若者の○○離れ

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若者の○○離れ - (2019/08/06 (火) 05:35:47) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/01/09(月) 12:59:46
更新日:2024/02/14 Wed 23:36:32
所要時間:約 4 分で読めます




良い子の諸君!
若者の○○離れとよく耳にするが、
当時群がっていたのは今のジジババ共だ!
今の若者は、離れるも何も、
最初から近づいてすらいないな!


  /⌒ヘ
  |○|  /⌒ヘ
`_人_人 ∧|☆|ノヽ
( ⌒ヽ_ヘ\ヘ人_人ヘ |
|\ ⌒ ノ⌒) Y ノ⌒)
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| Y__/| ハー仝-イ |
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若者の○○離れとは、時代の流れや価値観の多様性を許容できない人間が、
自分達と異なる趣味や価値観を持つ若年層を批判する際、
自分達の心の狭さを正当化する為に用いる魔法の言葉である。
もしくは視聴率や売り上げの低迷に頭を抱える各種業界及びマスコミが、
質の低下やマンネリ化を棚に上げて若者に責任転嫁する際にもしばしば利用される。
類義語として「若者の○○化」も使われる。

日本のケースでは、主にバブル世代までに生まれた世代の人たち(1970年までに生まれた人たち)が、就職氷河期世代以降に生まれた人たち(1970年代半ば以降に生まれた人たち)を「若者の○○離れ」ということで批判することが多い。

○○に当てはまる言葉としては車、活字、テレビ、ゴルフ、結婚式献血、政治、わさび、
タバコ、セックスパチンコ等々、趣味嗜好から生活習慣まで多岐にわたる。

ぶっちゃけただのミスリードなんだけどね。


(例)
若者のゴルフ離れが深刻になっており、△△大学の□□教授は、

「これは現在の若者は学生時代に汗を流してスポーツに明け暮れる経験が少なく、
ゴルフをして得られるカタルシスに気付かないからではないか」

と語っている。

ゴルフしない=価値観の多様性であり、別にゴルフ以外にもスポーツはたくさんあるし、今ではスポーツの他にいくらでも楽しみがある。
そもそもゴルフは別に国民の義務でも仕事でもなんでもないただの趣味である。
しかしこのような記事は「ゴルフしない=悪」と暗示しているように見える。

多分記事を書いた人がゴルフ大好きか、若い頃にゴルフしか熱中できるものが無かったか、
上司にゴルフを強要されていたかといったところだろう。

すると、

「俺がゴルフを楽しいと思うんだから当然次世代もゴルフを楽しいと思うはず。だから若者はゴルフをすべきだ、ゴルフしないなんておかしい。」

と思い込むわけである。

要は書き手の側が時代の変化についていけていない。


こういった記事を書く理由には、

  • 選択肢が少なかった時代から選択肢が豊富な現代へと変化した現実を無視しているのかあるいは気付かない(選択肢が増えれば客は分散し当然需要は減る)
  • ○○離れを招くような外的環境の大幅な変化(車離れの場合、近年の若年層の首都圏への人口集中と駐車場確保の困難も原因)
  • 記事の主な読者層である年配世代への印象を良くする為に、年配世代には当てはまらず若い世代には当てはまる内容を、
    マイナスイメージを持つ単語で言い換える(例:「変化」→「衰退」とか「節約」→「ケチ」とか)
  • 売上や視聴率の低下の原因が質の低下や保守化、マンネリ等にあるのにも関わらず、「若者の無関心」に起因すると結論付ける
  • 若者のライフスタイルの変化に気が付いていない
  • 筆者自身が若いころは当たり前だったツールや生き方や考え方が徐々に世の中からなくなっていくことに怒りや恐れを感じている

等の背景がある。

こういう事情が重なって世代間のライフスタイルの変容に関する記事が、いつの間にか若者バッシングに変化していることもある(特におばはん向けの週刊誌)。


つーかこういう記事の言う「昔」とは、高度経済成長期やバブル経済等、色んなことに金を注ぎ込む余裕があった好景気な頃の話で、
先行き不安で雇用も不安定な不況ど真ん中の現代と単純に比較するには無理があるパターンも多い。
車離れなどはその典型。
ぶっちゃけてしまえば、大半の「若者の○○離れ」は「お金の若者離れ」が原因である
金がなければ切り捨てられるものから切り捨てていくのは当然であり、それを理解しない、直視できないのでは批判されるのもやむを得ないだろう。


ただし、娯楽や嗜好品の場合はともかく、活字離れや政治離れ等確かに危惧すべき問題もある。
特に政治に若い世代が関わらなくなるのは国家・国民双方にとって死活問題であり、現に、

「政策が高齢者優遇・若年層放置になりがちなのは、
若年層向けの政策を打ち出しても見返り(票)にならないと考えられているからではないか」

…つまり若年世代の投票率の低さが原因という指摘もある。他方で、少子高齢化の進行により有権者数に占める中高年層の割合は増加し続けるという、
シルバー民主主義 」によりこうした傾向にいっそうの拍車をかけてしまっている。

全て「老害何言ってんのwww」で全部を無視するのではなく、少し耳を傾ける必要もあるだろう。



また、当初は確かにミスリードとして使われていたのだが、
現在は善悪判断を行わず純粋に、「若者が○○をしなくなっている」という意味で用いられることもあり、
一概にこの表現そのものが悪とは言えない。

むしろこの言葉に過剰に反応し、自身の在り方を正当化しようとするあまり、却って偏見に陥ってしまうという皮肉な事態も多々見掛ける。
記事を作る側・見る側ともに偏見なく、冷静に記事の内容について考えることが大事なのだ。


余談


「若者の◯◯離れ」にはこんなものも存在する。


  • 若者の肉離れ
運動のやり過ぎ。医者に行きましょう。


  • 若者の人間離れ
アニメなんかだとお馴染み。
若者の将来を憂う前にこの世界の未来を憂いましょう。


若者の追記・修正離れが…

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