言峰綺礼

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&font(#6495ED){登録日}:2009/07/31 (金) 23:59:54
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&font(#6495ED){所要時間}:約 12 分で読めます

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#center(){&bold(){&font(#808080){―――喜べ少年。君の願いはようやく叶う}}}


『[[Fate/stay night]]』・『[[Fate/Zero]]』の登場人物。
声:[[中田譲治]]


●目次
#contents

*◆プロフィール
1965年12月28日生まれ
※初期設定では1967年生まれ。現行設定では1994年11月時点で28歳。
左から四次、五次
年齢:28歳→38歳
※初期設定では20代前半(四次)
身長:185cm→193cm
イメージカラー:黒
特技:鍛錬→特になし
好きなもの:鍛錬→悲運
苦手なもの:独り酒→信頼
天敵:[[衛宮切嗣]]

*◆概要
冬木教会の神父、第五次[[聖杯戦争>聖杯戦争(Fate)]]の監督役。
遠坂時臣の弟子にして[[凛>遠坂凛]]の兄弟子。
通称:麻婆(神父)
他人の心の傷を炙り出し、いたぶる事が好き。

*◆人物
生まれつき善よりも悪を好み、万人が美しいと感じる物よりも醜いものを「幸福」と感じる異常欠陥者。

曰く、[[士郎>衛宮士郎]]を後天的異常者とするならば、彼は先天的異常者。
若い時はその事実を受け入れられず、苦悩するも後に吹っ切る。
神父でありながら人の不幸に至福を感じる外道だが、信仰心については本物。
しかし心の何処かで普通の幸福を得たかったらしく、HFルートでは、「ようやく気付いたが、私はお前達を羨んでいる」と語っていた。

[[衛宮切嗣]]とは第四次聖杯戦争で因縁があり、彼のことを「アレはな、度し難いほどの聖人だった」と称している。


士郎とは似た者同士で、[[アーチャー>アーチャー(Fate)]]とは違った意味で士郎の歪みを暴く。
そして、知らず知らずの内に彼が憧れていた存在。
例えるなら、士郎を会わせ鏡に写した時に真正面にいるのがアーチャー、真後ろにいるのが綺礼。

[[衛宮士郎]]は言峰綺礼を出会った時から必要以上に嫌っていたが、HFルート終盤だと「どうも俺はこの男が好きだったらしい」と実は気に入っていたことに気付いている。
というのも士郎も綺礼も、各々の「他人の幸福こそ幸せ」「他人の不幸こそ幸せ」という形で、自分の命よりも自分の在り方に殉じており、「歪でも、自分の在り方に命をかける」という意味では、士郎の理想・信念を貫く姿と同じであった。
そのため士郎は綺礼を潜在的には気に入っていた。しかし「正義の味方」を目指す士郎にとって他人の不幸を求める綺礼を認めるべきではなく、だからこそ自分が彼を気に入ったことに気付くまいと必要以上に綺礼を敵視していた。
士郎が「万人の正義の味方」を目指すことを捨てるHFルートだと、士郎は「正義の味方」以外の目で綺礼を俯瞰できるようになったため、綺礼を気に入っていたことに気付けたといえる。




**◇好物
ファンの間でのあだ名の「マーボー」。

HFルートのとあるシーンで、近所の中華飯店に士郎が綺礼((元々は凛に呼び出されたが、待っていたのは綺礼だった))に呼び出された際、
士郎曰く&bold(){「ラー油と唐辛子を百年間ぐらい煮込んで合体事故のあげく、『オレ外道マーボー今後トモヨロシク』みたいな料理」}という、
超激辛[[麻婆豆腐]]を額に汗しながら尋常じゃないペースで黙々と食べていた姿が由来。

士郎は綺礼が何故そんな料理を食べているのか困惑していたが、一皿目を食べ終わる前からお代わりを頼んでいたり、
食べる自分を(信じられないものを見るような目で)見る士郎に、二度に渡って「食うか―――?」「―――食うのか?」と聞いてきた上、
士郎が遠慮すると、特に一度目に関してはそれを聞くなりさっくりと残りを完食しているところから察するに、
おそらくこの麻婆豆腐は彼の好物であり、士郎への問いは純粋に「食べたいなら分けよう」という善意から発せられたものと思われる。
非常に重苦しい展開が目白押しなHFルートにおいて、数少ないギャグ(調)のシーンであり、綺礼を象徴するシーンとして有名。

全年齢版『Fate/stay night [Réalta Nua]』だと、担当声優の中田譲治さんが(麻婆豆腐を食べながら話しているという状況に合わせて)ハフハフ言いながら、
&bold(){「食うか―――?」}と言ってくれる為、さらに破壊力絶大(ちなみに士郎は「食うか―――!」と即答でご相伴にあずかることを辞退している)。
HFルートの映像化作品である『Fate/stay night:Heaven's Feel』でも、尺不足でガリガリに削られたシナリオの中でちゃんとシーンが取られている。
やたら気合の入った作画の麻婆はじつに美味そう…なのだが、その生々しい赤みは本編の展開が展開だけにR-18Gな何ものかを連想させなくもない。

『[[Fate/unlimited codes]]』ではミニゲームとして激辛麻婆豆腐早食いがあり(([[カプコン]]の2D対戦格闘や[[ベルトスクロールアクション]]には伝統的にボタン連打力チャレンジのボーナスステージがあり、それへのオマージュ。「大食い・早食い」が題材のボーナスステージも、名作ベルスク「天地を喰らう2」に存在した。))、
『Fate/Zero』の原画などを展示した展覧会では、「言峰の激辛麻婆の素」なるレトルト商品が実際に売られる等、
公式でも『綺礼の好物=(激辛)麻婆豆腐」と扱われている。


*◆戦闘能力
「代行者」だったこともあって人間の中では高く、作中では(自身の特異な体質も影響しているが)[[真アサシン>真アサシン(Fate)]]に一矢報いるシーンも。
[[八極拳]]の達人でもあり、後見人を務めていた凛にも手解きしていた。

時臣から魔術を一通り教わっているが、どれも平凡の域を脱しない。治癒魔術だけは、「傷を開く」ことに特化した魔術適性から、時臣を凌ぐ腕前である。
霊媒治療はキリスト教から見ると異端だが、魔術を覚えようという時点で神父失格と割り切っている。目の前で死病つきに死なれたことを機に手を出したとか。

第四次聖杯戦争の頃は全盛期で、預託[[令呪]]や魔術無しの純粋な肉弾戦及び総合でも[[バゼット>バゼット・フラガ・マクレミッツ]]を上回るとされる。
SNの頃なら勝負にもならない程に差があるという[[シエル>シエル(TYPE-MOON)]]についても、
「(異常な数の預託令呪と切嗣への妄執があった)あの頃の言峰ならシエルにも勝てる」
と[[奈須きのこ]]に言われている。


*◆来歴
父、[[璃正>言峰璃正]]の元で十代から代行者見習いになり、22歳の時に神学校へ。
が、妻と結婚を期に自己退学。
正式な司祭職を断念するが、28歳の時に父を失い非公式だが司祭職を手に入れる。


ネタバレ





**◇『[[Fate/stay night]]』(第五次聖杯戦争)
第五次聖杯戦争における[[ランサー>ランサー(Fate)]]のマスター。

彼自身が召喚した訳ではなく、本来のマスターであるバゼットを騙し討ち、令呪を奪って自身のサーヴァントとした。
前回の聖杯戦争で現界した[[アーチャー>ギルガメッシュ(Fate)]]のマスターでもある。


第五次聖杯戦争では監督役の立場だが裏でランサーを使い、暗躍する。

第四次聖杯戦争で敵対した[[衛宮切嗣]]の養子、[[衛宮士郎]]に興味を持つ。



***Fateルート
終盤にて、[[セイバー>セイバー(Fate)]]を付け狙う[[アーチャー>ギルガメッシュ(Fate)]]、及び[[ランサー>ランサー(Fate)]]のマスターであったことが発覚。
同時に、第四次聖杯戦争によって引き起こされ、士郎も家族を喪った「冬木の大火災」を生き延びた孤児たちを引き取り、
アーチャーへの魔力供給源として装置に繋ぐという外道行為((長い間魔力を吸い上げ続けられた影響で、彼らは最早自力で動くことすら出来なくなっていた))を行っていたことを士郎に明かし、彼の「傷」を切開する。

そして、聖杯でしか救えない同胞の姿を見せつけることで、招いたセイバーの目前で士郎に「聖杯を使う」と言わせようとしたが、士郎は涙ながらにそれを拒絶。
ならばとセイバーに士郎を殺すことを代償に聖杯を譲るという取引を持ち掛けるが、主とその選択を是としたセイバーに拒否((セイバーの好感度が低いとここで士郎がセイバーに斬られてDEAD END))され、
「お前たちはつまらない」と漏らした後、自らが聖杯を使うと宣言。

自らを止めに来た士郎の前に[[ラスボス]]として立ち塞がるも、投影した[[全て遠き理想郷]]で聖杯の泥を振り払うという奇策に対応できず、[[アゾット剣]]を刺されて倒された。


***UBWルート
中盤で[[キャスター>キャスター(Fate)]]の襲撃を受けて教会を奪われるが辛くも逃げ延び、終盤で[[間桐慎二]]に捕われた[[遠坂凛]]の前に姿を見せ、ランサーに凛の殺害を命令。
彼に「俺にやらせたかったら令呪でも使うんだな」と命令を拒否された綺礼は、既にギルガメッシュという切り札がいたことや、
令呪があと1画しか残っていないことから、ランサーを用済みとみなして&ruby(自害しろ、ランサー){令呪で自害}させるも、即死しなかった彼の槍で胸を貫かれて相討ちに持ち込まれた。

このルートでは他のルートに比べ目立った活躍が少な目で割とあっけなく退場した印象がある。


***HFルート
自分や聖杯では出せなかった、綺礼の求める「生まれつき悪だったものが有りの侭生きる事に罪があるのかどうか」の解答を、
生まれる前から悪性である「この世全ての悪(アンリマユ)」が生まれ、有りの侭に生きた後に自分をどう定義するのか(“悪”と嘆くのか、“良し”と笑うのか)を以て得ようとする。
アンリマユが生まれるまでその依代である[[間桐桜]]に死なれては困る為、桜を助けようとする士郎達に協力的であり、終盤では共闘する。

最終盤では、移植したアーチャーの腕を使うことで、心身ともに摩耗しながらも桜を助けることに成功し、
現界しつつある「この世全ての悪」を破壊しようとする士郎の前に、自身も余命いくばくもない状態で立ちはだかり、
命と自身の信念・願いを掛けて、拳を叩きつけ合う決闘を行う。
間違いなくHFルート最高の燃えシーン、かつ『Fate』を締めくくるに相応しい最終決戦と言えよう。

ちなみに、「善よりも悪を好み、万人が美しいと感じる物よりも醜いものを『幸福』と感じる」彼だが、
明らかに「醜悪」な性根を持ち私欲のために悪をなす[[間桐臓硯]]については&s(){条件に当てはまりそうなものだが}心底嫌っている。
臓硯に「どこかで平凡な幸福というものに輝きを感じ未だに欲していた」面を見抜かれていたことも理由な模様。
HFルート終盤では臓硯・真アサシンコンビと戦った末、臓硯の肉体を聖言によって浄化・消滅させている。

また、士郎が「正義の味方」であり続けるため、桜を自らの手で殺すことを選択する「鉄心エンド」では、
「今のお前は(多数を救うために少数を切り捨てるためにためらいがなく効率を考えて一切の手段を選ばない)[[衛宮切嗣]]だ。それが勝てないはずがない」と、
士郎が凛も[[イリヤ>イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]も躊躇なく殺し聖杯戦争に勝利することを予見している。


**◇過去
人間として欠陥を抱えた男だが、第四次聖杯戦争の途中まで自らの異常性に苦悩していた。
一般的な常識と倫理観を持ち合わせていたからであり、自らがどれほどの異端者なのかを理解していた為である。

コレを直す為、鍛錬や転属など様々な行いをするも悉く無意味に終わり、矯正の一環として余命幾ばくもない女性クラウディアと結婚。
そういう女だから選んだのか、そういう女しか選べなかったのかは綺礼自身にも分からない。
妻はその歪みを理解した上で彼を愛し、言峰も彼女の愛に答えようと努力をし、子供にも恵まれる。
だが綺礼にとって女の苦しみ、我が子の絶望だけが幸福だった。
愛そうとすればするほど愛する者の苦しみだけが救いであり、そんな自分を女が癒そうとすればするほどその女の嘆きが見たいと思うだけ。家庭を持っても歪みを直す事が出来なかった。
綺礼は自分の事をこれほど理解し、癒やそうとした女性は生涯現れないだろうと考えており、
同時にこの女性でも最後まで自らの歪みを直せなかった事に深く絶望した。
彼は自分は間違って生まれた、間違いは正さなければならないと結論、自らの死を決意した。

自分の試行錯誤に付き合わせたからと、彼はクラウディアに別れを告げに行く。

「&bold(){&font(#808080){私にはおまえを愛せなかった}}」
「&bold(){&font(#994c00){―――いいえ。貴方はわたしを愛しています}}」

妻はそう言い、微笑んで自決した。血に染まった姿で夫を見上げて笑う。

「&bold(){&font(#994c00){ほら。貴方、泣いているもの}}」

キリスト教で自殺は認められていない。教義に反してでも、綺礼は自分という過ちを正そうとし、クラウディアは夫の愛を証明しようとしたのである。
しかし実際には綺礼は泣いておらず、「なんということだ。どうせ死ぬのなら、私の手で殺したかった」と思っていた。
クラウディアの死で綺礼に愛があるとは証明できなかったが、綺礼は自殺しなかった。「無意味」な死ではあっても「無価値」ではなかったと思いたい為に。
この瞬間、彼は主の教えと決別したという。
「私の手で殺したかった」という思いが、
妻の死を愉しみ損ねたからなのか、愛するものは自分で殺したかったからなのか、
どちらなのかはわざと答えを出さないでいる。

本編の時点ではクラウディアの声も顔も思い出せなくなっているが、この回想の直前、士郎に
「―――衛宮。助けた者が女ならば殺すな。
 目の前で死なれるのは、中々に応えるぞ」
と自嘲めいた素振りで声をかけており、彼なりに妻を愛していたとも思える。

[[妻が遺した子供>カレン・オルテンシア]]は手放している。自殺する前に妻に報告しに行った程の律儀さとは打って変わった態度である。
凛に毎年贈り、セイバーの私服にもなったあのブラウス姿について、奈須は実子なら似合っていたかもしれないと語っている。


**◇『[[Fate/Zero]]』(第四次聖杯戦争)
[[虚淵玄]]の手で描かれる、第四次聖杯戦争での言峰綺礼の過去。

第四次聖杯戦争では[[アサシン>アサシン(Zero)]]のマスターとして参戦。
自らが何をしても満たされない空虚な人間である事に悩んでいる。

[[衛宮切嗣]]の経歴から彼も自らと同じ異常者と見なし、自身の空虚さを埋める為に必要な何かを知る為に彼と接触を行い続ける。
余談だがこの必死さから&bold(){ストーカー}としてよくネタにされる(ゲーム『タイガーころしあむアッパー』などでは、[[アイリ>アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]から「びぃえる時空」扱いされたことも)。

[[ケイネス・エルメロイ・アーチボルト]]に[[言峰璃正]]が射殺されると、
伏せ字が混ざった地の文で、尊敬する父も自ら殺したかったと独白し、妻のことを思い起こしている。
「[[自らの手で殺す(壊す)>ラインハルト・ハイドリヒ(Dies irae)]]」ことが彼なりの愛情表現なのかもしれない。

師匠の[[遠坂時臣]]と組んでいたが、途中で彼のサーヴァント・ギルガメッシュに唆され、時臣と決別を決意。
騙し討ち同然に殺害し、そのサーヴァントたるギルガメッシュを従える。

その後、アイリとの問答で切嗣が自分とは真逆の人物と悟り、彼の願いを叩き潰すと決意する。
綺礼は真っ当に人を愛したいのに、相手が苦しむ程喜びを覚える。何をどうやっても、人の語る幸せが分からない。
切嗣は真っ当に人を愛せるのに、赤の他人の為に相手を切り捨てる。何度もそれを繰り返して、自分から不幸になる。
もし自分に切嗣の様な感性があるならば、彼が切り捨てた一欠片でも、生涯をかけて守り抜くのに……主人公かと思うほどの義憤である。
アニメ版ではこの辺の独白が丸ごとカットされる憂き目に遭った。

切嗣との戦闘では、「相手が2倍速で動くならそれに合わせて動けばいい」という理論で彼の固有時制御に対応し、
2倍速を維持しながらナイフファイトを仕掛けた彼の攻撃を、片腕が使えない((コンテンダーを右手側面に受け、アニメでは描写がカットされているが原作では預託令呪2画を回して筋肉をブーストし、手首から先が持っていかれてもおかしく無かったところを無理矢理肘まで貫通する程度には抑えたが、ほぼ使い物にならない重傷だった。更にこのシーンでは左目には自身の流血が入って視界にも悪影響が出ている))状態にも関わらず聴勁で完封して反撃を仕掛けるなど、
最早双方ともに人外としか言いようのない超常戦闘を繰り広げた。
父から譲られた預託令呪を使い捨ての魔力供給源としたことで、切嗣の切り札である「起源弾」を知らないうちに完封していたことも踏まえると、
第四次聖杯戦争において、綺礼は色々な意味で切嗣の天敵といって差し支えない人物だったといえよう。

切嗣との激闘の末に敗北し、心臓を撃ち抜かれたが、
聖杯から溢れた「[[この世全ての悪>この世全ての悪(Fate)]](アンリマユ)」を飲み干したギルガメッシュと契約していた為に聖杯の泥がマスターである綺礼に逆流、
心臓の代替をする事で蘇生し、第四次聖杯戦争を生き残る。

『Fate/stay night』ではギルガメッシュから「我の召喚者」と呼ばれていた一方、本人は「わたしは真っ先にサーヴァントを失い、そのまま(監督役の)父に保護された」と語っていた。
『Fate/Zero』では実際にギルガメッシュを召喚したのは時臣であり、綺礼はその場に居合わせただけということになっている。

**◇『[[Fate/hollow ataraxia]]』
第五次聖杯戦争後の様々な可能性が実現される世界。
エピソード『結婚式は何形式?』では、士郎に「聖職者としては完璧だったので、彼の教会で行われる結婚式は完璧なものだったろう」と評されている。

しかし綺礼は聖杯の泥が心臓の代わりに機能していたことで生き延びていた関係上、第五次聖杯戦争がどんな結末を迎えても聖杯の泥が機能しなくなって死亡することが確定しているため、
「どんな経過を辿っても第五次聖杯戦争後に綺礼が生きている可能性は存在しない」という理由から、本編には一切登場しない。

冬木教会は綺礼からディーロ司教を経て、本編では[[綺礼を彷彿とさせる性格最悪のシスター>カレン・オルテンシア]]の手に渡っている。


*◆その他登場作品

**◇『[[Fate/EXTRA]]』
彼の人格を模したAIが聖杯戦争の進行役として登場。
本人同様に他人を弄んで愉しんでいる節があるが、最後の最後で「このAIの元になった人物も根は聖職者だったようだ」と話した。
人並みの倫理観を皮に倒錯した趣向を持ちながら、その更に根に至る部分では聖職者だったという事だろうか。


**◇『[[Fate/EXTRA CCC]]』
[[BB>BB(Fate/EXTRA CCC)]]の魔の手によって購買の店員と化した。
当人はBBと「みかじめ交渉」を行い、「むしろ以前より出番は増えた」とどこか喜んでおり、自身曰く「最強の店員」を目指している。
店員としての心配りは、ロールケーキや礼装等を買っても「温めますか?」と声をかけてくれることからも窺える。きっと嫌がらせではない。
EXTRACCCのマテ本では主人公(男)の苦手なものが「温められた商品」となっているが、嫌がらせでは……ないんじゃないかな。
なお、制作スタッフから「言峰を購買部の店員にしていいですか?」と言われた時、きのこは「貴方疲れているのよ……」と心配したらしい。

今作では隠しボスの一体として[[ランサー(Fate)]]と登場。
どうやら月の聖杯戦争とは無関係にどこぞの異次元から出てきたようだが、本編と違って仲はそこまで悪くない。
黒鍵投擲や八極拳をコードキャストと称して使用したり、ランサーに褒美と称して麻婆豆腐を英雄王が怯える程食わせる為に令呪を用いたり、
気の向くままに好き放題やっていた。
「毎度毎度お前の槍はなぜ当たらないのかね」


**◇『[[プリズマ☆イリヤ>Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ]]』
平行世界にて、ラーメン屋の店主として登場。
[[美遊>美遊・エーデルフェルト]]が元々いた世界の人間であり、行き倒れた田中と[[イリヤ>イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(プリズマ☆イリヤ)]]に麻婆ラーメンをご馳走する。
が、この麻婆ラーメン、&bold(){わずかな麺の上に大量の真っ赤な麻婆豆腐が乗っかっている}というもはやラーメンとは呼べない代物。
そして地獄のように辛く、カロリーは一日分に匹敵する。さらに彼女らが完食後にはきっちりと料金を請求した。どこの世界でも外道麻婆は健在だった……

この世界でも聖堂教会に所属しているが、教会自体が半ば形骸化しているために裏事情を知っていても関わろうとはしてこない。
切嗣が「魔術師殺し」であることを知っており、どうやら切嗣とは過去に何かしらの因縁がある模様。
エインズワース家やこちらの世界の聖杯戦争に関連する情報を持ち、[[衛宮士郎>衛宮士郎(プリズマ☆イリヤ)]]にそれらの情報を与えたほか、切嗣が完全な聖杯である朔月美遊を手にしていた事も知っていた。 


**◇ドラマCD『[[アーネンエルベの一日>ALL AROUND TYPE-MOON アーネンエルベの一日]]』
Zero時代の綺礼が切嗣ストーキングで忙しいのにペンフレンドの[[ネコアルク・カオス]]に呼び出された。
桜の影に動きを封じ込められ、凛のガンド20発ほどを撃たれるも平気だった(Zeroの言峰なので強すぎる)。

「ラスボスはあの位じゃ、死ぃなぁなぁいぃよ~」

「ヤング綺礼の肉体は無敵☆」

打つ手はないかに思われたが、[[カレン・オルテンシア]]が差し入れた毒入りドクダミ茶で死亡した。
しかしこのジョージ……じゃない、この綺礼、ノリノリである。


**◇『[[Fate/Grand Order]]』
専ら概念礼装にのみ登場。
『Fate/Zero』とのコラボイベント『Fate/Accel Zero Order』にも登場しなかった。
しかし……

第二部序章で、新所長ゴルドルフ・ムジークに従い、社長の新規絵を引っさげてまさかの登場。
肩書は相変わらず聖堂教会の監督役。
#openclose(show=以下、二部序章のネタバレを含みます。){
ゴルドルフに従っていたのは建前で、当然のように裏切る。
コヤンスカヤとはどうやら仲間同士の様子。

12月31日、本性を表したカルデア襲撃部隊の一人。
しばらくは出てこなかったが、ゴルドルフを連れてカルデアを脱出しようとするぐだーずを追いかけ、殿を努めた[[ダ・ヴィンチちゃん]]を不意打ちで殺害。
その後、[[皇女アナスタシア>アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ(Fate)]]を迎え入れ、カルデアスを凍結させた。

ロストベルトNo.1では真名を「マカリー神父」と名乗る擬似サーヴァントとして登場。不意打ちとはいえ、ダ・ヴィンチちゃんの霊核を一撃で貫いて破壊した事から「少なくとも人間ではない」と察するユーザーも多かった。
クリプターのサーヴァントではなく、異星の神の使徒である3人のアルターエゴの1人。

マカリー神父は[[イヴァン雷帝>イヴァン雷帝(Fate)]]の恩師であり、その立場から雷帝を抑え込む一翼を担う。
しかし、終盤で[[カドック>カドック・ゼムルプス]]の口からマカリー神父という真名は偽りであり、本当は「ラスプーチン」が真名だったことが判明する。
カドックの話では、雷帝を目前にして平然とマカリー神父を名乗ったらしい。

FGO世界の綺礼は2004年に日本で死亡しているとカルデアの記録にはあり、聖堂教会の報告書において「言峰綺礼の遺体は跡形もなく焼失し、遺体を回収できなかった」とされている。
どういう経緯で擬似サーヴァントとなったのかは不明。
2004年と言えば、冬木で聖杯戦争が行われた年代だが、関連があるのかは不明。

イヴァン雷帝の打倒後、アナスタシアが&ruby(ツァーリ){皇帝}となったことでラスプーチンは役目を終えて消えてしまったらしく、図らずも言峰は復活することとなった。
いや、もしかしたら図ってたかもしれない。

自由になった綺礼は再び「生れ落ちる新たな生命の祝福」のため、暗躍を続けるつもりだそうな。

}





*◆余談
-[[カレン・オルテンシア]]の父親
『[[フェイト/タイガーころしあむ アッパー]]』にて、カレンを似ているのは面影だけと評した。娘を見た途端、妻の顔を思い出したんですか。
『タイころ』では基本的にネタ担当だが、無印のEDはシリアス。

-妻の死
自害した時の妻の「泣いているもの」という言葉にSNの綺礼は「涙など流していない。女にはそう見えるだけだ」と否定しているが、
Zeroの時は涙を流していたり(また父親の時も涙を流している)妻は自分の事を理解してなかったとSNの描写と矛盾が出来ている。

コレは「Zero当時の言峰は自分の本質に気付かないようにしていて過去の記憶や事実関係を歪めて語っている、妻に関する記憶などその最たるもの」、
『stay night』の綺礼には「悟りと余裕」があるのに対して、『Zero』ではその要素が無い「迷いと葛藤」があるキャラ付けであるため、SNの達観している彼の語っている事の方が正しいと『Fate/Zero material』にて解説されている。
(この件に関しては、目を背けたくても背けられず、自分の本質と向き合わざるを得なかったから綺礼のような人間になったのではないか、という点でSNとの明らかな矛盾ないし改悪だ。という指摘がされる場合もある)





#right(){わたしは太陽の下に起こることをすべて見極めたが、見よ、どれもみな空しく、風を追うようなことであった。}
#right(){ゆがみは直らず 欠けていれば、数えられない。}
#right(){わたしはこうつぶやいた。「快楽を追ってみよう、愉悦に浸ってみよう。」見よ、それすらも空しかった。}
#right(){笑いに対しては、狂気だと言い 快楽に対しては、何になろうと言った。}
#right(){わたしの心は何事も知恵に聞こうとする。しかしなお、この天の下に生きる短い一生の間、}
#right(){何をすれば人の子らは幸福になるのかを見極めるまで、酒で肉体を刺激し、愚行に身を任せてみようと心に定めた。}
#right(){旧約聖書 コヘレトの言葉第1章14~5節,第2章1~3節より}



**◇洗礼詠唱

「私が殺す。私が生かす。私が傷付け私が癒す。我が手を逃れうる者は一人もいない。我が眼の届かぬ者は一人もいない」
「打ち砕かれよ。
 敗れた者、老いた者を私が招く。私に委ね、私に学び、私に従え」
「休息を。唄を忘れず、祈りを忘れず、私を忘れず、私は軽く、あらゆる重みを忘れさせる」
「装うなかれ。
 許しには報復を、信頼には裏切りを、希望には絶望を、光あるものには闇を、生あるものには暗い死を」
「休息は私の手に。貴方の罪に油を注ぎ、印を記そう。
 永遠の命は死の中でこそ与えられる」
「──――許しは此処に。受肉した私が誓う」
「――――“&ruby(キリエ・エレイソン){この魂に憐れみを}“」



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}
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