年>小楯衛]][[少女達>遠見真矢]]の生き様と、彼らを待ち受ける[[宿命>同化現象(蒼穹のファフナー)]]をデスティニープランと重ね合わせていた。
この時、彼は「人は生まれながらに生き方を左右されたりはしない」と暗にデスティニープランを否定しており、原作とは違い反対する立場に回ったようにも見えなくもないが…?
◇[[スーパーロボット大戦V]]
『SEED DESTINY』が原作終了後参戦ということで大きく原作再現はされなかったが、
&bold(){このデスティニープランと同種の政策を極端な形で導入・実践したオリジナル勢力[[超文明ガーディム>超文明ガーディム(スパロボ)]]が登場する。}
しかしその実情は、&bold(){合理化とシステム化の名の元に愛や恋愛といった「人間性」が切り捨てられ、種族全体がシステムに隷属する管理社会であった。}
人間性が失われた反面、技術力と武力は非常に優れた文明となっていたものの、同時に他種族を頭ごなしに見下し蔑む傲慢な差別意識の権化となり果て、
更には他文明を「管理」や「矯正」の名目で侵略する蛮行まで働いていた。
詳しくは当勢力の個別ページを参照。
彼らの醜悪で歪な傲慢さとプライドは、[[自分達が開発したシステム>ネバンリンナ(スパロボ)]]からも&font(#ff0000){&bold(){「害悪」}}とまで評して蔑まれた。
*【余談】
現実でも遺伝子を解析するサービスが一部では始まっている。(一回数十万円程度から行える模様)
遺伝子解析で判定できる内容は身体能力(短距離走向きか長距離走向きか等)、精神面(楽観的か悲観的か等)など多岐にわたり、未だ発展途上で信頼性や倫理面において賛否が分かれているが、英才教育の一環として一定の利用者がいるようである。
また上記の問題点の一部は放送当時の遺伝子研究に基づいた問題点であり、現在では遺伝子研究が進み、個人が先天的に持ちうる「能力」だけでなく、性格や精神の傾向(コミュニケーション能力やストレス耐性など)、
後天的に発症するリスクのある疾患(癌やうつ病など)などもある程度はわかるようになってきている。
遺伝子解析技術の発展次第では、プランを実行した場合に想定される問題のうち、「割り振られた職業に適応できない」や「後天的な疾患で働けなくなる」などの問題が解消される可能性もある。
追記・修正は遺伝子調査をしてもらってからお願いします。
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