独島級揚陸艦

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独島級揚陸艦 - (2018/05/09 (水) 15:14:20) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/07/16(月) 21:37:46
更新日:2023/01/03 Tue 12:22:15
所要時間:約 6 分で読めます




【基本スペック】
基準排水量 14300t
満載排水量 18850t
全長 200.0m
全幅 30.2m
喫水 7.0m
速力 23ノット
航続距離 10000海里(18ノット)
最高出力 32000馬力
乗員 330人(海兵隊1個大隊約700人)

【兵装】
ゴールキーパー30mmCIWS 2基
Mk.49 21連装ミサイル発射装置 1基

【レーダー及び電子機器類】
SMART-L3次元レーダー(対空)
MW-083次元ルーダー(対水上)
AN/SPS-95Kレーダー(航海)
SLQ-200(v)5Kソナタ統合電子戦システム

【機関】
斗山SEMT-PIELSTICK 16PC2-5 ジーゼルエンジン 4基2軸

【艦載能力】
艦載機 各種ヘリコプター 10機
艦載艇 エアクッション艇 2隻
車輌 K1(戦車) 10輌
装甲車 16輌
※全部一度に乗せられる訳ではない

独島(ドクト)級揚陸艦は韓国海軍が保有する強襲揚陸艦。艦名から判るように明らかに日本に喧嘩を売っている


【概要】
独島級揚陸艦は、韓国機動艦隊創設計画に基づき韓国海軍艦隊の旗艦及び揚陸・物資輸送を主目的として建造された艦である
と韓国は言ってるが、実際のとこは海上自衛隊おおすみ型輸送艦に対抗するためという見方が強い。
まぁこの手の船は災害援助などにも使えるので近年需要が高くなっている。

艦体の特徴としてはヘリコプターが発着艦が出来るよう全通甲板(空母みたいにつるぺたってこと)を採用し、艦尾にはウェルドックを採用しここに上陸用のエアクッション艇(LCAC)を収容している。

その艦体から多少の改造でハリアーF-35などの垂直離着陸機が運用可能な軽空母として運用できるとネタにされることもある。
ただし韓国海軍は軽空母への転用はないと表明しているし、船体が小型+大規模改修が必要+乗せる飛行機がない(ハリアーは生産終了、F-35は開発中)ので軽空母転用はまずありえない。金も無いしな!

【問題】

さて、ここから先はこの艦の問題について触れていく。いやまぁ艦名の時点で存在そのものが国際問題なのだがそれは置いておく。

①搭載ヘリがない
実はこの独島、ヘリコプターの運用を前提としている強襲揚陸艦のくせに搭載ヘリがない。
韓国海軍が現在保有しているヘリの防塩対策が甘い為、常時搭載できるヘリを保有していない。
非常時には陸上ヘリを積載するとのことだがそれでいいのだろうか?

なお、韓国海軍によると2017~2022年までに韓国国産ヘリ『スリオン』の艦載型を搭載するとのこと。
つまり最短でも竣工10年目にして初めて強襲揚陸艦として戦力化が完了するのである。
(一応ドック型揚陸艦としては使用できるのだが・・・)

②ウェルドックと後部エレベーターが干渉する
後部エレベーターがウェルドックにかぶるように設置されている。
ウェルドックにLCAC(要するにホバークラフト)を2隻収容すると、後部エレベーターとLCACがぶつかってしまう。
そのためウェルドックの上に配置されている後部エレベータが使えなくなる設計。
まぁLCACを一隻ずつ交互に使用するとか、前部エレベーターを使用するとか、そのそもLCACを使用しないとか、運用でどうにかなる模様。
多分欠陥というか小型の艦に多機能を詰め込むために取捨選択した結果の仕様。

③レーダー
独島に搭載されるSMART-L3次元レーダーはこの手の艦としては割と高度なレーダーであるといわれている。えっ何々、どうせ高度(笑)なレーダーなんだろって?

馬鹿を言っちゃあいけねぇ。このレーダーはオランダのタレス社製で、英国の45型駆逐艦やドイツのザクセン級フリゲートにも採用されてる優れもんでぇ

じゃ何が問題かって?

まぁ結論からいうと独島に搭載されたレーダーには…映るんです……幽霊が





すまんハショり過ぎた。

レーダーの構造は電波を飛ばして、跳ね返ってきた電波を解析して敵艦や敵機の数と距離を精査する。

基本的に跳ね返ってくる電波というのは船か飛行機にぶつかって跳ね返ってきたものだが、極稀になんらかの理由で跳ね返り敵艦あるいは敵機と認識することがある。

このように存在しない敵をレーダーが認識してしまう事をゴースト現象という。独島は公試中にこのゴーストが4~5個発生し、その後建造した企業はこの問題を未解決のまま放置し軍に引き渡した。
勿論現場は大混乱。海軍は建造した企業に改修を厳命。
数回に渡る改修の結果、ゴーストの数を
1~2個に減らす事に成功した。


つまりこの問題、軽減されたとはいえ未解決。呪われてるのだろうか。


④CIWS
独島はやはりオランダ製のゴールキーパーというCIWSを積んでいるが、後部に積んだゴールキーパーは射角の問題から甲板上のヘリコプターを射撃してしまう。

このCIWSという兵器は完全自律式で、レンジ内に目標が入ってきた場合は問答無用で攻撃する(最終防衛ラインの迎撃兵器という性質上、そうしないと間に合わない)。
そういう性質から海自でも演習中に米軍機を誤射撃墜しちゃったりしてるのだが、韓国のこれはつまり電源入れた瞬間に甲板を機銃掃射、といった笑えない事態を引き起こしかねないということなのだ。

さらに言うとゴールキーパーは海自が愛用するファランクスの20mmに対して30mmと大きく、その分重い。
ファランクスの20mmは威力過小が指摘されるなどそれなりに問題がないではないのだが、一方で軽いため設置場所の自由度が高いというメリットもある。
そう、つまりゴールキーパーは大威力であるがために重く、設置場所をかなり補強しなければならないのでそう簡単に移設できるものではないのだ。

なお韓国海軍がこの問題に気付いたのは、進水から4年後のことである。
設計段階ならいざしらず竣工後も気付かないって…韓国海軍はCIWSの訓練をするのも苦しいのだろうか?

⑤ぼっち
通常軍艦は一部の例外を除いてローテーションや互換性の問題から複数建造され、いわゆる同型艦が存在する。
そのため軍艦は普通艦名の前に「〇〇型・××級」と付けて呼ばれるのだが、独島型は独島一隻しか存在しない。
同型艦が存在しないのだ。
独島が故障したり海外に派遣すると韓国に強襲揚陸艦がなくなる為、ドック入りや海外派遣が困難になっている。
一応三番艦まで建造する予定だったが金が無い為二番艦以降の建造は延期となっている。
また(賢明なことに)先にヘリを買うことにした。

二番艦の建造が認められるのはいつになるやら(多分ない)

……と、皆が思っていたのだが、まさかの二番艦計画がついに動き出した。

強襲揚陸艦を追加で製造したいのだが、新型艦となると妥当性検証のため長期間事業がストップする。
その為独島型の追加製造を目論んだ模様。また、設計を変更してMV-22オスプレイを運用できる様にするという話もある。

しかしここでさらに問題が。
独島型の問題点が多く見つかっている上、設計自体少し古くなっている為設計を大幅に変更したいのだが
韓国の兵器調達規則によると、同型艦は原型から20%以上の設計変更を認められない。

二番艦の登場はしばらく先になりそうである。
どうなる二番艦!

【事故】
2013年9月、艦内で発生した火災事故によってメインの発電機1基が壊れ、消火活動の際に海水を思いっきり浴びたもう1基も壊れてしまった。
本来ドクトは4基の発電機を備えており、2基壊れても残る2基でなんとか動かせる・・・はずだったのだが・・・
実は同年4月にその2基は別の事故で壊れてしまって陸揚げされてしまっていた。
このため現代の軍艦としては異例中の異例、全動力喪失により洋上漂流という情けない姿を晒し、世界中の海の男たちの笑いものとなったのである。

【最後に】
ここまで独島艦の欠点・問題を指摘してきたが、そもそも問題の大元は
  • 一隻の船に多くの機能を詰め込みすぎる
  • 正面装備以外の保守・運用に金を割かない(あるいは割けない)
韓国軍の体質による所が少なくない。
中国・日本・北朝鮮と軍事大国に囲まれていて余裕がないのはわかるが、もうすこし余裕を持って計画を立てたほうがいいと思うのだが・・・。


追記・修正は二番艦が就役してからお願いします。

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