PLUTO

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&font(#6495ED){登録日}:2018/09/09(日) 15:22:52 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 ? 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center{&size(20){&color(Gold,Black){私はロボットだ。}}} &bold(){『PLUTO』}とは、『[[鉄腕アトム]]』の長編「地上最大のロボットの巻」を原作とした、浦沢直樹による漫画作品である。 監修は原作者・[[手塚治虫]]の長男である手塚眞。プロデューサーは同作者の相方として知られる長崎尚志、協力・手塚プロダクション。 小学館の『ビッグコミックオリジナル』において、アトム誕生の2003年から2009年まで連載された。全8巻。 *概要 2003年4月7日。その日は、[[鉄腕アトム]]が生まれた日とされていた。 だが現実世界では二足歩行のASIMOを作るのがやっとで、AIはまだチェスの遊戯台でしかなく、 アトムには登場すらしなかったインターネットが円熟期を迎えたばかりだった。 そして、その日は人類史にとって最悪の歴史が紡がれている真っただ中だった。 2003年3月17日、アメリカ合衆国は中東・イラクに爆撃を開始。続く3月19日、米英豪を始めとする連合軍が総攻撃を開始した。 &bold(){世に云う、イラク戦争である。} アトム誕生の日である4月7日はまさに激戦の真っ最中であり、『鉄腕アトム』内で人類が地球外生命体やらなにやらと戦うためかりそめの平和を手にしていたのとは、 全く正反対の現実だった。 作中でアトムは過去に渡り、ベトナムでの悲惨極まりない戦争を経験していた。 それから40年が経っても、人類は何も進化していなかったのだ。 本作の企画は、2002年の冬に始まった。 2003年のアトム・イヤー開催に合わせ、手塚本人が「最も書いていて楽しかった」と発言しているうえ 読者からの人気も高い長編「地上最大のロボット」のリメイクとしてこのマンガは連載開始された。 本作は、原作では脇役だったドイツのロボット刑事・ゲジヒトを主人公として描かれている。 それに伴い、原作においては「アトムの敵役」として1ページ目1コマ目から登場していた[[プルートゥ>プルートゥ(鉄腕アトム)]]をあえて明確に描かず、 中盤までその姿すら出てこないままに次々と「世界最高水準」7大ロボットを破壊していくサスペンス要素の強い作品になっている。 また、登場人物(ロボット)の多くは手塚眞の依頼により意図的に原作とはデザインを変えており、「公式擬人化」と言って差し支えないレベルである。 冒頭で述べた通り、原作におけるアトムの今までの活躍は殆どオミットされた上で、新たに入れられた設定が「第38次中央アジア紛争」である。 原作ではプルートゥ及びそれを作ったバカ領主は単にイスラム圏出身としかされていなかったのだが、 イラク戦争の混迷化、そして何一つ大義が無かったという絶望的な真実も踏まえて、作中の根幹を担う設定になっている。 %%おかげで終盤は21世紀少年とほぼ同じオチだがな%% *あらすじ その事件は、何の予兆も無く始まった。 アルプスで突如として巻き起こった竜巻と山火事に巻き込まれ、森林保全用ロボット「モンブラン」がバラバラに破壊された姿で発見されたのだ。 同日、ドイツのデュッセルドルフで、ロボット権擁護活動家のベルナルド・リンケが惨殺される。 二つの事件では、どちらも建てられた2本の角が残されていた…。 ユーロポートのエリート刑事ロボット「ゲジヒト」は、人間には実行不可能なこの2つの事件が同一犯によるものであるとの仮説を立てる。 某国の地下施設に幽閉された世界で唯一殺人を犯した欠陥ロボット「ブラウ1589」にこの事件について尋ねたゲジヒトは、 彼の口から二つの角を持つ者_冥王プルートゥの名を聞かされる。 程無くして、モンブランやゲジヒトと並び称される世界の優秀な7大ロボットが次々と襲われる事件が発生。 ゲジヒトは日本最強のロボット「アトム」と共に捜査を続けるが、プルートゥ事件の犠牲者に隠された共通点を知り…。 *用語解説 ・トラキア合衆国 世界の覇権国とされる軍事大国。ペルシア王国に大量破壊ロボット兵器が存在すると言い放ち、殲滅を開始する。 ・ペルシア王国 中央アジアの独裁国家。国全体があまり肥沃とは言えない土地柄。 かつてのペルシア王朝の末裔を名乗るダレイオス14世により、軍事独裁と圧制が敷かれていた。 第39次中央アジア紛争により多国籍軍の総攻撃を受けて滅亡、民主化が進んでいるがインフラの破壊、人口流出により貧困と混迷は続いている。 ・ボラー調査団 国連が派遣したペルシア王国の兵器開発技術を調査するための一団。 ・KR団 ヨーロッパを根城とする狂信的反ロボット団体。所謂ロボットKKK団。 ・(自律駆動)ロボット 『[[アトム ザ・ビギニング]]』で言う所の第3世代ロボット。 既にロボット法の施行に伴い、人間社会でも様々な用途で活躍しているみんなの友達。そう、彼らは友達でなければいけないのだ。 多くのロボットは食事が必要ないが、人間の風習を真似して内部に取り込むこともある。(原作では焼き芋を食べてアルコールだけ吸収したりしていた) ・電子頭脳 本作では記憶回路を含め、ロボットの後頭部から抜き差しすることが可能。 これにより、重機型ロボットに頭脳を移し替え、一般生活用ボディを一時機能停止させて労働することができる。 この機能はプルートゥ事件において最大の要となった。 ・パンクラチオンスーツ ロボッティング(今でいうロボコンをさらに過激にした総合格闘技)や戦争に使用される、戦闘用パワードスーツ。 上記の電子頭脳システムの応用で、一般生活用ボディの首ごと外して内部に装着することで動き出す。 当然ながらスポーツ用の方が軍用より戦闘力は劣る。 ・ゼロニウム合金 原作にもゲジヒトの装甲として登場する特殊合金。ホフマン博士が発明。 磁力線や熱線を無効化する「盾」として高い機能を誇るが、「矛」即ち銃弾として使用すれば一撃で装甲車をも砕く。 *登場人物 **7大スーパーロボット ・ゲジヒト &color(Gold,Black){「権利を読み上げ、大人しく逮捕されるのと、ガスで意識が無くなるのと、どっちがいい? 言え!」} 本作の序盤の主人公。ユーロポール最高の性能を持つロボット刑事。 原作とは異なり完全に人間型をしており、金のボディは金髪に、鷲鼻はそのままになっている(ダメージを受け皮膚が焼け焦げた際には少し似たフレームが浮き出ている)。 原作では茶目っ気ある爽やかな性格だったが、本作ではひたすらにクールで頭脳派。 準主役であるアトムと対比して知性的で落ち着きがある面が強調されているが、正義感が強く、たとえ反ロボット主義者であっても仕事であれば身命を賭して守る。 全身がゼロニウム合金製のため磁力線や熱線を無効化し、刑事ロボットだけに7大ロボットの中で最も優れた索敵センサーを有する。 左腕には催眠ガス噴射装置が、右腕にはゼロニウム合金キャノンが内蔵されている。 ルーズベルト曰く&bold(){「今までで最も高性能な大量破壊兵器」}。 何者かによって2年前の記憶が改ざんされており、妻のヘレナもその記憶を失っている。 父親(文学的表現)であるホフマンにより定期的にメンテナンスが行われているが、その度に様々な幻夢を目の当たりにしている。 ・アトム &color(orange){「みなさんに…挨拶してきました…。…もう、これで全て終わりますって。」} ご存知心優しい科学の子。本作では普通に服を着ており、髪型もあそこまで尖がってはいない。 原作における尻マシンガンなどはオミットされているが、優れた聴力や発達した人工知能、飛行能力や怪力はそのまま。 何かと感情的になりがちで、知能に反して知性が幼稚な所もあった原作のアトムとは逆に、あまり感情の抑揚は高くなく、いつも飄々としている。 人間だけが持ちうる「無意識」を有しており、人工知能の完成度は7大ロボット随一。 中盤でプルートゥに敗れ、完全に機能停止。そのまま昏々と眠り続けていたが、7大ロボット全滅及び天馬博士の介入により覚醒する。 覚醒当初は友人であるゲジヒトやエプシロンが破壊された「怒り」を抱え不安定な状態であったが、遂に自らの意思で荒れ狂う激情を制御。 「敵」の抱える真相を突き止めるため、冥王との最後の戦いに向かう。 ・モンブラン &color(deepskyblue){「ぼくたちは何をやっているんだろう…僕たち…正義のためにここに来たんだよね…? 虐げられているロボットを救うために…」} スイス製山岳保全用ロボット。原作とあまり変わらない亜人型。 原作ではべらんめぇ口調だったが本作では上記の通り大人しい言葉遣い。 山岳救助、環境保全のために作られたため頑健な体を持ち、その怪力により幾多の命を救っていた。 詩や歌を愛する純粋な心を持ち、自分がスイスの国民から愛されている事を知ってなお、「再起不能になったらボディを溶かし再利用してくれ」とまで言っていた。 その人格形成には、第39次中央アジア紛争による苦すぎる記憶が多分に含まれていた。 そして本作冒頭、プルートゥの手にかかりバラバラにされて死亡。世界中がその死を悲しんだ。 ・ノース2号 &color(red){「私はただの兵器です。あなたのおっしゃる通り、私の仲間を、何万体も殺しました。」} スコットランドのロボット。他のロボットが民間用であるのに対し、彼だけは純粋に戦闘のために作られた。 原作では体内に12本のアームを内蔵していたが、本作では8本(2本が日常用、6本が戦闘用)になっており、6本の戦闘アームは体に巻き付けている。 また、口元がやや人間に近い形状(ライダーマン型)になっている。 ブリテン軍総司令官アンドリュー・ダグラスの元副官として、第39次中央アジア紛争に従事した。 戦争で仲間を殺し続けたPTSDにより戦争を忌避し、悪夢にうなされる日々が続いていた。 戦後は執事ロボット派遣会社に転身し、世捨て人となったダンカンの執事となる。 極度の人間嫌い、機械嫌いであるダンカンに対し融和を試みる中で、彼が大事にしていたグランドピアノに興味を持ち始める。 そしてダンカンの母親が彼を「捨てた」真相を探り当てるとダンカンと和解し、ピアノを習い始めた。 月日が流れ、嘗ての同士モンブランが破壊された事を知ると、その下手人がダンカンの城に向かっていることを察知し、飛び立つ。 雷鳴が、竜巻が巻き起こる中、一筋の煙が真っ逆さまに青空から堕ちていく。 それと同時に、ダンカンが母から訊かされていた懐かしい唄が大空に響き渡った…。 ・ブランド &color(purple){「試合なんてのは、経験の蓄積で何とかなる。後は運だ。」} トルコの国民的英雄として名高い格闘家ロボットで、ヘラクレスやモンブランの親友。 原作では武骨な姿であったが、本作においてはその姿であるパンクラチオンスーツと一般生活用ボディ(太ったおじさん)の二つの姿を使い分ける。 ESKKKRトーナメントチャンピオンで「不敗神話」を持つ達人…達ロボット? であるが、ロボットにしては珍しく「運」という不確定要素を信じており、 自らを「ラッキーマン」と称する。 ロボット同士での結婚や養子縁組が当たり前になっている(原作もそうである)『PLUTO』世界でも珍しく、5人の子供ロボットを育てている。 トルコ沿岸で(特訓と称して持ち出した)パンクラチオンスーツに合体してプルートゥを迎え撃ち、原作通り壮絶な水中戦を行う。 プルートゥに甚大なダメージを与えるも自身も壊滅的打撃を受け、ネットワークを通じてヘラクレスやゲジヒト、アトムに通信を行うも、 壊れゆく彼の記憶回路が映し出したのは、家族の笑顔ばかりだった。 ・ヘラクレス &color(blue){「こいつとは決着をつける。ただ、試合じゃねえ。殺し合いだ…!!」} ギリシャ出身の「闘神」の異名を持つロボットレスラー。ブランドとは最大のライバルとして公私ともに交流があった。 ブランドと共に第39次中央アジア紛争に参加し、一躍「英雄」に祭り上げられるも、 長すぎる戦いの中で「殺意」という感情を知ってしまい、相手にとどめを刺すことを躊躇するようになった。 ブランド同様首だけをパンクラチオンスーツに投入することでギリシャの鎧武者のような姿になるが、 原作とは異なり盾も鎗も馬車も使用せず%%ましてロケットパンチや首鉄砲など使わず%%人間の格闘術のみで戦い抜いた。 他のロボットたちが人間に迎合する中、「子供だまし」の人間生活の演技は好まず、ともすれば冷酷とも取れる一面も見せる。 しかしブランドが消息を絶った際には仕事を放り出し、資材を投じてサルベージ作業に参加。 そこでブランドの無残な屍と、モンブラン同様の「角」を目の当たりにし忘れかけていた「怒り」を取り戻した。 自らの戦いにより(ブランドが伝えたかった)冥王の正体を暴かせるべく、エプシロンにデータ収集を命じ、単身大竜巻に突貫。 パンクラチオンスーツを破壊されると一般生活用ボディを遠隔操作して首と合体させ、海上でプルートゥの角を掴み取る。 そこでようやくプルートゥの真の正体に感づくも、電磁波を体内に撃ち込まれ完全粉砕される。 ・エプシロン &color(green){「生みの親が殺されたんです。今にも自分が、制御できなくなりそうなんです!」} ニュートン博士の作り上げた光子力ロボット。金髪の美男子の姿をしており、常に黒い上下に身を包んでいる。 血の気の多い7大ロボットの中では比較的落ち着いた性格であるが、ペルシア戦線における徴兵拒否を逆恨みした多国籍軍により、 戦後処理と称しロボット兵器の残骸の溶融(われわれ人間でいえば「一日中死体を焼き続けろ」と言っているに等しい)に回される。 そこで出会った戦災孤児を引き取り、オーストラリアの孤児院で育てていた。 しかしこの行為により世論は「偽善」「非国民が養父気取り」などと徹底して彼へのバッシングに向かった。 無論、子供たちからは万福の信頼を寄せられており、「一番好きな物」として太陽のオブジェを渡されるほど愛されている。 太陽の光エネルギーを増幅することにより、日中はエネルギー切れを起こすことなく強力な光と熱を放つことができる。つまり夜や悪天候には弱い。 ヘラクレス、ゲジヒトが無念の死を遂げた事を知り、ワシリーが譫言の様に呟く「ボラー」の正体を独自で探そうとするも、 オーストラリアにプルートゥの起こした竜巻が襲来した事を知り、これを打ち破った。 だが左腕を犠牲にしてプルートゥは離脱、アブラーの手下によりワシリーがノルウェー・オスロに攫われると、 罠だとわかっていてもエプシロンは単身乗り込む。 夜と暴風雪、最悪のコンディションの中エプシロンは雲の上までプルートゥをおびき出すも…。 **ペルシア王国 ・[[プルートゥ>プルートゥ(鉄腕アトム)]] 「あ…ああああ!!!」 本作最大の敵。何者かにより作り上げられた、冥府の王の名を冠せし「地上最大のロボット」。 世界最高水準の7大ロボットを突け狙い、竜巻と共に現れて相手を完膚なきまでに破壊し尽くす。 ロボットでありながら人間を殺害することができるが、そのターゲットはいずれも…。 詳細は該当項目参照、ただし&bold(){重大なネタバレ}につき注意。 ・ダリウス14世 「実によくできているな。人間そっくりだ…愚かな所までな。」 原作におけるサルタン「チョチ・チョチ・アババ」(何ちゅう名前だ)に当たる人物だが全くその面影はない。 嘗てのペルシア王国国王であり、圧倒的な軍事力で国民を押さえつけ、周囲の国に侵攻を続けていた独裁者。 逮捕され、独房の中に封じ込められていたが、不気味な譫言を呟き続けていた。 名前の由来はアケメネス朝ペルシャのダレイオス1世からと思われる。 ・アブラー博士 「子供たちを大切にしてやってくれ…私が失った分も…この子たちに愛を…」 プルートゥの黒幕とされるペルシア王国の天才科学者。原作ではプルートゥを作り上げたロボットだった。 本作ではペルシア王国出身の科学者で、脳以外の大部分を戦争で失い、自らをサイボーグ化して生き延びていた。 第39次中央アジア紛争において家族を皆殺しにされ、戦争を嫌悪している心優しい人物。 ・ゴジ博士 「貴方の命は、私の手の中にある。」 かつてペルシア王国ロボット師団を作り上げたとされる狂気の科学者。 プルートゥを操っていた真の黒幕であり、実はプルートゥの仕業と思われていた「見立て殺人」を行った張本人である。 身体能力は常人どころかアンドロイドをもしのぐが、実は遠隔操作で通常のアンドロイドを操っていただけであった。 原作においてはボラーを作り上げた覆面の科学者という設定で、その終盤で明かされた「驚愕の設定」と同一かと思われていたが…。 ゴジの名は、古代ウズベクの王に知恵を授け、自らは土塊に還ったとされる「土の賢者」の名らしい。 ・索敵ロボット 「お任せください。博士がこの身体を下さったので。」 アブラーに仕えるロボット。禿げ頭の中年男性の姿をしているが、体内に無数の&bold(){ゴキブリ型ドローン}を格納しており(オエ~)、 口や耳の穴から(オゲェ~)、数え切れないほど放出し(イヤァァァ)周囲を索敵する(もうやめてぇぇぇ)。 実は量産されている(…)。 ・サハド 「種を付けて、花は枯れなきゃダメなんだ」 オランダに留学していた、ペルシア王国の学生。砂漠化が進行していた祖国に花畑を取り戻すため、チューリップの研究にいそしんでいた。 唯一成功した、砂漠でも咲くチューリップには「プルートゥ」の名が冠せられていた。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){その正体は、アブラーの息子である。} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){・ボラー} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){「ボラァァァァ」} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){終盤にてその正体が明かされた、本作の正真正銘最後のラスボス。原作とはかなり設定が異なる。} **トラキア合衆国 ・アレクサンダー 「是非私に力を貸してください。この世界をユートピアにするために。」 トラキア合衆国大統領。ペルシア王国の暴政を機に、国連に「大量破壊ロボット製造禁止条約」成立を打診した。 更にトラキアを含む多国籍軍を編成、ペルシア王国を滅亡させた張本人である。 名前の由来はダレイオス3世と戦ったアレキサンダー大王と思われる。 ・Dr.ルーズベルト 「全て敗者で弱者で死者なんだよ。この僕以外はね。」 アレクサンダーのブレーンであり、文字通りのスーパーコンピューター。 情報処理能力はゲジヒトやブラウの数千倍であり、人間を完全に下等と見下しているロクでもないAI。 あまりに巨大なため、普段はテディベアを通じて会話している。 プルートゥ事件によるロボットの死を悲しむどころかむしろ煽り立てており、「所有者」であるアレクサンダーすら、 全てはルーズベルトの思い通りに踊らされているに過ぎなかった。 ・アーノルド 「およそ一か月で、世界は滅びます。」 トラキア合衆国気象庁の気象予報ロボット。非人間型。普段はおちゃらけているが、仕事には手を抜かない。 エプシロンとは友ロボであり、常にホットラインが敷かれていた。 終盤、ボラーによる「最後の審判」の正体を知り、アレクサンダーに衝撃の予言を下す。 **警察関係者 ・シュリング局長 「あの戦争を終結させたのは、その7体のロボットだ。彼らは、世界のパワーバランスを握っていた」 ユーロポールドイツ支部局の局長。ホフマンとゲジヒトの上司に当たる人物。 ゲジヒトの消えた記憶について手掛かりを知っているようだが…。 ・ペッカー部長 「私が許可する。構わん、破壊しろ!」 シュリングの部下の一人でゲジヒトの上官。プルートゥ一派に相対したゲジヒトに攻撃命令を下すタカ派。 ホフマン博士の心身を無視した強硬な命令により、ゲジヒトからは愛想を尽かされる。 ・ホーガン 「みんな私の近くに!! 早く!!」 量産化されたロ○コップに似たガードロボットの一人。エプシロン(及び子供たち)の護衛を任されていた。 エプシロンが自分よりはるかに強い事は当然知っており、その実力を畏怖していた。 肋骨部分を展開させ、簡易シェルターにトランスフォームすることもできる。 ・田鷲警部 「所詮お前らは美しいもうまいもわからん連中だ!」 原作にも登場するが鼻は控えめ。アトムを訝しんでいる。 **7大ロボットに協力する人々、ロボット ・ホフマン博士 「我々調査団が…ペルシアにしたことへの恨み、か…!!」 ゲジヒトを開発したドイツのロボット学者。電子頭脳の平和利用を目指している。 ニュートン博士や天馬博士とはかつて至高のロボットについて会合を開いた仲。 実はボラー調査団の一員であり、「プルートゥ」の暗殺ターゲットにされる。 『[[ワンパンマン]]』のクセーノ博士に似ている気がするが多分気のせい。 ・ヘレナ 「寂しくないわよ、わたし。あなたがいるもの。」 ゲジヒトの妻(金髪美人型ロボット)。インテリアデザイナー。 いつも死と隣り合わせの夫を心配しており、彼女もまた記憶障害を起こしている。 ・お茶の水博士 「死ぬのが怖くてアトムを呼ぶとでも思ってるのか!! そんなことでアトムを戦わせるような真似はさせん!!」 日本国科学省長官。原作ほど鼻は大きくない。アトムとウランの保護者。 原作同様とても優しい心の持ち主で、捨てられていたロボット犬(どう見てもAIB○)を拾い、世界中から部品を集めてでも直そうとしたほど。 既に結婚しており孫もいる。妻には先立たれているが、『アトムザ・ビギニング』の某キャラに顔つきが似ている。 実はボラー調査団の一人であり、プルートゥの抹殺リストの1人でもある。 ・隆史 「変なんだ…動かない竜巻なんてあるの?」 お茶の水博士の孫(本作オリジナルキャラ)。ロボット犬ボビーを飼っている。 母親と一緒に房総半島の家で暮らしていた所を、プルートゥに襲われる。 ・ウラン 「おじさん…絵、下手なんかじゃないよ…。だって…涙が出てるもん…。」 知っての通りアトムの妹。髪型は二つ結び。 『ASTROBOY 鉄腕アトム』と同じく、動物の言葉を理解できるのだが、AB版より更に感性が優れており、3㎞も先の動物運搬車事故を察知できる。 原作同様、プルートゥと心を通わせたかに思えたが…。 ・伴俊作 「心に高性能もへったくれもあるか!!」 原作におけるアトムの担任ヒゲオヤジであるが、本作では校長先生。年もお茶の水博士並みの高齢である。 アトムを失い失意に沈むウランを心配しており、ロボットも人間と同じように扱っている。 ・天馬博士 「この悲劇はじきに終わる。最後に途轍もない悲劇を巻き起こすかもしれんがね。」 アトムを作り上げた科学者。科学省元長官。 その知能はホフマンやニュートンをして「絶対に勝てない」と言わしめたほど。 原作同様失った息子・トビオの復活のため、機械で出来たアトムを作り上げた。 「完全な電子頭脳」を作り上げることを夢見ており、人間に近づき、やがて人間を凌駕する存在としてのロボットを作り出そうとしていた。 プルートゥによりアトムが破壊されると、科学省に足を運び、自ら修復作業を行った。 ・ポール・ダンカン 「そんなところで歌ってないで帰ってこいノース2号…。ピアノの練習の時間だよ…。」 「盲目の天才音楽家」と称されるボヘミア出身の老人。幼い頃に母親が自分を捨て、成金と駆け落ちしたことをトラウマにしている。 出自故にかなり気難しい性格で、機械音楽を「心がこもっていない信号」と吐き捨てており、 執事として来訪した当初のノース2号にも「仲間殺しの破壊人形」と罵声を浴びせていた。 しかしノース2号から母の遺志を聞かされてその真相を知り、ノース2号が望んでいたピアノを教えるのだが…。 ・スコット准将 「いつも逃げる事ばかり考えてるあんたとは違うんだよ。」 国連軍准将。ボラー調査団を現場でけん引していたスタッフの一人。 イプシロンが徴兵を拒んだことを今でも根に持っていたが、突如としてセーフハウス諸共消し飛ばされる。 ・ロナルド・ニュートン=ハワード オーストラリア出身のロボット科学者。イプシロンを作り上げた光子力研究の第一人者。外見はスティ○ブ・ジョ○ズに似ている。 ボラー調査団第3の犠牲者としてまたも見立て殺人により虐殺され、イプシロンの怒りを掻き立てた。 ・ワシリー 「ボラー…」 イプシロンが養っている戦災孤児の一人。過去に村そのものを何者かに消し飛ばされ、それ以降PTSDにより「ボラー…」しかしゃべれなくなる。 やっと話したかと思いきや、まるで世界の破滅の如き恐ろしい歌を口ずさむようになった。 ヨハンセンと名乗る怪しい男によりノルウェーに引き取られ、黒幕であるアブラーに捕まり人質にされる。 **KR団 ・アドルフ・ハース 「やめろ、パパは汚い言葉が嫌いだ。」 ドイツの貿易商人。妻と息子の三人暮らし。職業柄情報通であり、ペルシアの情報にも内通していた。 一見普通の裕福な家庭の実業家に見えるが、父の命を間接的にではあるが奪ったロボットを内心嫌悪しており、KR団に加入している。 クソボケ兄貴がゼロニウム弾で見るも無残な屍になったことにショックを受け、ヨーロッパで唯一ゼロニウム弾の使用が認められたゲジヒトを憎悪、 KR団から受け渡されたクラスター銃での復讐を試みる。 しかしゲジヒトの破壊に躊躇しているうちに、業を煮やしたKR団幹部から粛正対象にされてしまい、ゲジヒトに守られることになる。 モデルは恐らく『アドルフに次ぐ』のアドルフ・カウフマン(ナチス将校→ムスリム傭兵)とアドルフ・カミル(ユダヤ系民間人→イスラエルのテロリスト)。 ・アドルフの兄 「いいか、勉強しろ。勉強して、ロボットのいない世界を作れ」 KR団の末端とされるDQNオヤジ。 幼い頃に父が貧しさに耐え兼ねサッカーボールを万引きしたことを警備ロボットに公言され、自殺に追いやられた事件を苦にロボットを心底毛嫌いしており、 数多くのロボットを破壊して器物損壊・強盗などの犯罪を繰り返していた極悪人。 連続子供ロボット強奪・破壊事件を起こし、その残虐ぶりからKR団幹部やアドルフにすら「人間の屑」と言われていた。 そんな中、ゼロニウム弾の直撃を受けてミンチより酷くされ、内心彼を嫌っていたKR団から格好の「欠陥ロボットによる悲劇の犠牲者」に仕立て上げられる。 ・KR団団長 「あせることはない。最終的にゲジヒトをつるし上げられればそれでいい。」 ロボット権弾圧を訴える過激派。もう見るからに悪党面のオヤジ。 超最右翼だったアドルフの兄がロボットの手にかかった事を知ると、彼の本性を隠蔽したまま「ロボットに殺害された善良な市民」として祭り上げ、 アドルフの復讐をバックアップする。 しかしアドルフがゲジヒト抹殺に躊躇し一向に自体が進まないことを受け、 「アドルフはゲジヒトと刺し違えて散った英雄」というありもしない話を作り上げるために、ありとあらゆる手段でアドルフの暗殺を企てようとした。 ちなみにこいつら幹部の会話シーンは『20世紀少年』の巨大ロボット製造会議にそっくりである。 **その他 ・ブラウ1585 「あと6人だ。君も含めて…ね。」 世界で最初に「人間を殺害した」ロボット。 とある場所に厳重な警備の中監禁されており、胸には槍が付きたてられ残骸の如き無残な姿を呈している。 いくら調査しても一切の欠陥を有しておらず、誰を殺したのかは語られることのないまま終わった。 プルートゥ事件を捜査するゲジヒトに、そしてアトムに面会を行い、その都度記憶チップを交換するよう迫る。 言動は皮肉屋で勿体ぶった話し方を好む。 キャラクターの元ネタは『鉄腕アトム』に登場する青騎士ブルー・ボン。ブラウはフランス語で「青」、1585はブルボン朝成立の年である。 ・ベルナルド・ランケ ロボット擁護団体会長。実直すぎる理念故に敵を多く生んでいたことでも名が知れていた。 開始早々プルートゥにより惨殺され、ボラー調査団殲滅作戦の最初の被害者となった。 実はプルートゥではなくゴジにより殺されている。 ・田崎純一郎 国際ロボット法成立に貢献した日本の法学者。ボラー調査団二番目の犠牲者。何者かにより殺害され、冥王の見立て殺人の犠牲となる。 *その後の顛末 非常に人気が高い作品ながら、なぜか連載中はアニメ化などのメディアミックスは行われなかった(やっぱりイラク戦争ネタはまずかったのだろうか)。 しかし2010年にはハリウッドが実写映画製作の許可を取り(いいのかよそれで)、2015年には舞台化された。 そし2017年、TVアニメ化が確定した。 『もう遅いよ。今更アニメ化が決定したところで。』 『新しく僕らのアニヲタwikiは完成したんだ。』 『追記・修正するのは、僕だけでいい』 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2018/09/09(日) 15:22:52 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 21 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center{&size(20){&color(Gold,Black){私はロボットだ。}}} &bold(){『PLUTO』}とは、『[[鉄腕アトム]]』の長編「地上最大のロボットの巻」を原作とした、浦沢直樹による漫画作品である。 監修は原作者・[[手塚治虫]]の長男である手塚眞。プロデューサーは同作者の相方として知られる長崎尚志、協力・手塚プロダクション。 小学館の『ビッグコミックオリジナル』において、アトム誕生の2003年から2009年まで連載された。全8巻。 *概要 2003年4月7日。その日は、[[鉄腕アトム]]が生まれた日とされていた。 だが現実世界では二足歩行のASIMOを作るのがやっとで、AIはまだチェスの遊戯台でしかなく、 アトムには登場すらしなかったインターネットが円熟期を迎えたばかりだった。 そして、その日は人類史にとって最悪の歴史が紡がれている真っただ中だった。 2003年3月17日、アメリカ合衆国は中東・イラクに爆撃を開始。続く3月19日、米英豪を始めとする連合軍が総攻撃を開始した。 &bold(){世に云う、イラク戦争である。} アトム誕生の日である4月7日はまさに激戦の真っ最中であり、『鉄腕アトム』内で人類が地球外生命体やらなにやらと戦うためかりそめの平和を手にしていたのとは、 全く正反対の現実だった。 作中でアトムは過去に渡り、ベトナムでの悲惨極まりない戦争を経験していた。 それから40年が経っても、人類は何も進化していなかったのだ。 本作の企画は、2002年の冬に始まった。 2003年のアトム・イヤー開催に合わせ、手塚本人が「最も書いていて楽しかった」と発言しているうえ 読者からの人気も高い長編「地上最大のロボット」のリメイクとしてこのマンガは連載開始された。 本作は、原作では脇役だったドイツのロボット刑事・ゲジヒトを主人公として描かれている。 それに伴い、原作においては「アトムの敵役」として1ページ目1コマ目から登場していた[[プルートゥ>プルートゥ(鉄腕アトム)]]をあえて明確に描かず、 中盤までその姿すら出てこないままに次々と「世界最高水準」7大ロボットを破壊していくサスペンス要素の強い作品になっている。 また、登場人物(ロボット)の多くは手塚眞の依頼により意図的に原作とはデザインを変えており、「公式擬人化」と言って差し支えないレベルである。 冒頭で述べた通り、原作におけるアトムの今までの活躍は殆どオミットされた上で、新たに入れられた設定が「第38次中央アジア紛争」である。 原作ではプルートゥ及びそれを作ったバカ領主は単にイスラム圏出身としかされていなかったのだが、 イラク戦争の混迷化、そして何一つ大義が無かったという絶望的な真実も踏まえて、作中の根幹を担う設定になっている。 %%おかげで終盤は21世紀少年とほぼ同じオチだがな%% *あらすじ その事件は、何の予兆も無く始まった。 アルプスで突如として巻き起こった竜巻と山火事に巻き込まれ、森林保全用ロボット「モンブラン」がバラバラに破壊された姿で発見されたのだ。 同日、ドイツのデュッセルドルフで、ロボット権擁護活動家のベルナルド・リンケが惨殺される。 二つの事件では、どちらも建てられた2本の角が残されていた…。 ユーロポートのエリート刑事ロボット「ゲジヒト」は、人間には実行不可能なこの2つの事件が同一犯によるものであるとの仮説を立てる。 某国の地下施設に幽閉された世界で唯一殺人を犯した欠陥ロボット「ブラウ1589」にこの事件について尋ねたゲジヒトは、 彼の口から二つの角を持つ者_冥王プルートゥの名を聞かされる。 程無くして、モンブランやゲジヒトと並び称される世界の優秀な7大ロボットが次々と襲われる事件が発生。 ゲジヒトは日本最強のロボット「アトム」と共に捜査を続けるが、プルートゥ事件の犠牲者に隠された共通点を知り…。 *用語解説 ・トラキア合衆国 世界の覇権国とされる軍事大国。ペルシア王国に大量破壊ロボット兵器が存在すると言い放ち、殲滅を開始する。 ・ペルシア王国 中央アジアの独裁国家。国全体があまり肥沃とは言えない土地柄。 かつてのペルシア王朝の末裔を名乗るダレイオス14世により、軍事独裁と圧制が敷かれていた。 第39次中央アジア紛争により多国籍軍の総攻撃を受けて滅亡、民主化が進んでいるがインフラの破壊、人口流出により貧困と混迷は続いている。 ・ボラー調査団 国連が派遣したペルシア王国の兵器開発技術を調査するための一団。 ・KR団 ヨーロッパを根城とする狂信的反ロボット団体。所謂ロボットKKK団。 ・(自律駆動)ロボット 『[[アトム ザ・ビギニング]]』で言う所の第3世代ロボット。 既にロボット法の施行に伴い、人間社会でも様々な用途で活躍しているみんなの友達。そう、彼らは友達でなければいけないのだ。 多くのロボットは食事が必要ないが、人間の風習を真似して内部に取り込むこともある。(原作では焼き芋を食べてアルコールだけ吸収したりしていた) ・電子頭脳 本作では記憶回路を含め、ロボットの後頭部から抜き差しすることが可能。 これにより、重機型ロボットに頭脳を移し替え、一般生活用ボディを一時機能停止させて労働することができる。 この機能はプルートゥ事件において最大の要となった。 ・パンクラチオンスーツ ロボッティング(今でいうロボコンをさらに過激にした総合格闘技)や戦争に使用される、戦闘用パワードスーツ。 上記の電子頭脳システムの応用で、一般生活用ボディの首ごと外して内部に装着することで動き出す。 当然ながらスポーツ用の方が軍用より戦闘力は劣る。 ・ゼロニウム合金 原作にもゲジヒトの装甲として登場する特殊合金。ホフマン博士が発明。 磁力線や熱線を無効化する「盾」として高い機能を誇るが、「矛」即ち銃弾として使用すれば一撃で装甲車をも砕く。 *登場人物 **7大スーパーロボット ・ゲジヒト &color(Gold,Black){「権利を読み上げ、大人しく逮捕されるのと、ガスで意識が無くなるのと、どっちがいい? 言え!」} 本作の序盤の主人公。ユーロポール最高の性能を持つロボット刑事。 原作とは異なり完全に人間型をしており、金のボディは金髪に、鷲鼻はそのままになっている(ダメージを受け皮膚が焼け焦げた際には少し似たフレームが浮き出ている)。 原作では茶目っ気ある爽やかな性格だったが、本作ではひたすらにクールで頭脳派。 準主役であるアトムと対比して知性的で落ち着きがある面が強調されているが、正義感が強く、たとえ反ロボット主義者であっても仕事であれば身命を賭して守る。 全身がゼロニウム合金製のため磁力線や熱線を無効化し、刑事ロボットだけに7大ロボットの中で最も優れた索敵センサーを有する。 左腕には催眠ガス噴射装置が、右腕にはゼロニウム合金キャノンが内蔵されている。 ルーズベルト曰く&bold(){「今までで最も高性能な大量破壊兵器」}。 何者かによって2年前の記憶が改ざんされており、妻のヘレナもその記憶を失っている。 父親(文学的表現)であるホフマンにより定期的にメンテナンスが行われているが、その度に様々な幻夢を目の当たりにしている。 ・アトム &color(orange){「みなさんに…挨拶してきました…。…もう、これで全て終わりますって。」} ご存知心優しい科学の子。本作では普通に服を着ており、髪型もあそこまで尖がってはいない。 原作における尻マシンガンなどはオミットされているが、優れた聴力や発達した人工知能、飛行能力や怪力はそのまま。 何かと感情的になりがちで、知能に反して知性が幼稚な所もあった原作のアトムとは逆に、あまり感情の抑揚は高くなく、いつも飄々としている。 人間だけが持ちうる「無意識」を有しており、人工知能の完成度は7大ロボット随一。 中盤でプルートゥに敗れ、完全に機能停止。そのまま昏々と眠り続けていたが、7大ロボット全滅及び天馬博士の介入により覚醒する。 覚醒当初は友人であるゲジヒトやエプシロンが破壊された「怒り」を抱え不安定な状態であったが、遂に自らの意思で荒れ狂う激情を制御。 「敵」の抱える真相を突き止めるため、冥王との最後の戦いに向かう。 ・モンブラン &color(deepskyblue){「ぼくたちは何をやっているんだろう…僕たち…正義のためにここに来たんだよね…? 虐げられているロボットを救うために…」} スイス製山岳保全用ロボット。原作とあまり変わらない亜人型。 原作ではべらんめぇ口調だったが本作では上記の通り大人しい言葉遣い。 山岳救助、環境保全のために作られたため頑健な体を持ち、その怪力により幾多の命を救っていた。 詩や歌を愛する純粋な心を持ち、自分がスイスの国民から愛されている事を知ってなお、「再起不能になったらボディを溶かし再利用してくれ」とまで言っていた。 その人格形成には、第39次中央アジア紛争による苦すぎる記憶が多分に含まれていた。 そして本作冒頭、プルートゥの手にかかりバラバラにされて死亡。世界中がその死を悲しんだ。 ・ノース2号 &color(red){「私はただの兵器です。あなたのおっしゃる通り、私の仲間を、何万体も殺しました。」} スコットランドのロボット。他のロボットが民間用であるのに対し、彼だけは純粋に戦闘のために作られた。 原作では体内に12本のアームを内蔵していたが、本作では8本(2本が日常用、6本が戦闘用)になっており、6本の戦闘アームは体に巻き付けている。 また、口元がやや人間に近い形状(ライダーマン型)になっている。 ブリテン軍総司令官アンドリュー・ダグラスの元副官として、第39次中央アジア紛争に従事した。 戦争で仲間を殺し続けたPTSDにより戦争を忌避し、悪夢にうなされる日々が続いていた。 戦後は執事ロボット派遣会社に転身し、世捨て人となったダンカンの執事となる。 極度の人間嫌い、機械嫌いであるダンカンに対し融和を試みる中で、彼が大事にしていたグランドピアノに興味を持ち始める。 そしてダンカンの母親が彼を「捨てた」真相を探り当てるとダンカンと和解し、ピアノを習い始めた。 月日が流れ、嘗ての同士モンブランが破壊された事を知ると、その下手人がダンカンの城に向かっていることを察知し、飛び立つ。 雷鳴が、竜巻が巻き起こる中、一筋の煙が真っ逆さまに青空から堕ちていく。 それと同時に、ダンカンが母から訊かされていた懐かしい唄が大空に響き渡った…。 ・ブランド &color(purple){「試合なんてのは、経験の蓄積で何とかなる。後は運だ。」} トルコの国民的英雄として名高い格闘家ロボットで、ヘラクレスやモンブランの親友。 原作では武骨な姿であったが、本作においてはその姿であるパンクラチオンスーツと一般生活用ボディ(太ったおじさん)の二つの姿を使い分ける。 ESKKKRトーナメントチャンピオンで「不敗神話」を持つ達人…達ロボット? であるが、ロボットにしては珍しく「運」という不確定要素を信じており、 自らを「ラッキーマン」と称する。 ロボット同士での結婚や養子縁組が当たり前になっている(原作もそうである)『PLUTO』世界でも珍しく、5人の子供ロボットを育てている。 トルコ沿岸で(特訓と称して持ち出した)パンクラチオンスーツに合体してプルートゥを迎え撃ち、原作通り壮絶な水中戦を行う。 プルートゥに甚大なダメージを与えるも自身も壊滅的打撃を受け、ネットワークを通じてヘラクレスやゲジヒト、アトムに通信を行うも、 壊れゆく彼の記憶回路が映し出したのは、家族の笑顔ばかりだった。 ・ヘラクレス &color(blue){「こいつとは決着をつける。ただ、試合じゃねえ。殺し合いだ…!!」} ギリシャ出身の「闘神」の異名を持つロボットレスラー。ブランドとは最大のライバルとして公私ともに交流があった。 ブランドと共に第39次中央アジア紛争に参加し、一躍「英雄」に祭り上げられるも、 長すぎる戦いの中で「殺意」という感情を知ってしまい、相手にとどめを刺すことを躊躇するようになった。 ブランド同様首だけをパンクラチオンスーツに投入することでギリシャの鎧武者のような姿になるが、 原作とは異なり盾も鎗も馬車も使用せず%%ましてロケットパンチや首鉄砲など使わず%%人間の格闘術のみで戦い抜いた。 他のロボットたちが人間に迎合する中、「子供だまし」の人間生活の演技は好まず、ともすれば冷酷とも取れる一面も見せる。 しかしブランドが消息を絶った際には仕事を放り出し、資材を投じてサルベージ作業に参加。 そこでブランドの無残な屍と、モンブラン同様の「角」を目の当たりにし忘れかけていた「怒り」を取り戻した。 自らの戦いにより(ブランドが伝えたかった)冥王の正体を暴かせるべく、エプシロンにデータ収集を命じ、単身大竜巻に突貫。 パンクラチオンスーツを破壊されると一般生活用ボディを遠隔操作して首と合体させ、海上でプルートゥの角を掴み取る。 そこでようやくプルートゥの真の正体に感づくも、電磁波を体内に撃ち込まれ完全粉砕される。 ・エプシロン &color(green){「生みの親が殺されたんです。今にも自分が、制御できなくなりそうなんです!」} ニュートン博士の作り上げた光子力ロボット。金髪の美男子の姿をしており、常に黒い上下に身を包んでいる。 血の気の多い7大ロボットの中では比較的落ち着いた性格であるが、ペルシア戦線における徴兵拒否を逆恨みした多国籍軍により、 戦後処理と称しロボット兵器の残骸の溶融(われわれ人間でいえば「一日中死体を焼き続けろ」と言っているに等しい)に回される。 そこで出会った戦災孤児を引き取り、オーストラリアの孤児院で育てていた。 しかしこの行為により世論は「偽善」「非国民が養父気取り」などと徹底して彼へのバッシングに向かった。 無論、子供たちからは万福の信頼を寄せられており、「一番好きな物」として太陽のオブジェを渡されるほど愛されている。 太陽の光エネルギーを増幅することにより、日中はエネルギー切れを起こすことなく強力な光と熱を放つことができる。つまり夜や悪天候には弱い。 ヘラクレス、ゲジヒトが無念の死を遂げた事を知り、ワシリーが譫言の様に呟く「ボラー」の正体を独自で探そうとするも、 オーストラリアにプルートゥの起こした竜巻が襲来した事を知り、これを打ち破った。 だが左腕を犠牲にしてプルートゥは離脱、アブラーの手下によりワシリーがノルウェー・オスロに攫われると、 罠だとわかっていてもエプシロンは単身乗り込む。 夜と暴風雪、最悪のコンディションの中エプシロンは雲の上までプルートゥをおびき出すも…。 **ペルシア王国 ・[[プルートゥ>プルートゥ(鉄腕アトム)]] 「あ…ああああ!!!」 本作最大の敵。何者かにより作り上げられた、冥府の王の名を冠せし「地上最大のロボット」。 世界最高水準の7大ロボットを突け狙い、竜巻と共に現れて相手を完膚なきまでに破壊し尽くす。 ロボットでありながら人間を殺害することができるが、そのターゲットはいずれも…。 詳細は該当項目参照、ただし&bold(){重大なネタバレ}につき注意。 ・ダリウス14世 「実によくできているな。人間そっくりだ…愚かな所までな。」 原作におけるサルタン「チョチ・チョチ・アババ」(何ちゅう名前だ)に当たる人物だが全くその面影はない。 嘗てのペルシア王国国王であり、圧倒的な軍事力で国民を押さえつけ、周囲の国に侵攻を続けていた独裁者。 逮捕され、独房の中に封じ込められていたが、不気味な譫言を呟き続けていた。 名前の由来はアケメネス朝ペルシャのダレイオス1世からと思われる。 ・アブラー博士 「子供たちを大切にしてやってくれ…私が失った分も…この子たちに愛を…」 プルートゥの黒幕とされるペルシア王国の天才科学者。原作ではプルートゥを作り上げたロボットだった。 本作ではペルシア王国出身の科学者で、脳以外の大部分を戦争で失い、自らをサイボーグ化して生き延びていた。 第39次中央アジア紛争において家族を皆殺しにされ、戦争を嫌悪している心優しい人物。 ・ゴジ博士 「貴方の命は、私の手の中にある。」 かつてペルシア王国ロボット師団を作り上げたとされる狂気の科学者。 プルートゥを操っていた真の黒幕であり、実はプルートゥの仕業と思われていた「見立て殺人」を行った張本人である。 身体能力は常人どころかアンドロイドをもしのぐが、実は遠隔操作で通常のアンドロイドを操っていただけであった。 原作においてはボラーを作り上げた覆面の科学者という設定で、その終盤で明かされた「驚愕の設定」と同一かと思われていたが…。 ゴジの名は、古代ウズベクの王に知恵を授け、自らは土塊に還ったとされる「土の賢者」の名らしい。 ・索敵ロボット 「お任せください。博士がこの身体を下さったので。」 アブラーに仕えるロボット。禿げ頭の中年男性の姿をしているが、体内に無数の&bold(){ゴキブリ型ドローン}を格納しており(オエ~)、 口や耳の穴から(オゲェ~)、数え切れないほど放出し(イヤァァァ)周囲を索敵する(もうやめてぇぇぇ)。 実は量産されている(…)。 ・サハド 「種を付けて、花は枯れなきゃダメなんだ」 オランダに留学していた、ペルシア王国の学生。砂漠化が進行していた祖国に花畑を取り戻すため、チューリップの研究にいそしんでいた。 唯一成功した、砂漠でも咲くチューリップには&bold(){「プルートゥ」}の名が冠せられていた。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){その正体は、アブラーの息子である。} ・&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){ボラー}} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){「ボラァァァァ」}} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){終盤にてその正体が明かされた、本作の正真正銘最後のラスボス。原作とはかなり設定が異なる。}} **トラキア合衆国 ・アレクサンダー 「是非私に力を貸してください。この世界をユートピアにするために。」 トラキア合衆国大統領。ペルシア王国の暴政を機に、国連に「大量破壊ロボット製造禁止条約」成立を打診した。 更にトラキアを含む多国籍軍を編成、ペルシア王国を滅亡させた張本人である。 名前の由来はダレイオス3世と戦ったアレキサンダー大王と思われる。 ・Dr.ルーズベルト 「全て敗者で弱者で死者なんだよ。この僕以外はね。」 アレクサンダーのブレーンであり、文字通りのスーパーコンピューター。 情報処理能力はゲジヒトやブラウの数千倍であり、人間を完全に下等と見下しているロクでもないAI。 あまりに巨大なため、普段はテディベアを通じて会話している。 プルートゥ事件によるロボットの死を悲しむどころかむしろ煽り立てており、「所有者」であるアレクサンダーすら、 全てはルーズベルトの思い通りに踊らされているに過ぎなかった。 ・アーノルド 「およそ一か月で、世界は滅びます。」 トラキア合衆国気象庁の気象予報ロボット。非人間型。普段はおちゃらけているが、仕事には手を抜かない。 エプシロンとは友ロボであり、常にホットラインが敷かれていた。 終盤、ボラーによる「最後の審判」の正体を知り、アレクサンダーに衝撃の予言を下す。 **警察関係者 ・シュリング局長 「あの戦争を終結させたのは、その7体のロボットだ。彼らは、世界のパワーバランスを握っていた」 ユーロポールドイツ支部局の局長。ホフマンとゲジヒトの上司に当たる人物。 ゲジヒトの消えた記憶について手掛かりを知っているようだが…。 ・ペッカー部長 「私が許可する。構わん、破壊しろ!」 シュリングの部下の一人でゲジヒトの上官。プルートゥ一派に相対したゲジヒトに攻撃命令を下すタカ派。 ホフマン博士の心身を無視した強硬な命令により、ゲジヒトからは愛想を尽かされる。 ・ホーガン 「みんな私の近くに!! 早く!!」 量産化されたロ○コップに似たガードロボットの一人。エプシロン(及び子供たち)の護衛を任されていた。 エプシロンが自分よりはるかに強い事は当然知っており、その実力を畏怖していた。 肋骨部分を展開させ、簡易シェルターにトランスフォームすることもできる。 ・田鷲警部 「所詮お前らは美しいもうまいもわからん連中だ!」 原作にも登場するが鼻は控えめ。アトムを訝しんでいる。 **7大ロボットに協力する人々、ロボット ・ホフマン博士 「我々調査団が…ペルシアにしたことへの恨み、か…!!」 ゲジヒトを開発したドイツのロボット学者。電子頭脳の平和利用を目指している。 ニュートン博士や天馬博士とはかつて至高のロボットについて会合を開いた仲。 実はボラー調査団の一員であり、「プルートゥ」の暗殺ターゲットにされる。 『[[ワンパンマン]]』のクセーノ博士に似ている気がするが多分気のせい。 ・ヘレナ 「寂しくないわよ、わたし。あなたがいるもの。」 ゲジヒトの妻(金髪美人型ロボット)。インテリアデザイナー。 いつも死と隣り合わせの夫を心配しており、彼女もまた記憶障害を起こしている。 ・お茶の水博士 「死ぬのが怖くてアトムを呼ぶとでも思ってるのか!! そんなことでアトムを戦わせるような真似はさせん!!」 日本国科学省長官。原作ほど鼻は大きくない。アトムとウランの保護者。 原作同様とても優しい心の持ち主で、捨てられていたロボット犬(どう見てもAIB○)を拾い、世界中から部品を集めてでも直そうとしたほど。 既に結婚しており孫もいる。妻には先立たれているが、『アトムザ・ビギニング』の某キャラに顔つきが似ている。 実はボラー調査団の一人であり、プルートゥの抹殺リストの1人でもある。 ・隆史 「変なんだ…動かない竜巻なんてあるの?」 お茶の水博士の孫(本作オリジナルキャラ)。ロボット犬ボビーを飼っている。 母親と一緒に房総半島の家で暮らしていた所を、プルートゥに襲われる。 ・ウラン 「おじさん…絵、下手なんかじゃないよ…。だって…涙が出てるもん…。」 知っての通りアトムの妹。髪型は二つ結び。 『ASTROBOY 鉄腕アトム』と同じく、動物の言葉を理解できるのだが、AB版より更に感性が優れており、3㎞も先の動物運搬車事故を察知できる。 原作同様、プルートゥと心を通わせたかに思えたが…。 ・伴俊作 「心に高性能もへったくれもあるか!!」 原作におけるアトムの担任ヒゲオヤジであるが、本作では校長先生。年もお茶の水博士並みの高齢である。 アトムを失い失意に沈むウランを心配しており、ロボットも人間と同じように扱っている。 ・天馬博士 「この悲劇はじきに終わる。最後に途轍もない悲劇を巻き起こすかもしれんがね。」 アトムを作り上げた科学者。科学省元長官。 その知能はホフマンやニュートンをして「絶対に勝てない」と言わしめたほど。 原作同様失った息子・トビオの復活のため、機械で出来たアトムを作り上げた。 「完全な電子頭脳」を作り上げることを夢見ており、人間に近づき、やがて人間を凌駕する存在としてのロボットを作り出そうとしていた。 プルートゥによりアトムが破壊されると、科学省に足を運び、自ら修復作業を行った。 ・ポール・ダンカン 「そんなところで歌ってないで帰ってこいノース2号…。ピアノの練習の時間だよ…。」 「盲目の天才音楽家」と称されるボヘミア出身の老人。幼い頃に母親が自分を捨て、成金と駆け落ちしたことをトラウマにしている。 出自故にかなり気難しい性格で、機械音楽を「心がこもっていない信号」と吐き捨てており、 執事として来訪した当初のノース2号にも「仲間殺しの破壊人形」と罵声を浴びせていた。 しかしノース2号から母の遺志を聞かされてその真相を知り、ノース2号が望んでいたピアノを教えるのだが…。 ・スコット准将 「いつも逃げる事ばかり考えてるあんたとは違うんだよ。」 国連軍准将。ボラー調査団を現場でけん引していたスタッフの一人。 イプシロンが徴兵を拒んだことを今でも根に持っていたが、突如としてセーフハウス諸共消し飛ばされる。 ・ロナルド・ニュートン=ハワード オーストラリア出身のロボット科学者。イプシロンを作り上げた光子力研究の第一人者。外見はスティ○ブ・ジョ○ズに似ている。 ボラー調査団第3の犠牲者としてまたも見立て殺人により虐殺され、イプシロンの怒りを掻き立てた。 ・ワシリー 「ボラー…」 イプシロンが養っている戦災孤児の一人。過去に村そのものを何者かに消し飛ばされ、それ以降PTSDにより「ボラー…」しかしゃべれなくなる。 やっと話したかと思いきや、まるで世界の破滅の如き恐ろしい歌を口ずさむようになった。 ヨハンセンと名乗る怪しい男によりノルウェーに引き取られ、黒幕であるアブラーに捕まり人質にされる。 **KR団 ・アドルフ・ハース 「やめろ、パパは汚い言葉が嫌いだ。」 ドイツの貿易商人。妻と息子の三人暮らし。職業柄情報通であり、ペルシアの情報にも内通していた。 一見普通の裕福な家庭の実業家に見えるが、父の命を間接的にではあるが奪ったロボットを内心嫌悪しており、KR団に加入している。 クソボケ兄貴がゼロニウム弾で見るも無残な屍になったことにショックを受け、ヨーロッパで唯一ゼロニウム弾の使用が認められたゲジヒトを憎悪、 KR団から受け渡されたクラスター銃での復讐を試みる。 しかしゲジヒトの破壊に躊躇しているうちに、業を煮やしたKR団幹部から粛正対象にされてしまい、ゲジヒトに守られることになる。 モデルは恐らく『アドルフに次ぐ』のアドルフ・カウフマン(ナチス将校→ムスリム傭兵)とアドルフ・カミル(ユダヤ系民間人→イスラエルのテロリスト)。 ・アドルフの兄 「いいか、勉強しろ。勉強して、ロボットのいない世界を作れ」 KR団の末端とされるDQNオヤジ。 幼い頃に父が貧しさに耐え兼ねサッカーボールを万引きしたことを警備ロボットに公言され、自殺に追いやられた事件を苦にロボットを心底毛嫌いしており、 数多くのロボットを破壊して器物損壊・強盗などの犯罪を繰り返していた極悪人。 連続子供ロボット強奪・破壊事件を起こし、その残虐ぶりからKR団幹部やアドルフにすら「人間の屑」と言われていた。 そんな中、ゼロニウム弾の直撃を受けてミンチより酷くされ、内心彼を嫌っていたKR団から格好の「欠陥ロボットによる悲劇の犠牲者」に仕立て上げられる。 ・KR団団長 「あせることはない。最終的にゲジヒトをつるし上げられればそれでいい。」 ロボット権弾圧を訴える過激派。もう見るからに悪党面のオヤジ。 超最右翼だったアドルフの兄がロボットの手にかかった事を知ると、彼の本性を隠蔽したまま「ロボットに殺害された善良な市民」として祭り上げ、 アドルフの復讐をバックアップする。 しかしアドルフがゲジヒト抹殺に躊躇し一向に自体が進まないことを受け、 「アドルフはゲジヒトと刺し違えて散った英雄」というありもしない話を作り上げるために、ありとあらゆる手段でアドルフの暗殺を企てようとした。 ちなみにこいつら幹部の会話シーンは『[[20世紀少年]]』の巨大ロボット製造会議にそっくりである。 **その他 ・ブラウ1585 「あと6人だ。君も含めて…ね。」 世界で最初に「人間を殺害した」ロボット。 とある場所に厳重な警備の中監禁されており、胸には槍が付きたてられ残骸の如き無残な姿を呈している。 いくら調査しても一切の欠陥を有しておらず、誰を殺したのかは語られることのないまま終わった。 プルートゥ事件を捜査するゲジヒトに、そしてアトムに面会を行い、その都度記憶チップを交換するよう迫る。 言動は皮肉屋で勿体ぶった話し方を好む。 キャラクターの元ネタは『鉄腕アトム』に登場する青騎士ブルー・ボン。ブラウはフランス語で「青」、1585はブルボン朝成立の年である。 ・ベルナルド・ランケ ロボット擁護団体会長。実直すぎる理念故に敵を多く生んでいたことでも名が知れていた。 開始早々プルートゥにより惨殺され、ボラー調査団殲滅作戦の最初の被害者となった。 実はプルートゥではなくゴジにより殺されている。 ・田崎純一郎 国際ロボット法成立に貢献した日本の法学者。ボラー調査団二番目の犠牲者。何者かにより殺害され、冥王の見立て殺人の犠牲となる。 *その後の顛末 非常に人気が高い作品ながら、なぜか連載中はアニメ化などのメディアミックスは行われなかった(やっぱりイラク戦争ネタはまずかったのだろうか)。 しかし2010年にはハリウッドが実写映画製作の許可を取り(いいのかよそれで)、2015年には舞台化された。 そし2017年、TVアニメ化が確定した。 『もう遅いよ。今更アニメ化が決定したところで。』 『新しく僕らのアニヲタwikiは完成したんだ。』 『追記・修正するのは、僕だけでいい』 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() #comment #areaedit(end) }

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