山ン本五郎左衛門(ぬらりひょんの孫)

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山ン本五郎左衛門(ぬらりひょんの孫) - (2017/12/31 (日) 16:00:29) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/09/13(火) 23:26:04
更新日:2023/04/21 Fri 22:56:13
所要時間:約 7 分で読めます






あるところに大商人がおりました 金も女も自由自在…

欲しいものがなくなった男は全ての畏を手に入れて

仏様や神様のような存在になりたいと思いました


しかし残念なことに

その野望は畏をすすって生きる

妖怪どもにつぶされてしまいました……


恨みを持って死んだ男は自らが怪談となり…

奴良組を滅ぼすまで決して滅びぬ

妖怪と―――

なったのです


その妖の名は

魔王・山ン本五郎左衛門

山ン本五郎左衛門(さんもとごろうざえもん)とは、漫画『ぬらりひょんの孫』の登場人物。
本編より昔、江戸時代に生きていた元人間。

【概要】

人間の頃は、花魁の帯を箸で摘むほどの巨体かつ肥満体。材木の買占めや蜜柑の輸入で巨利を得、贅の限りを尽くした。
創作した怪談を広めて人々の畏を「百鬼の茶釜」に集め、それを国の要人に飲ませて虜にする事で世界を牛耳り、
果てには畏を自らに集めて生きながら神仏になろうとしていた。
また創作怪談を描き、それを実体化させる事が出来たため怪談は実体験となり、尾ひれを付けながら瞬く間に広まり畏も順調に集まっていた。

性格は下衆の極み。自らの野望のために人を殺める妖怪を幾つも生み出したり、一目惚れした女を手に入れるために女の家族や親戚を平気で皆殺しにする
ただ危機意識は欠落しており、対立する鯉伴の暗殺を命じて生死を確認しないまま要人達を集め百物語を開催。
鯉伴や奴良組の襲撃に際しても屋敷の結界や創作妖怪を過信して返り討ちにあい狼狽してしまうなど突発事態に対応できない。
その性格は後の部位妖怪達にも受け継がれ命取りとなる。
鯉伴を撃退すべく最後の百物語で最強の妖怪を生みだそうとしたが、今まで作った創作妖怪がどれも脆弱だった事から、
遅まきながら自身の百物語の欠陥に気づき発動を躊躇った時に追いついた鯉伴に驚き二階から転落、
瀕死の重傷を負うが鯉伴への怨みから遂に自らの名を百物語に書き込み「奴良組を滅ぼすまで決して滅びない」屋敷よりも巨大な妖怪に成り果てた。
江戸の街を自らの身体から産まれた妖怪らとともに蹂躙し、最期には鯉伴によって打ち倒された。
しかし、身体から産まれた妖怪達は意思を持ち、倒され本体が地獄に落ちた山ン本の残骸の中から赤子状態の山ン本の脳が柳田や残党に回収されるなど完全には倒されていない。

尚、百物語の使用法や茶釜やドクロの数珠の入手先は鵺安倍晴明の子孫、御門院家から供与されたと思われる。



【江戸百物語組】

山ン本が結成し、彼から生まれた部位妖怪達が再編した百物語で怪異を生む妖怪組織。
本部は深川の山ン本邸(旧山ン本邸)。
かつては黒田坊も茶で洗脳され所属していた。

部位妖怪

◇圓潮(えんちょう)
部位:口
「あたしはただ…怪談を語りたいだけの男ですよ」
噺家のような姿の言霊使い。目にはハイライトが入っておらず、不気味な印象を与える。部位妖怪達の中で実質的なリーダーの働きをしている。
真の目的は"鵺の再誕"を語る事、そのために御門院家と通じ山ン本を裏切る。


◇鏖地蔵(みなごろしじぞう)
声:茶風林
部位:左目
「現世では鏖地蔵とお呼びください。"山ン本"は百にわかれておりますゆえ…混乱いたしますからな」
羽衣狐率いる京妖怪の一人自らの催眠能力を使って他の京妖怪を騙し、恰も昔から居たかのように振舞っていた。←気持ち悪い奴だな、リクオに倒され死亡。
明言されていないが、おそらく幹部。

◇狂画師 鏡斎(きょうえし きょうさい)
部位:腕
「柳田サンあんたさ~~~俺の趣味知ってんのな」
浅黒い肌のロリコン。描いた絵を本物にする事ができ、創作怪談を絵にする事で妖怪を生み出す。女性の服を破って背中に絵を描く変た…素晴らしいヤツ。
リクオを九相図の呪いで腐らせようとするが失敗し切られる。

◇悪女野風(あくじょ のかぜ)
部位:十二指腸
「それよ、その姿、その肉が食べたかったのよーーー!!」
現代ではケバい悪食なおばさんだが、産まれたときは腸がそのまま妖怪になったような醜い姿。全身に口があり、鞭のように体を振り回して人間を喰らう。凄く臭い。
組の先陣を切る形でリクオに接触、周囲にいた人間を襲った事でリクオの逆鱗に触れ倒された。

◇檄鉄の雷電(げきてつ-らいでん)
部位:骨
「オレは全部骨で出来てるんだぜぇ!!どうだぁ?カッコイイだろう!?」
がっしりした体形の大男。怪力の持ち主でノリは良いが、人間に指図されるのを嫌う。
全身が骨で出来ており、とても頑丈でリクオの斬撃も通用しなかった。骨を一本の腕に集中させ蛇腹状に巨大化させた"龍の腕"で戦う。
同じように変形させた足と、龍の腕で相手を挟み潰す"双龍の牙"でリクオを殺そうとするも、特撮の中ボスよろしく、新必殺技の餌食となり死亡。

◇蠱惑の珠三郎(こわく-たまさぶろう)
部位:面の皮
「ボクの正本を乱しおって……人間のくせに…あ死ねぇ!!」
歌舞伎の女形のような中性的な容姿をしている。
特殊な皮を被って他人に変装する能力を持ち、衣服や声まで完璧にコピー可能。変装時の皮を他者に与える事も出来る。
また自分を主役にした舞台を造りだしその中で絶大な強さを発揮する領域型妖怪としての能力も持つ
毛倡妓に変装してリクオの母若菜の暗殺を企むも首無に阻まれて失敗、奴良組本家の妖怪達にリンチにされ、最後は魔王化した山ン本に吸収される。

◇三ツ目八面(みつめやづら)
声:広田みのる
部位:脳
「滾るのう…」
奴良組の傘下「三ツ目党」当主として奴良組に潜入中。正体は亡骸から出てきた赤子で山ン本の脳。
実は地獄の山ン本本体と思念を共有し、体の各部位を統括している言わば山ン本本人の受信機。
各部位が死ぬ度に痛みが返ってくるため苦しみがかなり来る。
畏を集め新たな体の完成を待ち望んでいたが、圓潮に致命傷を負わされる。

○魔王の小槌(まおう-こづち)
部位:心臓
現在の所唯一妖怪ではない部位。刀の形をしており、斬った妖怪の妖力を吸って攻撃力を増す。


【その他】

◆青行燈(あおあんどん)
山ン本の脳の新たな体のため、圓潮により作りだされた巨大な鎧型の妖。
超高速のカウンターと口からビームを放ち、ダメージを受けても言霊を載せた畏により直ぐ回復するチートな畏兵器。
動力源の茶釜を破壊され、リクオの一撃で撃破される。
しかしその残骸は瀕死の脳が喰らい、地獄の山ン本の怨念が増大し魔王山ン本が復活。
だがあっさり倒される。

◆柳田(やなぎだ)
百物語組の幹部。山ン本の『耳』。
「ボクはお前の怪談はキライだよ…なぜだろう…鼻につくから哉」
各地で噂を蒐集する(顛末を見届け報告する)役割を担う。
厳密には山ン本の肉体から生まれたのではなく、江戸時代編にて山ン本の部下として付き従っていた妖怪。
忠実な部下であり、山ン本を敬愛していたため、正気を取り戻して奴良組についた黒田坊を裏切り者と称して深く憎悪している。
左耳に鈴のついたピアスをしていて、語尾には「~哉(かな)」とつけて喋る。
百物語組解散後は、いずれ山ン本が復活すると言って走って逃亡する。←追いかけろよ黒田坊
初登場時は妖しい風格のイケメンだったのだが、最終的に残念なイケメン化した。


【劇中での活躍】

☆現代では妖怪〈件〉の予言や今までに流し続けた噂を媒介に圓潮の言霊を使い東京都の全ての人間を煽動し、リクオを襲わせる鬼ごっこを発動。
しかし杜撰な作戦、7人の幹部の足並みの乱れ、奴良組に潜入していた脳が新たな肉体、青行燈を受領するため現場を離脱したことによる情報伝達の遅れで新しい畏を得たリクオを過小評価してしまいリクオ達に各個撃破され完全に劣勢にたたされる。
しかし言霊使いである圓潮が居る限り洗脳は解けないために両陣営ともに膠着状態だったが"鵺の再誕"を目論む御門院と結託していた圓潮の裏切りにより脳は殺され、青行燈もリクオに撃破され、逆上した地獄の山ン本は怨念で魔王化するもリクオに止めを刺される。
実はこの一件で地獄で他の怪談を乗っ取るまでに進化しており、柳田曰くいつか復活するらしい…のにファンから羽衣狐様や土蜘蛛の復活フラグとみなされる。


【余談】

元ネタは「稲生物怪録」という江戸時代の物語に登場する同名の魔王。
同じ魔王である神野悪五郎と「勇気ある人間の心を100人へし折る」という競争をしていた。
しかし、86人目として目を付けた稲生平太郎は30日にも渡って五郎左衛門の刺客や怪異を退けつづけ、五郎左衛門の幻術にも耐える。
ついに五郎左衛門は負けを認め、その勇気をたたえて自分を召喚する小槌を平太郎授けた。
後に平太郎は化け狸の総大将・隠神刑部を眷属もろとも封印する、という偉業を成しいる。



















鼻の人どこ~?


追記・修正は怪談を百扁物語ってからお願いします。




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