登録日:2009/09/01(火) 00:41:51
更新日:2024/01/11 Thu 22:05:37
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日本語とは、日本が事実上の公用語とする言語。
CIAの調査では難解言語のひとつに数えられる(あくまで英語話者視点で、だが)。
「日本でのみの通用」とは言うがこれは、「共通語を使用した場合殆どの日本人に通じる」という意味で、方言等は含まない。
因みに日本以外でもパラオや台湾、韓国などでは高齢者には結構通じたりする。
使用する文字は、主にひらがな、カタカナ、漢字及びアラビア数字。その他用途に応じて各種アルファベット(大体はラテン文字)等。
このため、最も複雑な記述体型を有する言語となっている。
母音は五つと、世界的にはありふれた個数だが、個数自体は少なめ。それでも難解言語とされる理由はまず上述したように文字が体系が多いだけでなく、それらの字母が多いこと。
基本となるひらがなとカタカナだけでもそれぞれ軽く40種を超え、その上で漢字という数千種、それも他言語との互換性の低い系統の新字体のそれを覚えなければならない。
文法は大陸系、発音は南方の影響がみられ、南北の混合言語であるという学説もあるが、よくわかっていないのが現状である。
その上、尊敬語表現、謙譲語表現、丁寧語表現、口語表現等、様々な表現方法が加わる為更に難解さが増す。これの完全習得を当のネイティブ日本語話者でもそうそうできていない辺りでその具合は察せるだろう。
特に、日本人は丁寧語と尊敬語をよく間違える。
例えば、「すみません、今なんと言いましたか?」と「申し訳ございませんが、今なんとおっしゃいましたか?」は同じ意味を表すが、
前者が丁寧語、後者が尊敬語である。
これら尊敬語や謙譲語は言葉の変化を覚える必要がある為、単純に難しいものである。が、ただ変化形を丸暗記すれば誰にでも喋れる為簡単だということもできる。
ただし「なんとおっしゃられましたか?」は誤用の為注意。
謙譲語は自分をへりくだるものであり、普通他人には使用しない。「わたしが行きます」から「わたしが参ります」となるような変化である。
因みに、尊敬語表現はあるのに謙譲語表現がない、という動詞もある。
日本語に多い間違いとして、上記敬語表現のような重複表現がある。これは単語に存在する意味の言葉を更に加えてしまうことである。
例えば、落馬するという言葉は「馬から落ちる」という意味であるのに、「馬から落馬する」などと書いてしまうことをいう。
その他、日常では量販店や飲食店等に行くと日本語の誤りに出会うこともできる。
「こちらでよろしかったですか?」
「こちら、※※になります」
「以上で大丈夫でしょうか」
「いくらからお預かりします」
等々。普段聞きなれている為か特に違和感は覚えないかもしれないが、これらは基本的に誤りである。
掲示板等ではよく漢字を間違えていることがある。
これは変換機能に頼っているせいで漢字が分からないのか、もしくは誤変換に気づかずにいるかのどちらかだろう。顕著なのは「以外」と「意外」。
その他、本来は誤字・誤用だった言葉がそのまま使われる、なんてこともある。代表例としては独壇場が有名か。これは元々独擅場なのだが、読み間違いと書き間違いからそのまま「ひとり舞台」として定着している。
また、日本語にはロマンス諸語に対するラテン語のような古語表現も存在する。
これは現代人が聞くなり読むなりすると、「ああ」と納得したり、「うん?」と首をかしげたり、現代語と同じ言葉があるのに違う意味だったりと、
本当によく分からないものが多い。
とはいえ、現在でも様々な言葉が本来とは違う意味で使われていたり、または新しい意味が追加されたりと、日本語は日々進歩している。
例としては、微妙、全然、鳥肌がたつ、普通、等。
将来は現在使用されている日本語をも古語となり、同じことを思われるのかもしれない。
補足等
最近では若年層に限らず、漢字を読めない人間が増えてきている。
鳳梨や天鵞絨とかいう当て字はいいとして、王様、大きい、父さん、炎、氷、等小学生で習うような漢字の読みが出来ない人がいる。
もっとも顕著なのは時間の「十分」で、多くはこれを「じゅっぷん」と読むだろうが、正しくは「じっぷん」である。
「十」を「じゅっ」と発音する言葉は本来の日本語には存在しない。
あまりに間違えて覚えている人が多い為か、「十」の読みに「じゅっ」を加えようか、という話もある。
他に常用漢字で雰囲気や巣窟等もネタにされるほど読めていなかったが、最近ではどうなのだろうか。
ついでに、日本語には他言語には殆どない、すばらしい機能いくつかがついている。
1つ目は「音訓読み」
外来語である漢字に自国語の読みを付け加えることで自国文化に深く効率的に吸収出来た。
漢字文化圏に属していた国の殆どは使用する言語にこの仕組みを持たず、また民衆には理解が難しかった為に自前の言語文化と漢字を廃しており、代わりにハングルやラテン文字といった表音文字を使っている。
しかしそれらを用いる言語すら、漢字という表語文字ありきで成立したもののために同音の文字・単語の前後の文脈などからの読み分けが表音文字ありきで成立した言語よりも難しく、特に現代のベトナム語はラテン文字からなるクオック・グーでしか表記されないため、その語彙の語源・所以を知らない話者が増えつつあり、一部知識層からは歴史的背景も鑑みた漢字復活論が持ち上がっている。
2つ目に表現が非常に豊かなこと。(裏を返せば日本語の難解さや曖昧さを増す欠陥的要素とも言えてしまうが)
『兄』という単語一つ上げても
兄ちゃん/お兄ちゃん/にいやん
お兄さま/おにぃ
あにうえ/兄上さま
兄さん/兄サマ/兄たま
兄者
兄貴/アニキ
にぃ/にぃにぃ/兄や
あんちゃん
こんだけ……いやまだまだある。(漢字・カナ・かな でニュアンス・雰囲気が変わるのがミソ)
ところで兄もゲシェタルト崩壊おこすよね
わたし/私/わたくし/あたし/アタシ
あたい
自分
ぼく/ボク/僕
おれ/オレ/俺
おいら/オイラ
わし/ワシ/儂
うち/ウチ
わっち/わちき/あちき
わらわ/妾
それがし
やつがれ
我
わて
余
まろ
朕
おい(どん)
拙者
我が輩
小生
等々。今は使わないものもあるが。
スポーツ選手がよく「自分」を使うが、あのような改まった場ではわたし、もしくは私が適当。元は山口弁らしい。二人称も同時に豊富だが割愛する。
もっとも表現が豊かになる対象は文化に強く影響される為、単にその違いとも言えなくもない。
謙譲語表現を他人に対して使うことで尊大表現が可能。これは多く時代劇等で使われ、日常ではそうそうない。
侮蔑表現もあり、名詞の前に「糞」「腐れ」等をつける他、単に呼び捨てたり、野郎等も侮蔑表現に含まれる。
とはいえ察する事をお互いに求めるなどの良く言えば粋な、悪く言えば正面を切りたがらない文化が育てた言語とあってか、そういった表現のバリエーションは他言語から一歩引いた位置にあるそうな。
尊敬語、謙譲語、丁寧語をひとまとめに敬語と呼ぶ。単に敬語というと丁寧語を指す場合が多い。
この敬語の中に、丁重語、美化語等も分類によっては含まれる。ごはん、お手洗い、等は美化語である。
ヨーロッパあたりの言語には敬語表現が少ないが、朝鮮語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の区分けがあったりする。
日本語は母音と子音が9割9分9厘一体化している(開音節をよく用い閉音節をほぼ使わない)数少ない言語であり、その為多くの外国人にとって、日本語の発音は若干難しいらしい。
逆に言えば日本語を話す日本人も大体の発音を苦手としている。英語で言えばLとR、SとThの使い分けなど。
日本語にも語順があるが正直な話、あってないものに近い。でも語順を変えるととんでもない文章になったりする。
また単語の省略も非常に多い。とくに主語や動詞が省かれることが多く、名詞一語で会話が成立することも少なくない。
津軽弁だが「どさ」「ゆさ」はその究極形と言えるだろう。
日本語の難しさに文字の多さを指摘したが、これでも少なくなった。明治期にひらがなやカタカナの統一化、簡略化がなされ、変体仮名が使われなくなった為である。とはいえ今もうなぎ屋の「な」(平仮名の「ふ」のようなあれ)など、全く使われていないわけではないが。
それ以前では、例えば花札の赤短の札を思い出してほしい。「あのよろし」と読んでいないだろうか。
あれはよく見ると「の」の上に点がついていて「可」の変形、つまり「あかよろし」と書いてある。因みに「あきらかによろしい」という意味。
また、上述の仮名の統一・簡略化時には「を」も削除される予定だったが、諸々の事情で現代まで残っている。が、発音は「wo」でなく「o」であるのがその名残である。
しかし一部の話者は未だにwoと発音しており、一部方言にはより強く残っている。
因みに、東北圏の方言はどこの言語だと言いたくなるようなものが多い割に、更に北の北海道が標準語に近い理由は、
明治時代に日本各地から派遣されて来た屯田兵が会話する為には方言だと不便だった為である。
その他
ここでは共通語について記述。
●もくじ
基本データ
日本語 [nʲɪ̟hṍ̞ŋgó̞] |
分類 |
自然言語 |
媒体 |
音声、文字 |
発祥 |
日本 |
話者数 |
1億5千万人 |
系統 |
日琉語族 (孤立した言語) |
表記 |
漢字、平仮名、片仮名 |
上層言語 |
中国語 |
学校文法 |
橋本文法ほか |
類型論
基本語順:SVO
主語-目的語-動詞、関係節-被修飾語句、形容詞-名詞-後置詞、副詞-動詞
形態論上の分類:膠着語
形態・統語アラインメント:対格言語
表示:主要部表示型
優勢:主題優勢言語
移動を表す動詞:動詞枠付け言語
副詞:閉じている
モノ・コト:コト言語、ナル言語、BE言語
アクセント:高低アクセント
拍・音節:拍
基本音節構造:CVC
破裂音の有声音:YES
摩擦音の有声音:YES
子音数:12(少ない)
母音数:5(平均的)
特色
中国語やアジアの諸言語と同じく「○○は〜する」と「〜するのは○○だ」を形態(「-は」と「-が」)によって区別する主題優勢言語であり、「ゾウは鼻が長い」というような総主文、「僕はうなぎだ」のようなうなぎ文や、「太郎は明日大阪に行く予定だ」のような人魚文を可能とする。
コト言語の例に漏れず代名詞が豊富である。また「私に家族がいる」という言い回しを好むBE言語の特徴がある。
類型論的に珍しい要素
基本語順が主語-目的語-動詞(SOV)である言語は珍しいという誤解があるが、実際には世界の言語の45%程度が該当する。
英語や中国語が主語-動詞-目的語(SVO)の順なので話者数的には珍しいように見えているだけで、言語数で数えるとこちらの方が珍しいのだ。
他にSOVの特徴を持つ言語はラテン語などが有名。
- 主語に応じた表示がほぼないにも関わらず、主語が省略できる。
英語のように主語に応じて動詞が(三単現のsぐらいしか)変わらないような言語では、主語が省略できず、ラテン語のように主語を省略できる言語は、大体動詞が主語に合わせて活用したりする。しかし日本語の場合、動作手は敬意があるかないかで最大三択しか表示がないにも関わらず、主語を省略可能である。これは数ある言語の中でもかなり珍しく、日本語に特有な曖昧性を高める要因となっている。
「ふ」の子音を持つ言語は比較的少ない。
歴史
古墳時代より前の時代、母音がいくつ合ったのかは意見が分かれているが、元々は6〜7ほどの母音があったとする説がある。
奈良時代では連続する母音が不安定だったためai>eやio>öのように母音を言いやすくする、いわゆる「連声」が起こっていた。フランス語か悟空と同じ要領と考えると分かりやすい。
ta「手」+ tuna「綱」>taduna「手綱」
ta+i(主題化)>tai>te「手」
teのような形は元の形から変わっているということで「被覆形」、taは「露出形」と呼ばれる。
このようにしてiやeなどの前舌母音(舌の高くなる位置が前にある母音)はイ段やエ段の甲類と呼ばれるようになり、aやo、əといった後舌母音の後ろに前舌母音がつくことで連声が起こったものはイやエの乙類、oや後舌母音同士の連声によってできたオはオの甲類、əはオの乙類となる。
連声は接辞(=学校文法の助動詞)についても同様のことが起こっている。
tob·a「飛ば-(未然形)」+iri「〜てしまった」>tob·e·ri「飛べり(飛んでしまった/已然形+り)」
命令形も同様と考えられているが、意見が分かれている。
tob·a+*i(感嘆詞)>tob·e
tob·a+*jə(感嘆詞)>tob·e
その後中国語の影響で連続する母音の連続が許されるようになってきた。
この時はまだhの音がなかったため、中国語でhで発音されるものは調音点(発音する部位。声門や軟口蓋など)が近いが調音方法(摩擦、破裂など)の異なるkの音に借用されたりしている。
平安時代に入ると母音の甲類と乙類の区別が消える。また、破裂音であるパ行[p]の音が言いやすさのため摩擦音であるファ行[ɸ]の音になる。これは唇音弱化と呼ばれ、印欧語でも[p]>[f]のような破裂音>摩擦音の変化が起きている。さらに平安時代中期、こうしてできたファ行子音のうち語頭に来ないものが両唇接近音[β̞]へと変化した。これが現在でも「ワ行」として残っている。
主格を表すノと属格(所有格)を表すガが交替するガ/ノ交替が起こった他、「-か」のついた名詞を動詞の連体形が修飾していたものが、疑問や主題となるの名詞の移動によって「-か〜る」のようになったりする、所謂係結びが起こるようになった。
鎌倉時代、ファ行がさらに声門音であるハ行[h]の音に変化した。
アニヲタ的には
現代では、外国語の音韻を取り入れた音楽の影響からか、ク/ku/やル/ru/のような/u/で終わる字の母音が省略され/k/や/r/のように聞こえることがある。
また、シ/shi/やチ/chi/のようにヘボン式ローマ字で書くと子音字が変わったりする(ヘボン式ローマ字としてはsiはスィ、tiはティと発音されてしまう)ような場合も母音が省略されて/sh/や/ch/のように聞こえることがある。
たとえば「隅」は[sɯꜜmi]のようにそのまま発音されるが、「やります」のように「す」が低いトーンで、かつ語末に来た場合は[jaɽimaꜜs]のように子音が省略されてしまう。これはJ-POPが浸透してきた時代の若者に顕著で、高齢者を演じる声優でも若ければこうした癖が出てくる。
ここでChu☆の「巫女みこナース·愛のテーマ」(2003)とロードオブメジャーの「心絵」(2005)を比較してみよう。
前者は一拍(≒一文字)ずつ綺麗に発音していることが分かるだろう。曲の方もそのように演奏されている。後者の場合、必ずしも一拍につき一つの音が割り当てられている訳ではないことに気がつくだろうか。
「言いやすく」「聴き間違えない」という二つの要素が主に重要となってくることがお分かりいただけると思う。
音韻
音素
日本語の仮名は子音と母音の組み合わせでできている。たとえば「き」を伸ばし続けると「い」の音になる(ただし「っ」「ん」は例外)。仮名はそれが共通に持つ母音によって「段」があり、共通に持つ子音によって「行」がある。たとえば「そ」はサ行オ段である。
音素とは「その言語の中で区別している音」のこと。「物理的な発音方法」である「音価」とは区別される。
例えば「シ」の音は訓令式ローマ字では/si/と書くが、音価の代表的な表記方法であるIPA国際音声記号の読み方では「スィ」に近い読み方をする。しかし、例えば「ソ」/so/はどちらの読み方でも「ソ」なのである。これは日本語において子音sが後続の母音iに同化して変化したためであり、いわば「言いやすく」したものである。日本語では「スィ」を使う機会があまりないため、厳密には「シ」を[ɕi]のように書かなければならないところを、省略して/si/と書くのである。
基本的には有声音(濁音のように、声帯を振動させて出す音)。ただし、「主格」「資格」などのように、「き」「きゅ」「く」「し」「しゅ」「す」「ち」「ちゅ」「つ」「ひ」「ひゅ」「ふ」といった、特殊な無声子音や狭母音を含む文字は後述する平板型アクセントの大文字部分で母音が無声化し、単に息が出るだけのように聞こえる場合がある。
あ・ア /a/ [a](より正確には[ä̝])
中舌広母音(上寄り)。舌の中ほどを上あごに近づけ、口を大きめに開けて発音する。
い・イ /i/[i](正確には[ɪ̟])
前舌広めの狭母音(前寄り)。舌の前側が上顎に近づき、口を狭くして発音。
う・ウ /u/[ɯ](正確には [ɯ̹̽])
微円唇後舌め広めの狭母音。舌の中ほどより少し前が上あごに近づき、唇もやや狭く、わずかに円くなる。母音数が5つの言語以外ではこのような母音はまれ。
え・エ /e/[e](正確には [e̞] )
前舌中央母音。唇をやや開き、舌の前側を上あごに近づける。
お・オ /o/[o](正確には [o̞͑] )
微円唇後舌中央母音。2拍以上隣接していると無声化することがある。
子音には有声音と無声音の区別があり、口蓋化の有無もある。口蓋化とは「しゃ」「きゃ」のように舌の前部を上顎に近づけることで発音されるもの。これはローマ字では/y/、IPAでは[ʲ]で表される。
カ行 /k/[k]
キャ行 /ky/[kʲ]
軟口蓋破裂音。舌の後ろ側を上あごにつけ、その閉鎖を開放することで発音される。
サ行}
アクセント
平板型、尾高型、中高型、頭高型がある。頭高型以外は文頭で低くなる。ここでは東京式アクセントについて記述。
日本語には文全体に渡る強弱(ここでは便宜的にイントネーションと呼ぶ)と単語単位のアクセントがある。
単語単位のアクセントは、文の最初や修飾語が先行していない場合などに発音される場合とそうでない場合とで異なる。
ここでは文の最初などに発音される場合を大文字で、そうでない場合を小文字で書き始めることとする。
日本語の語にはアクセントのある語(それ、日本語、キャットなど)とない語(が、は、ない(接尾辞)、など)がある。アクセントのある語にない語がつくことで一つの単語となり、国語学ではこの単語を文節と読んでいる。
日本語のアクセントは名詞ごとにというよりは、この文節ごとに起こっている。故に、「橋」と「端」のアクセントは同じに聞こえるが、「橋が」と「端が」のアクセントは異なる。
判例
語句 イメージ /簡易化した発音表記(音素)/
なおイメージには_と ̄があるが、実際にはアクセントは\(そのアクセントの次が下がる)と―(そのアクセントによっては何も起こらない)の二種類の区別しかない。
接尾辞(=助詞)を含めて、一度上がると低くならない。
山田が
や_ま ̄だ ̄が\ /yamádágáꜜ/ (大文字始まり)
や ̄ま ̄だ ̄が\ /yámádágáꜜ/ (小文字始まり)
簡易のためにyamadaˈなどと書かれることがある。
非アクセント語がつくと下がる。
寒気が
さ_む ̄け ̄が_ /samúkéꜜga/ (大文字始まり)
さ ̄む ̄け ̄が_ /sámúkéꜜga/ (小文字始まり)
samuˈkeのように書かれる。
語末だけ下がる。
お菓子も
お_か ̄し_も_ /okáꜜsimo/ (大文字始まり)
お ̄か ̄し_も_ /ókáꜜsimo/ (小文字始まり)
oˈkasiのように書かれる。
語頭だけが高くなる。
アクアが
あ ̄く_あ_が /áꜜkuaga/ (大文字始まり・小文字始まり共通)
ˈakuaのように書かれる。
大文字始まりの場合、頭高型以外は一律最初の拍は下がり二番目以降が上がっているが、小文字始まりの場合、最初の拍の下降がキャンセルされる。
全体的下降
大文字と小文字の違い、およびイントネーションの下降は、以下のように現れる。
例えば「お父さんが来た」と言いたい場合、
Oˈtousan ga ˈkita
のように、「が」の直後のタイミングでアクセントを保持したままイントネーションが全体的に下降したなら、その文は「誰が来たのか」という問いに対する答えとなるし、
Oˈtousan ga ˈKita
のように改めて上昇したなら、「お父さんは何をしているか」という問いに対する答えとなる。
また、全体的下降は倒置や仮定、副助詞「だけ」などの直前でも起こる。
拍(mora)
日本語の拍とは、主に俳句で数えた時の文字数のこと。
英語は母音が複数まとまっていても音節としてひとまとめに数えることがあり、逆にnなどの子音は多くの場合一音節にカウントしないが、日本語は「ん」「っ」などを一拍として数える。古典ギリシャ語やラテン語もこの拍を用いていたのではないかと言われている。
2000年代後半ごろからアニソンではこの拍が無視される傾向にあり、英語のような音節基準の歌詞が出始めてきている。
統語関係
品詞
同じ形が品詞を跨いで存在することがある。例えば「ない」は形容詞の否定に使われる際は補助動詞だが、動詞の否定に使われる際は単なる接辞である。これらは起源が異なる場合もあれば、意味の転用によってできた場合もある。
活用しない語である「体言」の一種。
活用する語である「用言」の一種。活用によっては名詞を修飾する連体詞(連体形)や他の用言を修飾する連用修飾語(連用形)になることができる。連用形は名詞としても使えるため、連用形にすることを体言化と呼ぶことがある。
語幹に存在・状態を表す助動詞(繋辞)「あり」が縮約しているため英語と違い動詞のように活用する。
体言だが名詞のように格助詞をつけることができず、繋辞「だ」などをつけることで動詞のような働きをする。「の」をつけることができるものとできないものがある。英語の副詞や形容詞に近く、実際古典では漢文の副詞や形容詞から輸入された単語が形容動詞として働いている。
体言の一種だが格助詞「に」をつけることなく動詞を修飾することができる。例えば副詞「今日」は?「今日に来る」というよりは「今日来る」と言った方が違和感がない。このような語は時名詞とも呼ばれる。
動詞が本来的な意味を失い、動詞を修飾する意味となった「やってくる」の「くる」などの単語。文法な意味では英語の助動詞に相当する。
文と文同士を繋げる。活用しない。
「あっ」「ちわー」などのように、それ単体で文となる。活用しない。
名詞または格助詞の後に好きな数つけることができる。古典では係助詞と呼ばれ、動詞に係結びと呼ばれる標識を伴うことがある。
名詞にひとつだけつけることができる。総主文の主語の標識、主格、対格、対象主格の接辞などは無標になることがある。
動詞の特定の活用形につく接辞と、名詞などについて存在や状態などを表し繋辞となる接辞の二種類がある。動詞と同じように活用する。
動詞の特定の形につくが助動詞のように活用しない。従属節を作り、文を副詞化する。
動詞の特定の形につくが助動詞のように活用しない。従属節は作らず、語調を強めたり、話者を表示したりする。
主題と焦点
名詞と副詞につく助詞にはひとつの語につき幾つでもつけられる副助詞とそうでない格助詞がある。これらはアクセントを持たない。
副助詞は例えば、は、も、こそ、さえ、しか、などであり、格助詞は例えば、が、の、に、を、から、などである。
副助詞「は」は大きく分けて三つの意味合いがある。
対比は、例えば「こいつはカツジ、こいつはケン」のように、他と何かを分けるものである。
主題は、「これがペンだ」のように「ペンであるのはこれだ」という聞き手にとって既知の述語に対する未知の主語を表す焦点の標識「が」に対して、「これはペンだ」のように、既知の主語に対する未知の述語を表す。
総主文は、「ゾウは鼻が長い」の「ゾウは」(≒ゾウについて言えば)が許容される文である。ただし、「ゾウが鼻が長い」と言えないこともない。
対比の意味と主題の意味が常に同時にあるとは限らない。
対象主格
格助詞「が」には以下のような意味合いがある。
対象主格は、例えば「草が知りてぇ」「人が食える」「眼鏡が好き」のように、特定の動詞句や形容動詞の目的語のような働きをする。
ヲ格
対格、又は英語の目的格、ドイツ語の四格に相当する。ただし、場所を表す名詞についた場合は英語と違い「街を歩く」のように自動詞を修飾できる。
ニ格
与格または所格あるいは向格などに相当する。
方言
日本語の方言には、声調のある京阪式アクセントや、拍ではなく音節を用いるシラビーム方言といった特殊なものもある。
方言は以下のような特徴を持つ。
- 都会から離れるほど昔の方言が残りやすい。特に日本では京都からの距離が同程度の地域同士の方言が近似しており、この分布の解釈に関する原則仮説として「周圏論仮説」というものが提唱されている。
- 急速に広まった単語ほど変わりにくい;逆を言えば、単語に変種の多い地域ほどその単語の故地である可能性が高い。
- 借用された単語が変わる場合、その変わり方には規則がある;例えば、ある単語の「ヂ」の音がある地方ではヂ、他の地方ではジと発音されていた時に、他の単語もまた後者の地方ではジと発音されている可能性が高い。
- 変わり方が不規則な場合、他の方言から借用された単語であったりする場合が多い。
このような規則を利用して語源や故地を予測してみるのも一興かもしれない。
屈折表
動詞グループ |
子音語幹 (五段活用) |
母音語幹 (一段活用) |
形容詞 |
形容動詞 |
未然形 |
-a -o |
-∅ |
-karo |
-daro |
連用形 |
-i |
-∅ |
-kaQ -ku |
-daQ -de -ni |
終止形 |
-u |
-ru |
-i |
-da |
連体形 |
-u |
-ru |
-i |
-na |
仮定形 |
-e |
-re |
-kere |
-nara |
命令形 |
-e |
-ro -yo |
|
|
(ここでは「っ」をQと表記した。-は前に語幹が来ることの意味で、-∅は何もつかないという意味。)
- 言語学でいうところの「接辞」と「助動詞」は、学校文法ではそれぞれ「助動詞」「補助動詞」として教えられる。
- 「する」「来る」といった使用頻度の高い動詞や(補)助動詞は不規則な活用(変格活用)をする。
- それぞれの形は命令形を除けば動詞の文法機能や接辞に合わせた語形変化である。
- 子音語幹動詞または五段活用動詞は「飛ぶ」toˈb·uのように語幹が子音で終わっている動詞、母音活用動詞または一段活用動詞は「食べる」taˈbę·ruのように語幹が母音で終わっている動詞である。
- 形容詞及び形容動詞の否定は(補)助動詞を用いるため英語の不定詞に相当する連用形を用いるが、それ以外は接辞を用いるため専用の語形である未然形となる。
- 形容動詞の未然形〜終止形は「であり」から派生しているが、連体形と仮定形は「なり」から派生した相補形となっている。
- 子音語幹動詞の未然形は普通-aを用いるが「-う」のように後ろに狭母音である-uがつくと連声が起こり-oとなる。
- 子音語幹動詞の連用形は語幹の最後の子音の種別によってその子音が変わる。
追記修正は正しく美しい日本語で宜しくお願い致します。
- 柔軟性では他の追随を許さない言語だと思う -- 名無しさん (2014-02-17 18:49:14)
- 最近は略せばいい風潮があるしな。 -- 名無しさん (2014-02-17 18:51:37)
- 自分も「を」は「wo」って発音してるなぁ。 -- 名無しさん (2014-05-17 20:03:34)
- ルイズたんのコピペを見ていると日本語は世界一優れている言語だと自惚れそうになる -- 名無しさん (2014-05-17 20:08:20)
- 昔は何とも思わなかったのに、今はとても誇りを持っている -- 名無しさん (2014-05-17 21:05:46)
- 正直シスプリの呼称は汎用性に欠けると思うん -- 名無しさん (2014-06-23 02:55:55)
- 遊戯王のカードの名称を海外でどうするかの話を聞いて、ああ日本語って自由だなとしみじみ。 -- 名無しさん (2014-09-07 21:21:32)
- 逆に日本語だとありあらゆるものを形容する言葉があるから、英語とかの前後の文で単語の意味が大幅に変化する言語〈世界の大半がそう〉は読み取りづらくなるんだよなぁ。 -- 名無しさん (2015-08-10 11:00:49)
- 美しい日本語って凄いよね(小並感) 言葉使い綺麗な作品はは読むだけで心地いい -- 名無しさん (2016-08-02 19:42:25)
- みさくr・・・いやなんでもない -- 名無しさん (2016-10-01 14:59:40)
- しかし表現が多すぎて意図をそのまま伝えるにはむかない文学特化な言語 学問特化の英語とはそういう点でも相容れない感じがある -- 名無しさん (2017-01-07 15:41:30)
- 今は言語系統不明ではなく「日本語族」になってなかったっけ? -- 名無しさん (2017-01-07 15:42:55)
- 日本人が英語苦手なのって日本語が英語とは全く別ベクトルに完成された言語だから、ってのもでかいと思う。とことん学術表現には向かないよね日本語って -- 名無しさん (2018-07-25 18:01:40)
- 表現の幅が広すぎる。今や漢字に外国語の読みを宛てたり逆にアルファベットに漢字のルビ振っても普通に受け入れられる始末 -- 名無しさん (2018-07-25 23:12:18)
- 英語のwか二重調音なのはuから発生したからで、日本語のwが単に両唇を接近させるだけなのはφから作られたからなんだろうなって -- 名無しさん (2020-02-16 21:38:00)
- 日本語が凄いところは外来語をカタカナにあてることによって海外の言葉を吸収しやすいところだと思う -- 名無しさん (2020-02-18 00:56:03)
- もはや誰も触れないアルタイ語族説 -- 名無しさん (2020-02-18 01:06:09)
- 「主語を省略する」なんて言われるけど,それは主語と述語がワンペアな英語からの視点であって実際には主語を必要としない述語文であることのほうが多い。「いい天気だ」なんてわかり易い例(「今日は」とかは時節を表す修飾語であって主語じゃない)。いわば主語さえも修飾語 -- 名無しさん (2020-04-05 15:48:02)
- 性的な表現の数だけなら世界でも相当多い部類だったはず。 -- 名無しさん (2020-12-17 17:24:14)