アックーム

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アックーム - (2014/12/14 (日) 13:11:45) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/12/14(日) 12:57:10
更新日:2023/12/31 Sun 20:46:08
所要時間:約 10 分で読めます






アックームとは、『マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー』に登場する敵キャラクターの1人である。



概要

本作の悪役。
コウモリをデフォルメ調に擬人化したような姿をしており、殆どカタカナのどこかぎこちない文体に「~ギ」の口癖という非常に怪しい喋り方をする。
人型とコウモリの異なる形態を持ち、移動時はもっぱらコウモリの姿で動く。

後述する過去の因縁からユメップ王子のことを強く憎んでいる。


かつてはマクラノ島に住むコウモリの魔王で、島の秘宝のひとつ「ダークストーン」を用いて世界征服を行おうとしてマクラノ族と対立した。
最終的には一族の長であるユメップ王子の活躍もあって追い詰められ、夢世界に封印されてしまう。
だが、封印される間際にダークストーンを自ら粉々にして島中に降り注がせ、彼らを石化させることに成功。
両者の戦いは相打ちに終わった。

ところが、現代(本編開始時点)になってもアックームはまだ野望を捨てておらず、マリオ一行が観光で訪問したことをきっかけに再び動き出す事となる。



本編での活躍

以下、本作のネタバレを含みます!









なんとオープニングの段階でいきなりマリオ達の前に現れ、有無を言わさず戦いを挑んでくる。


とはいえ戦闘自体はアクションのチュートリアルを兼ねたイベント戦なので、互いに攻撃し合うとすぐ終わる。
だが、唐突に現れたと思ったら彼のカッコイイ戦闘BGM「アックームとの戦いの果てに…」を引っさげてバトルに突入するため、まさかの超展開に呆気にとられたプレイヤーも多い。
(なお、この戦闘はルイージが見た悪夢の中で行われたものであり、戦っているマリオ自身はまだこの時点でアックームとの面識が無い)



その後、マクラノ城地下にあった石のマクラ(ユメップ)でルイージが寝たことにより夢世界への入口が発現、すかさず近くにいたピーチ姫を誘拐した。
アックームは彼女の力を世界征服に利用しようと考えていたのだ。
夢のマクラノ城で追いついてきたマリオ&ユメルイージ(夢世界のルイージ)と一戦交えるも、更に深層の夢世界の底へと逃げていく。


やがて、マリオ達がマクラノ族の一人であるユメじいの協力を得て夢世界の底に突入。
再び戦闘が始まる…かと思いきや、そこにまさかのクッパ乱入というイレギュラーが発生してしまう。
だが、貪欲なアックームは彼の秘めるパワーに感付くと「利用価値がある」と見込み、クッパをそそのかして味方につけることに成功。
タッグを組んでマリオブラザーズと一戦交えるが、深追いすることはなく二人一緒に夢世界から脱出した。


彼の狙いはかつてダークストーンと対を成した秘宝「ドリームストーン」の入手だった。
ドリームストーンは夢のエネルギーを注ぎ込むことでどんな願いも叶える力を持っており、ダークストーン無き今アックームはこれを世界征服の手段に使おうと考えたのである。

首尾のいいことにドリームストーン自体はマリオブラザーズの到着よりも前に手に入れることができた為、今度はパジャマウンテン山頂で夢のエネルギーの回収を計画する。
その内容は(クッパ側が用意したと思しき)スピーカーから「ネムリズム」という強い催眠作用を含む音楽を流し、島民を強制的に眠らせて夢のエネルギーを集めるというものだった。
ネムリズムの効果はマリオ達にとっても脅威であり、特にルイージが深い眠りに落ちてしまったことから事実上クッパ達の不戦勝に終わった。


ひとしきりエネルギーを集めた後、アックームはクッパに願いごとを促す。
クッパは世界征服には城が不可欠だと考え、ドリームストーンに願いを叶えさせ巨大な浮遊要塞「ネオクッパ城」を創造。
強固なシールドに守られた城からマクラノ島に攻撃を行い、島民をパニックに陥れた。

なお、ドリームストーンはこれ以降アックームの手元に置かれる事になる。


その後、島の守り神「ネムルーゴ」の力を借りたマリオ達はネオクッパ城の撃墜に成功。
乗り込んできたマリオ達に対し、アックームはカメックに夢世界を行き来できる力を与えて妨害を任せる。
更に自身はマクラ化し、それでクッパに寝ることを提案。
彼が寝るだけで世界征服に必要なエネルギーが城に溜まっていくらしい。


しかし、夢世界でクッパがユメルイージとの死闘に敗北し、計画は失敗。
彼と共にネオクッパ城の屋上を目指して逃走し、その途中でマリオブラザーズと最後の対決に挑むのだが…
この辺りの展開については追々後述する。


戦闘能力

ストーリー上で戦うタイミングによって戦闘スタイルが大きく異なる。


  • 1回目
オープニングのアレ。人型の姿で登場する。
無数の「アクムコウモリ」に分裂して突進攻撃を行うが、イベント戦だからか接触してもダメージは受けない。
その分攻撃スピードは結構早いが…


  • 2回目
夢のマクラノ城で戦う。
この時は正体が分かっていないので名前が「???」となっている。

本人はたまにちょっかいを出してくる程度で直接戦わず、代わりにマリオをコピーした無数の「ユメマリオ」が事実上のボスとなる。
ダメージを与えられるのは本物のユメマリオだけで、それ以外を攻撃しても意味はない。
ユメマリオは単純にマリオへ突進してくるだけだが、この時に偽者を攻撃すると後で流れ星のごとく一人ずつ降り注いでくるため危険。
また、画面奥へのスクロールが始まった時は奥から5人編隊で無敵状態(スター取った時のアレ)と化して突撃を行う。
当たるとやはり大ダメージで、しかも後半になればアックームが煙幕をまいて妨害してくる。。


  • 3回目
夢世界の底で戦う。クッパとの魔王コンビ。

アックームの力でクッパの身体能力が大幅に強化されており、特に大ジャンプや瞬間移動から繰り出すパンチが誇張抜きで強烈。
また、クッパが攻撃を受けるたびに口から大量のアックーム(コウモリ形態)が飛び出し、攻撃に参加してくる。
個々のHPは物凄く低いので撃破は簡単だが、クッパを倒さないとバトルに勝利できないのでミラクルアタックでまとめて倒すといい。


  • 4回目
ネオクッパ城で戦う。バトルリング版の「アックームX」はこちらがベース。

見てくれは1回目と同じ姿だが、戦闘前に「ドリームストーンが無くても強くなった」と豪語するだけあってその実力は侮れない。
1回目でも繰り出したアクムコウモリの大群だけでなく、分身による撹乱からのエネルギー弾や、後述のアクムキャンディを利用したトリッキーな輪投げも放つようになる。
殆どの攻撃はスピードが早く、初見のうちは回避・カウンターのコツを掴むまで苦労させられる。

また、これまでと違いアックームの攻撃に触れると一定確率でマリオが深い眠りに落ち、悪夢を見せつけられてしまう。
悪夢の中では無限ループのマップが続き、アックームが炎ブレスを吐きながら追いかけてくる。
マリオは途中に仕掛けられた落とし穴の中に1つだけある、現実世界への出口を探して入らなければならない。
それ以外のハズレを引くと回転トゲがひしめく空間に落とされた挙句、最初からやり直しとなるがその穴は塞がれて落ちなくなる。
ジャンプで飛び越せばその穴が当たりかハズレが判明するので参考に。


この戦闘で特に目を引くのは、周囲に並べられた大量の「アクムキャンディ」。
アックームは行動前にこのキャンディをバリッと2~3個食うことで、一時的に攻撃力をアップさせてくる。
そのため、実際に受けるダメージは設定上のステータスよりも大きい。
数が一定数減るたびにすぐ補充し、更に時折ユメルイージをマリオから引き剥がしてアクムキャンディの中に隠してしまうことがある。
これをアックームが食った場合、普段以上に攻撃力がアップしてしまう。
(食われたルイージは行動後にすぐ戻ってくる)

しかも、このアクムキャンディは只のキャンディではなく、トゲと足が生えたモンスターと化して戦うこともある。
トゲ、という点からお察しの通り普通は踏めない。
変化するタイミングはアックームが天井にぶら下がって休眠を始めた時であり、速やかに全滅させないとアックームの無敵状態を解除できないばかりか体力もドンドン回復されていく。
アクムキャンディの攻撃自体は四方から体当たりするというシンプルなものだが、途中でアックームの妨害により画面が逆さまになってしまう点には注意。

この回復行動によって実際のHPは数値よりも大きいことが多く、カウンターを確実に成功させて少しでもダメージを稼ぐのが勝利への近道となる。



結末

以下、本作の更に重大なネタバレを含みます!!






屋外への逃走後、追いついてきたマリオブラザーズを前に未だ勝気なアックーム。
クッパとのコンビならマリオ達には絶対に負けないと粋がる。ところが……


ベチャア!!(たたきつけられるおと)


今までアックームにぶら下がっていたクッパが唐突に彼を床に投げ飛ばす。
何事か、と戸惑いを隠せないアックーム。



クッパ「利用していたのはワガハイの方だ!!」



実はクッパ、初めからアックームの魂胆を見抜いており、利用するだけして裏切る気マンマンだったのである。
そもそもアックームが彼に近づいた動機は「利用価値があるから」であって、心の底から協力関係を結ぶ気など無かった。
それはクッパも同じ事であり、段々彼とのコンビに飽きを感じ始めてきた事から見切りをつけたのだ。


いつの間にやらドリームストーンを奪い、お互い勝手に潰し合っていろとばかりに最上階へ逃げるクッパ。
これにはアックームも呆然とするばかり。一番呆然としているのはプレイヤーだが
しかし、ドリームストーンが無くても今は違うと強がるアックームはそのままユメップと対決。
夢世界へ逃げ込むとユメップを返り討ちにするが、続けて乗り込んできたマリオブラザーズとの決戦には敗北を喫する。

最期は力の暴走か、体が膨張して跡形もなく破裂するという末路を迎えたのだった。





…以上が、アックームの活躍の全てである。
平たく言ってしまえば、散々黒幕らしい存在感を出しておきながら実はクッパの踏み台に過ぎなかったという、いろいろと残念なキャラクターだったのだ。
かつてクッパがオリジナルキャラ(黒幕)のかませ犬にされたケースは何度かあるが、よもや逆のケースが起きようとは誰が予想できたのか。


元々、本作の開発初期のシナリオではアックームが真のラスボスとなるはずであった。
しかし、任天堂側からアルファドリームに「もっとクッパ一味を活躍させてくれ」とオーダーが入ったことでシナリオが方向転換し、クッパが名実ともにラスボスの座に付く事となった。(ニンドリのインタビュー記事より)
これに関連した小話で、ストーリー冒頭でルイージが見た悪夢は「マクラノ島に招待してくれたネテバッカ博士が実はアックームとつるんでいる」ことを示唆する内容になっているが、実際のネテバッカ博士は何も関係ない上にストーリーでもほんの少ししか関わってこない。
恐らくは前述した初期のシナリオの名残であると考えられる。

つまり、クッパを中心としたシナリオ変更の弊害によって彼の地位は文字通り地に落とされたのである。
ボロ雑巾のごとく地べたに投げ捨てられ、あっけない最期を遂げて最終決戦にすら爪跡を残せなかった彼の姿には涙を禁じえない。


かくしてアックームは発売後に一転、かませ犬ならぬ「かませコウモリ」という不名誉な評価を頂戴する事となったのである。
…まあ、アックームが「コウモリの魔王」なのに対してクッパが「カメの大魔王」であることを踏まえると、初めから見えない越えられない壁が働いていたのだろう。
多分。



ちなみに、ここまで言っておいてなんだが彼自身は決して弱くはなく、特にバトルリングで戦える強化版のアックームXは純粋に強い。
前述の厄介な能力をそのまま引き継いでパワーアップしているため、コイツ単体でかなりのターン数を消費するようなら最後のバトルリングメドレーでは鬼門になりかねない。





追記・修正は傷心のコウモリをいたわってあげながらお願いします。
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