SCP-3049

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&font(#6495ED){登録日}: 2017/09/29 Fri 02:22:31 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&font(b,i,red){有難うございます、奥さん… ム、美味しいパイですねぇ! 少し席を外してもいいでしょうか? 設置担当の連中が来たら、この製品はすぐ持っていかせます。貴方はパイ作りがお上手ですな。}} SCP-3049はシェアード・ワールド[[The SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(The SCP Foundation)]]である。 [[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(The SCP Foundation)]]はSafe。 …Safe(基底世界基準では)。 *概要 SCP-3049は標準的な家庭用サイズのガス動力型対流式オーブン…まあ要はキッチンにあるでかめで作り付けのオーブンである。 日本では作り付けのオーブンは珍しいかも知れないが、家がデカイことが多い海外では割とよくある。 特徴としてもオーブンとしては特に不自然な点はない普通のオーブンである。 が、このオーブンには中央ダイアルの下の部分に「アップルパイ」というラベルがついており、 そこに合わせると「異常な物理効果」を発揮する。 まず、オーブンの中で、ミニサイズの宇宙が誕生する。え、何を言ってるかわかんないって?大丈夫、文字通りの意味だから。 この新宇宙SCP-3049-1は、オーブン外からその誕生から死までの一部始終を眺めることが可能である。 内部では150億年の歴史を辿るが、外界では30分でその全てが高速で流れていく。 ちなみにこの間、オーブンはどうやっても開けられない。まあ開けられたとて問題が起きそうな気しかしないんだけど。 また上部のコンロも使えなくなってしまう。オーブンに集中しろということだろうか。 なお、このオーブンから見える光景は常に一定ではない。 なんとこのオーブン、最初の星、ブラックホール、銀河の創造などイベントごとに頻繁に倍率を変えているのである。 そのため、普通にみてると「なんかドキュメンタリー番組みたいだね」という感想になるようだ。 *回収記録 財団のエージェント・アンダーソンは、とある家庭からこのオーブンを回収した。 回収記録からするに、アンダーソンはキッチンの修理業者として派遣されたようだ。 アンダーソン氏にたいして、家の住人、テイラー夫人はあくまで「オーブンを孫と不良友達が改造したに決まっている」といい、 オーブンの動いている間謎の技術でドキュメンタリーを見せられ、コンロを使えないと相談した。 これに対して、交換を引き受けたアンダーソン氏は修理業者として交換担当の連中(もちろん財団職員です)を呼び、 普通のオーブンを用意させる。その間活性化状態のオーブンを撮影。するとそこにテイラー夫人がアップルパイを持ってきた。 アンダーソン氏はそのアップルパイを食べる。そこででたのが上記のセリフである。 そんで、オーブンを取り替えてSCP-3049のほうは持ち帰った。 *SCP-3049の残酷な真実 さて、概要欄は実は後半を端折っている。 これは元の報告書も端折られているのだが、実はこの『ドキュメンタリー』、とんでもない続きがあるのだ。 この『ドキュメンタリー』、先程も言ったとおり、「宇宙の誕生から死までの一連」をオーブン内で30分で経過させる。 そう、宇宙が誕生したあと、死ぬ。 その映像をケイデンス博士は見た。 20分経過時、SCP-3049はとある恒星に焦点を当てる。そしてその周りを回る惑星…まるで太陽系のような。 その惑星では生命がうまれ、そしてそれは陸上型にシフトし、やがて知的生命体が生まれる。 その知的生命体は複雑な文明を構築し始めるが、この瞬間宇宙のタイムスケールは突然遅くなる。 具体的には、SCP-3049-1内での1000年が外部の1分になるくらいのゆっくり度合い。 そしてやがて知的生命体は宇宙に進出し、現実改変特性を利用した自己複製分子ナノテクノロジーを創造する。 さらっと言ってるけどすげえなそれ。 でもこれがよくなかった。 このテクノロジーによって産まれた物体はなんと近くにあるありとあらゆるものを、 その物体に変えてしまうという性質(エコファジー)を持ち、 それによって、どんどん周りのものを飲み込んで膨張してしまうのであった。 惑星も銀河も。当然その種族も、と推測できる。 まさにNK-クラス:”グレイ・グー”世界終焉シナリオである。 さて、その宇宙に広がったその”グレイ・グー”は、やがてオーブンの熱でこんがり焼ける。 で、できあがったのが… #center(){&sizex(7){SCP-3049 - &ruby(ゼロから作るアップルパイ){To Make an Apple Pie from Scratch}}} …当然、それを見ていたケイデンス博士は心理評価とプロジェクトの異動を申請しましたとさ。 *余談 このSCP-3049の研究記録はこういう文章で〆られる。 >このプロセスは、SCP-3049-1宇宙の全てがガラス製のオーブン皿に収められた1台のアップルパイと化すYK-クラス世界終焉シナリオによって終了します。 すごくシュールな文章であるが、このYK-クラスというのはなかなか聞かないシナリオかもしれない。 『YK-クラス:世界終焉シナリオ』、あるいは『YK-クラス:エントロピー消滅事象』。 このアニヲタwikiにも[[SCP-2700>SCP-2700/SCP-2400]]、及び[[SCP-1690-JP]]で登場してはいるが。 このYK-クラスが意味しているのは「反転したビッグバン」、すなわち「ビッグクランチ」と呼ばれる宇宙終焉現象である。 近い文字XK-クラスと比べると、XKは「世界は残るけどめちゃめちゃでジ・エンド」。 それに対してYKは「世界そのものが消えてなくなる」現象である。 現時点で出て来る記事数はそう多くはないので、覚えておく必要はないが、そういうシナリオもあるんだなあと思って欲しい。 ただ使用記事数が少ない分、解釈のゆらぎでかなり左右されるようで、 SCP-2700及びSCP-1690-JPは世界が完全に消え去るという形だが、 SCP-3049においてはそれが「世界が収束した後おいしいアップルパイになる」というとんでもない最後を迎える。 アンダーソン氏…アップルパイ食べてたよね…。 −−−− #right(){ SCP-3049 − To Make an Apple Pie from Scratch by rioludoodle http://www.scp-wiki.net/scp-3049 http://ja.scp-wiki.net/scp-3049 この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - おいパイ食わねぇか -- 名無しさん (2017-09-29 08:41:45) - おみまいするぞぉー -- 名無しさん (2017-09-29 08:56:40) - あたしこのパイ嫌いなのよね -- 名無しさん (2017-09-29 09:31:07) #comment #areaedit(end) }
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