マヨイガ(伝承)

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マヨイガ(伝承) - (2023/01/29 (日) 13:45:05) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/07/28(木) 23:09:59
更新日:2023/06/27 Tue 13:14:45
所要時間:約 3 分で読めます





マヨイガは東北から関東にかけて言い伝えられる怪異譚の一種である。
マヨヒガ、迷い家、迷ひ処とも。

口伝という形では古くから存在しているが、文章としての初出はかの有名な遠野物語。

物語としては所謂隠れ里系の話であり、佳く富豪家系の起源として使われる。
時代、地域によって多くのバリエーションを持つが、大きな流れはさほど変わりがない。その大きな流れが以下の通りである。

主人公となる人間が山奥へと迷い込んでしまう。
暫く歩いてみると、立派な門を持つ屋敷にたどり着く。
これ幸いと門をくぐってみれば、屋敷の庭には紅白の花が咲き乱れ、多くの鶏、牛、がいる。
屋敷に入れば美しい食器が多く並べられてあり、生活感はあるのに探せど探せど人はいない。
しょうがなく少し休んだ後、茶碗を幾つか拝借して屋敷を後にする。
そして森を抜け、後日、もう一度マヨイガに行こうとしても辿り着く事はなかった。また、持ち帰った茶碗で米を計ると、米は尽きなかったという。

以上が基本となるパターンである。迷い込む主人公は猟師、山菜取り、村の娘、婿入りに来た男など多々あり、またマヨイガから帰れないパターンなども存在する。

因みに遠野物語に載っているマヨイガは二つ。
一つは基本的なもので、迷い込むのは三浦某という貧しい家の妻。
ある日、薪を取りに出かけるが、中々良いものがなくつい山奥まで入り、そこでマヨイガに出会う。
入りはするものの結局なにも持ち出さす、帰路につく。この事を人に話すが信じてもらえなかった。
後日、川で洗濯をしていると川上から赤い茶碗が流れてくる。美しい茶碗で、女は拾うが食事時に出せば汚れると思い、ケセネ(米、その他の穀物)を計る器とした。
この器でケセネを計り始めたところ、いつまでもケセネが尽きず、不信に思った夫が問い詰めると、事の次第を全て話した。それ以来、この三浦家は村の中でも富豪になったという。

これもマヨイガの一つのパターンであり、この後、普通ならマヨイガから茶碗を持って帰るのに妻は無欲にも持って帰らなかったから茶碗の方から来たんですてー、と語られる事になり、無欲な者が富を得る、所謂花咲か爺的な話しとも繋がる。
もう一つの話しは同じ様なガジェットを含みながらも少し違う。

山崎某に婿入りした男が、山崎某の家がある村に向かうため山に入り、マヨイガと出会うが人がおらず怖くなって自国へ帰って話しても、知っている人はいない。
他の道で山崎某の村まで行き、そこで事の顛末を話すと、マヨイガだと言われ、そこから茶碗を持って帰ると長者になるという話しを聞く。
それから婿を案内に村の人達がマヨイガのあった場所まで行くが、マヨイガは見つからず、皆で村へ帰る。その後も山崎が金持ちになった話しは聞かない、という話。
こちらの話しはマヨイガの、所謂隠れ里的性質が強く書かれており、婿はもったいないことしたねーという構成になっている。

他にも色々とあるが、有名なのはこの三つ。
で、何でこんな話しが生まれたかというと、遠野地方には昔から異界に莫大な富があると言われ、その話が変質したものだと思われる。じゃあ何で異界に富が〜と言うかも知れないが、これは恐らく金山が原因だと思われる。が、詳しくは項目の趣旨から離れるため割愛。

取り敢えず、このような下地があったため、マヨイガという話しは遠野を中心に広がったと思われる。







さて、一部の人以外には大して面白くない話しはここまでにして、マヨイガといえばこの人。
多くのオタク共をマヨイガに定住させた魔性のメイド……。家政婦じゃなくメイド!!(ここ重要)
マヨイガ・オブ・マヨイガ!!



琴乃宮雪さんについて語ろうじゃないかっ!!
……え?もうある?またまたご冗談を




………………。
…………。
……。
とまぁ存在するので、少しだけ補足っぽいもの。以下水月のネタバレ若干注意。

雪さんマヨイガを始めとする、所謂「帰れない」系のマヨイガはマヨイガとしての怪異の他にもう一つの怪異性を持っている。

言わずもがな、それは神隠しとしての怪異性である。
神隠し系の話の最後はバッドエンド的なものが多く、大抵の神隠しは神隠しにあった時点で妖怪に喰われた、というのが殆どである(無論、神隠しにあったものはその殆どが帰ってこない。帰ってきても記憶を失っているのが常なため、真実の所は解らないが)。
この神隠し、人を隠すという性質を持っているが、このような性質を持つ童話が存在する。
それが浦島太郎である。
浦島太郎は同意の上で竜宮城へと行っているし、物語の仕掛けが明かされるのが最後であるため解りにくいが、外から見た場合、
釣りの途中で亀を助ける

そのまま亀の背に乗り竜宮城へ

竜宮城で幾百年を過ごす

途中の部分がごっそり不明になっているため、釣りに行った某が帰ってこず、死体も無い、という立派な神隠しでだろう。
つまり何が言いたいかというと


神隠しに会った人ってマヨイガで雪さんとは言わずともどっかで美女侍らせてんじゃね?


以上!!



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