イリヤの空、UFOの夏

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イリヤの空、UFOの夏」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2009/05/26(火) 22:23:22
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます

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#center{&bold(){「おっくれってるうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」}}

メディアワークスが刊行している電撃文庫作品の一つ。
おかしくて、切なくて、どこか懐かしい、ちょっぴり変な現代が舞台の、SFボーイミーツガールストーリー。
息が詰まるような文体と途轍もなく哀しい幕切れで有名なお話。
夏に、特にリアルに伊里野と同世代の子が読むと本気で取り返しがつかなくなる作品。

著・[[秋山瑞人]]
イラスト・駒都えーじ
全4巻

ドラマCD化に加え、2005年にはOVA化もされた。そちらは全6巻。
ニンテンドーDS対応のサウンドノベル「DS電撃文庫」第3弾、第4弾としても発売中。
ただし特別編の「死体を洗え」と「そんなことだから」は未収録です! 注意すべし。

一部オリジナル展開を含めた漫画版も全2巻で発売中。

なおOVAの主題歌は、
OP forever bule
ED ひまわり



◇あらすじ
主人公、浅羽直之は園原中学校の二年生。
非公式のゲリラ新聞部に所属する彼は、部長である水前寺邦博と共に、夏休みの間中、裏山にてUFOを探す日々を送っていた。
園原にはUFOの噂が絶えない有名な空軍基地があり、水前寺はその秘密を追究していたのだ。
しかし夏休み全てを費やしても、UFOについては結局何の成果も得られなかった。

そして夏休み最後の夜、誰かが「めちゃくちゃ気持ちいいぞ」と言っていたのを思い出した浅羽は学校のプールへと忍び込むが、
そこには伊里野加奈と名乗る、見慣れぬ不思議な少女がいた。律儀にスクール水着と水泳帽子を被っていた。
浅羽が声をかけると、プールに落下、浅羽は助け、水泳について教えるが途中で違和感に気付く、
手首には金属のようなものが、埋め込まれていて、伊里野に「なめてみる? 電気の味がするよ」と言われるが、
すぐに伊里野の兄貴と自称する謎の男、榎本が現れた。
そして翌日の始業式の日、浅羽のクラスに伊里野が転校生として編入してきた。
ささいな事件がきっかけでクラスから孤立してしまった伊里野と伊里野のことが気にかかる浅羽と伊里野の周囲に垣間見える幾つもの奇妙な謎。
浅羽直之のUFOの夏は、終わっていたはずの夏が、終焉の歯車は静かに動き出した。

少年と少女が織り成す、切なくておかしくてどこか懐かしく感じるSF青春ラブストーリー。

◇ものすごくざっくりした世界観解説
本作は第二次世界大戦終了直後に史実から分岐した世界が舞台で、「北」と呼ばれる国(ロシアもしくは北朝鮮と思われる)と
日米間の対立が冷戦が終わった後も更に過熱しているという設定で行われている。
既に自衛隊は軍に格上げされており、東京は「帝都」呼ばわりされ、電波法改正により携帯電話の使用は免許制になっている。

◇登場人物紹介
★浅羽直之
本作の主人公。理髪店の跡取り息子。園原中学校二年四組一番。
新聞部の部員で、周囲からは水前寺の腰巾着扱いされている。
むっつりスケベなヘタレ野郎だが度胸は一人前で、そもそも物語の発端も「夜に学校のプールで泳いだら気持ちよさそうだったから」という
アグレッシブな代物。
ラノベ史上稀に見るほど克明にオ●ニーをばっちり描写された主人公。

★伊里野可奈
本作のヒロイン。最重要人物。
冒頭で浅羽と出会った翌日に転校してきた美少女で、手首に金属球が埋め込まれている。
線が細く、どことなく浮世離れした寡黙な人物で、常に薬を飲み続けないと鼻や口からドカドカ血を吹く病弱な少女。
STGが好きなようで結構上手い。
数分で木製のドアをスクラップにするほどの怪力と、手慣れすぎなナイフ術を持つ当たりいろいろヤバい。
初めて出来た友達の直之に心を開いていく。

#region(以下、その真相)
イリヤの正体は、1巻の時点でうすうす書かれてはいたが、&bold(){宇宙人と闘うために育成されたミュータント兵士}である。
愛機は人類の科学技術の全てを結集して作り上げられた超音速戦闘機「ブラックマンタ」。
薬物漬けなのは宇宙人の戦闘機相手にも立ち回れるようにするためであり、終盤では髪は真っ白になってしまった。
そして彼女が深夜のプールなんぞに居たのも、「守るべきもの」を作り上げ、戦意を高揚させるためであった。
イリヤは浅羽より1歳上であり、同じクラスに編入させたのも「子犬」役に選ばれた浅羽に近づけるためという、なんともあっけないものだった。

宇宙人との決戦が迫る中、浅羽は榎本らに連れられ、空母ダイコンデロガへと誘われる。
そこで浅羽が目にしたのは、仲間達全員から戦意を限界まで高揚させるような寄せ書き(速い話が「特攻しても私達ズッ友だょ★」的な)を
びっしりと書き込まれたパイロットスーツを身に纏ったイリヤの姿だった。
軍からの逃走を経て、浅羽のことを本当に想うようになったイリヤは、初めて「死にたくない」と思うようになってしまったのだ。
自分の本当の気持ちに気付いた浅羽は、イリヤに対して思いを吐露し、勝てるわけもないのにダイコンデロガの隊員たちに戦いを挑む。
が、それすらも榎本にとっては計算の範疇だった。
イリヤは浅羽からの告白を受けて、「浅羽の為だけに生きる、生きて宇宙人を殲滅する」と覚悟を決める。
そして黒暗の翼は、大空へと消えて行った…。

#endregion

★榎本
伊里野の兄を自称する謎の青年。水前寺を警戒している。
椎名曰く「アジアで五本の指に入るくらいやばい男」。

★水前寺邦博
園原中学三年二組十二番。新聞部部長。身長175㎝、かなりの大食い。
学校始まって以来の天才児でスポーツ万能なイケメンなのだが、オカルトマニアの変人。将来の夢は[[CIA]]。
実家は土地持ちの地主だが、親と仲が悪いらしく離れで家庭内別居している。
冒頭の台詞は「6月24日は何の日か」を知らなかった須藤と浅羽に対する台詞。
園原米軍基地に隠された秘密を解き明かそうとしている。

★須藤晶穂
園原中学二年四組十四番。新聞部員。
浅羽に片思いしている女の子で、水前寺と仲が悪い。水前寺同様にブラックホール胃袋を有する。
伊里谷に対して警戒心をあらわにしていたが、とある出来事の後に親友になる。

★椎名真由美
%%おっぱい%%前年度の冬休み直前に赴任してきた養護教諭。言動が杜撰かつ色気のない風貌だが、真面目にしていると途轍もない美人。
伊里谷のことを気にかけており、榎本とは仲間のようだがあまりいい感情を持っていない。

◇短編

『それ以外のことについて言えば、』
大学四年生の町田 一輝(卒業後は実家に帰って家業を継ぐ予定だった)は、
浅羽理容店と通りを挟んだ真向かいにある木造二階建てのアパートに住んでいることが理由で、
浅羽の監視のため、スパイの守 和泉(かみ いずみ)に部屋を占拠された。
(和泉は陸上自衛軍の特務兵、榎本たちの組織の「下っ端」にあたる)浅羽や水前寺は、直接は登場していない。

スパイになりたかった大学生と、大学生になりたかったスパイの、ちょっとおかしな、ちょっと不思議な、ちょっと考えさせられるSFストーリー。


『グラウンド・ゼロ』
本編のプロローグみたいなもの(伊里野視点の浅羽とプールで出会うまでの約半日を描いている)



『それ以外のことについて言えば、』はドラマアルバム版に書き下ろし収録されていますが絶版です。『グラウンド・ゼロ』はイラスト集に収録。
DS版1、2にそれぞれ収録されています。安く読みたいならオススメです。

秋山瑞人の独特ながら緻密な文章とジュブナイルとしての完成度から今もなお高い人気を持つ。
終盤の展開がよく鬱展開として挙げられるが、作者はラストについてハッピーエンドだとしている。




「EGFマダー?」

「EGF……? とは何かね?」

「えっ……部長……知らないんですか?
――僕はやりますよ、追記・修正。
1人でも」

「……ふっ、好きにしたまえ」

「はいっ!」

そして、僕は追記・修正を終わらせる。

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- おっくれてるぅーーーーーーーーーーーーーーっ!!  -- 名無しさん  (2013-06-24 00:54:54)
- 最終巻で雰囲気変わってて戸惑ったな~  -- 名無しさん  (2013-06-24 02:26:49)
- 6月24日は全世界的にUFOの日だ!  -- 名無しさん  (2013-06-24 02:55:36)
- 今年ももうそんな時期か  -- 名無しさん  (2013-06-24 10:25:57)
- 主人公の浅羽も、無敵に見えた水前寺も大人の組織に勝てない。大人達も世界の流れには勝てない。ファンタジー大好き高校生だった自分にとっては衝撃と同時にやるせなかった覚えがあるなあ。  -- 名無しさん  (2014-02-21 13:50:41)
- 未読のみんな!間違っても夏に読むんじゃないぞ!絶対にやめておけよ!  -- 名無しさん  (2014-03-07 13:39:52)
- あぶねえ忘れてた!6月24日は全世界的にUFOの日!  -- 名無しさん  (2014-06-24 23:56:02)
- こんなギリギリにレスするなんておっくれってるぅーーーっ  -- 名無しさん  (2014-06-24 23:59:45)
- 保険医が嫌いだった。あんな計画やっといて手紙送ってくるあたりが、大人にすら成り切れてないみたいで。榎本だけは大人だった。  -- 名無しさん  (2014-06-30 18:25:52)
- どれだけ足掻いても世界の大きな流れや大人には未成年は勝てない、最近読んだばかりで色々衝撃的だったけど、現実ってこんなだよなあとも再認識させられる。今ではラノベの中でもトップクラスに好きな作品。  -- 名無しさん  (2015-02-03 21:48:12)
- 水前寺はハイスペックだけど榎本がその気になれば潰せる。イリヤとの交流や浅羽の最後の決断だって大人達の計画の内だった。だけど二人の初めての出会いだけは本当に偶然だったと考えるとかなり綺麗だと思う  -- 名無しさん  (2015-02-04 12:25:38)
- これを夏に読むとマジで立ち直れなくなるので別の季節に読むのをお勧めする  -- 名無しさん  (2015-02-06 18:18:07)
- 六月二十四日は、全世界的に、UFOの日だ  -- 名無しさん  (2015-06-24 22:45:23)
- くっそ忘れてたじゃないか  -- 名無しさん  (2015-06-25 00:55:32)
- おっくれってるーーーー!今年もUFOの夏が始まるぞ!  -- 名無しさん  (2016-06-24 00:29:40)
- 6月24日は全世界的にUFOの日!  -- 名無しさん  (2016-06-24 01:26:10)
- おっくれてるぅーーーーーーーーーーーーーーっ!!  -- 名無しさん  (2016-06-24 01:41:40)
- 「俺は、お前になら殴られてもいいと思ったんだよ!」がずっと忘れられない……キツい……大人組も相当キツかったと思うと、どうしようもない「流れ」には勝てないんだなという生々しい現実が……  -- 名無しさん  (2016-11-20 03:24:45)
- ↑9漫画版メダロットも似たような感じなのと、作者曰く「自分が世界の中心でも無いのに世界を救ったり変えたりするのは滑稽でしょ?」なんて語ってたな。ただ、「どんなに足掻いても大人(世界)には勝てない」な内容の作品をあんまりやり過ぎると「じゃあ諦めるしかないんだ………」と見て側の子供に諦めを植え付けさせて冷笑主義にしかねないのと、今のラノベで異世界チート系が流行ってるのはこの手の作品に対しての憂さ晴らしと反動だろうな。  -- 名無しさん  (2017-01-02 10:46:10)
- ↑ まぁあれですよ、作ってる側もおんなじ様なのばっかだと飽きるんですよ。成功失敗抜きにしてもたまに変化球が出てくるのはそんな事情もあると思う  -- 名無しさん  (2018-02-05 14:38:16)
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