Blair's 16 Million Reserve

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&font(#6495ED){登録日}:2009/06/01(月) 14:04:47 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 21 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- *◆概要 『&font(#f00){Blair's 16 Million Reserve(ブレアの1,600万の蓄え)}』とは、この世界で一番&font(#f00){辛}い調味料である。((一応、「製品の形で入手可能な」がつく。ギネス記録認定済み。)) アメリカのニュージャージー州にあるガードナー・リソーシーズ社。 そのブレア・ライザーさんという&font(#f00){鬼}畜が、たった999本だけ世に送り出したお洒落な小瓶。 小瓶の中にはしっかりとしたキャップの&font(u, #00f){&font(#fff){薬品}}ボトルが入っており、その中に白くサラサラとした結晶が封入されている。 &font(#f00){辛}さの数値を表す『スコヴィル値』というのがあるのだが、普通のタバスコソースのスコヴィル値は2,500~5,000。 しかしこの『16M Reserve』のスコヴィル値は、 #center(){&font(b, #ff0000){&sizex(7){16,000,000}}} つまり普通のタバスコソースの3,200~6,400倍の&font(#f00){辛}さを持っている。[[サイヤ人と戦う悪の帝王>フリーザ]]かコイツは。 このスコヴィル値16,000,000がどれくらい&font(#f00){辛}いかというと、 -素手で触っただけで''皮膚が&font(#f00){焼}けただれて全身に&font(#f00){灼熱}感を感じる''&font(#f00){(辛すぎて)} -その手で顔を触ると''&font(#f00){激痛}で目を開けなくなる''&font(#f00){(辛すぎて)} -念入りに''洗った手でもダメ''&font(#f00){(辛すぎて)} -というかゴーグルを着用しないと''失明の危険がある''&font(#f00){(辛すぎて)} -ゴーグルをつけても''目に入る汗が&font(#f00){激痛}''を生じる&font(#f00){(辛すぎて)} -''ピンセットひとつまみで''大鍋いっぱいのスープが台無しになる&font(#f00){(辛すぎて)} -それを一口飲ませた''妻が''しゃべれなくなった&font(#f00){(辛すぎて)} -しゃべれるようになったら''離婚を切り出された''&font(#f00){(辛すぎて)} -25mプールに''一欠片''落とすと味が変わる&font(#f00){(辛すぎて)}((スコヴィルの定義は「砂糖水で希釈したとき辛さを感じなくなる倍率」。つまりこの結晶は溶液1gに対して少なくとも砂糖水 16,000,000g = 16t を要求する。)) -そのまま口にすると''&font(#f00){死}の危険がある''&font(#f00){(辛すぎて)} -購入には''誓約書''への同意が必要&font(#f00){(辛すぎて)} etc. また、ブレア氏ご自身も結晶を一粒だけ試食してみたところ、 >まるで''舌をハンマーでぶん殴られたような&font(#f00){痛}み'' >私はこれまで舌に''ピアス''を入れたことはなかったが、間違いなくそれだった >舌の&font(#f00){火傷}は何日も消えなかった。あれはお勧めしない。''絶対にお勧めしない。'' >(中略) >――お勧めしない。試してはいけない。ブラザー、あれは''本物''だ という、およそ食品に対するものではない感想を残している。 ぶっちゃけ、この製品はカプサイシン(&font(#f00){辛}み成分)を純化して取り出しただけの代物。 スコヴィル値というのは原義的にはカプサイシンの割合を示し、カプサイシン単体でのスコヴィル値こそが16,000,000。 つまりこれ以上の&font(#f00){辛}さは化学的に(基本的には)存在しない。 催涙ガスだって原液500万スコヴィルを百倍近く薄めるんだからその&font(#f00){威力}たるや推して知るべし。 そして、それほどの&font(#f00){辛}さを「&font(#f00){味}わい尽くせる」感覚器官が人間に存在するかも怪しい。 理論上の最高値を名前に冠するこの製品には、&font(#f00){激辛}ソース愛好家から日々 「もっと&font(#f00){辛}いソースを!」 と突き上げを食らい続けたブレア氏の、 「ほらよ! 後にも先にもこれがこれが世界一&font(#f00){辛}いソースだ!」 という自棄っぱちなアンサーが籠められているのかもしれない。 *◆これ食品じゃないですよね? 『Blair's 16 Million Reserveは実験的なディスプレイなので絶対に食べないで下さい』 としっかり書かれている。 購入にあたっても誓約書の署名が必要で、 -直接は食べません。添加物としてだけ使用します。 -取り扱うときには手袋・ゴーグルを必ずします。 -実験的な使用に限定します。 -18歳未満には取り扱わせません。 という項目にきちんと同意しなければならない。 事実、これや『A.M. Reserve』シリーズはコレクターズアイテムとしての性質が強い。 999本ないし99本限定な上、それぞれの瓶にナンバーとサインが入っている。 実際に使用する人も多くはなく、オークションなどでは数万円から数十万円で取引されるようだ。 調味料としてちょっとした&font(#f00){刺激}が欲しい方は、 『Blair's 6 A.M. Reserve(ブレアの午前六時の蓄え)』 をどうぞ。 スコヴィル値&font(#ff0000){1,030万~1,600万}程度の&font(#f00){刺激}が味わえます。 こちらは結晶などではなくきちんとソースしてるとのこと。 &font(l){16M Reserveに調味料を足しただけとか言うなよ!} ちなみに、カプサイシンの半数致&font(#ff0000){死}量は50~60mg/kg。 体重20kgの子供なら、16M Reserveを1,200mg与えると半数が&font(#ff0000){死亡}するということである。 さて、ここで厚生労働省発行『毒物劇物の判定基準(H29)』を見てみよう。 >毒物:LD 50 が 50mg/kg 以下のもの >劇物:LD 50 が 50mg/kg を越え 300mg/kg 以下のもの えっと……あの、&font(#ff0000){劇物}……。 *◆余談 **ブレア氏と&font(#f00){激辛}ソース ブレア氏は1989年、ニュージャージー州にてバーテンダーを勤めていた。 彼の店の閉店時間は午前2時。 しかし、客の中にはそれを過ぎてもまだ帰ろうとしないものがおり、ブレア氏がそんな彼らに居座る条件として出したのが、 #center{&font(#f00){『Blair's Wings of Death(ブレアの死の翼)』}} ――彼のオリジナルレシピによる、&font(#f00){激辛}ソース付きの手羽を完食することだった。 そう、これこそが『Blair's 2 A.M. Reserve』であり、『6 A.M.』まで続くA.M.シリーズの由来。 そしてロングセラー&font(#f00){激辛}調味料&font(#f00){『デスソース』}シリーズ誕生のきっかけなのである。 **&font(#f00){辛}さの頂点 さて、スコヴィル値とは前述したようにカプサイシンに対する尺度である。 故にその頂点は16,000,000スコヴィル――しかし、この世にはカプサイシンの類似体というものが存在する。 彼らの辛さはスコヴィル値換算で純カプサイシンに匹敵、あるいは上回ることがあるのだ。 #center{ &font(i, #333){このカプサイシンは変身をするたびにパワーがはるかに増す… &br() その変身をあと2回もオレは残している… &br() その意味がわかるな?} } :3位:&font(#f00){『ジヒドロカプサイシン』} (16,000,000 スコヴィル)| 1600万スコヴィル。 &font(#f00){唐辛子}などにカプサイシン同様に含まれており、&font(#f00){辛}さはカプサイシンと同等だが、風味は少しだけ異なるという。 まぁ概ねカプサイシン同等の物質と思って差し支えない。 さてお次は……。 #center{ &font(i, #333){わたしのスコヴィル値は53億です} } :2位:&font(#c04){『チニアトキシン』} (5,300,000,000 スコヴィル)| 53''「億」''スコヴィル。 ……え? と、思わず思考停止するほどの&font(#c04){辛}さのインフレ。 否、もはやそんなレベルではない。&font(#c04){化学熱傷}を引き起こす立派な&font(#c04){''神経毒''}である。まぁ&font(#c04){Toxin(毒)}って言ってるしね。 その&font(#c04){辛}さ、カプサイシンの&font(#c04){300倍以上}。 &font(#c04){チニアトキシン}に比べれば、16M Reserveですら雑魚同然。 フリーザを前にしたヤムチャ、それも栽培マンに殺された頃のヤムチャなのだ。 まったく、この世にこれほど&font(#f00){辛}い物質があるだろうか? #center{ &font(i, #333){待たせたな…… &br() こいつがお望みの&font(#808){フルパワー}だ} } :1位:&font(#808){『レシニフェラトキシン』} (16,000,000,00 スコヴィル)| ''あった。'' 160億スコヴィル。この世ならぬ&font(#808){地獄}へようこそ! 16M Reserveを桁区切りの彼方へ置いてきぼりにする、&font(#808){''辛さの頂点。''} 恐ろしいことにこの物質、天然に存在するいわゆる&font(#808){自然毒}で、「ハッカクキリン」という植物が高濃度に含有する。 ハッカクキリンはサボテンによく似た、モロッコ原産の多肉植物であり、もし野生動物がこれを口にしようものなら…… その先の説明は必要ないだろう。 &br() また、あまりに&font(#808){劇}的な効果から、末期ガン患者への鎮痛剤としての効用が期待されているという。 患部に注射された&font(#808){レシニフェラトキシン}は、&font(#808){痛}みを感じる神経細胞を&font(#808){辛}さによって徹底的に&font(#808){''「破壊」''}する。 &font(#808){破壊}された神経細胞はもはや何も感じず、患者は末期ガンの&font(#808){苦痛}から解放されるのだ。 この手法のよいところは、医療用麻薬と違って高揚感や依存性がなく、しかも効果が半年以上も持続する点。 しかも&font(#808){辛}みは&font(#808){痛}みを感じる神経にのみ働くため、他の感覚神経に影響はない。 もっとも、&font(#808){レシニフェラトキシン}自体も&font(#808){激痛}を伴うので、予め麻酔をしておく必要はあるのだが。 ……調味料の話に始まり、先端医療の話に到るとは、世の中わからないものである。 追記・修正は舌に&font(#f00){白い結晶}を乗せてからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,9) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 過ぎたるは及ばざるが如しを地で行ってるな -- 名無しさん (2013-08-22 01:44:29) - >サメに襲われそうになったそんな時、海に垂らせばあら不思議 &br()タグwそんなことしたら海の生態系が崩壊すんだろwていうか、自爆テロ? &br() -- 名無しさん (2013-08-22 03:35:31) - ×調味料○化学兵器 -- 名無しさん (2014-03-21 23:17:51) - 飲み水にでも混入したらガチで大量殺人が出来るシャレにならん調味料。なんで作ったこんなもん -- 名無しさん (2014-05-03 04:47:28) - テロリストが入手してたら面白いことになりそう -- 名無しさん (2014-09-07 22:52:41) - 原料なんだ?とうがらし? -- 名無しさん (2014-10-02 09:02:41) - 直接触れたら皮膚が剥がれるとか猛毒じゃん -- 名無しさん (2014-11-12 21:57:46) - 鳥は辛みを感じないがこれは死ぬだろ。 -- 名無しさん (2014-12-12 09:13:45) - もし貯水槽に入れたら・・・(笑) -- 名無しさん (2015-03-20 11:17:19) - もうこれ毒となにが違うんだw -- 名無しさん (2015-05-27 05:45:53) - 作ってみたいがために作る。マッドサイエンティストの鑑www -- 名無しさん (2015-05-27 08:15:56) - ブレアでは午前六時になにが起こってるんだよw -- 名無しさん (2017-01-24 07:07:52) - Blairs 16million reserveとブレアの午前6時は別物やで。この記事間違っとる。 -- 名無しさん (2017-03-27 02:13:28) - ↑そうみたいですね。修正致しました。 -- 名無しさん (2019-05-22 10:18:10) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2009/06/01(月) 14:04:47 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 21 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center{ &font(i, #444){Blair’s 16 Million をタバスコと比べることは、 &br() ペットボトルロケットと[[ナガサキ>核兵器]]を比べるようなものだ} } #right{ &font(i, #444){――ニューヨーク・ポスト May 4th, 2005} } *◆概要 『Blair's 16 Million Reserve(ブレアの1,600万リザーブ((ワインやウィスキーなどの特別なボトルのこと。予約を受けて販売したりすることからreserved bottle、reserve wine等と呼ばれる。)))』とは、この世界で一番&font(#f00){辛}い調味料である。 一応、「製品の形で入手可能な」がつく。ギネス記録認定済み。 販売元はアメリカのニュージャージー州にあるガードナー・リソーシーズ社。 世界の&del(){辛い物バカ}辛党御用達、[[Blair's Death Sauce>Blair's Death Sauce/デスソース]]シリーズの製造・販売を行っている会社だ。 その「ブレア」ブランドを指揮するブレア・ライザーさんという&font(#f00){鬼}畜が、たった999本だけ世に送り出したお洒落な小瓶がこれである。 小瓶の中にはしっかりとしたキャップの&font(u, #00f){&color(ghostwhite){薬品}}ボトルが入っており、その中に白くサラサラとした結晶が封入されている。 &font(#f00){辛}さの数値を表す『スコヴィル値』というのがあるのだが、普通のタバスコソースのスコヴィル値は2,500~5,000。 しかしこの『16M Reserve』のスコヴィル値は…… #center(){&font(b, #ff0000){&sizex(7){&bgcolor(#000){ 16,000,000 }}}} ……1,600''万''、である。 つまり普通のタバスコソースの3,200~6,400倍の&font(#f00){辛}さを持っている。&del(){[[宇宙の帝王>フリーザ]]かコイツは。} このスコヴィル値16,000,000がどれくらい&font(#f00){辛}いかというと、 -素手で触っただけで''皮膚が&font(#f00){焼}けただれて全身に&font(#f00){灼熱}感を感じる''&font(#f00){(辛すぎて)} -その手で顔を触ると''&font(#f00){激痛}で目を開けられなくなる''&font(#f00){(辛すぎて)} -念入りに''洗った手でもダメ''&font(#f00){(辛すぎて)} -というか扱う際にゴーグルを着用しないと''失明の危険がある''&font(#f00){(辛すぎて)} -ゴーグルをつけても''目に入る汗が&font(#f00){激痛}''を生じる&font(#f00){(辛すぎて)} -''ピンセットひとつまみで''大鍋いっぱいのスープが飲めなくなる&font(#f00){(辛すぎて)} -そのスープを一口飲ませた''妻が''しゃべれなくなった&font(#f00){(辛すぎて)} -しゃべれるようになったら''離婚を切り出された''&font(#f00){(辛すぎて)} -25mプールに''一欠片''落とすと味が変わる&font(#f00){(辛すぎて)}((スコヴィルの定義は「砂糖水で希釈したとき辛さを感じなくなる倍率」。つまりこの結晶は1gに対して少なくとも砂糖水 1,600万g = 16t を要求する。ブレア氏いわく、ただの水なら25万ガロン = 1,000tが必要だとのこと。ちなみに25mプールに1.5mの高さまで水を張った時の水量は600t)) -そのまま口にすると''&font(#f00){死}の危険がある''&font(#f00){(辛すぎて)} -購入には''誓約書''への同意が必要&font(#f00){(辛すぎて)} etc。 また、ブレア氏ご自身も結晶を一粒だけ試食してみたところ、 >まるで''舌をハンマーでぶん殴られたような&font(#f00){痛}み'' >私はこれまで''舌にピアス''を入れたことはなかったが、間違いなくそれだった >舌の&font(#f00){火傷}は何日も消えなかった。あれはお勧めしない。''絶対にお勧めしない。'' >――(中略)―― >お勧めしない。試してはいけない。ブラザー、あれは''本物''だ。 という、およそ食品に対するものではない感想を残している。 ぶっちゃけ、この製品はカプサイシン(&font(#f00){辛}み成分)を純化して取り出しただけの代物。 スコヴィル値というのは原義的にはカプサイシンの割合を示し、カプサイシン単体でのスコヴィル値こそが16,000,000。 つまりこれ以上の&font(#f00){辛}さは化学的に(基本的には)存在しない。 催涙ガスだって原液500万スコヴィルを百倍近く薄めるんだからその&font(#f00){威力}たるや推して知るべし。 そして、それほどの&font(#f00){辛}さを「&font(#f00){味}わい尽くせる」感覚器官が人間に存在するかも怪しい。 理論上の最高値を名前に冠するこの製品には、&font(#f00){激辛}ソース愛好家から日々 「もっと&font(#f00){辛}いソースを!」 と突き上げを食らい続けたブレア氏の、 「ほらよ! 後にも先にもこれがこれが世界一&font(#f00){辛}いソースだ!」 という自棄っぱちなアンサーが籠められているのかもしれない。 たった1ポンド = 450gのカプサイシンのために、数トンのトウガラシを数ヶ月にわたって加工したというブレア氏の心境やいかに。 *◆これ食品じゃないですよね? 食品じゃないも何も、商品説明に、 『Blair's 16 Million Reserveは実験的なディスプレイなので''絶対に食べないで下さい''』 としっかり書かれている。 日本でデスソースなどの輸入食品を扱っている商社「鈴商」のホームページにも、&bold(){『決して食するものではありません!!』}と紹介されている。 購入にあたっても誓約書の署名が必要で、 -直接は食べません。添加物としてだけ使用します。 -取り扱うときには手袋・ゴーグルを必ずします。 -実験的な使用に限定します。 -18歳未満には取り扱わせません。 という項目にきちんと同意しなければならない。 一応デスソースブランドの頂点という位置づけではあるが実際の所、これや『A.M. Reserve』シリーズはコレクターズアイテムとしての性質が強い。 999本ないし99本限定な上、それぞれの瓶にナンバーとサインが入っている。 ちなみに、日本にある16M Reserveは先述の鈴商が保管している一本だけとのこと。 実際に使われることも多くはなく、オークションなどでは数万円から数十万円で取引されるようだ。 調味料としてちょっとした&font(#f00){刺激}が欲しい方は、 『Blair's 6 A.M. Reserve(ブレアの午前6時リザーブ)』 をどうぞ。 スコヴィル値&font(#ff0000){1,030万~1,600万}程度の&font(#f00){刺激}が味わえます。 こちらは結晶などではなくきちんとソースしてるとのこと。 &font(l){16M Reserveに調味料を足しただけとか言うなよ!} え、&font(#f00){無茶}言うな? では日本国内で正規輸入販売されている『サドンデスソース』(10万スコヴィル)はいかがでしょう。((編者は冷水機に泣きながら数十分間すがりつきました。味は……指をカナヅチで叩いたあの感じ。)) ((真面目に紹介すると、正規輸入販売されているものでは『オリジナルデスソース』(1万スコビル)が最もマイルドです。カプサイシン(水に不溶)を口内から除去するには、ミルクで口をすすぐのがもっともよいとのこと。)) >「ブートジョロキア」はすっきりとした&font(#f00){辛}さが特徴で、フライドチキン、ハンバーガー、シーフード等の洋食だけでなく「日本食」にも良く合います。 と公式にもお勧めされていることですし。%%合わせた側の料理の味って残るのかな?%% ちなみに、カプサイシンの半数致&font(#ff0000){死}量(LD50)は50~60mg/kg。 体重20kgの子供なら、16M Reserveを、 &font(b){「1,200mg = 1.2g = 小さじ半分弱」} 与えると半数が&font(#ff0000){''死亡''}するということである。 さて、ここで厚生労働省発行『毒物劇物の判定基準の改定について(通知)』を見てみよう。 >毒物:LD50 が 50mg/kg 以下のもの >劇物:LD50 が 50mg/kg を越え 300mg/kg 以下のもの えっと……あの、&font(#ff0000){劇物}……。 *◆余談 **ブレア氏と&font(#f00){激辛}ソース ブレア氏は1989年、ニュージャージー州にてバーテンダーを勤めていた。 彼の店の閉店時間は午前2時。 しかし、客の中にはそれを過ぎてもまだ帰ろうとしないものがおり、ブレア氏がそんな彼らに居座る条件として出したのが、 #center{&font(#f00){『Blair's Wings of Death(ブレアの死の翼)』}} ――彼のオリジナルレシピによる、&font(#f00){激辛}ソース付きの手羽を完食することだった。 そう、これこそが『Blair's 2 A.M. Reserve』、そして『6 A.M.』まで続くA.M.シリーズの名の由来。 そしてロングセラー&font(#f00){激辛}調味料&font(#f00){『デスソース』}シリーズ誕生のきっかけなのである。 なお、ブレア氏いわく「リザーブ」は当初、別のラベルの製造費調達のために作ったものだそうな。 **&font(#f00){辛}さランキング さて、スコヴィル値とは前述したようにカプサイシンに対する尺度である。 故にその頂点は16,000,000スコヴィル――しかし、この世にはカプサイシンの類似体というものが存在する。 彼らの辛さはスコヴィル値換算で純カプサイシンに匹敵、あるいは上回ることがあるのだ。 #center{ &font(i, #444){このカプサイシンは変身をするたびにパワーがはるかに増す… &br() その変身をあと2回もオレは残している… &br() その意味がわかるな?} } :第3位:『カプサイシン』『ジヒドロカプサイシン』 (16,000,000 スコヴィル)| もう皆様にも覚えて頂けたであろう、1600万スコヴィル。 ジヒドロカプサイシンは&font(#f00){唐辛子}などにカプサイシン同様に含まれている。 &font(#f00){辛}さはカプサイシンと同等だが、風味は少しだけ異なるという。 まぁ概ねカプサイシン同様の物質と思って差し支えない。 さぁて続く弟2位のスコヴィル値は、2千万か、3千万か……。 #center{ &bgcolor(#f08){&font(i, #000){ わたしのスコヴィル値は53億です }} } :第2位:&font(#c04){『チニアトキシン』} (5,300,000,000 スコヴィル)| 53''億''スコヴィル。 え? &br() ……思わず言葉に詰まるほどの&font(#c04){辛}さのインフレーション。 もはや立派な&font(#c04){''神経毒''}である。まぁ&font(#c04){Toxin(毒)}って言ってるし。 その&font(#c04){辛}さ、カプサイシンの&font(#c04){300倍以上}。 &font(#c04){チニアトキシン}に比べれば、16M Reserveですら雑魚同然。 フリーザを前にしたヤムチャ、それも栽培マンに殺された頃のヤムチャなのだ。 全く信じがたい&font(#c04){辛}さである。この世にこれほど&font(#c04){辛}い物質があろうか? #center{ &bgcolor(#000){&font(i, #f0f){ 待たせたな…… }} &bgcolor(#000){&font(i, #f0f){ こいつがお望みのフルパワーだ }} } :第1位:&font(#808){『レシニフェラトキシン』} (16,000,000,000 スコヴィル)| ''あった。'' 160億スコヴィル。この世ならぬ&font(#808){地獄}へようこそ! 16M Reserveを桁区切りの彼方へ置いてきぼりにする、&font(#808){''辛さの頂点。''} もはや意味のない比較だが、タバスコソース換算にして&font(#808){''320万倍~640万倍''}の&font(#808){辛}さである。 恐ろしいことにこの物質、天然に存在するいわゆる&font(#808){自然毒}で、「ハッカクキリン」という植物が高濃度に含有する。 ハッカクキリンはサボテンによく似た、モロッコ原産の多肉植物であり、もし野生動物がこれを口にしようものなら……。 その先の説明は必要ないだろう。 ちなみにレシニフェラトキシンという名はハッカクキリンの学名「エウフォルビア・レシニフェラ」に由来する。 &br() また、あまりに&font(#808){劇}的な効果から、末期ガン患者への鎮痛剤としての効用が期待されているという。 患部に注射された&font(#808){レシニフェラトキシン}は、&font(#808){痛}みを感じる神経細胞を&font(#808){辛}さによって徹底的に&font(#808){''「破壊」''}する。 &font(#808){破壊}された神経細胞はもはや何も感じず、患者は末期ガンの&font(#808){苦痛}から解放されるのだ。 この手法のよいところは、医療用麻薬と違って高揚感や依存性がなく、しかも効果が半年以上も持続する点。 しかも&font(#808){辛}みは&font(#808){痛}みを感じる神経にのみ働くため、他の感覚神経に影響はない。 もっとも、&font(#808){レシニフェラトキシン}自体も&font(#808){激痛}を伴うので、予め麻酔をしておく必要はあるのだが。 ……調味料の話に始まり、先端医療の話に到るとは、世の中わからないものである。 追記・修正は舌に&font(#f00){白い結晶}を乗せてからお願いします。 ---- #openclose(show=※参考文献リスト){ -Browne, H. (2005). &font(i){Chilli sauce is real killer}. Retrieved May 31, 2019 from &br() http://web.archive.org/web/20080707055614/https://www.thesun.co.uk/article/0,,2-2005211088,00.html -Langton, J. (2005). &font(i){This chilli is so hot, you'd have to drink 250,000 gallons of water just to put out the fire}. Retrieved May 31, 2019 from &br() https://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/northamerica/usa/1489595/This-chilli-is-so-hot-youd-have-to-drink-250000-gallons-of-water-just-to-put-out-the-fire.html -Lindauer, N. (2005). &font(i){Blair’s 16 Million Product Review}. Retrieved May 31, 2019 from &br() http://www.hotsauceblog.com/hotsaucearchives/blairs-16-million-product-review/ -Roberts, S. (2009). &font(i){FireTalkers: Interview with Blair Lazar of Blair’s Sauces and Snacks}. Retrieved May 31, 2019 from &br() https://www.scottrobertsweb.com/firetalkers-interview-with-blair-lazar-of-blairs-sauces-and-snacks/ -Simon, M. (2018). &font(i){恐ろしいほど「辛い」成分が、末期がん患者を痛みから救う? 植物由来の新しい鎮痛剤の威力}. (T. 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Retrieved May 31, 2019 from &br() https://ja.wikipedia.org/?curid=2575345 --&font(i){レシニフェラトキシン}. (n.d.). Retrieved May 31, 2019 &br() from https://ja.wikipedia.org/?curid=2494293 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,21) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 過ぎたるは及ばざるが如しを地で行ってるな -- 名無しさん (2013-08-22 01:44:29) - >サメに襲われそうになったそんな時、海に垂らせばあら不思議 &br()タグwそんなことしたら海の生態系が崩壊すんだろwていうか、自爆テロ? &br() -- 名無しさん (2013-08-22 03:35:31) - ×調味料○化学兵器 -- 名無しさん (2014-03-21 23:17:51) - 飲み水にでも混入したらガチで大量殺人が出来るシャレにならん調味料。なんで作ったこんなもん -- 名無しさん (2014-05-03 04:47:28) - テロリストが入手してたら面白いことになりそう -- 名無しさん (2014-09-07 22:52:41) - 原料なんだ?とうがらし? -- 名無しさん (2014-10-02 09:02:41) - 直接触れたら皮膚が剥がれるとか猛毒じゃん -- 名無しさん (2014-11-12 21:57:46) - 鳥は辛みを感じないがこれは死ぬだろ。 -- 名無しさん (2014-12-12 09:13:45) - もし貯水槽に入れたら・・・(笑) -- 名無しさん (2015-03-20 11:17:19) - もうこれ毒となにが違うんだw -- 名無しさん (2015-05-27 05:45:53) - 作ってみたいがために作る。マッドサイエンティストの鑑www -- 名無しさん (2015-05-27 08:15:56) - ブレアでは午前六時になにが起こってるんだよw -- 名無しさん (2017-01-24 07:07:52) - Blairs 16million reserveとブレアの午前6時は別物やで。この記事間違っとる。 -- 名無しさん (2017-03-27 02:13:28) - ↑そうみたいですね。修正致しました。 -- 名無しさん (2019-05-22 10:18:10) - 面白い題材で、記述も色々足せそうなのにもったいないなーと思ったので編集しました。真っ赤に染めたのはわざとですが、見辛い or まだまだ足りないと思われましたら修正してください。 -- 名無しさん (2019-05-30 22:52:34) - 冒頭が実質カエンタケ -- 名無しさん (2019-05-31 05:08:34) - ↑2 この記事のせいで「見辛い」を「みからい」って読んでしまった。 -- 名無しさん (2019-05-31 16:39:08) - 素敵にブラッシュアップされていると感じました。(実食されている点も含め) -- 名無しさん (2019-05-31 16:44:05) - わけがわからないよ!?(デスソースを食べながら) -- 名無しさん (2020-02-04 13:49:03) - ていうかレシニフェラトキシンを -- 名無しさん (2020-02-04 13:51:11) - 癌に撃ち込んだら死滅してくれたらいいのに -- 名無しさん (2020-02-04 13:51:31) - というか、どうして核兵器とペットボトルを比べるし……。そこは核とかんしゃく玉だろう -- 名無しさん (2020-02-04 14:01:25) - おそらくアメリカで流行してるペットボトルボムのことだと思われる。ドライアイスと水詰めてドカンさせるアレよ -- 名無しさん (2020-03-23 00:54:58) - 何かの番組でこれを入れた麻婆豆腐食べてる女が居たなあ。味覚壊れてるんじゃないかって思った -- 名無しさん (2020-03-23 01:10:02) - ↑1これ入れちゃうとどんな激辛好きでも間違いなく放送事故になるので、同社の他製品かThe Sourceみたいな他社製品だと思う。 ↑2 原文は「Bottle Rocket」だからどうかな……。 -- 名無しさん (2020-03-23 05:27:41) - >お勧めしない。試してはいけない。ブラザー、あれは 本物 だ。 造り主すら容赦なく苦しめるってまさにSFとかに出てくる暴走兵器じゃねーか! -- 名無しさん (2020-10-05 13:23:35) - エロゲのヒロインでこれを口にするのが夢とかカレー食いながら言ってたのがいたなぁ…… -- 名無しさん (2021-04-16 16:10:09) - 参考文献まで載っててすごい ガチ項目 -- 名無しさん (2021-10-16 10:05:01) - なにこのインフレ...ドラゴンボールかな? -- 名無しさん (2022-01-28 01:11:35) - …調味料の話に始まり、先端医療の話に到る…の一文で、この項目が化学兵器でなく調味料の項目だと思い出した -- 名無しさん (2023-10-21 12:43:55) #comment #areaedit(end) }

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