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ウルトラマンデュアル - (2016/07/06 (水) 14:39:35) の最新版との変更点
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&font(#6495ED){登録日}:2016/02/10 (水) 11:06:44
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#center(){&color(purple){&bold(){&big(){&big(){正義は悪に育まれる事を知れ。}}}}}
#center(){&color(blue){&bold(){&big(){&big(){お前達こそ、愛に甘えている事を知るんだな。}}}}}
『ウルトラマンデュアル』とは2016年1月23日に早川書房から発売されたウルトラマン小説の事。
著者は『ダイナミックフィギュア』等の三島浩司 。
表紙イラストは[[ウルトラマンギンガ>ウルトラマンギンガ(登場キャラクター)]]等のデザインを手掛けた後藤正行。
■&bold(){概要}
『[[ウルトラマンF]]』『[[多々良島ふたたび]]』等でお馴染みの、
円谷プロ×早川書房のコラボ企画『TSUBURAYA×HAYAKAWA UNIVERSE』の作品の一つ。
しかし他の作品と大きく異なる点は『S-Fマガジン』で掲載していない事。
つまり本作は書き下ろし長編ウルトラマン小説なのだ。
世界観は『[[M78世界>M78ワールド(ウルトラシリーズ)]]』だが、ヴェンダリスタ星人が現れるまで[[宇宙人]]を見た事がなかったり等、あくまでM78世界はベースのみ。
著者の三島氏は[[あとがき]]で[[ウルトラマン80]]まではリアルタイムと再放送で見たが、
住んでいた所の関係で[[ウルトラマンタロウ]]を見た事がないという。
三島氏は子供時代から作品の高尚性よりもヒーローのスペックの数字を気にするタイプだったので、ウルトラ兄弟最強のタロウに興味を持った。
そのため図鑑等でタロウの頭部は訓練次第で[[アイスラッガー]]になると言う事は知っていても、作品自体は見る事はなかったそうだ。
そういった経緯もあって[[ウルトラマンレオ]]と[[アストラ]]は兄弟だと知っていても[[双子]]とは知らなかった等、
知識が曖昧なのでTwitterでこんな調子で大丈夫かな……と呟いていた。
ついでにネタも募集していた。
本作にはいたる所に相撲がモチーフとして取り込まれているが、『S-Fマガジン』に乗っているインタビューによると、
三島氏が幼少期に『ウルトラマン消しゴム』で相撲をやらせていた事に由来するという。
本作を読む上で注意してほしいのは、イラストは確かに後藤氏なのだが、表紙のみで本編中に&bold(){&color(red){挿絵は存在しない}}と言う事。
ウルトラマンを題材にしているが内容は一般的なSF小説になるため、
[[ウルトラマン妹]]のようなノリや、後藤氏のイラスト目当てで読むのはお勧め出来ない。
■&bold(){あらすじ}
地球征服を目論むヴェンダリスタ星人とそれを阻止するウルトラの戦士達は激しく衝突し戦力を削りあった。
どちらの援軍が先に地球に到着するかで、この星の命運が決まる──。
地球は勝敗が決するまで、ウルトラの戦士に希望を託しつつ、
ヴェンダリスタ星人にも服従の態度を示さねばならぬジレンマを抱える事となった。
政府は苦渋の選択の末、傷ついた宇宙船で東京近郊に不時着したウルトラの聖女を、建前上はヴェンダリスタと同等の侵略者と位置付けた。
ウルトラの聖女もまた地球の事情を察し、その一帯を『 [[光の国の飛び地>M78星雲・光の国]] 』として侵略支配する事を宣言する。
巨大な壁に囲まれ情報と物資の供給が絶たれた小さな飛び地に、ヴェンダリスタはウルトラの聖女を倒すため次々と怪獣を送り込む。
地球のために[[涙]]する聖女に心打たれ共闘を誓った少数の者達は、
中立の立場を崩さない政府によって国籍を剥奪され、地球人である事を捨てて極秘のうちに飛び地へ渡った。
その1人、二柳日々輝もまた複雑な思いを胸に、光の国への扉をくぐるのだった……。
強大な暴力に巻き込まれた時、避けがたい理不尽に襲われた時、[[自己犠牲]]の精神を目の前にした時、何を成す事が正義なのか?
&bold(){君には今でも、ウルトラの星が見えているか?}
(公式より引用)
■&bold(){登場人物}
・二柳日々輝
本作の主人公。27歳。通称『ビッキー』
ヴェンダリスタ星人に反発し飛び地の外に居づらくなったため、戦う事を決意した。
学生時代は非行少年だったが、大人になった今では見る影もない。
明るく行動派で、人と人を繋げたり雰囲気を和ませたりする力に長けており、自身もその才能を自覚しており飛び地で積極的に活用している。
[[ウルトラマン]]化した際に植松に関する記憶が曖昧になっている。
ウルトラ・オペレーションを受けた際、片蔵以来の戦士型に覚醒したためウルトラマンデュアルⅡとして怪獣と戦う日々を送る。
・植松鈴
本作のヒロイン。27歳。ビッキーの中学時代の同級生。
中学時代に火災に巻き込まれ全身に大火傷を負って、一目でそれと分かる顔になってしまう。
この時ビッキーに励まされその後なんとか頑張って来たが、
ヴェンダリスタ星人の侵略が切っ掛けで生活する事に疲れてしまい、飛び地に逃避しにやって来た。
飛び地の人間の中で唯一飛行能力を有していた。
・伊波松男
ティアズ・スタンドの総代。48歳。
元々は役人で仕事柄ティアと仲良くしていた事から飛び地で戦う事を決意する。
飛び地にやって来た最初の人間で、ティアズ・スタンドは伊波の実質的な独裁となっている。
嫌がる娘をティアの器として差し出した。これは娘を取り戻すためになら[[宇宙人]]と戦えると考えたから。
・菊田裕子
ティアズ・スタンドの司令官。62歳。
肝っ玉の座っているお婆さんで、決断力に優れ常に自信に満ちた発言をする。
学生時代は女性でありながら応援団の団長だった。
・熊野良子
ティアズ・スタンドの渉外部に所属している。33歳。
飛び地に来る際に恋人と別れたが、未だに未練がある。
・片蔵正平
飛び地に唯一いた医者。43歳。
同時に飛び地の人間で唯一戦う才能を持っていたため、ウルトラマンデュアルⅠとして戦っていた。
医師だけあって他人を救いたいという気持ちが人一倍強く、正義感も強かったため飛び地にいた人々から強い支持を受けていた。
しかし息子の片蔵誉がヴェンダリスタ星人に乗っ取られて人質にされてしまい、その結果命を落としてしまう。
戦士としての才能そのものはビッキーに一歩劣る。
・ピグG
ティアと共に生き残った[[ピグモン]]。
人間をあまり好いてはなく、ウルトラマン化していても懐かない。
飛び地で唯一ティアズ・スタンドの機器を修理する事が出来る。
こんな名前でも雌。
元は雄と勘違いされておりGも爺と言う意味だったが、日々輝に性別を看破されてからはギャルの略と言う事になった。
・友利光矢
もう一人の主人公。金井原高校2年生。17歳。
親友の片蔵誉がヴェンダリスタ星人に乗っ取られてしまったため、なんとかしようと思っている。
『序の口』の構成員でコードネームは『トリプル・アローズ』
・伊波滴
もう一人のヒロイン。金井原高校1年生。16歳。
伊波松男の娘で飛び地の外側からテレパシーで情報を伝え合う役目を持つ。
自分の体内にティアの半分が存在する。
これはティアと一心同体となった上で2つに分裂したためで、
飛び地側にティアの半分と共にシズクというもう一人の自分がいる。
・西田里美
八幡高校に通う2年生。
高校進学時にラトに取りつかれる。
・キップ
本編で主に登場するのは片蔵誉に取りついた個体。
この個体はキップという総体の中でも特別な存在で、誉に取りついてデュアルⅠを殺害する事に成功する。
・メイス
本編で主に登場するのは総体の中で『くずれ』ギリギリの存在。
食べる事が大好きで宿主の都合を考えずに食べまくり、太ると動きにくいから宿主をさっさと帰る。
・ラト
本編で主に登場するのは西田に取りついた個体。
これはラトの中でも特に自分勝手であり、他のラト達からも嫌われている『くずれ』
気に入らない奴をブラックリストに入れている。
■&bold(){登場ウルトラマン}
・ウルトラマンデュアル/シラヌイ
ビッキーと片蔵が変身するウルトラマン。片蔵がデュアルⅠ、ビッキーがデュアルⅡと呼称される。
飛び地側が『デュアル』と呼び、外側の人々が『シラヌイ』と呼んでいる。
本編ではデュアルⅠは既に故人のためデュアルと言えばデュアルⅡの事を指す。
デュアルⅡはシルバーを基準に赤と黒の模様が入っており、
頭部の鶏冠の部分が[[リーゼント]]というか[[ヘラクレスオオカブト]]の角のようになっている。
[[必殺技]]は左胸の前に構えた左手の手刀から光線を放つ『ショルト・ショット』
これは相撲でお馴染みの塩のソルトが由来で、このショルトエネルギーは手に宿して手刀・光線・光弾・粒子にする事が出来る他、[[浄化>浄化技]]も可能。
エネルギー源は人々の声援。人間がデュアルを応援しないとエネルギーが溜まらず巨大化出来ない。
したがって怪獣を苦戦して倒すと、次の戦闘では人はデュアルを応援する気が減少するのでエネルギー不足になり、
当然苦戦して倒すのでさらに次は……と負の連鎖が続く。
劇中では終盤まで上手く敵を倒すと回復が早く、苦戦すると遅くなると言う大体の傾向しか認識されていなかった。
実は拒絶の意志もエネルギーに変換されているのだが、
普段の巨大化には使用できないどころか一定以上に溜まると大変な事になってしまう。
『シラヌイ』とは相撲の土俵入りの『[[不知火]]』型から名付けられた。
そして『デュアル』とは地球と光の国、双方の国籍を持つ者という意味。自分達は地球を完全に捨てていないという意思表示。
・ウルトラセイントティア
光の国の聖女。光の衣を纏った神秘的なウルトラウーマン。
通称は『ティア』。本名は『涙を語り継ぐ者』
地球周辺でギャラフィアンと戦った光の国側の唯一の生き残り。
聖女と言う立場でありながら怪獣の命を奪ってしまったため、自分に手錠をして戦わないという意思表示をしている。
それ故ヴェンダリスタ星人との戦いはウルトラ・オペレーションでウルトラマン化した地球人に任せている。
能力は人間をウルトラマンへと強制進化させる『ウルトラ・オペレーション』と、&color(hotpink){ &bold(){相手の命を問答無用で奪う能力。}}
この命を奪う能力を使用すると能力の対象となったものは抵抗する事も出来ないまま、否応なしに死んでしまう。
・ウルトラマンブリッジ
ティアの兄。名前は聖職者とウルトラ戦士との『架け橋』になって欲しいという願いが込められている。
しかし、ティアが生まれる前に事故で両親と離れ離れになり宇宙警備隊で育てられた。そのためティアと会った事はない。
宇宙警備隊には『切り札』という名前が付けられた。
現在では宇宙警備隊の中でもエース級の実力を身に着けている。
・ナヴィガーレ/ウンリュウ
『盛衰司る第3飛天』という恒星系の『左道に生きる6番星』出身の宇宙人。
『左道に生きる6番星』はヴェンダリスタ星人に滅ぼされてしまっており、復讐のために地球にやって来た。
ヴェンダリスタ星人との交戦の時、光の国に干渉を受けており、ナヴィガーレもウルトラマンになっている。
なおデュアル同様にナヴィガーレは飛び地側の呼称。
■&bold(){敵}
・ヴェンダリスタ星人
正式名称『VENDALISTA星人』。『袂を分かちて朝日を望む者』と自称する。
クサカゲロウを彷彿とさせる美しい姿をしており、戦闘力自体は大した事はないが、自衛行動をしてくれるマントをしている。
光の国との戦いで相打ちになり、地球周辺に来ていたヴェンダリスタ星人は残り7人しかおらず、地球に潜入しているのは3人のみ。
種族の特性として自身の精神を7万に分割する事が可能で、これを他の生命体に寄生させる事が出来る。
(これによって地球には計21万のヴェンダリスタ星人が世界中に散らばっている事に)
分割した精神一つ一つに多少の差が生まれており、
統括する全体の意思を『総体』と呼び、自分の中で思想が大きく異なる個体を『くずれ』と呼ぶ。
このくずれは自分にとって迷惑な存在であり、くずれが本当にくずれかを見極めたら自分の中から追放する。
追放されたくずれの数が多いと、そのくずれ同士が合体して新たなる肉体を得る。
こうして異なる思想を持つ自分が誕生する事になる。
寄生する相手との相性も存在しており、当然相性が良い方が居心地も動かしやすさも高くなるのだが、
相性が良すぎる場合はそのまま分離できなくなってしまうと言う危機感から生存本能が刺激され、逆に強烈な不快感を感じてしまう。
またそうでなくても長く憑りついていると宿主の影響を受けたり、限定条件下で主導権を奪われると言ったケースもある様子。
ヴェンダリスタ星人は社会全体で反社会的な存在を排除している。
こうして反社会的な個体を処分してきたのでヴェンダリスタ星人は協調性を重視し、社会全体の事を考えるように進化してきた。
つまりそこから外れたくずれとは反社会的な存在であり、肉体を得ても社会から処分されてしまう。
精神的な統一性を重視する為か肉体的・遺伝的な類似性や繋がりには無頓着で、本体の外見には意外と個性があったりする。
なお、ギャラフィアンの中でも比較的真面目な侵略者であり、
侵略した星での過度に傍若無人な振る舞いは避ける様にしているらしい。
勿論何を以て過度とするかは侵略者である彼らの価値観で判断される事ではあるが。
■&bold(){用語}
・光の国の飛び地
地球側の事情を察したティアが侵略した……という建前でヴェンダリスタ星人と戦っている唯一の場所。
ティアズ・スタンドというティアが乗って来た宇宙船が拠点。
ヴェンダリスタ星人の最初の警告で爆破された練馬区を中心とした場所で、周りを巨大な壁で覆っている。
[[進撃の巨人]]っぽいが、劇中で例えられているようにこの壁は相撲の土俵のようなもの。
ここに来るためには地球人としての証――つまりは国籍を消さないといけない。
そうしないと地球人としてヴェンダリスタ星人に喧嘩を売った事になってしまい、
光の国が万が一敗れた場合、ギャラフィアンに地球が何されるか分からないから。
ちなみにティアズ・スタンドのメンバーの大半は日本人。
さらに飛び地に行った者はウルトラマン化しているため、
戦いに勝利したとしても世界の国に受け入れてもらえるか分からないという要素がある。
また飛び地はあくまで光の国の領地のため、仮にティアが勝利して光の国へ帰ったとしても飛び地は光の国の物のままである。
これを日本の国土に戻すまでに他の国に(米軍なんかに)先取りされる可能性がある。
こういった様々な事情に[[日本国政府]]とティアズ・スタンドの上層部は頭を悩ませている。
・ウルトラ・オペレーション
人間をウルトラマンに進化させる能力。
本作では主にティアがやっているが、他にも使える人が光の国にいるようだ。
オペレーションを受けると個人差があるが幾つかの記憶を失い、記憶は経験のため人格が大なり小なり変わってしまう。
これで進化した者は『ファースト・ステップ』『セカンド・ステップ』の2種類存在する。
オペレーションを受けた人達はウルトラマン化した際に光の国の知識を植え付けられている。
しかし、人間時ではその知識を使えないので変身する必要がある。
ウルトラマンに変身する際、[[変身アイテム>変身アイテム(ウルトラシリーズ)]]を必要としない。巨大化する時は専用の装置を使う。
エネルギー切れが起きても自分で人間に戻ろうとしなければウルトラマンのまま。
基本的に全員頭の先からつま先まで&color(silver){ &bold(){シルバー色}}。
これは非戦闘員の証であり、戦士としての才能を持つ者だけが&bold(){&color(red){赤色}}の模様を持つ。赤色の割合が多いほど才能がある。
これは片蔵とビッキーしか現れなかった。
『セカンド・ステップ』はオペレーションを再度受けて、より光の国の住人に近づいた者達。
ウルトラマンの姿の方が人間の姿でいるよりも燃費が良くなる。
ファーストよりも光の国の知識を取り出せるようになり、戦闘力自体大きく向上するようだ。
一見セカンドは素晴らしいように見えるが大きな欠点があり、オペレーションをもう一度受けるため再度人格が変わる。
それも淡白な感じに……より宇宙人に近づいたような。
またセカンドになると&bold(){二度と人間に戻れない。}
人間体に戻れないとかではなく、[[人間>ヒト(生物)]]と言う種族に戻れなくなる。
ティアには出来ないらしいが『銀十字軍』の隊長クラスならば、ファーストまでは人間に戻す事が可能らしい。
・ウルトラ・コンディショナー
ティアズ・スタンドにある医療装置。光の国の物なので人間には効かずウルトラマンに変身しないといけない。
怪我の治療は勿論、体調を整えたり眠気を取り除くほか、満腹感を与えたり排泄してくれたりと高性能。
人間体にも影響を及ぼし、植松の火傷の痕を完治させるなど普通は治らない古傷なども健常な状態へ回復させてくれる。
[[ハゲ]]にも有効らしく、徐々に毛根が再生するのでコンディショナー通いになっている人がいた。
・序の口
外部から飛び地を支援する組織。当然政府非公認の秘密組織。
言ってしまえば怪獣と戦いたくない、ウルトラマンと言う化物になりたくない、
けれどヴェンダリスタ星人を追い出したい……という考えの人達が集まっている。
この組織の存在は非常に大きく、資源が少ない飛び地では彼らの補給がなければやっていかない。
さらに国籍を消した飛び地の人間にとって外の世界と繋がっているという実感を与えるため、物理的にも精神的にも欠かせない組織。
・光の国の聖職者
[[光の国>M78星雲・光の国]]の聖者達。肩書きでもあるし、種族名でもある。
この聖者達の共通の能力として『&color(hotpink){&bold(){相手の命を問答無用で奪う能力}}』というウルトラシリーズ屈指のチート技を持つ。
この命を簡単に奪う力を持ちながら、決して使わない事から敬意をこめて『聖職者』と呼ばれている。
それ故聖者達はこの力と殺生を嫌い、例え怪獣や悪人でも命を奪うと罪人になるという厳しい掟がある。
因みにこの奪う能力は元々光の国の住民&bold(){全員が使えた能力}であったが、
住人達はいつしか純粋な戦闘能力の強化へと進化していきこの能力を失ってしまった。これがウルトラ戦士である。
一部の進化しなかった者達が現在の聖者達。
その代りウルトラ戦士は『&bold(){[[命を与える>ハンターナイト ツルギ/ウルトラマンヒカリ]] }』力を持っており、ティア曰く地球の価値観で言うならむしろこちらの方が聖者らしいとの事。
但し、聖者であれば一応全員が使える命を奪う能力と違い、命を与える力は一部の強力な力を持つものしか扱えない。
そのためウルトラ戦士と聖者達には距離が出来ており、ウルトラ戦士の中には聖者を疎む者も少なからずいる。
尤も、疎むと言っても明確な差別意識ではなく、違う国の違う人種に向けるような隔意であり、距離はあっても険悪ではない。
この両者の距離感が地球が巻き込まれた原因でもある。
・ギャラフィアン
ヴェンダリスタ・スタグレングス・カードウ・リトデイの4星による星間同盟。
4つの星が光の国と戦うために結成された。この中でヴェンダリスタ星人のみ話し合いが可能。
元々この星々は武力によって周りの星を侵略していた。
その事を光の国の宇宙警備隊は危険視し、このままでは戦争になりかねないと危惧した聖者達は警備隊を先回りして交渉に向かう。
しかしスタグレングス・カードウ・リトデイは話し合いをする気はなく、交渉に一切応じず使節団を全滅させた。
ヴェンダリスタ星人は聖者の力に目を付け捕虜にしようとし、慌ててやって来た警備隊と遭遇する。
その後、分が悪くなったため、拠点として下等生物がいる地球に目に付ける。
地球には下等生物しか居ないと決めつけた根拠は、自分たちが発信した宇宙公用語のシグナルを全く解読出来なかったため。
ヴェンダリスタ星人は地球に侵略に向かったものの、追ってきた宇宙警備隊と警備隊に保護されているティアと交戦。
宇宙警備隊はティアとピグモンを残して全滅、ヴェンダリスタ星人も7人を残して全滅と両者相打ちに終わった。
・怪獣
本作に登場する怪獣は元々は何処かの星に住んでいた原住生物だったが、ギャラフィアンの侵攻によって絶滅寸前に陥ってしまう。
それをティアが保護しスペースシップに乗せていた。
これをヴェンダリスタ星人に乗っ取られてしまい、7人の内の2人が怪獣を改造・洗脳して飛び地に送り込んでいる。
別の星の生き物なので地球の環境に適応出来る怪獣は限られており、調整に時間が掛かる。
追記・修正はウルトラ・オペレーションを受ける覚悟が出来た人がお願いします。
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- リセットしました。 -- 名無しさん (2016-07-04 08:11:32)
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『ウルトラマンデュアル』とは、2016年1月23日に早川書房から発売されたSF長編小説。
著者は『ダイナミックフィギュア』等の三島浩司。
表紙イラストは[[ウルトラマンギンガ>ウルトラマンギンガ(登場キャラクター)]]等のデザインを手掛けた後藤正行。
2018年6月19日にはハヤカワ文庫JAから文庫版も発売。
2018年9月19日には続編『[[ウルトラマンデュアル2]]』が発売された。
前作とは異なり、新書版をすっ飛ばして文庫オンリーでの刊行となっている。
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*【概要】
『[[ウルトラマンF]]』『[[多々良島ふたたび]]』等でお馴染みの、円谷プロダクション×早川書房のコラボ企画『TSUBURAYA×HAYAKAWA UNIVERSE』の作品の一つ。
しかし、他の作品と大きく異なる点は早川書房の『SFマガジン』で掲載されていない事。
つまり、本作は書き下ろし長編ウルトラマン小説なのだ。
世界観は[[M78ワールド>M78ワールド(ウルトラシリーズ)]]だが、[[ヴェンダリスタ星人]]が現れるまで[[宇宙人]]を見た事がなかったり等、あくまでM78ワールドはベースのみの扱いとなっている。
著者の三島氏は[[あとがき]]で「『[[ウルトラマン80>ウルトラマン80(作品)]]』まではリアルタイムと再放送で見たが、住んでいた所の関係で『[[ウルトラマンタロウ>ウルトラマンタロウ(作品)]]』を見た事がない」という。
そんな三島氏だが、子供時代から作品の高尚性よりもヒーローのスペックの数字を気にするタイプだったので、[[ウルトラ兄弟>ウルトラ兄弟(ウルトラシリーズ)]]最強の[[ウルトラマンタロウ]]に興味を持った。
そのため図鑑等でタロウの頭部は訓練次第で[[アイスラッガー]]になるという事は知っていても、作品自体は見る事はなかったそうだ。
そういった経緯もあって[[ウルトラマンレオ]]と[[アストラ]]は兄弟だと知っていても[[双子]]とは知らなかった等、知識が曖昧なのでTwitterで「こんな調子で大丈夫かな……」と呟いていた。
ついでにネタも募集していた。
本作にはいたる所に相撲がモチーフとして取り込まれているが、『SFマガジン』に掲載されたインタビューによると、三島氏が幼少期に『ウルトラマン消しゴム』で相撲をやらせていた事に由来するという。
本作を読む上で注意してほしいのは、イラストは確かに後藤氏なのだが、氏が手掛けたのは表紙のみで、本編中に&bold(){&color(red){挿絵は存在しない}}という事。
また、ウルトラマンを題材にしてはいるが、文体や作風は硬派なSFテイストであるため、『[[ウルトラマン妹]]』のようなライトなノリや、後藤氏のイラスト目当てで読むのはあまりお勧め出来ない。
*【あらすじ】
地球征服を目論むヴェンダリスタ星人とそれを阻止するウルトラの戦士達は激しく衝突し戦力を削りあった。
どちらの援軍が先に地球に到着するかで、この星の命運が決まる──。
地球は勝敗が決するまで、ウルトラの戦士に希望を託しつつ、ヴェンダリスタ星人にも服従の態度を示さねばならぬジレンマを抱える事となった。
政府は苦渋の選択の末、傷ついた宇宙船で東京近郊に不時着したウルトラの聖女を、建前上はヴェンダリスタ星人と同等の侵略者と位置付けた。
ウルトラの聖女もまた地球の事情を察し、その一帯を「[[光の国の飛び地>M78星雲・光の国]]」として侵略支配する事を宣言する。
巨大な壁に囲まれ情報と物資の供給が絶たれた小さな飛び地に、ヴェンダリスタ星人はウルトラの聖女を倒すため、次々と怪獣を送り込む。
地球のために[[涙]]する聖女に心打たれ、共闘を誓った少数の者達は中立の立場を崩さない政府によって国籍を剥奪され、地球人である事を捨てて極秘のうちに飛び地へ渡った。
その1人、二柳日々輝もまた複雑な思いを胸に、光の国への扉をくぐるのだった……。
強大な暴力に巻き込まれた時、避けがたい理不尽に襲われた時、[[自己犠牲]]の精神を目の前にした時、何を成す事が正義なのか?
&bold(){君には今でも、ウルトラの星が見えているか?}
(公式より引用)
*【登場人物】
・二柳日々輝
本作の主人公。27歳。通称『ビッキー』。
ヴェンダリスタ星人に反発し飛び地の外にいづらくなったため、戦う事を決意した。
学生時代は非行少年だったが、大人になった今では見る影もない。
明るく行動派で、人と人を繋げたり雰囲気を和ませたりする力に長けており、自身もその才能を自覚しており、飛び地で積極的に活用している。
[[ウルトラマン]]化した際に植松に関する記憶が曖昧になっている。
ウルトラ・オペレーションを受けた際、片蔵以来の戦士型に覚醒したためウルトラマンデュアルⅡとして怪獣と戦う日々を送る。
当初は粗削りな面が目立ったが、戦士としてのポテンシャルは先代の片蔵を上回っており、徐々に内なる才能を開花させていく。
・植松鈴
本作のヒロイン。27歳。日々輝の中学時代の同級生。
中学時代に火災に巻き込まれて全身に大火傷を負い、一目でそれと分かる顔になってしまう。
この時、日々輝に励まされた事でその後なんとか頑張ってきたが、ヴェンダリスタ星人の侵略が切っ掛けで生活する事に疲れてしまい、飛び地に逃避しにやって来た。
飛び地の人間の中で唯一[[飛行能力]]を有していた。
・伊波松男
ティアズ・スタンドの総代。48歳。
元々は役人で仕事柄ティアと仲良くしていた事から飛び地で戦う事を決意する。
飛び地にやって来た最初の人間で、ティアズ・スタンドは伊波の実質的な独裁となっている。
嫌がる娘をティアの器として差し出した。これは娘を取り戻すためになら宇宙人と戦えると考えたから。
・菊田裕子
ティアズ・スタンドの司令官。62歳。
肝っ玉の座っているお婆さんで、決断力に優れ常に自信に満ちた発言をする。
学生時代は女性でありながら応援団の団長だった。
・熊野良子
ティアズ・スタンドの渉外部に所属している。33歳。
飛び地に来る際に恋人と別れたが、未だに未練がある。
・片蔵正平
飛び地に唯一いた医者。43歳。
同時に飛び地の人間で唯一戦う才能を持っていたため、ウルトラマンデュアルⅠとして戦っていた。
医師だけあって他人を救いたいという気持ちが人一倍強く、正義感も強かったため飛び地にいた人々から強い支持を受けていた。
しかし息子の片蔵誉がヴェンダリスタ星人に乗っ取られて人質にされてしまい、その結果命を落としてしまう。
・ピグG
ティアと共に生き残った[[ピグモン]]。
人間をあまり好いてはなく、ウルトラマン化していても懐かない。
飛び地で唯一ティアズ・スタンドの機器を修理する事が出来る。
こんな名前でも雌。
元は雄と勘違いされており、Gも「爺」という意味だったが、日々輝に性別を看破されてからは「ギャル」の略という事になった。
・友利光矢
もう一人の主人公。金井原高校2年生。17歳。
親友の片蔵誉がヴェンダリスタ星人に乗っ取られてしまったため、なんとかしようと思っている。
『序の口』の構成員でコードネームは『トリプル・アローズ』。
・伊波滴
もう1人のヒロイン。金井原高校1年生。16歳。
伊波松男の娘で飛び地の外側からテレパシーで情報を伝え合う役目を持つ。
自分の体内にティアの半分が存在する。
これはティアと一心同体となった上で2つに分裂したためで、飛び地側にティアの半分と共にシズクというもう一人の自分がいる。
・西田里美
八幡高校に通う2年生。
高校進学時にラトに取りつかれる。
・キップ
ヴェンダリスタ星人のうちの1体。
本編で主に登場するのは片蔵誉に取りついた個体。
この個体はキップという総体の中でも特別な存在で、誉に取りついてデュアルⅠを殺害する事に成功する。
・メイス
ヴェンダリスタ星人のうちの1体。
本編で主に登場するのは総体の中で『くずれ』ギリギリの存在。
食べる事が大好きで宿主の都合を考えずに食べまくり、太ると動きにくいから宿主をさっさと変える。
・ラト
ヴェンダリスタ星人のうちの一体。
本編で主に登場するのは西田に取りついた個体。
これはラトの中でも特に自分勝手であり、他のラト達からも嫌われている『くずれ』である。
気に入らない奴をブラックリストに入れている。
*【登場ウルトラマン】
・[[ウルトラマンデュアル/シラヌイ>ウルトラマンデュアル(登場キャラクター)]]
片蔵と日々輝が変身するウルトラマン。片蔵がデュアルⅠ、日々輝がデュアルⅡと呼称される。
飛び地側が『デュアル』と呼び、外側の人々が『シラヌイ』と呼んでいる。
本編ではデュアルⅠは既に故人のため、デュアルと言えばデュアルⅡの事を指す。
詳しくは項目参照。
・[[ウルトラセイントティア]]
光の国の聖女。光の衣を纏った神秘的なウルトラウーマン。
通称は『ティア』。本名は『涙を語り継ぐ者』。
地球周辺でギャラフィアンと戦った光の国側の唯一の生き残り。
聖女と言う立場でありながら怪獣の命を奪ってしまったため、自分に手錠をして戦わないという意思表示をしている。
それ故ヴェンダリスタ星人との戦いはウルトラ・オペレーションでウルトラマン化した地球人に任せている。
能力は人間をウルトラマンへと強制進化させる『ウルトラ・オペレーション』と、&bold(){&color(hotpink){相手の命を問答無用で奪う能力。}}
この命を奪う能力を使用すると能力の対象となったものは抵抗する事も出来ないまま、否応なしに死んでしまう。
・ブリッジ/切り札
ティアの兄。名前は聖職者とウルトラ戦士との『架け橋』になって欲しいという願いが込められている。
しかし、ティアが生まれる前に事故で両親と離れ離れになり、[[宇宙警備隊>宇宙警備隊(ウルトラシリーズ)]]で育てられた。そのためティアと会った事はない。
『切り札』という名前は宇宙警備隊から名付けられた。
現在では宇宙警備隊の中でもエース級の実力を身に着けており、戦士としての姿と聖職者としての姿の2形態を持つ。
・ナヴィガーレ/ウンリュウ
『盛衰司る第3飛天』という恒星系の『左道に生きる6番星』出身の宇宙人。
『左道に生きる6番星』はヴェンダリスタ星人に滅ぼされてしまっており、[[復讐]]のために地球にやって来た。
ヴェンダリスタ星人との交戦の時、光の国に干渉を受けており、ナヴィガーレもウルトラマンになっている。
なおデュアル同様にナヴィガーレは飛び地側の呼称。
*【敵キャラクター】
・[[ヴェンダリスタ星人]]
正式な表記は『VENDALISTA星人』。『袂を分かちて朝日を望む者』と自称する。
クサカゲロウを彷彿とさせる美しい姿をしており、戦闘力自体は大した事はないが、自衛行動をしてくれるマントをしている。
光の国との戦いで相打ちになり、地球周辺に来ていたヴェンダリスタ星人は残り7人しかおらず、地球に潜入しているのは3人のみ。
詳しくは個別項目参照。
*【用語】
・光の国の飛び地
地球側の事情を察したティアが侵略した……という建前でヴェンダリスタ星人と戦っている唯一の場所。
『ティアズ・スタンド』というティアが乗って来た宇宙船が拠点。
ヴェンダリスタ星人の最初の警告で爆破された練馬区を中心とした場所で、周りを巨大な壁で覆っている。
『[[進撃の巨人]]』っぽいが、劇中で例えられているように、この壁は相撲の土俵のようなもの。
ここに来るためには地球人としての証――つまりは国籍を消さないといけない。
そうしないと地球人としてヴェンダリスタ星人に喧嘩を売った事になってしまい、光の国が万が一敗れた場合、ギャラフィアンに地球が何されるか分からないからである。
ちなみにティアズ・スタンドのメンバーの大半は日本人。
さらに飛び地に行った者は漏れなくウルトラマン化しているため、戦いに勝利したとしても世界中の国々に受け入れてもらえるか分からない……という不安要素がある。
また飛び地はあくまで光の国の領地のため、仮にティアが勝利して光の国へ帰ったとしても飛び地は光の国が所有したままである。
これを日本の国土に戻すまでに他国(米軍など)に先取りされる可能性がある。
こういった様々な事情に[[日本国政府]]とティアズ・スタンドの上層部は頭を悩ませている。
・ウルトラ・オペレーション
&bold(){人間をウルトラマンに進化させる能力}。
本作では主にティアが行っているが、他にも使える者が光の国にいるようだ。
オペレーションを受けると個人差があるが幾つかの記憶を失い、記憶は経験のため人格が大なり小なり変わってしまう。
これで進化した者には『ファースト・ステップ』、『セカンド・ステップ』の2種類が存在する。
オペレーションを受けた人達はまず『ファースト・ステップ』として、ウルトラマン化した際に光の国の知識を植え付けられる。
しかし、人間時ではその知識を活用することが出来ないので変身する必要がある。
ウルトラマンに変身する際は[[変身アイテム>変身アイテム(ウルトラシリーズ)]]を必要とせず、ほぼ無造作に姿が変わる。顔面など一部分のみ人間に戻したりという芸当も可能。
ただし巨大化する時は専用の装置を使わなければならない。
エネルギー切れが起きても自分で人間に戻ろうとしなければウルトラマンのまま。
基本的に全員頭の先からつま先まで &bold(){&color(silver){シルバー色}}。
これは非戦闘員の証であり、戦士としての才能を持つ者だけが&bold(){&color(red){赤色}}の模様を持つ。赤色の割合が多いほど才能がある。
これは片蔵と日々輝しか現れなかった。
『セカンド・ステップ』はオペレーションを再度受けて、より光の国の住人に近づいた者達。
ウルトラマンの姿の方が人間の姿でいるよりも燃費が良くなる。
ファーストよりも光の国の知識を取り出せるようになり、戦闘力自体大きく向上するようだ。
一見素晴らしく思えるセカンドだが、改めてオペレーションを受けることで再度人格が変わってしまう、という大きな難点がある。
それも淡白に……より一層宇宙人に近づいたような感じにである。
なによりセカンドになると、&bold(){二度と人間に戻れない。}
「ウルトラマンになりっぱなしのまま人間体に戻れない」などという次元の話ではなく、
肉体面・精神面共に[[人間>ヒト(生物)]]という種族そのものに戻れなくなってしまうのだ。
ティアには出来ないらしいが、『銀十字軍』の隊長クラスならば、ファーストの段階なら人間に戻す事が可能らしい。
なお、ウルトラ戦士としての訓練を受けたわけでは無いため戦闘スタイルなどは独学で磨く必要があり、作中でかなり実力と経験を積んだデュアルⅡも能力としては&bold(){「&ruby(モブトラマン){並の宇宙警備隊員}の足手まといにならずに済む」}程度でしかない(正規の訓練さえ受ければ並のウルトラマンを超える素質があるとも言える)。
ちなみに昭和シリーズの[[郷秀樹]]・[[北斗星司]]のようにウルトラマンと融合・一体化するタイプも存在するが、
この場合はウルトラマン側が変身者の人格を保護するため、ウルトラ・オペレーションを受けた人物と違い、人格そのものは変化しない。
・ウルトラ・コンディショナー
ティアズ・スタンドにある医療装置。光の国のものなので人間には効かずウルトラマンに変身しないといけない。
怪我の治療は勿論、体調を整えたり眠気を取り除く他、満腹感を与えたり排泄してくれたりと高性能。
人間体にも影響を及ぼし、植松の火傷の痕を完治させるなど普通は治らない古傷なども健常な状態へ回復させてくれる。
[[ハゲ]]にも有効らしく、徐々に毛根が再生するのでコンディショナー通いになっている人がいた。
・序の口
外部から飛び地を支援する秘密組織であり、当然ながら政府非公認である。
言ってしまえば「怪獣と戦いたくない、ましてウルトラマンのような化物になどなりたくない、けれどヴェンダリスタ星人を追い出したい……」という考えの人達が集まっている。
この組織の存在は非常に大きく、資源が少ない飛び地では彼らの補給がなければやっていかない。
さらに国籍を消した飛び地の人間にとって外の世界と繋がっているという実感を与えるため、物理的にも精神的にも欠かせない組織。
・光の国の聖職者
光の国の聖者達。肩書きでもあるし、種族名でもある。
この聖者達の共通の能力として&bold(){&color(hotpink){『相手の命を問答無用で奪う能力}([[どんな怪獣でも直撃させれば死ぬ>レッドマン(TV番組)]]とかではない)』}というウルトラシリーズ屈指のチート技を持つ。
この命を簡単に奪う力を持ちながら、決して使わない事から敬意を込めて『聖職者』と呼ばれている。
それ故聖者達はこの力と殺生を嫌い、たとえ怪獣や悪人でも命を奪うと罪人になるという厳しい掟がある。
ちなみにこの奪う能力は元々光の国の住民&bold(){全員が使えた能力}であったが、住人達はいつしか純粋な戦闘能力の強化へと進化していきこの能力を失ってしまった。これがウルトラ戦士である。
一部の進化しなかった者達が現在の聖者達。
その代りウルトラ戦士は&bold(){『[[命を与える力>ハンターナイト ツルギ/ウルトラマンヒカリ]]』}を持っており、ティア曰く「地球の価値観で言うならむしろこちらの方が聖者らしい」との事。
ただし、聖者であれば一応全員が使える命を奪う能力と違い、命を与える力は一部の強力な力を持つものしか扱えない。
そのためウルトラ戦士と聖者達には距離が出来ており、ウルトラ戦士の中には聖者を疎む者も少なからずいる。
もっとも、疎むと言っても明確な差別意識ではなく、違う国の違う人種に向けるような隔意であり、距離はあっても険悪ではない。
この両者の距離感が地球が巻き込まれた原因でもある。
・ギャラフィアン
ヴェンダリスタ・スタグレングス・カードウ・リトデイの4星による星間同盟。
4つの星が光の国と戦うために結成された。この中でヴェンダリスタ星人のみ話し合いが可能。
元々この星々は武力によって周りの星を侵略していた。
その事を光の国の宇宙警備隊は危険視し、このままでは戦争になりかねないと危惧した聖者達は警備隊を先回りして交渉に向かう。
しかしスタグレングス・カードウ・リトデイは話し合いをする気はなく、交渉に一切応じず使節団を全滅させた。
ヴェンダリスタ星人は聖者の力に目を付け捕虜にしようとし、慌ててやって来た警備隊と遭遇する。
その後、分が悪くなったため、拠点として下等生物がいる地球に目に付ける。
地球には下等生物しかいないと決めつけた根拠は、自分たちが発信した宇宙公用語のシグナルを全く解読出来なかったため。
ヴェンダリスタ星人は地球に侵略に向かったものの、追ってきた宇宙警備隊と警備隊に保護されているティアと交戦。
宇宙警備隊はティアとピグモンを残して全滅、ヴェンダリスタ星人も7人を残して全滅と両者相打ちに終わった。
・怪獣
本作に登場する怪獣は元々はどこかの星に住んでいた原住生物だったが、ギャラフィアンの侵攻によって絶滅寸前に陥ってしまう。
それをティアが保護し、スペースシップに乗せていた。
これをヴェンダリスタ星人に乗っ取られてしまい、7人の内の2人が怪獣を改造・[[洗脳]]して飛び地に送り込んでいる。
別の星の生き物なので地球の環境に適応出来る怪獣は限られており、調整に時間がかかる。
追記・修正はウルトラ・オペレーションを受ける覚悟が出来た人がお願いします。
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- リセットしました。 -- 名無しさん (2016-07-04 08:11:32)
- 著者の公言もあって読む前は不安も多かったけど、いざ読んでみたら意外と「ウルトラマン」してて好印象。退廃的な平穏の中で闘い続けてきた主人公達が、最終的に報われたのは感動も一入だった。 -- 名無しさん (2016-10-16 18:26:26)
- 現実準拠の世界観の地球で洗脳能力持ちの宇宙人に先手を取られ、防衛隊ポジは物資が尽きかけでピンチ、地球側は政治的な事情でウルトラマンを支援できずむしろ攻撃、しかも主人公ウルトラマンはごく普通のサラリーマンで戦闘の素人という完全に詰んだ状態で物語が始まるから、逆転した時の爽快感は歴代でも高い方かもしれない。 -- 名無しさん (2017-01-26 20:39:17)
- ぜひとも漫画化か映像化して欲しい さすがに実写は予算やら何やらで無理ならアニメで -- 名無しさん (2017-01-27 23:07:02)
- 結構好きな作品だったから続編製作は素直に嬉しいけど、新書かっ飛ばして文庫のレーベルで出すのは単行本を揃えたい派としてはちょっと優しくないような…… -- 名無しさん (2018-08-19 17:07:50)
- ブリッジさんの描写読むたびに某ギロチン王子が脳裏をよぎるしデュアルⅡのトサカの形今見たらめちゃくちゃゼットなんだけどなんか設定あるんだろうか… -- 名無しさん (2022-12-31 03:03:17)
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