バベルハイムの商人

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バベルハイムの商人 - (2017/01/25 (水) 22:58:29) の編集履歴(バックアップ)


登録日: 2014/07/03 Thu 02:15:38
更新日:2024/02/29 Thu 22:09:58
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買い物はお好きですか
ネットサーフィンはお好きですか

人類文明は日々進歩を遂げており、特に技術力の発展は眼を見張るものがあります
通信販売の高度化はまさにその最先端
いつでも注文ができ、何処にでも配達してくれる物流サービスは、世界を縮小し統一する画期的なシステムですね

昨今は我々悪魔の間でもネットを通じて人間界の商品を離れた場所から入手する事例が増えてきております
その一方で、悪質なフィッシングサイトやワンクリック詐欺など、人間が仕掛ける悪魔顔負けの罠に嵌まってしまう間抜けもちらほら
便利な世の中になったものですが、そこかしこに遍在する悪意には、どんな時代であっても警戒して損はありません

……僕ですか
この僕、ユージン・グリフィス個人の意見感想などお聞きになっても、あまりお客様方の参考にはならないと思いますが?

仕方ありませんね。お答えしましょう、僕の場合はですね……

黒田が観たがっていたHELLSINGOVAコンプリートBOXを発売当日に時間指定で発送していただくはずが……konozamaという訳です








貴方はたった今
入手した運命金貨によって
新たな交易世界の環の中に
招待されました

バベルハイムへようこそ

貴方が悪魔達から
買い取りたいものを伺いましょう




バ ベ ル ハ イ ム の 商 人
Merchant from Babelheim




マッグガーデンから刊行中の『月刊コミックブレイド』にて連載されていた漫画作品。
交易世界という独特の世界観で貫かれたオムニバス形式で、悪魔の商人達と彼らの売買する商品に翻弄される人間達を描くゴシックホラーファンタジー

繊細かつ豪奢で典雅なカラーワーク。
一話毎に張られた伏線を見事に回収する構成力と緻密な設定。
様々な説話にも引けを取らない教訓譚。
たまに失速する作画。
そしてネウロ並みの顔芸。


逢魔ヶ時から一寸先。
誘われるがまま導かれるがまま。
今宵の催しは如何なる喜劇か。
はたまた悲劇か恐怖劇か。
ようこそ、艶なる怪奇な世界へ――


ちなみに作者の古海鐘一氏はこんなペンネームでかなり汚ねえ書き文字で滅茶苦茶グロ美しい作風しているけれども女性である。
女 の 人 で あ る 。
大事な事なので二回分たっぷりと。




メイン悪魔    


ユージン・グリフィス
本作の主人公兼狂言回し。元人間。
所謂吸血鬼の類であり、純銀・日光・聖水など一般文学的な弱点は一通り網羅している。
顧客となる人間達に対しては悲観的な見方をしており、自分が売った商品で誰がどんな末路を辿ったとしても、基本的に「因果応報」だとして追求しないスタンス。
だが、商品自体に不備があったり第三者の横槍が入れられたりする場合には、後処理やアフターケアを徹底的に行う。
彼自身この生業に誇りを持って務めており、全うするべき仕事を妨害する要因には即刻対応、排除も辞さない。
「交易世界のルールに則っている限り誰にも邪魔はしないし邪魔者は許さない」のがポリシー。

黒田清彦
ユージンの助手の少年。元人間。
大人しくあどけない男の子の容姿をしているものの、れっきとした悪魔であり、急に巨大化はするわ掌から炎を噴くわ色々とんでもない奴。
上司と部下の関係だが、それ以上にユージンとはお互いに無くてはならない存在。
本体は沢山の脚でちょこまか走る鋼鉄の脳味噌。
黒田清彦の他にエドゥアール・シスレー、カミーユ・マルケ、ジョルジュ・ヴラマンク、オスカー・マルク、リオネル・マッケ、劉谿などなど多くの気の毒な子どもを一身に抱えている。
たぶん目からビーム出せる。

メフィストフェレス
褐色の肌の有名過ぎる悪魔商人。
ユージンをして「クチャラーの食事風景を丸一日観察する方がマシ」と言わしめる究極の下衆。
黒い犬や不定形の影の姿形を取ることも多く、その様は無貌の這い寄る悪意のよう。
交易世界を満喫しながら顧客を唆し苦しめる、本作で最も悪魔らしい悪魔。
悪魔アイテムを購入した人物の心の隙を突き、別の商品と組み合わせて堕落させ、破滅を鑑賞するのが趣味。
というかそれしかやらないワンパターン野郎。

ミュシタ
《ガラスの棺》に封印されていた強大な吸血鬼。元人間。
メフィストフェレスの策略とお膳立てによって人の手を転々とした後、大勢の人間達の命を糧に復活した。
前世はフリュギアの君主《黄金のミダース》、そしてユージンに交易世界の原則を教えた師匠である。
その癖に自分は交易世界には属さず、好き放題やっている。
神話に記された通り、触れたものを金塊に変える呪いを以て確定的に交易世界を傾ける危険な存在。
具体的に言えばインフレ。




サブ悪魔    


ダリア
ユージンと同業の友人で、双方顧客としても贔屓にしている間柄。
上半身は巨乳の美女だが、腰から下は多脚で靴代に悩んでそうな怪人蜘蛛女。
他にもハーピーやラミアといった女友達がおり、お喋りに華を咲かせている。
元人間・吸血生態・お客様は放っておけないと、ユージンとは共通点が多い。

サニー・ハンプティとジャンク・ダンプティ
ユージンと同業のチキンゾンビと、その鶏屍鬼を常に乗せている割れた卵みたいな何か変てこな奴らのコンビ。
主食はどうやら人間の毛髪らしい。

茜と葵
ユージンが不破橋宗佑の言い付けで引き取った元人間の悪魔の双子姉妹。かわいい。
子どもながらに交易世界のルールを学び、幼児の乳歯を運命金貨と交換する「歯の妖精」として活動中。

オイフォーリア
メフィストフェレスの付き人。美人。
最近出番が無い。……と、思いきや……?

怪盗レディ・クリスマス
またの名を聖ニコール乙女。悪魔に転生したら女体化しちゃったサンタクロース(聖ニコラウス)。かわいい。
交易世界に与すことなく好き勝手にガラクタを略奪し、その度運命を分岐させて人間達を幸福へと導く。

モールー
アイルランド北海にムルタと二人っきりで暮らしていた海トカゲ族の……少年? 少女? ……男の娘?
生来悪魔の社会を知らず、ユージンが来訪するまで悪魔の友達もいなかった。
運命金貨を手にしてからは積極的に交易世界と関わるが、最終的にムルタとの共同生活を選び、金貨を捨てる。しかし……




人間のお客様方(単行本4巻まで)    


ニューマン氏
競売で運命金貨を落札した富豪。
鼻が高くなった。

沖野愛
痴情の縺れを清算しようとするOL。
欠損部品補填よろしくです。

蝋燭屋『人魚堂』
悪魔御用達の蝋燭職人。
カットオフィサーのメレンゲファイナルでクラスタしとけば。

伊丹一馬
例外中の例外にして異能生存体。
飼い犬を侮辱されブチ切れようが、近しい人をサクサクッと殺そうが、微塵も揺るがず立ち直る比類無き精神力を持つ少年。
《凶悪人の胆力》など彼には必要ない。
将来の夢は獣医。しかし彼が登場する話では決まって動物が残酷な目に遭う。

シャルロット・アッシュダウン
イングランドに住む老婦人。
ユージンの顧客だった母親の遺産を継ぎ、黒田と兄妹のような絆を育んだ。
黒田が屋敷に侵入した賊を退治した事件から疎遠になっていたものの、数十年振りに会った時も変わらず親しく接する。

佐藤
友達の出来ない男子高校生。
焼きそばパン>友達→ブーンブブ

高西かおりと関本詩織
食品会社社長を脅迫する女と近所の主婦集団に虐げられている団地妻。
一見まるで接点の無い二人だが、ユージンの介入によってあら不思議。
メフィスト? あいつは頑張ったよ。

不破橋宗佑
運輸業者元会長の老人。
遺産目当てで親族を騙る連中に平穏を乱される中、死んだ曾孫の双子を蘇らそうと画策する。
ユージンとは満州以来の腐れ縁だった。
ジジイなめんな。

ムルタ
モールーと共に暮らしていた世捨て人。
じゃあこの金貨とオレの欲しかったものはもらっていくぜ。

ブリュノー
九百年前の貴族お抱えの騎士。
地方領主の妃クロディーヌの潔白を証明するため、盗賊に持ち去られた数々の宝物を取り戻すべく八面六臂の活躍をする。
生まれ変わるまでザザザザ

金子信貴
松方ボスの率いるヤクザ会員。特殊詐欺による稼ぎで悪魔の道具を購入、それらを海外で売り飛ばす悪魔ロンダリング業者。
にしても松方ボスの「ブツリ」はいちいち怖いっすねー。

トリリアン
レイラという女への復讐に燃える少女。
ユージンは珍しく肩入れしたが……

前田とその息子・翼
妻(母)と死に別れてから不仲になってしまった父と子。
互いを想う愛故の行動が裏目に出て……
グギュングギュン→「一緒に帰ろう」

伊丹の友達
中学受験の頃から伊丹と一緒に勉強してきた少年。生物解体が趣味のサイコパス。
「エイ・ヨー・ガイスト!!!」ギュルルルルルヂュボーン




悪魔アイテムピックアップ    


運命金貨
人間と人間でない存在を繋ぐ交易世界の通貨。これ自体は一般的な金銭と変わりはない。単位は人間界の金相場と同じオンス、もしくは所持枚数で数える。
老若男女貴賤問わず所有者を悪魔や精霊達の世界、常夜の国《バベルハイム》に組み込み、永遠に取引の対象とする。

凶悪人の胆力
平静時に悪辣な知恵を、昂奮した際に一度だけ殺人鬼の力と度胸を与える呪具。
極めて暗殺にうってつけ。この漫画が暗殺教室だったら連載終わってた。

ガラスの棺の男
ベネチアで引き上げられた激ヤバ商品。
棺自体も凄まじい魔力を帯びているが、本質は中身の持つ強大なエネルギーを媒介しているだけ。
中にはカリッカリに焦げてミイラ化したミュシタが眠っていた。

魂を追うもの
本名と共に呼び掛けることで相手の本心を一度だけ引き出すことが出来る。
使ってしまうと灰になって消える。
一般人から見れば二束三文のガラクタだが、裏の業界人から見れば常識外れの秘密道具である。

ヴァン・ヘルシング
吸血による捕喰を行う生態の悪魔に対し致死的な損傷を負わせる劇薬溶液。非常に危険なので悪魔の間でしか取引されない。
ちなみに商標と同名の人物やその系譜と関係は一切無い。HELLSING関係無い。




交易世界のルール    


交易世界の
運命金貨を持つ者は人間と悪魔と精霊を結ぶ交易世界に永久に組み込まれる。
所持した瞬間から誰もが悪魔独自の商品に関わって売買を行う権利を獲得する。
たとえ一度取引を断っても、その後も商人達の来訪を止める手立ては存在しない。
金貨で交渉を行う限り脅迫恫喝その他暴力行為は一切禁じられており、ルールを破れば上位の悪魔から制裁が加えられる。
ただし環に入っているのは運命金貨のルールに従う者達だけなので、「環を抜ける」旨の発言をした場合は略奪の対象となり、命の危険すら有り得る。

お買い物は自己責任
悪魔の取り扱う商品は大概が危険物であり、使い方を誤れば身の破滅が降り掛かる。
ユージンやダリアのような比較的良心的な商人から買った物でも例外はない。
まあ元々人間向けのアイテムではないし、勝手に言いつけを破って勝手に自滅しても自業自得というもの。

交易世界の“外”
運命金貨を持たず、環の外部で活動する悪魔達は、悪知恵や暴力に物を言わせて弱者から搾取する無法者ばかり。
また環の中にも表面上は善良な商人を装いつつ、交易世界の外にいる相手ならば本性を現し、力付くで奪い取ろうとする悪魔もいる。

輪廻転生は三回まで
当作品世界における生は三度あり、一つの魂は人間・悪魔・精霊それぞれへ生まれ変わるチャンスを持つ。
どんな順番にしろ一度全うした生き物としての姿には二度と戻ることは出来ない。
三回の生まれ変わりを終えた魂には「本当の滅び」が待っており、その先に何があるのかは不明。

顔芸したら破滅。慈悲は無い
しかも殆どの場合死亡特急直行便。
ただし例外ならある。伊丹とか。
まあ変顔しなくても死ぬ奴は死ぬ。












悪魔の! テレビに!
邪魔ネットアバド~~ン!
み・ん・な・の! 罪の! 友!


『はい! テレビの前の神様仏様悪魔の皆様ごきげんよう! それでは早速、今週の目玉商品をご紹介しましょう! デデドン! 「アニヲタwiki(仮)項目自動追記修正デバイスツール」!! ですッ!』

「思ったこと考えたことを直ぐ様言語化し出力できれば簡単なのに」――そんな風にお思いのwiki籠りの貴方に朗報です! 何とこの「アニヲタwiki(略)ツール」は脳神経接続式! 直にネットの海に繋がることで、思い付いたアイデアをご指定の項目に直接カキコ! 気に入らないコメントも一発消去! 管理者への通報も楽々!』

『しかも無線LAN光通信完全対応! お出掛け中でも入浴中でも、近くに無線機器が在りさえすれば、文字通りいつでも何処でもwiki籠ることが可能となるのです! いちいちパソコンを立ち上げてブラウザを開ける必要もなくなります!』


「アニヲタwiki(仮)項目自動追記修正デバイスツール」は、自分で建てた項目へ瞬く間に続けざまに追記修正を施すことでwiki籠りの度肝を抜き、加えて秒単位の更新を続けることによって生じるサブリミナル効果が視覚的にも籠り達に混乱を招き、今までに無い圧倒的な編集をもたらす驚異的なアイテムと言えるでしょう』

――魔界タイヤキ連盟会長
シッポ オイ シイタロウ  
    尻尾夫井椎太郎
※専門家個人の見解です。


『今なら入力した文字が片っ端から解読不能に変身する文字化け書式も付いてたったの金貨32オンス! 乗るしかない、このビッグウェーブに! お問い合わせはフリーダイヤルヤ卜ガミバンザイヤ卜ガミバンザイまで! 今すぐお電話、お待ちしておりまぁっすぅ!!』


ヤ卜ガミバンザイ
0120-080-0919-8100




「意味あるのか? なあ本当に何の意味があるというのだ? 何が悲しくてネットに自分の頭の中を晒しっぱなしにしなければならないのだ? 普通にコメントしたり追記修正したりする発想はないのか? あと最後のは一体何なんだ? 運命金貨じゃなくて5円玉集めていろよ禍津神! お前馬鹿なのか!? 死ぬのか!?」

「落ち着いてくださいユージン」
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