四魔貴族

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四魔貴族」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2010/07/11(日) 19:56:09
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます

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&b(){四魔貴族}は『[[ロマンシング サ・ガ3]]』に登場するストーリーの中核となる大ボスキャラクター。
600年前の「死食」を生き延びた後に成長してアビスゲートを開き、世界を破壊と混乱に陥れた「魔王」の誕生以前からアビスを支配していた四人の魔物の総称。
ゲーム中では、単に魔貴族、四貴族とも呼ばれている。

魔王が開いたアビスゲートからこの現世に現れて魔王の配下となって暴れまわり、
魔王が姿を消した後は彼らが世界を支配していたが、300年前の「死食」により誕生した「聖王」によってアビスへと追い返された。

当人達にも己がアビスを象徴する存在であるという自負はあるらしく、特にフォルネウスは自らを指してアビスと名乗っていたりもする。
また、ビューネイは戦いを挑んできた主人公達をムシけらと呼んでおり、基本的に現世の人間等は見下している尊大さも窺える。
……にも関わらず、揃って死食を乗り越えた宿命の子とはいえ&ruby(・・・・・){ただの人間}である筈の魔王に従う形となっていた訳なのだが、そうなるのには後述の通り個々人で理由や経緯が違っていた模様で、配下というよりは同盟と呼んだ方がいい関係性の者も居る。

四魔貴族が追い返された後は平穏な時代が続いていたものの、15年前の死食の影響でアビスゲートが活性化。
これによって四魔貴族は今度は自分達の意志で現世への干渉を開始したのだが、力が強すぎるが故に不完全なゲートでは本体を通す事が出来ないので、取り敢えず&b(){各人の願望を具現化した幻影}を送り込むと共に配下の魔物達を使って各地に戦乱を起こしている。

つまり、四魔貴族の目的は魔王時代のようにゲートを完全に開いて現世に帰還すること。
以前は魔王が消えた後の現世の支配には大して積極的ではなかったのだが、矢張り聖王に敗れてしまったことは屈辱だったのかもしれない。
その為に15年前の「死食」でも誕生していながらも未だに運命を決めていない此度の「宿命の子」の身柄を求め、アビスゲートを開かせようとしている。

という訳で、ロマサガ3の主人公達の当面の目標は各地で起きている紛争やキナ臭い動きを止めるためにも原因である幻影を倒し、ゲートを閉じてアビスの勢力を地上から駆逐すること。}((サガシリーズでは珍しくもないのだが、この辺の話がゲーム開始前の下手をすると裏設定レベルの所に収まってしまっていることが初見や内容を理解しきれていない層から「ストーリーが薄い」と言われる原因でもある。))
四魔貴族の幻影を倒せれば、アビスの力で邪魔されて使えなくなっていた各系統の最強術を使えるようになる。

大ボス格の敵ということもあってか生半可な実力ではあっという間に全滅させられてしまうが、
四魔貴族戦では全滅してもゲームオーバーにはならず、ダンジョンの始めに戻される(いわゆる[[デスルーラ>ルーラ(ドラゴンクエスト)]]される)のが特徴。(例外は後述のビューネイ戦での&font(l){タクシー}グウェインとの共闘ルートのみ。)

&b(){ちなみに、四魔貴族の読み方は開発スタッフによると「&ruby(・・){よん}まきぞく」と「&ruby(・){し}まきぞく」のどちらでも構わないというスタンスだったのだが、2019年のリマスター版の発売に合わせて24年越しに&color(blue){「よんまきぞく」}が正式な読み方となった。}

主人公側が反対にゲートを越えて挑む[[ラスボス>破壊するもの]]戦の直前には、任意で本来の姿である&b(){真四魔貴族}に挑むことも可能。
OPで示されているように&b(){此方が本来の姿}なのだが、如何にもロマサガのボスといった見た目だった幻影に対して&b(){実は普通の人間に近い姿の方が本体というギャップ}も語り種となっている。
尚、本体というだけあってか見た目こそコンパクトになったが実力は幻影時より遥かに増している。

真四魔貴族はサガシリーズらしく絶対に倒さなければいけない相手ではないものの、一人でも&b(){倒しておかないと[[ラスボス>破壊するもの]]がめっちゃ強化された状態}となる……詳細はラスボスの項目へ。&font(l){ちなみに、会いに行くのはあくまでもプレイヤーの任意であり、真四魔貴族と戦えることについてゲーム中で特に説明もされていないので、敢えなく本気のラスボスにやられて当時はクリア出来なかったというプレイヤーも少なくなかった。}

因みに、四魔貴族のモデルとなっているのは他の創作物でも引用されることの多い[[ソロモン72柱]]の大悪魔(魔神)達である。
そういう意味では似たような立ち位置の過去シリーズの[[三>デス(ロマサガ)]][[柱>サルーイン]][[神>シェラハ]]や[[七英雄]]がオリジナリティの強い設定であったのとは大きくコンセプトが違っているともいえる。


*【作中の大まかな歴史と四魔貴族の動向】
300年に一度、死の衛星が太陽と重なることで、その年に生まれた全ての種族の生命が死滅する「死食」という現象がこの年も発生。
……しかし、この時の「死食」で一人の人間の赤子が生き残った。(BH300)

人々は赤子を「宿命の子」と呼んで祝福していたのだが“彼”は生まれながらに「死食」の象徴する死の定めを背負っていた。
後に「魔王」と呼ばれることになる宿命の子は、長じると己の野望の為にアビスゲートを開き、アビスの支配者たる四魔貴族と順に接触して強大な彼等を従えることにすら成功した。(BH270)

こうしてアビスの力を得た魔王は瞬く間に西方諸国の悉くを滅亡に追い込んだ。
魔王はピドナに魔王殿を築いて本拠地とし、生き残った人々には圧政を敷いた。
因みに、この頃は完全な形でゲートが開かれていたのでOPの通りに四魔貴族も本体その物で現世にやって来ていた模様。
続いて魔王は東方諸国へも魔の手を伸ばしたのだが、迫り来る魔王の軍勢に対して東方諸国は秘伝の天の術法(陰陽術)を駆使して抵抗し、軍勢への反撃にすら成功した。(BH270)

これを受けて翌年には魔王自らが東方遠征へと出発。
東方諸国もまた悉くが滅亡に追い込まれていったが、この戦いの最中に&b(){魔王自身もまた姿を消す}ことになる。
……東方の地に魔王自身が身に纏っていた魔王の鎧が遺されていたことなどから、恐らくは&b(){戦死}したとも言われているのだが詳細は不明である。
&font(l){何しろ、リマスター版によればゲーム終盤で明らかになる黄京の5つ目のアビスゲートは魔王がつい最近になって開けたものであるらしいし。}

こうして魔王は姿を消したものの&b(){四魔貴族は健在}であり、現世では次の「死食」までアビスの魔物による支配が続いていくこととなった。
これを、四魔貴族時代と呼ぶ。(BH269~)

四魔貴族時代は人間達にとっては尚も苦難の時代となったものの、一方では恐怖と破壊の旗頭であった魔王が消えたことにより魔物達による襲撃や天変地異の回数が減り、後の世に繋がる復興が始まった時期でもあった。
……これは、そもそもが&b(){“異世界の住人であり人間とは寿命も価値観も違う魔貴族達には人間視点でいう処の“世界の支配”といった概念が無かった”}ため。

このことで、フォルネウスに(人間側から見れば)放置される形となった静海沿岸諸国が四魔貴族時代には復興を始めている。
こうした状況が、ゲーム開始時までの各国家や都市の分布の状況に繋がったようである。(BH250~)


そして、前回の「死食」から300年後にランスにて次の「宿命の子」であり、後に「聖王」となる赤子が誕生。(HC1)
“彼女”は同じ年の「死食」を生き延びたことで「魔王」の再来を恐れる人々に命を狙われたりもしたものの守られつつ成長。
12歳の時には奴隷商人に拐われてしまい、7年に及ぶ放浪の時を過ごす等の数奇な運命に翻弄されたものの、18歳の時に商家として名高いフルブライト家に養子として迎え入れられたことで流転の人生を終えた。(HC12~HC18)

こうして、フルブライト家の後ろ楯を得た彼女は、各地を放浪する中で出会っていた多くの人々の協力によって数年をかけて入念な準備を進めると、24歳の時に公に四魔貴族への決起を表明。
こうして戦いを開始した「聖王」と仲間達の前に、反対に四魔貴族はアビスへと送り返されることになった。(HC18~HC24)

この後、英雄として迎え入れられた聖王はコングレス(大会議)を開催して諸侯間を平定。
まだ幾つかの解決し切れていない問題(東方諸国のその後、等)は残ったものの、当面の平和は確保された。


……そして、前回から300年の後。
ゲーム中の物語の開始から15年程前にまたもや「死食」が発生。(HC300)
それを契機とするように平時よりも強力なモンスターが出現したり、各地で紛争や内戦が起きる等の不安と混乱が生じるようになったことから人々は再びアビスの脅威を囁きあっていた。
事実「死食」によりアビスゲートは活性化。
四魔貴族は再び現世に干渉するべく魔の手を伸ばし始めていたのだった。(HC316)


*【四魔貴族達】

**■魔戦士公アラケス

&b(){&color(white,gold){「血を流せ・・・・」}}(幻影)

&b(){&color(white,gold){「血と汗となみだを流せ!」}}(本体)

CV:[[杉田智和]]
魔王殿最深部のゲートを守る。
司る属性は白虎で、幻影を倒すことで最強術の「超重力」が解禁される。
元ネタはソロモン72柱の
序列52位の魔界の公爵アロケルの異名(表記揺れ)から。

誇り高き戦士であり、接触してきた「魔王」より己の覇道への協力を依頼された際に、途中で戦いを捨てるようなことがあったのならば自分の命を奪ってもいいと言ってきたことを気に入って協力することを決めた。

アラケスのゲートがあり、本拠地でもあるピドナ旧市街の魔王殿の最深部へ行くには聖王遺物の『王家の指輪』が必要となる。
魔王殿下層の奥の扉にて「指輪を…」のメッセージを見た後なら、ランスの聖王家の当主から&font(l){死ぬまで}貸して貰える。

下記のように魔王殿は序盤のレベル上げ&技道場に最適な上に王家の指輪はヤーマスの武器屋にて何度も売買を繰り返すことで資金を延々と増やせる(通称:&b(){指輪転がし})ので装備の充実に役立つ……と、
手慣れたプレイヤーにとっては真っ先に目標にされるポイントであり、これを知っているかいないかで攻略が格段に変わってくる。

アラケスの幻影は双頭獣に跨った異形の巨人。
聖王との戦いで魔槍を奪われてからは新たに鍛えた槍を使っているが未だ鍛えた熱が冷めておらず、それを利用した攻撃「焼きごて」を行ってくる。

……しかし、本体は厳つい幻影とは大違いの金髪ロングの美丈夫で、筋骨隆々とした肉体の半身に幻影を彷彿とさせる巨大で歪な鎧を纏っている。
また、本体は槍を大剣のように構えているのだが刀身は赤熱していないので大きく印象が違う。……焼きごての件はハッタリだったのかもしれない。

使用技は大震撃、最強打、焼きごて、大回転など物理攻撃が主体。

魔王殿自体は広くて割と入り汲んでいるのだが、マップの構造(切り替え)さえ知っていればゲートまでの直行は簡単である。
ゲート近くには固有の配下である「アラケスの戦鬼」がひしめいているものの、序盤でも大して強くない。
それでいて直前に戦わなければならない中ボス((ただし、強力な固定シンボルのモンスターは多数配置されている。))なんてのもいないため、自由行動開始から早い段階で幻影に戦いを挑むことも可能。
もちろん、自由行動開始早々の戦力では勝ち目などないのだが、自パーティーより圧倒的に強いため非常に技を閃きやすい。
なので、前述の幻影戦で敗れるとデスルーラされる特性を活かして何度も挑みつつ技の習得をするのに向いているという訳である。
運が良ければ序盤から上位レベルの技(幻影の閃きレベルは27で、理論上は分身剣や乱れ雪月花、無双三段、ミリオンダラークラスをも閃ける。)を閃くことも。
また、四魔貴族の幻影に敗北するとランスにて聖王廟での試練を解禁して貰えるようになるので、
次はそっち(主にロアリングナイト道場)を利用してHPや武器、術レベルを上げに行くことも可能。

アラケス自身に目を向けた場合には上記のように高威力の全体攻撃が多いものの基本的に物理攻撃主体。
なので、カウンター系の技を装備して更に対応した見切り技も修得しておけば非常に戦い易い相手となっており、見た目の迫力とは裏腹に&b(){四魔貴族最弱}呼ばわりされることも。
代名詞の大回転すら見切り(ブレードロール見切り)が戦闘中にピコン💡ピコン💡する可能性も高く、そうなると貧弱な戦力で挑んでいたつもりでも意外と粘れる所か、技を閃く前に倒してしまうこともあるので勿体ない。
しかし、幻影はテラーボイス等も使ってくるために運が悪いと同士討ちの危険性もある。

魔王殿は隅々まで探索しようとすると中々に面倒なのだが、幻影を倒すと一部の小部屋や固定シンボルを除いて敵シンボルが表からも最深部からも消えるので、技道場として利用し終わってからの方が探索し易い。

幻影は迫力ある見た目で登場時に&b(){ドン、ドン}と地響きのような足音をさせて画面外からやって来るのだが、立ち絵が動かない都合もあってか、動きは完全にトコトコ歩きとなりスキップ呼ばわりさえされる。……かわいい。

本体の方は能力が大幅に強化されている以外は特徴は一緒……の筈なのだが、とにかく攻撃力が高くなっているので、此方は侮れない相手となっている。
とはいえ、テラーボイスのような絡め手は使ってこないので寧ろ組みやすいと感じるかも。
また、本体が戦闘前に発する台詞が幻影時からパワーアップした結果、冒頭のように&b(){妙に青春感漂うもの}になってしまい、吹き出してしまったプレイヤーも多数。

キャラ的には完全な脳筋タイプに見えるのだが、ゲーム中でも度々に言及されるファルスとスタンレーの紛争を裏から操っていたのはアラケスの仕業だったらしく、そういった意味ではサガ大辞典では亜神というカテゴリーなこともあってか、[[戦争の神>アレス(ギリシャ神話)]]と呼べる存在なのかもしれない。

固有の配下は「アラケスの戦鬼」で、最深部のゴブリン系シンボルはこいつらとなっている。
アラケスと戦ってる内に見切りを覚えてしまった大回転も低確率で使ってくるので、それを利用して極意化することも可能だが本当に低確率な上にターンを進めないと使ってこない。
その頃には寧ろフェロモンとか使われて予想外のピンチになることも。(運が良ければ見切りが発動するが。)


**【魔炎長アウナス】

&b(){&color(white,red){「定めじゃ・・・・」}}(幻影)

&b(){&color(white,red){「定めには逆らえんぞ!」}}(本体)

CV:杉田智和
ジャングル奥地に眠る火術要塞のゲートを守る。
司る属性は朱鳥で、幻影を倒すことで最強術の「リヴァイヴァ」が解禁される。
元ネタはソロモン72柱の一つで序列58位の炎の悪魔アミーの異名から。
因みに、四魔&ruby(・・){貴族}なのに他の面子のように「公」や「侯」といった爵位を持っていないことをツッコまれたりすることが多かったが、これは元ネタにおいて、他の面子の元ネタの肩書きが地獄の諸侯(貴族)なのに対して、アミーは地獄の36の軍団を率いる地獄の大総裁=長官(President)であるため。&font(l){別にその物として出してる訳じゃないんだから多少は融通利かせたって……。}

人間のことは最初から見下しており、接触してきた「魔王」の話も聞く気はなかったようなのだが、全力の攻撃をいなされたことから配下に加わることにしたと伝えられる。

危険な炎を操る魔術師タイプながら、幻影は炎の鎧を纏って大きな鎌を担いだ若々しい戦士の姿をしているというのが一見するとミスマッチで口調もジジくさい。

死神のカマ、火炎、ヒートウェイブ、ファイアウォール、烈風剣などを使用する。
また、炎を纏っていることからも解るように、常時セルフバーニング状態のため直接攻撃では炎のカウンターを浴びてしまうので厄介。
弓矢やトマホーク等の遠距離属性の技やセルフバーニングを無視出来る分身技を使うか、術をメインに戦うといいだろう。
……まぁ、複数人が分身技を使えるのなら悩む必要もなく瞬殺可能だろうけれども。

火術要塞の場所を知るのに会いに行く必要があり((実際にはフラグを立てなくても火術要塞自体には到達可能。))、火術要塞に到着した後から妖精の村にて仲間に出来る妖精を早速パーティーに入れている場合には対飛行特効の烈風剣で大ダメージを受けてしまうので注意。
本ゲーム最強のアタッカーとも言われる妖精の数少ない弱点の一つであり、案外と使ってくる敵も多いので盾くらいは忘れずに装備させておこう。

単体即死攻撃である死神のカマも地味に鬱陶しいのだが、見切りが存在するので準備を万端にするのなら覚えてから挑むのがいいだろう。
&font(l){ただでさえ印象が薄いと言われる}四魔貴族中でも影が薄いと言われることが多いが、何だかんだでパターンによってはフォルネウスに次ぐ位に全体攻撃の連発が怖い相手であり、地相効果による回復も発動する。

幻影を倒すと身に付けた者がセルフバーニング効果を得られる炎のマントが入手可能。

また、アウナスの幻影戦はゆきだるまをパーティーに入れていた場合のみ発生する&b(){特殊演出(「さよならなのだ・・・」)}が存在していることで有名。
幻影戦にてゆきだるま以外の全員が戦闘不能になると、彼は体内の永久氷晶を使用してアウナスに特攻を仕掛けて散ってしまう。
非常に勿体ないし損失しかないのでデータには残さないとしても非常にロマンシングな彼の雄姿は一度は見ておくべき。
セルフバーニングを利用すれば高レベルパーティーでも全滅は容易いし。
ちなみにゆきだるまをセコンドに置いて幻影を倒すと普通のモンスターの消滅と同様に消滅する。

さて、幻影は若者の姿だが、終盤にてアビスで会うことが出来る本体は炎に包まれた老人であり、じいさん口調だったのはこれが理由。
幻影が若者の姿なので「一番自分の願望を投影しているという設定に沿っている」なんて意見も。
デザインの構成要素は全く違うのだが、どことなく絵の纏まりかたが七英雄のボクオーンに似ている。
本体だと一際貧弱に見えてしまうのだが、最も魔物的な見た目をした本体でもある。

固有の配下は「アウナス術妖」で、火術要塞内のゴブリン系シンボルは基本的にこいつら。
火星の砂等で攻撃してくる。
色違いで「ミディアム(または火術師)」というモンスターも出てくる予定だったが実際の製品版では没モンスターとなっている。

ゲート前の部屋の炎に触れると中ボス格の「パイロヒドラ」が出現し、低確率で貴重な開発素材であるヒドラ革をドロップする。
ヒドラ革は蛇系上位で似たような見た目のドラゴンパンジーからもドロップできるが、本当に低確率なのでここでリセットを繰り返して取った方がいいかもしれない。


*【魔海侯フォルネウス】

&b(){&font(#ffffff,#ff8c00){「アビスの力を知れ!」}}(幻影)

&b(){&font(#ffffff,#ff8c00){「真のアビスの力を見よ!」}}(本体)

CV:杉田智和
遥か深海の海底宮のゲートを守る。
司る属性は玄武で、幻影を倒すことで最強術の「クイックタイム」が解禁される。
元ネタは『女神転生』シリーズなんかでもお馴染みの、ソロモン72柱の序列30位で鮫の姿をした地獄の侯爵フォルネウス。

四魔貴族中でも自らを指してアビスをアピールしてくる尊大で自意識過剰な性格。
接触してきた「魔王」に対しても最初から話なんか聞いてやる気もなく玄武術で圧縮して腹の中に呑み込んでしまったらしいのだが、反対に魔王に腹の中から操られるという責めを受けたことで&font(l){[[ビクンビクン>クリムゾン(漫画家)]]}屈服して従うことになった模様。

前述のように魔王が姿を消した後は、広大な現世の海を支配出来ることに満足してしまっていたらしく、海という広く影響が出るエリアを受け持っていたにも関わらず、&b(){たま~に嵐を起こして船を沈めたりする程度の被害}しか起こさなくなっていった為に魔王が消えた後の四魔貴族時代には静海沿岸諸国が復興することに成功している。
……そういう意味では、後に四魔貴族の支配が逆転される切欠を生んでしまった張本人と言えるのかもしれない。

数百年後に戦いを挑んできた「聖王」が巨大な船に乗って討伐に来た時には自分に近付けさせることすらなく7度も沈めてみせたが、8度目には動く島[[バンガード>バンガード(ロマサガ3)]]に乗り込んで来たために流石に沈めることが出来ず、そのまま潜水したバンガードから本拠地である海底宮に進入され、聖王の三叉槍ルツェルンガードによって倒されてアビスに追い返されたという。

その苦い経験からか、再び現世への干渉を開始した現在では配下のフォルネウス兵にバンガードを襲わせたり、海底宮の場所を知るボストン達の住む最果ての島に水龍を送り込んで攻撃させたりと策謀を巡らせている。

幻影はクジラやナマズを思わせる大きな口を持つ異形の海魔で、よく見ると上半身にはヒレの代わりに歪な腕が付いている。
元ネタは『白鯨』なのだろうが、この幻影と遭遇した英雄的な[[海賊ブラック>ブラック/ハーマン(ロマサガ3)]]の片足を噛み千切っており、更に生気をも奪われたのか老人のような姿にされてしまったブラックはハーマンを名乗って隠遁生活を余儀なくされていた。

ハーマン=ブラックはバンガードを動かそうとする中で仲間に加わり、フォルネウスの幻影を倒す事で若返って元の姿を取り戻せるのだが、ハーマン状態だと弱いからって途中で殺したりせずにパーティに加入したままにしとかないとハーマンのままなので注意(戦闘メンバーである必要は無い)。
尚、ブラックに戻ると共に普通に失った片足も戻ってくるので、上記の老人にされてた件や相対していたのが幻影だったという事実から「呪いみたいなもの」だったのでは?という考察も。
ハーマン、若しくはブラックが仲間に居るとピドナで神王教団の幹部マクシムスの正体を見破るイベントを起こせるので、装備の充実を目的にこっちから攻略に行ってもいいかも。

余談だが、海底宮のイベントは前述の様にフォルネウス兵の襲撃によるバンガードの殺人事件を機に開始されるのだが、
終始「わたしたち、アツアツなんです」しか言わないカップルが殺されて、正直「ざまぁw」と思ったプレイヤーもいるとかいないとか。&font(l){因みに、このカップル襲われた夜も熱い夜を過ごした後だったらしい……爆発しろ。…あっ死んだのか。}

幻影中でも特に圧倒的なビジュアルを誇り、名曲として名高い四魔貴族バトル1の血がたぎる戦闘BGMが合致している為、非常にカッコイイ。

使用技は全体攻撃のメイルシュトローム、ぶちかまし、連続落雷攻撃のマッドサンダーなど。
何れも高威力な上にぶちかまし(体当たり)以外は見切りが存在しないので装備品で対応しよう。
特に、代名詞と言えるメイルシュトロームの全体攻撃+即死効果が厄介で、鍛えたつもりのパーティーでも簡単に全滅させられてしまうことも。
海の底ということから地相による絶大な回復効果も相まって&b(){四魔貴族最強}と謳われるのは間違いではない。

メイルシュトロームはダメージ自体はHPを上げることで抵抗しつつ、即死効果については道中で魚系モンスターを倒す内に人数分は余裕で入手可能な魚鱗や、ピドナでそれを素材に開発可能な魚鱗の鎧なんかを着込んで防御しよう。
魚鱗はスコールなんかの地味に痛い攻撃も無効化してくれる。

そして、終盤で会いに行けるフォルネウスの本体は上記のおぞましい海魔の姿からは想像も出来ない&b(){三ツ又の矛を構えた半裸の美少年風}という衝撃のビジュアルで語り種となっている。……幻影はどんな理想の姿やねんと言いたくなるが、アビス出身の魔物としてはコンプレックスがあったのかも……本体で言えば他の四魔貴族も案外と普通なのだが。
因みに、本体の方の元ネタは格好や海繋がりから『[[海のトリトン>海のトリトン(漫画)]]』なんじゃないかとも考察されてたり。

本体の方は単純にHPが増大しているので、運が悪いと上記の高威力の攻撃を幻影時とは比べ物にならない位に毎ターンどころか二回行動分で浴び続ける可能性があるので、HPを999にしてても安心出来ない。
確りと対応装備は持ち込んでおこう。

どの道、幻影だろうが本体だろうがエレンに頭をカチ割られる運命だが。
斧で?…それもいいけど、ナイアガラバスターならクリティカルだ。

固有の配下は「フォルネウス兵」……やっぱり元ネタは深き者共だろうか?
前述の殺人事件の調査の中で戦える他、本拠地である海底宮の一部エリアで行ったり来たりしてる彼等と接触すると戦闘になるがあんまり強くない。
他にも最果ての島に送り込んだ「水龍」もフォルネウスを倒す前に片付けておかないと最果ての島が本当に海の底に消えてしまい、ボストン達も仲間に出来なくなる。


*【魔龍公ビューネイ】

&b(){&color(white,blue){「あわれなムシけらども」}}(幻影)

&b(){&color(white,blue){「私はムシけらに倒される定めなのか・・・・」}}(本体)

CV:[[青木瑠璃子]]
ロアーヌ近くのタフターン山のゲートを守る四魔貴族の&ruby(・・・){何故か}紅一点。
蒼龍属性を司り、幻影を倒すことで最強術の「龍神降臨」が解禁される。
元ネタはソロモン72柱の内、序列26位の魔界の大公爵ブネ。
その為、海外版では元ネタ通りに“Buné”と表記、発音されているらしい。

接触してきた「魔王」から、魔界であるアビスとはかけ離れた光の満ちた領域である天空を支配するのに力を貸して欲しいと言われ、神をも恐れぬ高い理想に感服して協力を決めた。
人間をムシけらと見下す一方で、自らの運命を悟っているような台詞があるのは切ないぞ姐さん。

タフターン山の山頂近くに作ったビューネイの巣を拠点に天空を支配し、聖王一行に不在時に巣を攻められてゲートを閉じられてしまったにも関わらず、それでも地上を這う者達を相手にしようともしなかった為、
天を駆ける力を持つ巨龍ドーラの力を借りた聖王に空中戦を挑まれて破れ、アビスに追い返されたと伝えられる。

15年前の「死食」の影響でゲートが活性化して後は幻影を送り込んで再び我が物顔で天空を飛び回らせると共に、己の領域内で栄えていたロアーヌを配下に襲撃させている。
この為、ミカエルだとビューネイとの関連イベントが色濃くなっている。
ゲーム中では、他の四魔貴族の幻影を一体倒した所で各地のパブででロアーヌが襲撃されたとの情報が聞けるようになり討伐イベントが開始される。
尚、この討伐イベントが発生しているタイミングでのみロアーヌに関連していない主人公達もロアーヌ城内に入れるようになるので、このタイミングで城内のミカエル、モニカ、ユリアンを仲間にすることも可能。
二階の自室にいるミカエルが巣への突入メンバーを募っているので、協力を申し出ることでタフターン山頂の霧を突破して巣に突入出来るようになる。

この他のイベント進行方法としては、バンガードが動き出す前に外にいるおっさんから小さい村の所在地を聞いておき、小さい村でルーブ山地とドーラの子である悪龍グウェインの存在を知る展開もある。

ルーブ山地は小さい村のパブのマスターとの世間話から、グウェインとの共闘はパブにいる吟遊詩人から古い詩(前述の聖王と巨龍ドーラの詩)を聞くことでフラグを立てることが可能で、これを選ぶと&font(l){エアタクシー}グウェインと会話した時点で前述の巣の攻略やらの色々なフラグをすっ飛ばしていきなりビューネイと戦うことが可能。
グゥエインとの共闘イベントは演出の良さから人気が高く、共闘を選択するプレイヤーも多い。
これを選ぶと後にグウェインが小さい村を滅ぼしてしまうので主人公が戦いを挑むことの理由が出来てしまうことになるが、ドーラと聖王の物語にも絡めた物悲しくも感動的な展開となり、エンディングでもグウェインを悼む場面が追加される。

共闘した場合には主人公とグウェインのみでビューネイと戦うことになる。
殆どの攻撃はグウェインが引き受けてくれるものの、HPは表示されていないだけでちゃんと設定はされてはいるため、主人公の火力が足りないと倒す前にグゥエインが力尽きてしまうことがある。
覚えている最強の技や術で全力で攻撃しよう。
尚、ビューネイの幻影は四魔貴族中でも最も技の閃きポイントが高くなる((上記の形態変化をする毎に上昇し、第四段階目には31にまで上昇するのだが、平均では27のアラケスに劣る。))ので、土壇場で強力な技を覚えてくれることも。
因みに、共闘した場合には前述のように幻影戦お約束のデスルーラが発動しないので事前セーブは忘れないこと。

更にフォローしておくと、上記の二つの条件の内の片方を完遂してしまうと当然ながら片方のルート(ミカエルへの協力orグウェインとの共闘)が潰れることになる。
特に、小さい村での吟遊詩人の古い詩は聞いてしまった時点でロアーヌでのイベントが立ち消えになってしまうので、ミカエル等を仲間にしたいのならば後回しにするか聞かないこと。
特に主人公がユリアンだとモニカ(とエレン)の加入が、カタリナだとミカエルの加入がエンディングの 分岐条件となっているので見たい人は慎重に。
また、ユリアンでプレイしていた場合には序盤でプリンセスガードの加入を&b(){断って}おいてから、ここでロアーヌに戻ると、通常は不可能なミカエルとモニカを二人共に仲間に加えることが可能である。(ビューネイを倒してしまった後に片方を外すと外した方は平常通りに仲間に出来なくなるので注意。)

攻略を早めるのならグウェインとの共闘一択なのだが、ビューネイの巣はミカエルに協力していないと入れないので、やり込むのなら最初は巣に突入してゲート前で引き返し、戻ってからグウェインと共闘してビューネイを倒すのが推奨されている。
後、期間限定と言われると焦ってしまう気もするが、実際には時間制限や失敗条件みたいなものはないので&b(){ビューネイさえ倒さなければ期間中はロアーヌに出入りし放題}である。

さて、ビューネイ自身に目を向けると、
姿は幻影は三匹の龍を体に絡ませた&b(){&color(gold,purple){金髪妖艶美女}}。
本体は三匹の龍を侍らせた&b(){&color(gold,red){金髪和服妖艶美女}}。
……こう書くと大きく変わっていなさそうだが、幻影の方は絡み付かせた龍が生物的なので触手まみれにしか見えないおぞましさで、本体の方は龍はエネルギー体風で何か格好いいポーズをしている…とデザイン的には全く別物で中々にカオスである。

幻影の龍の頭は、ビューネイベビー、ビューイバード、
ビューネイドッグという3体の使い魔が正体。
三匹の龍はダメージを与える事で戦闘中に使い魔の姿に戻り、妖艶な美女に気持ちの悪い顔がまとわりついているという、更におぞましい姿になっていく。
ビューネイの巣ではゲートの直前で三体揃って中ボスモンスターとして登場。
四魔貴族の固有の配下の中では最も扱いがいいのかもしれない。
ゲーム中ではビューネイ三魔だが、ファンブック『錬磨の書』ではビューネイ親衛隊と「ビューネイ様激萌えー」とか言ってそうな名前になっている。
リアルな造形の物が多いロマサガ3の敵の中ではきょ・う・じゅ♥️のペットと同じくファンシーな見た目をしており、倒すと蒼龍の鎧が手に入る。

因みに、使い魔も含めた要素も元ネタに倣っており、ブネは犬、人間、グリフォン(鷲)の三つの頭部を持つドラゴン(龍)の姿をした悪魔だと言われているので、魔龍公の異名もここからだと思われる。

&ruby(・・){幻影}を倒すと、必ず貴重な開発素材である竜鱗をドロップする。
竜鱗はボドールイのレオニード城で巨龍ドーラのものと思われる鱗を宝箱から回収するのと、グウェインを倒すと手に入る彼自身の鱗とビューネイの幻影からの三つしか手に入らない。
後のLoVではドーラから「龍の姿を真似た悪魔」とか言われているので、幻影はアレでも原典通りに&ruby(ドラゴン){龍}のつもりだったのかもしれない。
竜鱗からは&font(l){LV七星剣を除けば}最強の剣である竜鱗の剣や、最高性能を誇る竜鱗の鎧と竜鱗の盾が開発可能。
ただし、数値上では劣っていても実際の耐性や防御相性で優るヒドラレザーや水鏡の盾が他に存在していたり、剣使いが多いパーティー編成だと竜鱗の剣を三本作るプレイヤーも。

使用技はアースライザー、トリニティブラスター、超高速ナブラなど。&b(){地相をスルーしている。}
トリニティブラスターはいわゆる三連撃なのだが、ビューネイの場合は打撃や火炎、冷気ばかりでなく凝視(魅了)やテラーボイスといったバッドステータス系攻撃も交ぜてくるのがイヤらしい。


*【その他】
また、『LORD of VERMILIONⅡ』に本体が参戦した。
デザインが少し変わりアラケスの小手と槍を持っている手がオリジナルの逆になっており、フォルネウスの見た目も青年のようになっている。
アラケスがただの戦士になってしまったりもする。
また、元ネタでもあるソロモン72柱に数えられていたりも。

ロマサガ2の七英雄と協力、対立等の夢の共演が出来るだろう。
ポイントを消費して設定出来るEXボイスでは、上記のセリフを言ってくれる。
七英雄同様、殆どの面子を杉田智和氏が担当している訳だが、杉田は&b(){ビューネイまでやろうしたら流石に止められた}らしい。



追記・修正は血と汗となみだを流し、定めに従いアビスの力を知ってムシけらに倒されてから。


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- RPGの中でも非常に熱くてカッコいいBGMかもしれない  -- 名無しさん  (2014-10-30 10:43:08)
- 魔王が消えた後は世界を支配するが、基本的に城に引きこもってばかりで、戯れに人間にちょっかいを出すだけだったby大全集。まあそうでもなきゃ人間は300年も持たないだろうしなあ。  -- 名無しさん  (2014-10-30 17:24:20)
- デザインもスゴく好きだ  -- 名無しさん  (2015-02-06 20:21:11)
- 大全集によると、七英雄同様分類は「亜神」。  -- 名無しさん  (2015-02-06 21:43:04)
- アウナスだけ爵位がないのは、元ネタであるソロモンの悪魔、アミー(別名アウナス)が地獄の大総統という肩書をもっているため。貴族ではないということ  -- 名無しさん  (2015-02-17 21:21:03)
- ↑5 RPGでカッコいい戦闘曲は?って話題になったら必ず四魔貴族って答える  -- 名無しさん  (2015-03-07 00:12:17)
- 杉田ばっかりだな。  -- 名無しさん  (2015-06-28 08:36:10)
- RPG にこれほどの熱いBGMはそうそうないだろう  -- 名無しさん  (2015-12-26 10:25:49)
- 1は決戦のイメージで2は熱戦のイメージ  -- 名無しさん  (2015-12-27 05:18:17)
- 大物魔物という解釈でいいのか。なんか真の姿を見てると歴代の宿命の子か何かだろうかとか邪推していた時期があった  -- 名無しさん  (2016-11-10 21:46:55)
- ちなみに杉田はビューネイもやろうとしてたらしい 怒られてストップされたとか  -- 名無しさん  (2018-10-06 16:14:00)
- アラケスの幻影は乗ってるやつがテラーボイスを使うから実は搦め手も得意としているので厄介。本体は物理特化になったせいで使ってこないから弱体化してる。持ってる槍が聖王の槍のオリジナルだから勝利の歌と同じ要領で使ってきてもよかったかもね  -- 名無しさん  (2022-01-14 13:52:01)
- コミュニケーションは可能ではあるんだな……  -- 名無しさん  (2022-01-24 15:49:57)
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