アラストール(灼眼のシャナ)

登録日:2011/10/03(月) 19:54:04
更新日:2019/08/26 Mon 06:13:02
所要時間:約 8 分で読めます




「貴様は、何処を、見ているのだ」


「我らは、共に生きて、此処に在る」


「我が女、マティルダ・サントメールの……生き様を、見よ」


アラストールとはライトノベル『灼眼のシャナ』に登場するキャラクター。
アラストールはこの世で定めた通称で、紅世での本名である真名は“天壌の劫火(てんじょうのごうか)”。
ファンからはたまに「荒須徹(あらす とおる)」と日本人っぽく呼ばれる。というか作中でもそんな感じで呼ばれることもある。

声優
ドラマCD大塚明夫
アニメ 江原正士


シャナと契約し、異能の力を与えている“紅世の王”。炎の色は紅蓮。
シャナと契約する以前からこの世に渡り来ており、シャナの前にも人間と契約しフレイムヘイズとして活動していたことがある。
シャナにとっては、師にして友、父にして兄と言うべき存在で絶大な信頼を置かれている。

ただの“紅世の王”ではなく、紅世で『神』と称される紅世における世界法則の体現者の一柱(ゆえに「真正の」と表現される)。
持ちたる権能は「審判」と「断罪」。
神格は『天罰神』だが、その天罰は破壊によるものなので、「天罰下す破壊神」、神をも殺す神として「魔神」とも呼ばれる。
アラストールと同格の存在は“祭礼の蛇”と、“覚の嘨吟”シャヘルのみである。

能力は権能そのものである討ち滅ぼすための力そのものと、炎
漫然と使うだけでは単純な炎と大差ないが、意志と技能を合わせることで凄まじい破壊力を発揮する。

顕現した姿は、巨大な紅蓮の焔。灼熱の炎の中に漆黒の塊を奥に秘め、太い足と鉤爪の生えた腕、
有角の頭部、夜空を思わせる皮膜を張った翼と本当に燃えている灼眼を持つ。
漫画版「ES」では「炎をまとった漆黒の魔神」という形で描かれている。
現在はシャナと契約しているためその体である『器』の中に休眠しており、意識のみを黒い宝石を意匠したペンダント型神器“コキュートス”に表す。

人物像

使命感が強く堅物で厳格、遠雷の轟くような声で話す。
『天罰神』であるため、世界の秩序に関して特別使命感が強く、紅世からこの世に渡り来たのも両界に仇なす同胞に天罰を下すため。
だが割と世話好き。そして親馬鹿。あと女性に対しての押しが弱い。

「そういうところは、やっぱり父親みたいに厳しいんだなって思ってさ」
「まるで、そういうところ以外が情けないように聞こえるが」

立派な時は立派なのだが、駄目な時は情けない。
威厳と情けなさが色々と紙一重である。
天罰神としての自分にはプライドがあるらしく、自分の評判が数百年間表に出ない間にすっかり零落していたと知ったときは、あまりのショックにしばらく意気消沈している。

この世の人間の成長や感情の機微に対しては疎い以上に常識知らず(どうも、そういう面ではどの討ち手よりも遅れていた模様)だが、実は意外な点として建造物の工事や機械類の改造について詳しい。
これは、「天道宮」にて次代の契約者を探していた数百年の間、行動を共にしていたヴィルヘルミナが原因である。
時代が移り変わるにつれて、ヴィルヘルミナは外界の技術をどんどん取り入れては「天道宮」の拡張工事を行っていたのだが、「アラストールが『天道宮』の采配を取っているのだから、どこにどのような改造をどれほど施すのか、彼には詳細に説明せねばならない」という理屈から、工事を行う度にその内容を逐一報告に向かっていた。

言っているところが全くの正論であるため無下にもできず、さりとて流そうとしても真面目一辺倒のヴィルヘルミナには効果がなかったため、結局は工事の内容を詳細に聞かされるハメになり、これが数百年続いていた。
そのため、シャナを育成していたころには大筋で理解できるプロのレベルまで慣らされており、本人もこれには「何が悲しくて工事工法に精通せねばならんのだ」と辟易していた。

しかし、この知識は坂井家にシャナが転がり込んでから後、彼女の情操に良い影響をもたらした千草と「保護者同士の話」をする方法が必要になった際、「“コキュートス”を携帯電話に仕込む」というアイデアの実現に一役買うことになった。


○天破壌砕(てんぱじょうさい)

“紅世の神”は祈りと代償、運と神自身の意思によりその権能を発揮する機能を持ち、『神威召喚』と呼ばれる降臨要請の儀式を行うことで神威を発揮する。討ち手の契約はこれを「この世」の人間と“紅世の王”の間で行うものである。 

そして天壌の劫火を呼ぶ神威召喚の名称が“天破壌砕”。“紅世の徒”一体を生贄に“天壌の劫火”を神威召喚する。
召喚主から天罰神を喚ぶ場にして、生贄を選別し固定する「紅蓮の帳」が展開された後、召喚主の祝詞ともに生贄の存在を侵食し動力源へと変換、神威を召喚する。

こうして神としての機能で召喚された天壌の劫火は、顕現して力を振るう際にこの世の存在の力を使う必要がある普通の徒と異なり、この世の存在の力を使う必要がない。
しかもその力は圧倒的で、中世最強を誇った紅世の王“棺の織手”アシズさえ戦闘力の面ではフルボッコできるほどで、
同じ"神゙である創造神“祭礼の蛇”ですら、恐れる力を誇る。
単純にタイマンを張るだけなら作中最強であろう。

しかし、この世でフレイムヘイズの器に収まっている状態で使用した場合、神として顕現したアラストールの膨大な負荷が器となっているフレイムヘイズにかかるため、実質的に使用=死亡という状況になってしまっている。
実際にマティルダはこの儀式を行ったことで死亡している(周囲の予想とは異なり、器の破壊はなかったが疲弊した本人が紅蓮の炎に呑まれて消えた)。

一方でシャナは「トリガーハッピー」によってアラストールの休眠を破られた後に生還しているが、儀式を行ったわけではないので結果としては不明瞭。

○炎髪灼眼の討ち手(えんぱつしゃくがんのうちて)

“天壌の劫火”アラストールのフレイムヘイズの称号。
フレイムヘイズの称号は契約している王とその能力によって完全に固定され、人間側が代替わりしても王が同じなら称号は変わらない。

称号の通り、フレイムヘイズの力を使う際にはいずれも火の粉を散らし赤く輝く「炎髪」、灼熱の焔のように煌く「灼眼」が顕れ、
アラストールの翼の一部が顕現した黒衣「夜笠」を纏う。
アラストールの力である『討ち滅ぼすための力と、炎そのもの』と、自身の「強さのイメージ」の融合により生まれる力を振るう、炎使いのフレイムヘイズとなる。
ちなみにいずれの力も元々の名前がないため、それぞれが付ける。

初代『炎髪灼眼の討ち手』にしてシャナの先代。アラストールの力を持て余すことなく自在に振るい、「当代最強」と称された。

本編の数百年前に契約し、フレイムヘイズとしてこの世で活動を始める。
契約当初のマティルダの物言いから「なんと理屈っぽくて偉そうで腐った性根の女だ」と憤ったり契約したことを後悔したりとさっそく振り回されがちであったが、
共に数百年間戦い続けていく内に、お互いを深く信頼し尊重しあい、愛しあう仲になる。

強さのイメージは、人間時代の彼女の姿でもあった『自身を先頭に切り込む騎士の軍団』。
その象徴である力は炎を武具や騎乗獣、そして無数の騎士として具現化する『騎士団(ナイツ)』。
軍勢の一体一体が並のフレイムヘイズほどの力を持ち、広範囲に展開しての攻撃や、
密集させての「大殲滅密集突撃(ヴォーパルファランクス)」、一部だけを顕現させ飛び道具として使う、
槍・剣・盾・弓などの武具を生み出し手に持って自分で使う、炎の形を変えて自分そっくり変える、
炎に変換して熱量で焼き尽くすなどを知覚が及ぶ限りの広範囲に展開し自在に操る。

二代目『炎髪灼眼の討ち手』。「灼眼のシャナ」の主人公兼ヒロイン。

マティルダの死後、彼女の願いの通りアラストールの新たな契約者に相応しいものを見つけるという約束を果たすべく
マティルダの友であったヴィルヘルミナ・カルメルと“夢幻の冠帯”ティアマトー、彼女との約束を果たすために協力する“虹の翼”メリヒム
そしてアラストールの間で行われ、数百年間の繰り返しの果てに出会い、そして契約した少女。

お互い信頼して、上手くやっているが間柄は先代と異なり親子のそれであり、彼女に対してはアラストールも保護者意識丸出しになる。
数年間二人で一人の旅を続けていたが、偶然訪れた日本の御崎市で出会った少年・坂井悠二に関わり変わっていく少女に、
保護者として色々ヤキモキさせられることになる。

坂井悠二については最初こそ只のトーチにしか見てなかったが共に闘う間に信頼していき、実はシャナと同じぐらい信頼している。
それ故に彼と敵対する事になった今でも表には出さないが彼の心配をする場面などがある。

契約から数年間アラストールの力を殆ど使えず、自分の体や武器に小規模な爆発を起こす程度が精一杯であったが、
御崎市での精神的な成長と鍛錬、戦いの中での力への渇望や葛藤を通して、後に自身の力を十全に振るえるようになる。
決してシャナが未熟なのではないが、「あるもので何とかする」というシャナのやり方が却って成長を阻害してしまっていた。

強さのイメージは、フレイムヘイズになるべく赤子から育てられた彼女が物心ついた時から思い描いてきた『フレイムヘイズとしての強い自分自身』。
その象徴である力は「アラストールの契約者である自分自身」を延長させる形の力。
飛翔・物体・熱量・拡声などのイメージを自身に連動する炎の身体(物体)として具現化する『真紅』、
灼眼と視界を共有し、存在の力と流れを見通す炎の一つ眼『審判』、
放出した炎をシャナが武器として愛用する日本刀の形に凝縮して形成する炎の刀『断罪』、
放出した炎の形を定めず、指向性を持った奔流として自身の腕や武器から放つ『飛焔』など。
力の名称はアラストールの権能の流用と、見たままの印象から名付けている。


「どうして、腕をこっちに向けているのかな?」
「たまには我も、編集・追記のことでの鬱憤を晴らしたいからだ……っ!!」
「わ――っ!し、死にオチか―――!?」

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