登録日: 2012/03/27(火) 02:09:28
更新日:2022/06/28 Tue 02:42:04
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小烏丸(こがらすまる)とは、実在する日本刀である。
【基本スペック】
名称:太刀 無銘 伝天国(でん あまくに)
全長:不明
刃長:62.7cm
反り:1.3cm
樋:棒樋(詳しくは
こちら)
造込み:鋒両刃造(後述)
名称にある通り、初めて日本刀を作ったと巷で噂の刀工「天国」の作品とされる。
平安中期の作品と推定され、この頃に直刀から反りのある湾刀への進化が起こったことから、日本刀の歴史を語る上では欠かせない一品である。
【鋒両刃造】
きっさきもろはづくり。ほうりょうじんづくり、とも。
読んで字のごとく、切っ先が両刃になっている造り。
この小烏丸に至っては切っ先どころか刀身の半ばくらいまで両刃になっている恐ろしい代物である。
このことから斬撃は勿論、刺突においては特に高い攻撃力を発揮する。
これで
牙突なんて放とうものなら、ティンべー(笑)が
ティンべー(過呼吸)
になることは想像に難くない。
ちなみに「鋒両刃造」は直刀にも適用される呼称で、反りのあるものに限定する場合は「
小烏丸造
」って呼ぶらしいですよ奥さん。
【名前の由来あれこれ】
説その1
時は平安時代。
関東で反乱を起こした「
平将門
」の討伐クエストを受注した「平貞盛」に、ギルd…もとい朝廷から一振りの太刀が支給された。
貞盛はこれを持ち、勇んで将門に挑む。
しかし将門はいかなる法か、8人に分裂し貞盛を翻弄する――!
怖かろう、悔しかろう…。例え刀を振るおうとも、心の弱さは断てぬのだ!
(…くそっ、どうなってる!? 何か打つ手、は――?)
違和感。そう言うにはあまりに小さな"それ"は、しかし確信となって貞盛に告げる。
すなわち"それ"こそ勝利の鍵と――!
''さらばだ貞盛! 我に挑んだ愚をあの世で悔いるがいい!!''
あの世行きはっ…貴様だ将門ォオオオオ!!!
なにっ!!!?
――貞盛が懐いた違和感。それは将門の兜にあった。
「本物の将門」の兜にあしらわれた小さなカラスの像。これが目印となり、将門は貞盛に討たれたのであった。
小さなカラスを斬ったので、この刀を「小烏丸」と名付け、以来平家の宝としたのだとか。
が、この後源平の決戦「壇ノ浦の戦い」の際に海に沈んでしまったとの伝承もある。
説その2
当時の日本のエンペラーであった桓武天皇。
その日もクソ真面目に朝の拝礼をしていたところ、バッサバッサとやたらと五月蝿い羽ばたきを耳にする。
上空からの羽ばたきに、桓武さんはまためんどうなことになったなぁ、とかそういや朝飯も食ってないなぁとか色々な思いを巡らせつつも振り返ることにしたのである。
見上げるとそこには
巨大なカラス
が一羽。
桓武さんに向かって曰く、
オウフwwwいわゆるストレートな質問キタコレですねwww
おっとwww拙者『キタコレ』などとつい都言葉がwww
''まあ拙者の場合カラスと言っても、いわゆる害鳥としてのカラスでなく、「伊勢神宮からの使い」というちょっと変わり者ですのでwwwヤタガラスの影響がですねwww
ドプフォwwwついマニアックな知識がで出てしまいましたwwwいや失敬失敬www
{
そうそう、今日はこれを渡しに来たのですwww受け取ってくだされwwwコポォ
そう言うと、カラスは翼の中から一振りの太刀を取り出した。
受け取った桓武天皇はこれを「小烏丸」と名付けたのだとさ。
劇終
…なにやら
デス様ばりの超展開だが、伝説とラブストーリーは突然訪れるものなので仕方ない。
【真贋の疑惑】
なんやかんやあったが現在まで残っているこの刀、実は
という点がいくつか見られる。
そもそも伝承が正しければ壇ノ浦でとっくに紛失しているはずだし、江戸時代に確認されていた銘が現在のものには影も形もないのだ。
また、出所が怪しいという見方もある。
大まかに、
平家(平安)→伊勢家(江戸)→天皇家(明治)
のルートで現在に至るのだが、この伊勢さんは「自称」平家筋なので、小烏丸を受け継ぐにはいささか正統性に欠く。
余談だが、現在この小烏丸(と思しき刀)は
宮内庁で保管されている。
正直
嫌な予感しかしないが、気のせいだと信じたい。
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