アシズ(灼眼のシャナ)

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アシズ(灼眼のシャナ) - (2016/03/15 (火) 18:23:27) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/09/12(月) 03:26:03
更新日:2023/05/17 Wed 23:29:12
所要時間:約 9 分で読めます




違う!!死に様だ!
私と共に在るのは、ティスの死に様だ!!



灼眼のシャナの登場人物。

人間を食らう怪物、紅世の徒の一人。

本編の遥か昔、16世紀頃に起きたフレイムヘイズと紅世の徒の大戦。その元凶と呼べる人物。

真名は「棺の織手」
炎の色は「青色」

第1巻から存在を示唆されており、その時は「棺の織手」という真名だけが明かされた。

外見は仮面を付け、6枚の翼と鍛え抜かれた男の身体を持つ青い天使の姿。
性格は情深く優しさに溢れるもので、その優しさから部下からも慕われている。またソレの優しさは時に敵にすら向けられる。
良くも悪くもその場の感情にそって行動するという。

徒の中でも特に強力な力を持つ紅世の王。
その中でも、莫大な存在の力と卓越した自在師としての力量から、中世において最強とされた紅世の王。


中世の欧州において万を超える数の徒が所属する組織「とむらいの鐘(トーテン・グロッケ)」の首領。

世界のバランスを守るフレイムヘイズにとって最大の敵。

その目的は「壮挙」と名付けた新たな存在を生み出す儀式を行う事。
本当は自分一人のためにやっていることなのだが、先述のアシズの性格とモレクの運営でいつしか徒全体の希望となっていた。

元々は紅世とこの世の二つの世界のバランスを守るという使命感に溢れた厳格な人格の持ち主。
フレイムヘイズが出来た最初期に人間と契約し、契約者の「棺の織手」ティスと共に活躍した最古のフレイムヘイズの一人。


○“棺の織手”ティス
青い長髪の少女。
力を授けてくれたアシズを天からの使いのような存在と思い、アシズを恋い慕っていた。
人間を麦の穂程度の食料ぐらいにしか思ってない紅世の徒を憎み、徒を討滅し続け、最初期のフレイムヘイズの中で最も功績を挙げた。
戦闘時は額に付けてる輪っかが頭上に移動し、背中には白い翼が生え、その外見はまさに天使と言える姿に変化する。
相当の力量の持ち主で自在法・清なる棺で最初期に乱立していた徒の集団を多数殲滅した。

○自在法・清なる棺
四角形の形をした閉鎖空間の結界を造り上げ、対象を閉じ込めたり、破壊を行う。


祭礼の蛇の神殺しの戦いでは、フレイムヘイズとして参戦しており、祭礼の蛇とも戦った。
数々の戦果を挙げ、フレイムヘイズの理想像と称され、英雄とすら呼ばれた程の存在だった。
ちなみに、同時代から現在まで活躍しているフレイムヘイズはカムシン・ネブハーウくらいで、大地の四神の師匠の年代である。
(参戦した中で、別の人間と再び契約した形で登場している”王”にはタケミカヅチやウァラクがいる)


しかし、ある日、彼女の力を恐れた人間たちの裏切りによって命を落としてしまう。
その時、アシズは彼女の自分に対する想いと自身もまた彼女に対して深い愛情を持っていたことを自覚してしまう。
彼女の喪失を怖れた彼はティスを殺した周囲の人間を喰らう事で自らをその場所に召喚させると同時に彼女の消滅を防ぐために、
自在法・清なる棺で遺体を特殊空間に包み込む事で崩壊を防いだ。
尚、コレは彼が自在師として優れた技量の持ち主だったから出来た神業だという。(仮に力が桁違いなアラストールがやろうとしても不可能)

そして世界のバランスを守る使命から離反した事で世を荒らす紅世の徒となり、英雄から一転、彼らの敵になった。
逆に紅世の徒側は元フレイムヘイズに対して即座に歩み寄る訳は無かったが、自身の欲望を何より優先する彼らは、仲間から追われる身になっても断固として願いの為に動くアシズを恐れつつ敬服した。

尚、いつからか自身の真名である「冥奥の環」の名を捨て、ティスのフレイムヘイズの称号「棺の織手」を自らの真名として名乗るようになる。
つまり、彼の真名「棺の織手」はあくまでも自称であり、彼の本来の真名は「冥奥の環」である。
紅世の徒が通称を変える事はよくある事だが紅世における名である真名を変えるなど有り得ない事であり、彼のティスに対する想いの深さが窺える。
大戦時では既に徒とフレイムヘイズ含む多くの者に棺の織手と呼ばれているが、
古株のガヴィダと世界法則の体現者としてルールに厳しいために紅世本来の名に拘るアラストールからは冥奥の環と呼ばれていた。

その後はティスの蘇生だけを目指し、千年を超える長い旅を始めた。
再び彼女と共に生きることだけを望んだ彼はかつて仲間であったフレイムヘイズと敵対しながら世界を巡り、
その道中で九人の紅世の王「九垓天秤」を従える事になる。
そして、何時しかとむらいの鐘という世界最大の徒の組織を結成する事になる。

しかし、あらゆる秘法を学び、試行錯誤を繰り返すもどうしてもティスを蘇生させる術を見つける事は出来なかった。

ならば、せめて最期にティスが遺した願い「アナタと私の子供を授かり、共に暮らしたい」という願いだけは叶えるべく行動を起こした。
このアシズとティスの子供が「壮挙」で誕生させる新たな生物「両界の嗣子」である。

願いを叶えるのに必要な「存在の力」を手に入れる為に都喰らいと言う術式を開発。
通常、人間以外から存在の力を喰らうのは不純物が混ざっている為に適さないのだが、
この術は土地ごと純粋かつ莫大な存在の力に変換するものでアシズはそこに住む住民ごと土地を存在の力に変換し、
それを喰らう事で凄まじい量の存在の力を手に入れた。
ちなみに後にフリアグネがこの術に挑戦している。

都喰らいで増大したその力は相当のモノらしく、作者曰わく大戦時のメンバーの中でも別格の強さを誇るという。
彼以外に別格と言われたのはアラストールだけである(槍シュドナイメリヒムマティルダすら別格扱いされていない)。


とても情深い人物でティスが彼を慕い、「九垓天秤」の面々を含めた「とむらいの鐘」が彼の元に集ったのは、
物質的にも心情的にも何も切り捨てられず抱え込む彼の優しさから。

最終決戦においては先代炎髪灼眼の討ち手マティルダと対峙。
マティルダとアラストールが愛し合っている事を見抜き、死を覚悟してまで使命に生きようとする二人の姿がかつての自分たちの姿に被り、
不憫に思い彼女とアラストールとの間にも「両界の嗣子」を作る事で仲間に引き入れようとするも、拒否されてしまう。


そして、マティルダは自らの死を覚悟で紅世の徒一体を生贄に捧げる代償に天罰神“天壌の劫火”をこの世に神威召喚する儀式「天破壌砕」を行い、
神として力を奮う天罰神アラストールとの一騎打ちとなる。

「何故だ……何故、愛する者を捨てるフレイムヘイズが、私の前に立ちはだかるのだ」
「何故、愛を選ばない。かけがえのない、この世に唯一つの、愛を」
「愛し合う者が、互いの生きる道を……何故、選ばぬのだ!!」
「貴様は、何処を、見ているのだ。」
「我らは、共に生きて、此処に在る」
「――――――ッ!!」
「我が女、マティルダ・サントメールの……生き様を、見よ」
「死んで、死んで、なんの生き様だというのだ!!」
「貴様と同じだ!契約者の生き様が、今の貴様と共に――在る!!」
「違う!!死に様だ!私と共に在るのは、ティスの死に様だ!!」
「徒を討ち果たしたティスを、人間の為、力を使い果たした、我が愛する娘を――」
「弱さから恐れ、強欲から利用し、挙げ句に殺したのは、人間どもだ!!」
「だから喰らった!守るのを止めた!ティスと共に生きる、それだけを望みとした!!
ただ、共にあろうと……それを世の理が許さぬのなら、理をすら変えてみせると!!」
「新しき世に響き渡る、古き理を送る、故に我らはとむらいの鐘[トーテン・グロッケ]!!」
「その意気やよし、“冥奥の環”……いやさ、“棺の織手”!」
「だが、世の理は、過ちを決して看過せぬ!!」
「過ちでなどあるものか!!我が――愛が!!」


二人の死闘は凄まじく、山が吹き飛び、大地は荒れ尽くされ周囲が吹き飛ぶ程。
間違いなく作中、最大規模の闘い。

しかし、天罰神アラストールの力はまさに次元違いで当代最強の王アシズですらも全く歯がたたず、圧倒される。
そして互いに自身の契約者に対する想いを叫びながら、同時に渾身の炎弾を放つ。しかし、青き炎弾は紅蓮の炎弾に一瞬の拮抗も許されず吹き散らされ、敗北。
紅蓮の炎に呑み込まれ粉々になって消滅、討滅された。

その彼の想いは天罰神という役割上、決まりに厳しく頭の堅いアラストールさえも、
彼のティスに対して全てを掛けた想いと彼とティスが共に在った時の呼び名「棺の織手」を彼の生き方そのものと認め、
最後には彼の真名と認めた程である(それまでは本来の真名である冥奥の環と一貫して呼んでいた)。



彼が遺した、「生命が死を乗り越える一つの方法」は後にとある人物らの決断として使われた。


追記・修正は愛のために全てを捨てる覚悟を持ってお願いします。

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