G-SAVIOUR(ガンダムシリーズ)

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G-SAVIOUR(ガンダムシリーズ) - (2016/11/25 (金) 14:39:22) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/07/05(月) 13:18:00
更新日:2024/03/23 Sat 01:27:49
所要時間:約 10 分で読めます




2000年に発表された、ガンダム生誕20周年記念プロジェクトの1作。
アメリカの映像会社とサンライズの日米合作映画。

タイトルにも本編にもガンダムの文字は1つも無いが、れっきとしたガンダムシリーズの作品である。
また、シリーズ初の実写作品として(96年のゲーム「GUNDAM THE WAR FOR EARTH」は除く)製作され、このインパクトは当時も現在も不変となっている。
MSの描写はコクピット以外全てCGで表現されており、駆動音に“ウイ~ン”といった実際の機械音を取り入れ、無重力宇宙空間ではフワフワと漂い、重力下では低音と重量感を意識した独特のある種リアルな描写は、“非常にリアリティ溢れる”か“もっさりしてる”の二分の評価に分かれるところ。
他にも後述するコクピットのデザインやハリウッドSF恒例のデブリ抜けなどから、「ウルトラマンパワード」と同様に、海外と日本のSF描写観の違いを味わえる。

ハリウッド制作という宣伝もされたが、実際の所はそこまででもないTVスペシャル級の予算(およそ10億円)で製作されたためか、実写パートは少々しょっぱいものとなっている他、「スターシップ・トゥルーパーズ」の戦闘服の流用など、残念な部分もチラホラ……
また、吹き替え版は話題性を重視してタレントを中心にキャスティングを行ったせいで棒読みが目立つ。


発表当時、模型雑誌「ホビージャパン」で毎月特集が掲載され、後述するメディアミックスなど精力的なプロモーション行われたが、結果は皆の知る通り惨敗に終わった。
なので現在では黒歴史(スラング的な意味で)に近い扱いを受けているが、公式の年表にはきちんと宇宙世紀0223年の物語として記載されている。

なお、Gジェネなどのゲーム出演が一切無いのは、日米合作という版権絡みの問題であるとも言われているが詳細は不明である。
小説版の表紙のキャラは実写ではなくイラストであり、仮に参戦するなら違和感のないイラスト版のような絵になるかもしれない。
例として、CGのIGLOOやコロ落ちのキャラはカード、Gジェネ、ギレンの野望OPではアニメ絵になっている。



■ストーリー
ザンスカール帝国戦争から70年、そして1年戦争から144年を経た宇宙世紀223年。
既に崩壊した地球連邦は、連邦派のコロニーを再編し「セツルメント国家議会」を結成し、再び地球圏の統治が始まった。
しかし、地球と他セツルメントでは深刻な食糧不足に悩まされていた。
その頃、元国家議会軍の青年マーク・カランの働く大西洋深海農業研究所リグ(議会管理下)の研究所にスパイが進入。
捕縛されたが、マークはそこでシンシア・グレーブスと出会う。
彼女らは独立セツルメントのサイド8ガイアの研究者達であり、リグで食料不足を救う鍵となる「生物発光体」の開発のため侵入したと話す。
マークは彼女を留置所から連れ出し、リグの研究所で「生物発光体」の開発実験に大成功した。
しかし、それを強奪して独占しようと企む国家議会軍ガーノー総督の手が迫り、マークはしてない筈の殺人の罪に問われて指名手配されてしまう。
シンシアはマークとガールフレンドのミミ・デビアを連れてサイド4ニューマンハッタンに逃亡。そこでマークはかつて事故死したはずの戦友フィリッペ・サン・シモンと再会する。
彼は事故死に見せかけ離反、秘密結社「イルミナーティ」の幹部をしていると告白、更に最新型MSのGセイバーのパイロットを務めるよう促す。
なし崩しにGセイバーを受け取ったマークたちはサイド8ガイアへ亡命した。しかしそれも束の間、ミミはガーノーのスパイであり、彼女はガイアのコンピューターに侵入して意図的に議会軍の艦を砲撃する。
これを口実に議会軍が武力侵攻を開始、マークを憎む元上官ジャック・ヘイルが率いるMS部隊が迫る。マークは「生物発光体」、そしてシンシアたちを守る為、Gセイバーで立ち向かう!

本作の出来事は「ガイアの光事件」として記録される。



■用語
●スペースセツルメント
本作における、スペースコロニーの名称。
作中では各サイドが独立していることから、コロニー(植民地)は不適切としてセツルメント(入植地)となった。
なお、本作においてはアースノイドとスペースノイドの軋轢はこれ以前の時期よりは少ないらしく*1
ドラマCDでは親善野球試合が毎年開催されていることも語られている。


●セツルメント国家議会
崩壊した地球連邦の残党が、比較的連邦寄りのサイド2,3,5,7を取り込んで作り上げた新たな統一政体。
多分に軍閥的な部分があり、かつてのティターンズを彷彿とさせる武力にまかせた強権政治から、反感を持つ者も多い。


●セツルメント自由同盟
サイド1,4と月面都市が国家議会に対抗して作り上げた勢力。詳細な描写は少ない。
なお、サイド6とガイアは中立。


●イルミナーティ
秘密裏に設立された武装組織。
地球圏で起こった紛争に対して独自の戦力で武力介入を行う。
国家議会と対立することが多いため反国家議会組織とみなされがちだが、
実際の目的は地球圏の勢力バランスを保つことであり、場合によっては国家議会と協力することもある。
国家議会と自由同盟の双方に対してパイプが太いようで、実態を把握するのは困難。
…まんまソレスタルビーイングとか言ってはいけない。


●セイバーチーム
ジョン・セイバーなる人物に率いられたMS開発チーム。
かつては議会軍に属しており、解散したと思われていたが、実はイルミナーティ側についている。
その技術力は本物で、彼らが開発したセイバーシリーズMSはいずれも極めて高い性能を誇りながら、コンセプトモデルであるGセイバー以外は量産されている。
なお、ジョン・セイバーは非常に謎が多い人物で、チーム内にすらその存在自体を疑問視する者がいるほど。


●モビルウェポン
通称MW。コンピューターによって制御される無人MS。
紛らわしいがモビルワーカーではない。
議会軍は指揮官である有人MSとその手足となるMWの配備数を増やすことで戦力を増強する「MW計画」を推進している。
緻密な作戦行動と死を恐れない戦いぶりでかなりの力を発揮するが、作戦行動中に命令の更新が出来ず、とっさの状況に対応できないという欠点もある。そのため一度暴走すれば手がつけられなくなり、本編の数年前には暴走MWが居住区を丸ごと一つ焦土に変えてしまう事故が発生している。
また、前述した死を恐れない戦いぶりという点から、熟練パイロットにとってはある意味カモ同然の存在でもある。
戦闘行為に人の意思が介在しないことから嫌悪感を示す者も多い。


●生物発光体
読んで字の如く、生物発光(ホタルや深海生物特有の熱を発さない光)を起こす物質。
リグでは、これを組み込むことで光合成に必要な光を自ら生み出す植物を開発し、
荒れ果てた地上の代わりに深海に農場を作ることで食糧危機を打開することを目標として、リバ博士主導で研究開発が行われていた。



■登場人物
●マーク・カラン(演:ブレナン・エリオット)
頼むぞ、Gセイバー!
本作の主人公。
かつては議会軍で凄腕のMSパイロットとして知られていたが、事故に遭った同僚ソウヤーを救えなかった辛い経験やジャックの非人道的な指導に嫌気がさしたことなどから退役する。
その後はリグで働いていたが、シンシアたちとの出会いによって事件に巻き込まれ、その人生を大きく狂わされる羽目に。
ミミとシンシアという2人の女性にキスしまくったリア充。


●シンシア・グレーブス(演:エヌカ・オークマ)
ええ・・・実験は大成功よ!
シリーズ通して唯一の純黒人ヒロイン。
ガイアのウィズダム大学に所属する生化学者。
学会では若いながらも生物工学の権威として知られており、「生物発光体」の開発実験を行うためにリグに侵入した。
つまり、事件を起こした張本人でもある。
徐々にマークと心を通わせるが…。
なお、演じたエヌカ女史は「ガンダムW」の英語吹き替えでリリーナ役を務めており、アニメ声優としても活動している。


●ミミ・デビア(演:カタリナ・コンティ)
自分とこの機械に殺られるなんてアンタらしいわ!!
マークのガールフレンド。
実は議会軍のスパイであり、マークと付き合っているのもお目付け役としての部分がある。
自分を議会の重要議員にさせるよう提言を求めるなどの汚い面があり、マークからは半ば見限られていた。
しかし心ではマークを愛しており、議会軍に射撃したのは個人的な感情が合わさっている。
また、「生物発光体」の食料不足解決への活用には賛成しており、最終的に議会を裏切り、ガーノーと運命を共にする。
サウンドシネマ第1話にも登場。ヒロインのエリーシアを激励、手助けして活躍する。


●フィリッペ・サン・シモン(演:ロシュガー・マシューズ)
あとは我々イルミナーティに任せろ!
かつてのマークの同僚で、嫌気が差していた議会軍を事故死に見せかけて離反していた。
その後はイルミナーティに参加し、幹部を務める。
ニューマンハッタンのとあるクラブでオネエのバーテンにフィリッペ・マルガリーテを注文することは彼への面会を意味する。
Gセイバーをはじめとするセイバーシリーズの開発にも携わっている。
マークへGセイバーに乗るよう提言したり、苦戦していたガイア軍のピンチに駆けつけたナイスハゲ。
サウンドシネマ第2話にも登場し、こちらでもオイシイ活躍を見せた。


●フランツ・ディーター(演:アルフォンソ・キーハダ)
"マーク、太刀打ちできない!このままじゃやられちゃうよ!"
シンシアと共に深海施設へ侵入した、ガイアの研修生。
MSパイロットでもあり議会軍のMSレイに乗りたがっていたが、皮肉にもそのレイにフルボッコにされてしまう・・・。


●ガーノー総督(演:ケネス・ウェルシュ)
シーザーもナポレオンも恐怖を利用して政治していたのだよ
国家議会軍の総督で本作きっての悪役。
当初は軍を退役したマークと親しげに話しかけていたが、心では見下している。
「生物発光体」を知るや独占するために、どんな手を使ってでも奪い取るよう命令を下す*2
どうやら最終的には自由同盟と中立セツルメントを取り込み、地球連邦を再建することを企てていた模様。
アンティーク武器を多数コレクションしており、軍服にもその意匠を取り入れるなど、センスには若干疑問が残る人。
ミミをマークのもとに送り込んでスパイさせていたが裏切られ、最後はとある凡ミスで死亡する。
吹き替えは両さん。


●ジャック・ヘイル(演:デイヴィッド・ラヴグレン)
勝つためなら何したっていいんだ!それが悪役なんだよ!
国家議会軍のMSパイロット。悪役を自称し、勝つためなら卑劣な手段もいとわない。
金は命より重い主義で、それについていけず退役したマークを裏切り者として執拗に目をつける。
ガイアへの侵攻の際、闘いを楽しむように次々とMSを撃破していった。
なお、上記のセリフは吹き替え版のもので、実際のセリフは“Good bye my friend(さらば友よ)!”である。



■登場兵器
本作登場の兵器は小型化が主流だった宇宙世紀140年代の頃よりも再び大型化しており、リニアシート廃止、実体弾武装など、先祖返りしたようなものとなっている。ただし性能設定を見る限りは非常に高い推力重量比を持つ高性能っぷりなので、映像解釈の問題と思っておくのが吉である。
また、媒体によってはこの時代には技術が大きく衰退し、全天周モニターやリニアシートなどの技術は最早維持することすら出来なかったとされている。
因みに、一部を除いたデザインは大河原邦男氏が担当しており、後に一部の機体の意匠が、同じく大河原氏が参加したSEEDの機体に受け継がれた。

●Gセイバー
セイバーチームが開発したガンダムタイプのMS。設計自体は旧連邦時代から行われていた模様。
開発7番目の機体とのことで、GはガンダムのGではなく、アルファベット順で7つめのGを意味する。どうやら開発された機体順にアルファベットが振られる模様。
球体関節を採用したフレーム「オリジン」に外装を被せて作られており、専用の換装ハッチを潜ることで装備換装するという点が特徴で、3種類に換装可能。所要時間はおよそ30秒。
しかし換装ハッチが場所を取ってしまうこと、ただでさえ煩雑な設計な上にオプションが改良、拡張される度にそれに合わせた調整を施さなければならないことから、運用性には若干難がある。
武装は全形態共通で、ビームライフル、ビームサーベル×1、頭部30mmバルカン砲、ビームシールドというスタンダードなもの。
以下3項が各換装形態。

  • 無重力仕様(スペースモード)
宇宙空間での戦闘に特化した換装。単にGセイバーと言う場合は基本的にこれを指す。
背部と腰部の大型スラスターが特徴的で、F91の血が流れているとする説もある。
上腕部と大腿部には装甲が無くフレームむき出しという、徹底した軽量化が図られており、運動性能は非常に高い。それでいてこの手の形態にありがちなパワー不足ということもなく、片腕で巨大デブリをこともなげに押しのけられる程パワフル。
重力下でも戦闘自体は出来るようである。
この機体のみガンプラ化されており、腰部スラスター基部が若干ヘタりやすい以外は当時としては良質な出来。内部フレームもきっちり再現されている。
13年の刻を超えてガンダムビルドファイターズにまさかの登場で本作を知る視聴者に衝撃を与えるも、ニルスの百式に瞬殺される。
が、それでもファン達は瞬殺以前に公式である映像媒体に登場出来たことに大歓喜したのであった。
BF登場に合わせてか再販されているので興味のある方は手にとってみればいかがだろうか。

  • 重力下仕様(テラインモード)
地上戦に特化した換装で、分厚い装甲と素早い機動性が特徴。スラスター出力はスペースモードに劣る。
スペースモードと比べると、よりオーソドックスなガンダム像に近いデザイン。
本編では終盤の数十秒のみの登場、しかも後姿という不遇なもの。
しかし、高品質なCGによる描写と勇ましいテーマ曲に彩られ、アっという間に敵MSを撃破する姿は印象深い。
サウンドシネマ第2話においては性能テストにてMW化されたフリーダムとこの形態で交戦している。

  • 高起動仕様(テライン・ホバーモード)
本編のテスト用に作られたPV(未ソフト化)及びサウンドシネマ第2話に登場。
テラインモードに大出力ホバーユニットを背負わせ、短時間ながら器用な飛行が可能。山岳や市街地で特に威力を発揮する。
ホバーユニットは任意にパージ可能で、推進剤が切れてもすみやかにテラインモードに移行できる。
ミノフスキードライブどこ行ったという声が多いが、恐らくこれも技術衰退によって消えてしまったものと思われる。

●イリュージョン(Iセイバー)
セイバーチームが開発した9番目の機体。セイバーシリーズでは唯一ペットネームがある。
本編ではフレームアウトしている場面が多く、出番も少ないため全身象が掴みにくいが、設定画を見るとしっかりガンダムタイプと分かる。
AMBACデバイスと着床脚以外の機能を捨てた鳥のように細い脚と、スラスターで埋まった背部が特徴的。
完全な宇宙仕様であり、Gセイバー以上の機動性を誇るが、その分装甲は薄く、敵の攻撃は機動性を活かして回避するのが基本となる。
要はほぼガイコツと思えばよい。
フィリッペ率いる大部隊で議会軍を蹴散らしていった。

●RGM-196 フリーダム
ジェガンの遠い末裔である、地球連邦軍最後の量産型MSにして最後のRGMシリーズ。
劇中に登場した機体は緑基調のカラーリングだが、連邦軍で使われていた時は青基調で塗装されていた模様。
某モビルファイターや某スーパーコーディネーターの乗機とは無関係。
連邦崩壊後は各セツルメントに払い下げられ、ガイアは画面を埋め尽くす程に大量保有している。
既に30年以上過ぎた機体で劣化が酷く、現役当時のスペックが引き出せなくなっている。作中でも完全に旧式扱いされているようで、戦闘用MSとみなしてもらえないこともしばしば。
本来の主武装だったビームライフルは実弾マシンガンに、ビームシールドは実体シールドになり、ビームサーベルは一部の機体しか使えないという、まるで1年戦争時代に戻ったような気分にさせてくれる。
完全に名前負けしており、さらに素人パイロットが操縦していたこともあり、議会軍のレイ部隊によって血祭りにあげられていった。
正規パイロットのディーターも搭乗して出撃し、他の機体よりは何とか粘った。
サウンドシネマ第2話ではMW化されてGセイバーのテスト目標となるが、工作員シドニーの手によって暴走させられ、集団でGセイバーを手こずらせた。

●CAMS-13 レイ/CAMW-13 MWレイ
議会軍の量産型MS及びMW。MW計画によって開発された新型機。
トーラスみたいなものだと思えばいい。
昆虫の様なデザインが特徴で、ツインアイが怪しく光る。
ビームライフル兼用のビームスピアと背部ロケットランチャー、そして肩部マシンガンなど充実した武装を備え、当初はガイア軍より少ない部隊で一方的に撃破しまくるも、マークのGセイバーによって形勢を覆された。
増援を呼んで再び窮地に落し入れるが、今度は更に倍あるイリュージョン部隊によって全滅した。
そして、2機のMW型が…。
ジャックは下半身に増加ブースターを装備したMS型に搭乗。
デザインは現地スタッフのケビン・イシオカ氏が手がけた。

●CCMS-03 ブグ
議会軍の主力量産型MS。西洋の鎧を思わせるデザインが特徴。
ザクのプロトタイプではない。
実はセイバーシリーズと同じセイバーチームによって開発された機体である。
量産機ながら非常に堅牢で、装備無しで大気圏に突入しても機体もパイロットも五体満足、数発程度ならGセイバーのビームライフルがノーガードで直撃しても耐えられる*3程。またコクピットはそのまま脱出ポッドにもなり、パイロットの生存性を重視していることが窺える。
基本性能そのものも優秀なようで、サウンドシネマ第2話ではパイロットの技量差があったとはいえGセイバー相手に単独で善戦してみせた。
ガイア侵攻の際、ジャックが連れて来た2機がガイア内部まで攻めるが、マークのGセイバー重力下仕様により瞬時に撃破された。
本編では実弾ライフルとジャイアントハチェットを主武装として、稼働時間が通常のMSと比較して3倍にも増えているが、ビーム兵器を選択する事も当然可能である。
何気にジンのデザインモチーフだったりする。

●MMS-DS209 グッピー
冒頭でマークが操縦していた旧式の深海作業用MS。
潜水服のような姿をしている。
四肢を後ろに回すことで巡航形態への変形が可能で、また腕部は様々なツールに換装できるようになっている。
あくまで深海作業用機のため、地上では歩く程度の機動性しか持たない。
劇中では海中に墜落したブグを作業中に発見し、射出された脱出ポッドをキャッチして救出した。
レイ同様にケビン氏のデザイン。

●ニンバス
イルミナーティが保有する小型のMS運用母艦。Gセイバー運用を前提として建造された。
武装は一切持たないがMS3機を搭載可能で、それぞれが前述のハッチを利用して装備を換装できるようになっている。
ガーノーが終盤で乗り込んだ艦はニンバスと外見が同じだが、同じ艦なのか似ているだけの別の艦なのかは不明。

●ユリシス
議会軍が保有する駆逐艦。両舷にMSカタパルトを搭載している。
多数(少なくとも11機以上なのは確定)のレイとブグ2機を搭載してガイアを襲撃した。

●Fセイバー
サウンドシネマ第1話にて登場した機体で、Gセイバーの開発母体。
フリーダムを改修したもので、セイバーチームがイルミナーティに移って間もない時期に開発されたらしい。
外見こそフリーダムとほぼ変わらないが、20年前の機体がベースとは思えない俊敏な機動性と至近距離からの被弾にも耐えうる頑丈な装甲を持つ。
劇中では反議会軍組織「クラブ4」に供給され、わずか5機で議会軍のMS部隊を圧倒。特に主人公アンディが搭乗した黒い機体は彼の技量もあって凄まじい強さを発揮した。

●G2セイバー
Gセイバーの設計を発展させたコンセプトモデル。設定のみが語られた。
ジーツーではなくジーセカンドと読む。
Gセイバーに採用された球体関節を二重にした「ダブルジョイントフレーム」を採用。剛性こそ落ちたものの、元から高かった運動性はさらに強化され、高速で接近してくる敵への迎撃力は16%、回避性能は12%程向上している。

●MS母艦
サウンドシネマ第3話で登場した議会軍の艦艇。
MS2機を搭載可能。



■メディアミックス
●サウンドシネマ
地球のぶどう農家を主役に据えた第1話「イカロスの紅い翼」、Gセイバー開発秘話を取り扱った第2話「Before the mission」、シンシアが地球に降りるまでのいきさつを描いた「深海のプロメテウス」の全3話構成。
一部FMラジオ局で放送され、後にドラマCDとして発売された。


●小説版
上下巻の2部構成。出版は講談社スーパーダッシュ文庫で、著者は河原よしえ。
基本的なストーリーは本編と同じだが、設定や心理描写がより掘り下げられている。


●コミカライズ版
エンターブレイン発行の「ファミ通ブロス」誌で掲載された。未単行本化。
ゲーム版第1話を題材としている。


ゲーム版
本編の1年後を舞台とした作品。対応ハードはPS2、ジャンルは3Dシューティング。
PS2初のガンダムゲーにして、現状では宇宙世紀最新の物語となる。
単調なゲーム性やストーリーの完成度の低さから評価は低いが、グラフィックはPS2初期タイトルとしては中々綺麗で、音楽やメカデザインも好評。
本編の内容をまとめたスペシャルPVが3種類収録されている。



■備考
発表当初は「宇宙暦」という、アナザーガンダムに分類される作品ではあったが、のちに宇宙世紀に組み込まれた。
それ故に、1年戦争から100年以上も経っているのに技術が退化しているなどと色々言われてしまうようになったが、
アナザーガンダムのままだったら本当に黒歴史より闇の彼方に葬り去られる羽目になっただろうから、比較対象としてある意味有名ではある。

CGは十数年前のものに関わらず、関節の動きや姿勢制御など、細かい動きまで丁寧に描かれており、今の視点でも充分に高品質である。
特にコロニーミラー上におけるビームサーベル戦と、広大さと巨大感を演出するカメラワークも注目に値する。
また、農業というテーマを扱ったストーリーや設定、あまり取り扱われない宇宙世紀200年以降を舞台としている点などの独自性に関しても支持する声は多く、超マイナー作品ながら熱心な固定ファンも一定数存在する。

2015年現在ガンダムシリーズを時系列順に並べると、本作の次は『ガンダム Gのレコンギスタ』となる。
しかし、同作にて宇宙世紀末期に深刻な食糧難が発生したと語られたことと、食用賤民の末裔「クンタラ」が登場したことから、
「生物発光体は活かされなかったのか?」「本作は正史に入れなかったのか?」と物議をかもした。





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