SCP-1322

「SCP-1322」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

SCP-1322 - (2017/10/20 (金) 08:27:02) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2017/10/19 (火) 22:10:19 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-1322は、シェアード・ワールド[[The SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(The SCP Foundation)]] (SCiP) のひとつである。 *概要 SCP-1322は安定して存在する時空間異常であり、これは平行宇宙へと続くワームホールであると考えられている。 1952年8月に発見され、翌月には収容を開始した。SCP-1322の位置は固定であり、サイト-122がその封じ込めを担っている。 SCP-1322は平面的であり、地表に対して垂直に、北から約36度西に傾いている。形状はほぼ楕円形で、横向きに約2.5cm、縦向きに約1cmの大きさである。 粒子 (光を含む) および物体は、SCP-1322の大きさを超えなければ相互に行き来可能である。 向こう側が明るければ向こう側の様子を覗く事すら可能である。ただし、音のみは伝達する事が出来ない。 *SCP-1322-A "ハートル" SCP-1322が続く向こう側には、異文明のSCP-1322-Aが存在する。 口語では「ハートル」と呼ばれており、これは向こうの言語で「故郷」を音声に直したものである。我々が地球人ならば、SCP-1322-Aはさながらハートル人と言ったところである。 SCP-1322が物質のやり取りが可能な事から、財団とSCP-1322-Aは、初期は物体を直接やり取りして互いの交流を図った。SCP-1322の発見から2ヶ月後、1952年10月、SCP-1322-Aから贈られた金属筒が最初の情報である。 後にSCP-1322-A側から引かれた特別なケーブルを用いる事で、相互通信は飛躍的に加速した。 SCP-1322の言語は財団の努力により翻訳されており、通信には英語とSCP-1322-Aの言語が混ざったピジン言語が使用されている。 SCP-1322-Aが存在する場所は、少なくとも地球から観測可能な範囲には存在しない可能性が高い事が、SCP-1322-Aから送られた天体観測データから示されている。 大気サンプルは地球と類似している物の、アルゴンの濃度がわずかに高い。 SCP-1322-Aはホモ・サピエンスと同じか、それとはわずかな違いしかない生物が文明を形成している。全人口は約88億人である。 SCP-1322-A側におけるSCP-1322の管理は、SCP-1322が所在する地域を管理する (国家に準ずる) 政治組織に属する科学的機関が行っており、比較的友好的である。 技術及び工学は非常に発達しており、特に数学と高エネルギー物理学は地球人を凌駕する。財団が保安上の懸念から仕込んだ偽情報を9時間以内に識別する程である。 SCP-1322も、向こうが物理学の実験中に偶然生成したらしい事が示されている。SCP-1322-Aにとっても技術的に困難らしく、実験の再現、あるいはSCP-1322の拡張、閉鎖、改造のいずれにも成功していない。 逆に生物学は地球人と比較して、かなり遅れているようである。 SCP-1322-Aは、地球の音楽、視覚芸術、文学 (&link_anchor(*1){*1}) と数学に強い関心を示す一方で、薬学と宗教には無関心な事からも、この傾向が見て取れる。 財団とSCP-1322-Aの交流は、互いの科学的・文化的発展に寄与する事を目的としている。その実例を1つ紹介する。 交流開始から約20年後の1972年12月より、SCP-1322-A側の通信への応答は一時的に悪化した。これはSCP-1322-Aでの世界的な病気の蔓延が進行している為であった。 SCP-1322-A全人口の0.091%に当たる800万人が犠牲になる中、財団は支援を提案。向こう側から病原体が送られた。 危険な病原体かもしれず、財団は慎重に分析に当たったが、中身は無害なインフルエンザウイルスの変種であった。 SCP-1322-Aと人類のインフルエンザウイルスに対する感受性の違いか、それとも生物学や薬学が地球人と比べて遅れているせいかは不明であるが、とにかく財団はワクチンの合成及び接種を提案。 効果はてきめんであり、SCP-1322-Aでの新規患者発生数を激減する事に成功した。 追記・編集はSCP-1322-A側からお願いします。 ---- #right(){SCP-1322 by spikebrennan http://www.scp-wiki.net/scp-1322 http://ja.scp-wiki.net/scp-1322 (翻訳) この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } ---- &aname(*1,option=nolink){(*1)}特に様々な言語の韻文詩、とりわけインド及び中国文化。 ---- &link_up(△)メニュー &link_edit(text=項目変更)&link_copy(text=項目コピー) &link_diff(text=項目変更点)&link_backup()&link_upload(text=アップロードページ) ---- #center(){&bold(){貴様らは我々を殺戮した。よくもやりやがったな。&br()貴様らの軽率と傲慢が、我々の未来を打ち砕いた。&br()&font(#ff0000){だが必ず復讐する。}それが約束と誓いだ。&br()我々最後の世代の。思い知るがいい。}} SCP-1322は、シェアード・ワールドThe SCP Foundationに登場するオブジェクト (SCiP) のひとつである。 先ほどは意図的に抜かしていたが、項目名は&font(#ff0000){『Glory Hole (死滅の穴)』}、[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(The SCP Foundation)]]は&font(#ff0000){Keter}である。 *特別収容プロトコル SCP-1322は、それ自体は危険ではない。しかしながら、現在のSCP-1322は、極めて厳重な収容耐性が敷かれている。 SCP-1322の収容室は、アブレータ (&link_anchor(*2){*2}) を内張りした上で、粒子ビーム、核爆発、非核爆発、腐食性物質に可能な限り耐える球状クラスVIII格納室に密閉し、定期的に損傷検査を行い、ウイルス及び細菌への汚染を定期監視する必要がある。 収容室の気圧は6.00×10&sup(){-2}Pa以下を維持し、抗病原体が発生しないように照射線量は毎秒4.5レントゲン以下を維持する必要がある。 このような厳重な措置が取られているのは、SCP-1322-A側からの攻撃が原因である。 財団とSCP-1322-Aは、現在は友好的関係どころか、向こう側からの攻撃に対処し続けている状態となっているのである。 何故か。それは上述したワクチンに原因がある。 財団が提供したデータを元に合成したワクチンは、確かにSCP-1322-Aでインフルエンザの世界的流行を阻止した。 しかし同時に、それには深刻な副作用があった。SCP-1322-Aの側の出生率が激減してしまったのである。 SCP-1322-A側のデータによれば、財団がデータを提供したワクチンの副作用により、受胎率が急激に減少し、新規出生数が激減したとの事である。 分かっている限り、最終的には世界中の出生数が72日間で1000人未満という極端なレベルの落ち込みとなっている事が明らかにされた。 子孫が残せないという重大な混乱の中で、向こう側のSCP-1322の運営体制は変更され、しばしば攻撃的・非難的な論調となった。 1975年7月には、科学的・文化的コミュニケーションが一方的に中止され、そして同年10月に送られたメッセージが最後となった。それが上記の言葉である。 その後、メッセージは送られる事はなく、SCP-1322からは断続的に攻撃が続いている。 技術に秀でたSCP-1322-A側らしく、その攻撃は地球人の技術レベルを超える物である。 ・病原体及びナノボットの投入。 ・高エネルギー粒子ビーム。 ・コヒーレント放射エネルギー (&link_anchor(*3){*3}) 。少なくとも108日間連続投射が可能で、その総エネルギーは10&sup(){33}eV以上に達する。 (&link_anchor(*4){*4}) ・指向性エネルギー兵器。 ・高速硬化セラミックを溶かす未知の溶剤。 ・超高圧での腐食性流体の注入。 ・小型プラズマ発生装置による空気の加熱。格納室を真空に保つ事が新たに加わった。 ・最低でも8kgの鉄の棒を光速の0.006% (18000km/s) で発射。 (&link_anchor(*5){*5}) ・複数の二段階熱核兵器。当然その大きさはSCP-1322を通る程小さく、動作原理は十分に理解されていない。 ・分子間距離が固体の時の方が気体より大きい未知の物質の投入。気体が固化した事による超高圧が発生。 (&link_anchor(*6){*6}) 攻撃の度にサイト-122は収容室レベルからサイト全体までの幅広い被害範囲で何度も破壊されているが、その度に修復し、どうにかこれ以上の被害は防いでいる。 厳重過ぎる収容手順は、SCP-1322-Aによる新たな攻撃方法に対応したものであり、SCP-1322-Aが攻撃をやめるか、もしくはどちらかが全滅するまでこの状況は続くだろう。 一度だけ遠隔操作型の小型探査装置を送り込む事が試みられたが、即座に攻撃され破壊、収容室も被害を受けた為、今のところ第二弾の探査計画は準備されていない。 確かに、SCP-1322-Aは、良く調べもせずにワクチンをすぐさま世界中に配布・接種したのが、記録から読み取れる。直接の原因はSCP-1322-A側にあるかもしれない。 しかしながら、そもそもSCP-1322-Aは地球人と比べて大幅に生物学が遅れており、薬学に無関心なのである。 1cmの穴を通る小型熱核兵器を作製する科学力がありながら、インフルエンザウイルスのワクチンすら自力では作製できていないのがその傍証であろう。 もしかすると、SCP-1322-A側の医学では、ワクチンという医薬品の存在や、副作用と言う基本概念すら乏しいのかもしれず、副作用を検討する臨床試験を怠っていた可能性すらある。 そして、その説明を、財団がついうっかり自分たちの基準で "常識" だと判断し、怠っていたとしたらどうだろうか。 そんな状況で、世界中に蔓延し多くの死者を出す病気の流行を阻止できる魔法の薬が登場したら、すぐさま使ってしまうのは無理もないだろう。 *Sic Transit Gloria Mundi なお、Taleの1つ "Sic Transit Gloria Mundi" (執筆時点で未翻訳) では、&font(#ff0000){SCP-1322-Aによる復讐が成し遂げられている世界}が描かれている。 作者はSCP-1322本体の記事を執筆したspikebrennan氏によるものである。 2016年8月24日、SCP-1322から以下のような攻撃が発生した事が自動観測により示された。 ・05時33分06秒: 平均質量575gの金属球が3.6秒間に約2300発、80m/sから110m/sの速度で発射される。 ・05時33分09秒: 金属球の70%が爆発し、中から気体が噴出する。 ・05時33分10秒: 様々な大きさの850個の金属塊が10m/s~18m/sで発射される。 視点は変わって、財団職員のVijay Patelに移る。 Patelは[[SCP-120]] (瞬間移動プール) によって移動可能な地点の内、座標#9に設定されている月の雨の海にある財団の前哨基地にいる。 Patelはコンピュータに、現在生きている人類の数を訪ねる。返答は、Patel以外の財団職員は1人もおらず、Patel以外に生き残っているのは国際宇宙ステーションにいる4人のみと言う回答であった。 地球は既になく、周回する天体を失って一直線に進み、今は月の裏側のどこかにいる国際宇宙ステーションに連絡手段もない。 SCP-1322-Aは、&bold(){地球を[[SCP-1012]] (秘密の音色) によって原子レベルで共鳴崩壊させる事で復讐に成功したのである。} 気体によって密度を調整し、その後発射した金属塊が出す音で、SCP-1012の条件を満たす5つの音波を出したのである。 なお、SCP-1322は様々な粒子・物体を通すが、音のみは伝達できない。SCP-1012でSCP-1322-Aは巻き添えを食らう事無く、地球を破壊できる。 財団の中では、[[SCP-1548]] (きらいきらい星) や[[SCP-2838]] (転星の柱) のような地球外の敵対的存在に対してSCP-1012を使用する事を提案した職員もいたが、まさか自分たちが同じ目に合うとは思ってはいなかっただろう。 なお、人類最後の生き残りの1人であるPatelの先も明るくない。前哨基地の資源では、せいぜいあと22日間しか生きられないのである。 恐らくそれより早く、自身でハッチを開け空気を放出する事で、けりを付けるつもりである。 追記・編集はSCP-1322-Aの約束と誓いが果たされる前にお願いします。 ---- #right(){SCP-1322 - Glory Hole by spikebrennan http://www.scp-wiki.net/scp-1322 http://ja.scp-wiki.net/scp-1322 (翻訳) Sic Transit Gloria Mundi by spikebrennan http://www.scp-wiki.net/sic-transit-gloria-mundi この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } ---- &aname(*2,option=nolink){(*2)}ロケット噴射や大気圏再突入のような超高温に耐える必要のある宇宙船などに使用される素材。炭素繊維やガラス繊維を合成樹脂で固めたもの。 &aname(*3,option=nolink){(*3)}平たく言えば、波長が揃った光ビーム、レーザー光線。 &aname(*4,option=nolink){(*4)}約160兆J、TNT火薬40キロトン相当、広島型原爆2.7発分。 &aname(*5,option=nolink){(*5)}運動エネルギーは約13億J。新幹線N700系 (300km/h・約700トン) の約半分に相当する。 &aname(*6,option=nolink){(*6)}普通の物質とは真逆の性質であり、当然ながら現実においてそのような物質は発見されていない。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - これ読んだ時は、向こうの世界の人類は滅びてて、機械だけがひたすら技術を磨いて攻撃を仕掛けてるのかと思ってたけど、どうなのかなあ -- 名無しさん (2017-10-19 23:13:07) - 向こう側の崩壊のきっかけであるウィルスは、十中八九地球から流れてきたんだろうな -- 名無しさん (2017-10-20 01:15:12) - 流石に攻撃的すぎないか?以前から交流があったのなら悪意がないことは伝わってくれないのだろうか こちらの世界がそれに対応した薬を作れるかもしれないのに -- 名無しさん (2017-10-20 01:23:57) - どうせ絶滅してしまう可能性が高いなら、道連れより責任を取って出生率を戻す方法を考えさせた方がいいのでは。 もう滅亡寸前にまでなったから復讐したのかな -- 名無しさん (2017-10-20 01:30:33) - SCP-1322-Aが非常にアホだということはよくわかった。 -- 名無しさん (2017-10-20 08:27:02) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2017/10/19 Thu 22:10:19 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-1322は、シェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]] (SCiP) のひとつである。 *概要 SCP-1322は地表に対して垂直に、北から約36度西に傾いた状態で固定された時空間異常である。 SCP-1322の形状はほぼ楕円形で、横向きに約2.5cm、縦向きに約1cmの大きさ。この大きさを超えなければ相互に行き来可能で向こう側の様子を覗く事すら可能であることから、平行宇宙へと続くワームホールと考えられている。 ただし、音のみは伝達する事が出来ない。 1952年8月に発見され、翌月、サイト-122に収容。 物質のやり取りが可能な事から、財団は物体を直接やり取りしてSCP-1322-A側に交流を図った。 後にSCP-1322-A側から引かれた特別なケーブルと、英語とSCP-1322-Aの言語を混ぜたピジン言語を使用する事で交流は飛躍的に加速した。 発見から2ヶ月後、1952年10月、SCP-1322-Aから贈られた金属筒が次の情報である。 **SCP-1322-A "ハートル" SCP-1322の向こう側の比較的友好的&bold(){だった}異文明。 文明を形成しているのはホモ・サピエンスとはわずかな違いしかない生物約88億人。 大気サンプルは地球と類似しているが、アルゴンの濃度がわずかに高いことから、少なくとも地球で観測可能な範囲には存在しない可能性が高い事がSCP-1322-Aから送られた天体観測データから示される。 付記された名称の「ハートル」は向こうの口語であり、財団の努力で翻訳すると「故郷」。我々が地球人ならば、SCP-1322-Aはさながら&bold(){ハートル人}と言ったところか。 財団謹製の偽情報を9時間以内で識別する程で技術及び工学、特に高エネルギー物理学は非常に発達しており、地球の音楽、視覚芸術、文学と数学に強い関心を示す。一方、&bold(){薬学}と宗教には無関心で&bold(){生物学はかなり劣る}ようだ。 SCP-1322は (国家に準ずる) 政治組織の科学的機関が物理学の実験中に偶然生成したらしい。SCP-1322-AにとってもSCP-1322の拡張、閉鎖、改造のいずれも技術的に困難らしく、実験の再現にも成功しなかった。 交流開始から約20年後の1972年12月SCP-1322-A側の応答が病気の蔓延により一時的に悪化。 互いの科学的・文化的発展を目的とする財団は支援を提案し、向こう側の全人口の0.091%(800万人)が犠牲になった危険な病原体の分析に当たる。 分析の結果、中身はインフルエンザウイルスの変種。 &bold(){生物学や薬学の発達が遅れ}、SCP-1322-Aの感受性が原因で大量の死者を出したハートルに財団は&bold(){ワクチンの合成及び接種}を提案した結果、新規患者発生数は激減した。 追記・編集はSCP-1322-A側からお願いします。 ---- #right(){SCP-1322 by spikebrennan http://www.scp-wiki.net/scp-1322 http://ja.scp-wiki.net/scp-1322 この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } ---- &link_up(△)メニュー &link_edit(text=項目変更)&link_copy(text=項目コピー) &link_diff(text=項目変更点)&link_backup()&link_upload(text=アップロードページ) ---- #center(){&bold(){貴様らは我々を殺戮した。よくもやりやがったな。}} #center(){&bold(){貴様らの軽率と傲慢が、我々の未来を打ち砕いた。&br()&font(#ff0000){だが必ず復讐する。}それが約束と誓いだ。&br()我々最後の世代の。思い知るがいい。}} ---- シェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場するSCP-1322&font(#ff0000){『&ruby(死滅の穴){Glory Hole}』}の[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&font(#ff0000){Keter}で極めて厳重な収容耐性が敷かれている。 **特別収容プロトコル SCP-1322の収容室の気圧は6.00×10-2Pa以下を維持し、抗病原体が発生しないように照射線量は毎秒4.5レントゲン以下を維持。アブレータを内張りした上で、粒子ビーム、核爆発、非核爆発、腐食性物質に可能な限り耐える球状クラスVIII格納室に密閉。定期的に損傷検査を行い、ウイルス及び細菌汚染を定期監視する。 この厳重過ぎる収容手順は、SCP-1322-Aによる攻撃方法に対応したものであり、攻撃の度に収容室からサイト全体までの被害範囲で破壊される度に修復し、どうにかこれ以上の被害は防いでいる。 友好的関係どころか、財団はSCP-1322-A側から攻撃を受け続けている原因は上述したワクチンにある。 1cmの穴を通る小型熱核兵器を作製する科学力がありながらSCP-1322-Aは&bold(){薬学に無関心}。そんな状況で世界中に蔓延した病気の流行を阻止できる&bold(){魔法の薬}が登場したらすぐさま使ってしまうのは無理もないだろう。 もしかすると、インフルエンザウイルスのワクチンすら作製できないSCP-1322-A側には&bold(){医薬品の副作用}という概念すら乏しく、&bold(){臨床試験を怠った}可能性すらある。 SCP-1322-A側のデータによれば、副作用で受胎率が急激に減少。最終的には世界中の出生数が&bold(){72日間で1000人未満}という極端な落ち込みとなっている事が明らかにされた。 原因は良く調べもせずにワクチンを配布・接種したSCP-1322-A側にあるかもしれないが、財団が"常識" と判断し、&bold(){説明を怠っていた}としたら? 1975年7月。この重大な混乱の中でしばしば攻撃的・非難的な論調となった向こう側との科学的・文化的コミュニケーションは一方的に中止。 同年10月に送られた上記のメッセージ以降、技術に秀でたSCP-1322から地球の技術レベルを超える攻撃が断続的に続く。 ・病原体及びナノボットの投入 ・高エネルギー粒子ビーム ・コヒーレント放射エネルギー((少なくとも108日間連続投射が可能で、その総エネルギーは1033eV(*4)以上に達する)) ・指向性エネルギー兵器 ・高速硬化セラミックを溶かす未知の溶剤 ・超高圧での腐食性流体の注入 ・小型プラズマ発生装置による空気の加熱((格納室を真空に保つ事が新たに加わった)) ・光速の0.006% (1800km/s)で発射される8kgの鉄棒 ・複数の二段階熱核兵器((SCP-1322を通る程小さく、動作原理は十分に理解されていない)) ・分子間距離が気体より固体が大きい未知の物質((気体が固化した事による超高圧が発生)) 一度だけ遠隔操作型の小型探査装置を送り込んだが、即座に破壊されて収容室も被害を受けたため、今のところ探査計画は準備されていない。 この状況はSCP-1322-Aが攻撃をやめるか、もしくはどちらかが&bold(){全滅するまで}続くだろう。 「絶頂を与えてくれる穴」というアレな用語が山ほど引っかかる項目名のGloryには栄光、名誉、喜び…とさまざまなポジティブな意味がある。 ただし『天国』という意味合いで「&ruby(to the glory){&bold(){天国に送る} }」にすると「&bold(){殺す}」ことの婉曲表現となるので、それを加味した邦訳の「&bold(){死滅の穴}」は皮肉の最たるものだろう。 *Sic Transit Gloria Mundi なお、Taleの1つ "Sic Transit Gloria Mundi" (執筆時点で未翻訳) では、&font(#ff0000){SCP-1322-Aによる復讐が成し遂げられている世界}が描かれている。 作者はSCP-1322本体の記事を執筆したspikebrennan氏によるものである。 2016年8月24日、SCP-1322から以下のような攻撃が発生した事が自動観測により示された。 ・05時33分06秒: 平均質量575gの金属球が3.6秒間に約2300発、80m/sから110m/sの速度で発射される。 ・05時33分09秒: 金属球の70%が爆発し、中から気体が噴出する。 ・05時33分10秒: 様々な大きさの850個の金属塊が10m/s~18m/sで発射される。 視点は変わって、財団職員のVijay Patelに移る。 Patelは[[SCP-120]] (瞬間移動プール) によって移動可能な地点の内、座標#9に設定されている月の雨の海にある財団の前哨基地にいる。 Patelはコンピュータに、現在生きている人類の数を訪ねる。返答は、Patel以外の財団職員は1人もおらず、Patel以外に生き残っているのは国際宇宙ステーションにいる4人のみと言う回答であった。 地球は既になく、周回する天体を失って一直線に進み、今は月の裏側のどこかにいる国際宇宙ステーションに連絡手段もない。 SCP-1322-Aは、&bold(){地球を[[SCP-1012]] (秘密の音色) によって原子レベルで共鳴崩壊させる事で復讐に成功したのである。} 気体によって密度を調整し、その後発射した金属塊が出す音で、SCP-1012の条件を満たす5つの音波を出したのである。 なお、SCP-1322は様々な粒子・物体を通すが、音のみは伝達できない。SCP-1012でSCP-1322-Aは巻き添えを食らう事無く、地球を破壊できる。 財団の中では、[[SCP-1548>SCP-1548/Von Pincier]] (きらいきらい星) や[[SCP-2838]] (転星の柱) のような地球外の敵対的存在に対してSCP-1012を使用する事を提案した職員もいたが、まさか自分たちが同じ目に合うとは思ってはいなかっただろう。 なお、人類最後の生き残りの1人であるPatelの先も明るくない。前哨基地の資源では、せいぜいあと22日間しか生きられないのである。 恐らくそれより早く、自身でハッチを開け空気を放出する事で、けりを付けるつもりである。 追記・編集はSCP-1322-Aの約束と誓いが果たされる前にお願いします。 ---- #right(){SCP-1322 - Glory Hole by spikebrennan http://www.scp-wiki.net/scp-1322 http://ja.scp-wiki.net/scp-1322 (翻訳) Sic Transit Gloria Mundi by spikebrennan http://www.scp-wiki.net/sic-transit-gloria-mundi この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,32) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - これ読んだ時は、向こうの世界の人類は滅びてて、機械だけがひたすら技術を磨いて攻撃を仕掛けてるのかと思ってたけど、どうなのかなあ -- 名無しさん (2017-10-19 23:13:07) - 向こう側の崩壊のきっかけであるウィルスは、十中八九地球から流れてきたんだろうな -- 名無しさん (2017-10-20 01:15:12) - 流石に攻撃的すぎないか?以前から交流があったのなら悪意がないことは伝わってくれないのだろうか こちらの世界がそれに対応した薬を作れるかもしれないのに -- 名無しさん (2017-10-20 01:23:57) - どうせ絶滅してしまう可能性が高いなら、道連れより責任を取って出生率を戻す方法を考えさせた方がいいのでは。 もう滅亡寸前にまでなったから復讐したのかな -- 名無しさん (2017-10-20 01:30:33) - SCP-1322-Aが非常にアホだということはよくわかった。 -- 名無しさん (2017-10-20 08:27:02) - めんどくせー奴らだな。おいSCP-682、エサがあっちにいっぱいあるから好きに食っていいぞ -- 名無しさん (2017-10-20 09:25:13) - SCP-096の写真とか突っ込んだらどうなるんだろう -- 名無しさん (2017-10-20 10:05:47) - ↑5 この解説ではカットされてるが、向こうが対策に奔走してる間にクーデターが起きて穏健派が駆逐された -- 名無しさん (2017-10-20 10:10:32) - そもそも生物学・薬学に関して無関心、という生物だったらしいし出生率改善のメドは立てようがないんじゃないかなぁ。それで、自分たちにできる技術でできることをやろうとした結果がこの復讐戦争と。……自身の機械化とかそういう方向の研究も進んでなかったのかもね。 -- 名無しさん (2017-10-20 11:00:22) - 生物学・薬学の知識が全くなくここまで発展するって設定に無理がないか…昆虫並みの短命+出生率で死傷率をカバーするとか物凄く強い生命体+低出生率とかでない限り、発展の余地がない… -- 名無しさん (2017-10-20 11:19:22) - "Glory Hole"で鉄の棒を突っ込んできてる辺り、その…… -- 名無しさん (2017-10-20 11:57:41) - ↑それ以上いけない。 -- 名無しさん (2017-10-20 15:51:54) - これまるで南米じゃないか? -- 名無しさん (2017-10-20 21:12:03) - 別のSCPに似たようなのがあったような、向こうはGOCに占拠されてヤバイ物送られ続けた結果完全にブチ切れてるけど -- 名無しさん (2017-10-21 01:21:40) - これと秘密の音色と未翻訳TALLで一本のカノンを形成しているのかね? -- 名無しさん (2017-10-21 01:38:30) - 俺らにとって薬でも向こうじゃ毒だったということか、どこぞのエーテル病みたいだな -- 名無しさん (2018-04-18 13:55:08) - ↑↑↑これの詳細頼みます -- 名無しさん (2018-06-01 12:37:36) - https://www49.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/36741.html たぶんこれのことじゃないか? -- 名無しさん (2018-06-01 13:16:19) - 星新一作品にありそうなすれ違いだ -- 名無しさん (2018-10-28 21:56:31) - 星新一なら復讐宣言で終わるやろな -- 名無しさん (2019-07-26 18:41:33) - 実際さすがに全人類にワクチン接種はできないだろうから滅びるのは文明(とほとんどの人類)だろうな -- 名無しさん (2019-10-27 12:08:00) - 逆恨みでしかないよなあ -- 名無しさん (2019-10-28 15:41:37) - 財団MCF案件 -- 名無しさん (2020-04-09 15:53:58) - Dクラスで実験してから送ればよかったのに…くそSCP-2959が -- 名無しさん (2020-05-03 19:50:10) - 今の新コロナとアビガンを考えるとちょいと背筋が寒い(アビガンは身体から薬が抜ければ無害なはずだけど) -- 名無しさん (2020-08-12 14:56:46) - ぶっちゃけ自分たちがパンデミックの当事者となってからは1322-A世界笑えねえわ -- 名無しさん (2021-06-09 14:34:49) - あんまり不安を煽るようなコメントをするのはやめたほうがいいでしょう。そもそもパンデミックからのワクチンや特効薬接種などというのは何度も繰り返されてきたことですし -- 名無しさん (2021-06-10 16:48:14) - 普通に交流してたら勝手な逆恨みで地球消されるとか流石にねえわ 価値観違い過ぎるんですけど -- 名無しさん (2021-06-26 01:20:03) - 正に異次元の価値観なんだな -- 名無しさん (2021-08-02 14:49:43) - ちなみに秘密の音色の奴はなんか普通にポータル通過してSCP-1322-Aも無事崩壊する同士討ちな結果に終わった事がSCP-2305-A(未翻訳)で語られました。 -- 名無しさん (2021-12-16 22:25:03) - 世情の流れもあって異次元の価値観どころかこれ以上なく地球人っぽい価値観だったと保証がつく悲しみ -- 名無しさん (2022-04-08 18:34:50) - ↑それな -- 名無しさん (2022-09-26 19:51:52) - 別に薬あげなくても病気で絶滅してたんじゃねえかな・・・ -- 名無しさん (2022-09-28 13:30:03) - 財団のない世界というカノンでは2013年時点で友好的な関係を維持できている感じなのが闇を感じさせる -- 名無しさん (2023-02-24 23:07:24) - タイトル和訳してくれた人、マジ神。"to the"とか原文のどこにも無いのに、「そや、アレの意味で訳そ~」って知識量&発想力パネェっす -- 名無しさん (2023-06-10 22:40:32) - 医学が発達しなくても発展できるほど厄介な病気や病原菌が都合よく存在しないでいてくれる神に愛されたかのような世界だったんだろうな。そして向こうに無いインフルエンザウイルスが地球から侵入して「ウイルス」も「ワクチン」も未知の概念だったから焦ってリスクも知らずに使ってしまって副作用で滅亡の危機と。基底現実の地球人から見たら一見アホみたいだけど、こっちの世界だって異世界ではありふれている未知の概念に悩まされていない幸福な世界かもしれないし、異世界からその概念が侵入したせいで人類が遠からず滅亡するとなったら一部の無知蒙昧で陰謀論的な地球人はその世界を恨んで復讐を考えるかもしれないよ -- 名無しさん (2023-06-10 23:51:12) - 財団側のミスで滅亡(寸前)、SCP4823みたいだ。こちらの方が先なのかもしれないけど 財団世界もあちらでは常識だけどこちらでは魔法のようなものを与えられたらこうなるかもしれない -- 名無しさん (2023-11-05 17:44:15) - まあ、地球攻めて来た火星人さんも風邪ひいて死んじゃったからねぇ……我々の知る文明や生態系が一つしかない以上あり得ないとは断言できないし、言うほど無理ある設定でもご都合主義でもない。 -- 名無しさん (2024-02-04 08:46:43) #comment #areaedit(end) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: