砂塵の大竜巻(遊戯王OCG)

登録日:2024/05/03 Fri 00:36:40
更新日:2025/04/26 Sat 20:05:16
所要時間:約 8 分で読めます




砂塵の大竜巻
通常罠
(1):相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
その相手のカードを破壊する。
その後、手札から魔法・罠カード1枚をセットできる。

「砂塵の大竜巻」とは遊戯王OCGの1枚。
初出は「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」。
魔法・罠カードの除去と手札から魔法・罠カードをセットする効果を持つ。


概要



遊戯王にて古くから存在する魔法・罠除去カードの1枚。


除去性能としては単純かつ汎用性のあるフリーチェーンの1:1交換の除去になるが、このカードが出た時点で、既に同じく1:1交換の除去が出来るサイクロンが存在していた。
そちらと比較すると……

  • 相手の魔法・罠カードしか選択できないため、自分のカードを破壊する、もしくは対象に取る事によるコンボなどに利用できない。
  • 罠カードゆえに他のカードの効果を介在させない限りはセットした次のターン以降にしか使えない。*1


と言った難点が見受けられる。


サイクロンが制限カードに指定されていた時期には互換性のある除去カードの種類があまり多くなかったこともあって汎用除去として採用されることもあったが、サイクロンの規制が緩和されるにつれて優先度が落ちて行き、現在では1:1交換でもより再利用が難しい「コズミック・サイクロン」や、サイクロンの上位種である「ツインツイスター」などが主流となっているため、単なる魔法・罠除去としては扱いにくいのが現状である。



そのため、このカードを運用するには、特有の効果である「カードの破壊後に手札の魔法・罠カードを1枚セットできる」処理を利用する必要がある。



シンプルな活用法としては相手の魔法・罠除去を躱して安全度が上がった状態でカードを場に伏せられる方法が挙がる。

このカードが罠カードである点を踏まえると、基本的には相手ターンでの運用が主になる為、セットしたそのターンは基本的に難しいが、次の自分のターンに発動する際の安全度を高められる。


これ以外にも相手が「ハーピィの羽根帚」などの躱しようがない全体除去を打ってきた場合にチェーンして発動し、「破壊されることで効果が発動する」魔法・罠カードを発動して破壊に巻き込むと言った芸当も可能。
「そんな面倒なことしなくても予め伏せた方がいいのでは?」と思う人もいるかもしれないが、「コズミック・サイクロン」の様な破壊を伴わない除去や「心鎮壷」の様な除去ではない無力化に対して強い特徴があり、かつこちらでは上手く行けば相手の魔法・罠カード1枚も道連れにできる点などで差別化ができる。
「破壊効果の方が本来の効果のはずでは?」とツッコんではいけない。


その他にもセット効果が挟まれることで、「破壊された、○○できる」効果、所謂「時の任意効果」の発動タイミングを外させることができる点を活用して、時の任意効果に当てはまる破壊時効果を持つ魔法・罠を破壊したり、「カードがセットされる」事が発動トリガーとなる効果を活用するなど、応用方法は多岐にわたる。


ここからはこのカードの効果でのセットの仕様について見ていく。


セットに関する仕様



①:「魔法・罠カードの破壊」→「魔法・罠カードを手札からセット」の順番に処理をする。

これに関してはテキストの通りで、破壊とセットの処理は同時ではなく別々のタイミングで行われる。

また、セットを行う場合は、「魔法・罠カードの破壊後に別処理として魔法・罠カードをセット」と言う一連の効果として行われるため、破壊対象のカードが効果処理前にフィールドからなくなるか、もしくは耐性付与などによって破壊自体が出来なかった場合はセットの処理にも移行することが出来ない。

また、魔法・罠ゾーンに空きがなく、手札にある魔法・罠カードをセットすることが出来ない場合はセット処理を行う事が出来ない。
ただし、貼り換えが出来るフィールド魔法に関しては例外であり、フィールドカードゾーンに既にカードがあってもそのカードを墓地に送って新たにフィールド魔法をセットすることが出来る。

このカードの破壊効果は対象を取るので、妨害手段があれば相手に対策されてしまう可能性は十分にあるため注意が必要。


②:魔法カードとしてセットできるモンスターカードもセット可能。

伏せられるカードは魔法・罠カードとしてあるが一部例外もあり、アーティファクトカードや「白銀のスナイパー」と言ったカードは魔法カード扱いで魔法・罠ゾーンにセットすることもできるため、これらのカードも「砂塵の大竜巻」でセットすることが出来る。

特に「アーティファクト」モンスターは「相手ターンに」破壊されることが効果発動のトリガーなので、自分ターンにセットし、そのターン中のエンドフェイズに除去(所謂「エンドサイク」)などによって、効果を使えずに墓地に送られるリスクを低減できる。

なおPモンスターに関しては魔法カード扱いでPゾーンにセットすることは出来ないので注意。


③:セットするカードは相手には見せない。

このカードの効果でセットする魔法・罠カードは相手には見せない裁定になっている。
そのため、セットする魔法・罠が何なのかが相手には伝わらない関係上、「伏せられたカードを見て手を次に取るアクションを決める」という対応を相手にさせずに処理が出来る。

ただしこれは伏せたカードを相手に見せる事で、相手にプレッシャーを与えたりすることが出来ないという解釈も出来るため、状況次第で一長一短であると言える。



②③は意外と忘れられがちな内容であるため、実際にプレイする時には上記を踏まえて、どのような戦術に持っていく事が出来るのかを考えることが重要になる。


派生カード



「砂塵」関連


砂塵の大嵐
通常罠
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1):フィールドの魔法・罠カードを2枚まで対象として発動できる。
そのカードを破壊する。


「ツインツイスター」の相互互換に当たるカードで、手札コストが必要なく、最大で1:2交換の除去が出来る代わりに使用するターンはバトルフェイスが行えない制約が課される。
なお派生元と異なり、自分の魔法・罠カードも対象に取れる。

制約がかかるのは「発動するターンのバトルフェイズ」なので、相手ターンに使用すれば踏み倒しが可能。

罠カードゆえに引いたターンには基本的に使えないが、このカードの制約上自分ターンに使う状況は限られてくるので、あまり気にならないだろう。


砂塵の大ハリケーン
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の魔法&罠ゾーンにセットされたカードを任意の数だけ対象として発動できる。
セットされたそのカードと、このカードを持ち主の手札に戻す。
その後、自分はこの効果で手札に戻ったカードの数だけ、手札から魔法・罠カードをセットできる。


「砂塵の大竜巻」のセット効果に「ハリケーン」の要素を足して調整したような効果のカード。

自分の場にセットされた魔法・罠カードと自身を手札に戻して手札から同じ枚数分魔法・罠をセットしなおす。

魔法・罠カードを除去から守るといった使い方が出来るが、2枚以上の除去を要求してくる場合は「大革命返し」や「スターライト・ロード」で事足りる。
破壊を伴わない除去や1枚しか除去が出来ないカードに対しても躱すことが出来るが、明確な差別化ポイントかと言われると怪しいところである。

このカードを有効に使いたい場合は相手の除去に対してセットするカードを破壊させたいデコイのカードにすり替える、無限泡影のように手札からも発動できる罠を手札に戻し、除去が通って更地になった状態でも発動できる可能性を残しておくなどの工夫が必要になる。

また自分自身も手札に戻すので、上手く行けば毎ターン使い回しをすることも可能。


「大竜巻」関連



荒野の大竜巻
通常罠
(1):魔法&罠ゾーンの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
その表側表示のカードを破壊する。
その後、破壊されたカードのコントローラーは手札から魔法・罠カード1枚をセットできる。
(2):セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動する。
その表側表示のカードを破壊する。

「魔法・罠カード破壊→セット」の処理があるのは「砂塵の大竜巻」と同じだが、こちらは自分のカードも対象に取れる分、「魔法・罠ゾーンの表側表示のカード」しか選べない。
また、破壊後のセットを行うのは破壊されたカードのコントローラーである為、考えなしに相手のカードを破壊すると、相手に新たな魔法・罠カードのセットを許してしまい。敵に塩を送ることにもなりかねない。

それ以外の効果としてセット状態で破壊された場合にフィールドの表側表示のカードを破壊する効果を持っているため、相手の除去に対する地雷としての運用も可能。こちらの効果の対象は「表側表示のカード」なのでモンスターも破壊できる
また、相手がそのようなカードを使ってこなかった場合も自分で破壊して効果を使用しても問題ない。
ただしこちらの効果は強制効果なので、自分の場にしか表側表示のカードがない場合、自分のカードを破壊する羽目になるので注意。


余談


  • このカードの発売時のテキストでは破壊対象が「相手の魔法・罠ゾーンのカード」になっており、モンスターゾーンに存在する罠モンスターなどはエラッタされるまでは破壊対象に選択できない裁定だった。 (フィールド魔法については、エラッタ以前から破壊できるという裁定が下されている。)
    「荒野の大竜巻」の破壊対象が「魔法・罠ゾーンの表側表示のカード」になっているのはこのカードの初期のテキストの内容によるものだと思われる。*2

  • 一時期は「マインドクラッシュ」への対抗策として注目を集めた事も。
    フェイズ移行の確認を怠った相手に対してスタンバイフェイズに巻き戻させて相手が使おうとしていたカードを宣言して捨てさせる、俗に言「巻き戻しマイクラ」に対し、宣言されたカードが魔法カードなら相手の「マインドクラッシュ」にチェーンして「砂塵の大竜巻」を発動、宣言されたカードを伏せてハンデスを躱しつつ相手にランダムハンデスの罰則を背負わせると言う物。
    本来ならフェイズ移行の確認を怠った方が悪いのであまり褒められたテクニックではないだが、ジャッジの見てない所で確認したのに「やってない」とゴネて巻き戻しを要求する悪質なプレイヤーが出てしまったため、その様な輩に対するカウンターとして注目された。


追記・修正はセットするカードを間違えないようにしながらお願いいたします。
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最終更新:2025年04月26日 20:05

*1 ただし罠カードである事自体は同パック出身の「王宮の勅命(現在は禁止カード)」や後に登場する「魔封じの芳香」などの影響を受けないメリットとも捉えられる。

*2 ただし、裁定は「砂塵の大竜巻」と異なり、フィールド魔法は破壊対象に選択できない裁定になっている。