M4中戦車

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M4中戦車 - (2014/12/16 (火) 13:05:55) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/10/07 (金) 14:15:51
更新日:2024/02/13 Tue 21:35:49
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M4中戦車(通称シャーマン)とは第二次大戦中においてアメリカ合衆国によって開発・製造された中戦車である

全長:7.47m
車体長:6.19m
全幅:2.62m
全高:2.67m
重量:32.3t
乗員:5人
武装:76.2mmM1
12.7mm M2機関銃×1
7.62mm M1919機関銃×2

他、ロケット砲搭載のシャーマン・カリオペやイギリスが改良したファイアフライ等様々なバリエーションが存在する


さほどミリタリー物に詳しくない諸兄も結構な人数の者が映画やゲーム等で見たことや聞いたことがあると思われる

第二次大戦中の戦車と言ったら何かと聞かれたら大半がドイツのティーガーかソ連のT-34、そしてコレを挙げるだろう

その圧倒的な知名度のせいでM26パーシング重戦車の影がだいぶ薄くなっているのはご愛敬(せめてもう少し登場時期が早ければよかったのだが)
また、イギリス、カナダ、オーストラリアを始めとするイギリス連邦加盟国やソビエト連邦に数千輌。
その他、自由フランス軍やポーランド亡命政府にも(棺桶等と共に)レンドリースされている


■開発経緯
アメリカは唯一持っていたM2中戦車もガラクタ同然で、まともな戦車はほとんど持っていなかった。
それは中立姿勢を取っていたせいでもあるが、ナチス・ドイツの快進撃や、
援蒋ルートを断とうと南進しようと目論んでいた日本との関係悪化等のなんやかんやから遂に新型戦車開発に乗り出す。

まずはM3リー中戦車が、1941年10月にはT6(M4中戦車)が正式採用され、翌年2月には量産が開始。
火力・防御力で自分より優れたドイツ軍重戦車をその生産性に物言わせた人海戦術で圧殺した。
具体的には数両が囮としてドイツ軍戦車をひきつけている間に

  • 残りが迂回して装甲の薄い側面・後方に回り込んで仕留める
  • 対戦車自走砲、戦闘爆撃機、重榴弾砲などの支援を要請する

といった感じである。

■戦中の活躍
米軍の戦術ドクトリンとしては偵察に軽戦車M3/M5スチュアート+対戦車に対戦車自走砲M10/M18/M36、
そして歩兵支援にM4と完全分業を想定していた(チハタンと一緒)

性能自体は標準的、と言うに相応しいものであったが、
それ故に独ソ戦で恐竜的進化を遂げたドイツ軍重戦車に張り合うにはどうしても数が必要だった。

ティーガーと比べればもはや論外。
装甲、攻撃力、射程等全て劣り、
特殊砲弾(でもシャーマンには余り割り当てられなかった)+機動力(当たったら墜ちる)+数の暴力でなんとかするしかなかった
そんな装甲の薄さに悩んだ前線兵士らは装甲に予備の履帯や土嚢、コンクリート片等を貼り付けて少しでも厚くしようとする者が続出した。
この「土嚢装甲」は、ある者は「デメリットしかない」と言い、またある者は「パンツァーファウスト等の貫通力を弱められる」と言ったらしいが、
効果の有無は謎

一方の太平洋戦域ではポンコツ相手にM4無双!損害ないよ!やったねシャーマン!
確かに日本軍から見れば重戦車そのもの。真っ向勝負で敵うはずもない。

というわけでもない

決して全くの無傷ではいられなかった。

相手は大日本帝国(カミカゼ)、待ち伏せによる速射砲(対戦車砲)での至近砲撃や白兵、さらにソ連兵も真似しないトンデモ兵器で対抗した。

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刺突爆雷

対戦車自爆蛸壺もあるよ!!

そんな我が身も顧みない戦法に戦車兵達は戦慄する。
そして太平洋戦域でも兵士達はまた土嚢や金網やらを貼り付けるのであった…


■戦後
設計は優秀だった為戦後もしばらくの間は現役に留まり、M24チャーフィー軽戦車等と共に日本の警察予備隊に配備された。
自衛隊にも専守防衛や怪獣退治に使用されるが、70年代末には61式戦車と交代する形で全車引退している


【バリエーション】
■シャーマン・ファイアフライ
主砲を英国製17ポンド対戦車砲に換装したもの。
ファイアフライは西洋ホタル(肉食で凶暴)を指す。

長口径と砲搭背部の出っ張り(通信機兼カウンターマス)が特徴。
条件さえ整えばティーガーやパンターも喰えるため、ドイツ戦車兵の最優先目標になった。
かの有名なエース、ヴィットマンにトドメをさしたのもこいつ。 




■余談
  • 愛称「シャーマン」はイギリス側の呼び名であり、米軍からの呼び名は、【M4中戦車】である。



  • 現在はほぼ引退しているが、パラグアイでは少数が主力戦車として現役稼働している



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