Ib(フリーゲーム)

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Ib(フリーゲーム) - (2014/08/31 (日) 08:56:33) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/04/27(金) 04:37:13
更新日:2023/07/22 Sat 19:56:19
所要時間:約 5 分で読めます




「Ib(イヴ)」とはkouri氏がRPGツクール2000で製作したフリーゲームのタイトル、及び同作品の主人公の名前である。



作者のkouri氏曰く、作品のデザインコンセプトは外国の絵本であり、登場人物はそれを少し日本人向けにしたとの事。


◇ストーリー

両親と共に美術館で開催しているゲルテナ展を訪れた少女イヴ。
彼女はゲルテナが残した作品を観ている内に、いつの間にかひとりぼっちになっていた。
無人の美術館を探索するイヴの目の前で、謎の異変が次々と現れていく――。


◇概要

本作は舞台である美術館にある品物や仕掛けを用いて謎を解いていくタイプのオーソドックスな探索型ホラーアドベンチャーゲームである。









しかし、主人公のイヴは非力な少女である為、スウィートホームバイオハザードシリーズをはじめとする戦闘を交えたホラーアドベンチャーと言うより、
同じくフリーゲームのホラーアドベンチャーである青鬼の様な戦闘を回避するタイプの作品と言えるだろう。

本作の公開自体は2012年とまだ新しい部類に入る作品だが、完成度の高い独特の世界観、人数は少ないながらも魅力的な登場人物、
フラグ立てによって分岐するマルチエンディングの仕掛けなど、これらの要素が多くの人に評価されている。
現在はver1.02を公開中。


◇登場人物

  • イヴ

本作の主人公。年齢は9歳。
母親譲りの茶色の長髪と赤い目をした非常に愛らしい容姿の少女。
両親と共にゲルテナ展に来た際、とある絵画を見た事で奇妙な世界へと迷い込む。
この時イヴが手に入れた赤い薔薇は彼女の命そのものであり、この花びらが全て散ると彼女も死んでしまう。

母親から貰った白いレースのハンカチが宝物であり、作中では着ている洋服などから「いいとこのお嬢様」と推測されている。うさぎが好き。

作中での台詞は一切無いタイプの主人公であるが、とあるイベントでは幼いながらも芯の強さを見せる。
しかしまだ9歳である為、精神的に相当まいっていたらしく、行動次第では決壊してしまう。
また一部の難しい漢字が読めないという年相応の面もある。ギャリーには心を開き、互いに強い絆で結ばれている。

  • ギャリー

イヴが迷い込んだ奇妙な世界で出会った男性。
イヴと同様に奇妙な世界に迷い込んだらしく、異変に巻き込まれて死にかけていた所をイヴに救われ、彼女と行動を共にする様になる。
イヴ同様奇妙な世界で入手した青い薔薇を所持している。

三白眼の上に長い前髪で左目が隠れており、ボロボロのコートを着古しているという怪しさ全開の格好だが、
その全てを吹き飛ばすのが彼のオネェ言葉のインパクト。
一人称のアタシに始まり、如何なる時もオネェ口調が崩れない他、全く喋らないイヴとの対比でイベントでは毎回賑やかなアクションを取る。

探索の際は、イヴが読めない難しい漢字を代わりに読んでくれたり、重い物を動かしてくれたり、
彼の所持品であるライターを使用する、などの形で謎解きに貢献してくれる。

体力だけでなく精神的にもタフな方で、「心壊」を起こしたイヴが可愛いうさぎに見えていた人形は、彼には本来の赤い目に青い肌の不気味な人形の姿に見えていた。

  • メアリー

イヴとギャリーが世にも奇妙な世界で出会った少女。
金髪碧眼の人懐っこい美少女であり、出会ってすぐにイヴと友達になる。
彼女が所持しているのは黄色の薔薇
ただし彼女の薔薇は造花の偽物。

  • イヴの両親

父親の容姿はごく普通だが、母親は美人。
二人とも序盤で出番終了と思いきや、終盤のとあるイベントにて母親が登場する。

  • ワイズ・ゲルテナ
数々の美術品を作り出した美術家。
彼の作品には全て彼の魂がこもっており、その魂が込められたとある作品が異変を引き起こした。
実在する人物はほとんど描かない主義。


◇美術品

奇妙な世界でイヴ達に襲いかかる異形の存在。

  • 花占いが好きな絵画の女
  • 無個性と名付けられた首の無い女の石像
  • 青い人形

これらは全てゲルテナが生前に作り上げた美術品である。


◇システム

イヴ達の持つ薔薇の花びらの数は本人のライフポイントを表しており、美術品との接触で花びらは減ってしまう。
このゲームは敵である美術品を倒す事は出来ないので、探索時に遭遇した場合はひたすら回避に徹するのみである。

一応、奇妙な世界の所々にある花瓶の水を使えば減った花びらの数を回復させる事も出来るが、
花瓶の水はごく一部の例外を除き使いきりなので、使う時は注意が必要。




































メアリーは実在する人間ではなく、ゲルテナの最後の作品である「メアリー」という絵画に宿った強い魂が、自我を持ち実体化した存在。
持っていた黄色のバラはイヴたちを騙す為に用意した造花。
他の美術品と違い強い自我を持つため、外の世界に憧れている。
彼女が異変を起こした張本人であり、奇妙な世界に迷い込んだ人間になり代わる事で、現実世界の人間になりたがっている。


イヴの事を非常に気に入っている為、
エンディングの分岐によっては奇妙な世界での記憶を失って現実世界に帰ってきたイヴの家族に入り込み、何食わぬ顔で彼女の姉妹となっている。

逆にイヴと強い絆で結ばれているギャリーを敵視している節がある。
イヴやメアリーとはぐれたギャリーは、探索中に見つけたゲルテナ作品集の中に「メアリー」を見つけて彼女が人間ではないことに気付いたが、
ギャリーの近くにあった「耳」の絵画を通じてその事を察知したメアリーは、口封じのためにギャリーの精神を壊し、美術館に閉じ込める事で成り代わろうとしていた。

「メアリー」が描かれていた本体の絵画は「おもちゃばこ」の奥深くに保管されており、本体の絵画が燃やされると彼女も消える運命にある。












以上、ネタバレ終了





エンディングは差分を除くと全5種類。
エンディング分岐に関する選択肢や行動自体は比較的分かり易いが、キャラへの好感度もエンディングへの分岐に関わる他、
一部のエンディングでは所持品によって台詞が微妙に変化するという細かい仕掛けも施されている。







追記・修正は再会の約束をしてからお願いします。

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