SCP-784

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SCP-784 - (2017/08/01 (火) 08:08:22) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/12/25 (日) 19:55:33
更新日:2023/08/24 Thu 11:31:46
所要時間:約 3 分で読めます





お前も、クリスマスにしてやろうか!


SCP-784とは、怪異創作コミュニティサイト「The SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。
項目名は『今日は楽しいクリスマス(Christmas Cheer)』。オブジェクトクラスはEuclid。

この項目名からして、クリスマスに限定的に発生する異常なのかと思いきや、寧ろ四六時中発生している。
そのヤバさはEuclidでも上位に位置すると思われ、財団による封じ込めが無ければアメリカ大陸がこのオブジェクトに汚染されかねない程である。




SCP-784は高さ3.5m厚さ0.8mで上部に電気鉄線を張り巡らせた壁に囲まれたテキサス州のとある町の一角であり、その区画内の人型の存在……ようするに住民たちが異常な特性を有している。
SCP-784区画はゲーテッドコミュニティとして偽装されており、ゲートは施錠されていなければならない。ようするに何も知らない一般人が迷い込んだり近付くことが無いようにしている。
更に財団保有の気球により上空から観察され、かなり厳重な警戒態勢を取られている。

一方でその内部にいる、いわば住人ともいえるSCP-784-1に対しては暴力的な行為を可能な限り禁止しており、「ある事象」の発生時は可能な限り非暴力的な手段での無力化を推奨するなどどこかチグハグ。
また、職員以外がSCP-784に侵入しようとした場合はSCP-784の住人の暴力的な反応を招く危険性があるので妨害せずに侵入させ、出て来た所で拘束し尋問を行ってからBクラス記憶処理を施して開放される。


このSCP-784内部には2つのアパートと24戸の家屋が存在し、異常気象が観測されないのに常に12~33cmの積雪が確認されることを除けばぱっと見は小規模なコミュニティに見えるだろう。
…■■■ブランドのクリスマス電飾に高密度で飾り付けられていなければ。それも四六時中。
周囲から隔絶された壁の内側の町は常にクリスマスで固定されており、名は体を表すように「楽しいクリスマス」を満喫している。
住人達も常に浮かれており、パトロールや「ある事象」を収めに来た職員に出されたエッグノッグをぐいっといくぐらいには浮かれている。


……が、そのクリスマスに対するこだわりが異常であり、「クリスマス精神」が足りないとSCP-784-1に判断されれば忽ち彼らの魔手が伸びる。

とあるエリアに対する砲撃演習用に戦車をSCP-784のエリア内に一晩放置していた所、
固定されたプレハブ建築が掘っ立て小屋よろしくくっつけられ、
ハンヴィーがソリに変わっていて、
手榴弾がよく似た形状のガラス製オーナメントにすり替えられ、
156個の安全ヘルメットに鹿の角が溶接され、
いくつかの車両の燃料タンクの中身がエッグノッグ(ミルクセーキのようなクリスマスの定番飲料)に入れ替えられ、
キャタピラから砲塔まで電飾がくまなくくっつけられていた、というビフォーアフターを行われてしまい、
「クリスマス精神」が足りないと判断された動物には小さなベルがつけられた首輪をつけたりトナカイの角をつけたり、赤いサンタ帽子をかぶせたりトナカイの全身用きぐるみを着せたりとやりたい放題。


SCP-784内部にいる「クリスマス精神」が足りない人間は複数のSCP-784-1に拉致されてしまい、翌日SCP-784-1個体に近いクリスマス的な格好にされて家屋から出て来る。
財団が回収を試みようとすればSCP-784-1集団と拉致された者に強く抵抗されるなど兎に角面倒くさいのである。
「クリスマス精神」が足りないと判断される基準は多岐にわたるらしい上にやたら細かく、パトロール等の用事でSCP-784に入る職員は伝統的なクリスマス衣装に着替えた上で「はじめてのキャロル」という本を読み検査を通過しなければならない。

きよしこの夜の歌詞を間違えれば拉致SCP-784-1に「ハッピーホリデー」と挨拶すれば拉致*1
サンタ型の芝生飾りノームにぶつかって悪態をつけば拉致、プレゼントを喜ばなければ拉致と1つのミスが拉致に繋がるので細心の注意を払う必要がある。
なお、大多数が大人のSCP-784-1個体の中には子供がいる事が確認されているが、エージェントをタックルで無力化するなど普通の子供ではないのは確かである。



これだけの面倒くささに更に上乗せされる面倒が先述した「ある事象」である。
およそ月一で行われるそれは「ノエル・イベント」と呼ばれ、SCP-784が壁の外へ出てコミュニティを広げようとするのである。
この時に外に出たSCP-784-1個体が持つ電飾を飾り付けられた家屋はSCP-784と同じ性質を持つようになる。つまり放置しておけばアメリカ大陸が遠からず毎日クリスマス騒ぎになるのである。
これが起こる前兆として「SCP-784の電飾が増える」「エッグノッグの消費量が著しく増える」があるので対策は出来る。
その「ノエル・イベント」対策がこれである。ちなみにではあるが、SCP-784-1は無意識下であってもたまに職員を誘拐する事がある。


1.職員を伝統的なサンタの衣装に着替えさせた上でSCP-784の入り口に配置し、「ウェンセスラスはよい王様」を歌いながら互いにエッグノッグを振る舞う。
2.SCP-784-1が出て来ると、常に陽気で友好的な態度を維持しながら鎮静剤を混入したエッグノッグをSCP-784-1に振る舞う。
3.エッグノッグを配布した後は平和と好意を示すためにキャロル(特にきよしこの夜が有効)を歌う。相手も何かを歌いだしたらそれに付き合う。
4.夜更けが近づくにつれてSCP-784-1が意識を失い始め、意識を失った個体は他のSCP-784-1に近くの家屋へ運ばれるが、これを妨害してはいけない。
5.これらの影響を受けなかった個体は門扉から見えない場所で音を立てないように無力化する。
EX.失敗した場合はエアロゾル化した催眠ガスを散布し、ガスが効き次第SCP-784内部へ戻す。


結論:滅茶苦茶人的資源を食う上に面倒くさい。



……陽気で友好的な態度を維持する、という点でギアーズ・アイスバーグ師弟が参加した場合、即拉致されるかも知れない。
だが放置しておけばカルフォルニアどころかアメリカ全土の機能が麻痺してしまうのは明白なので只管箱庭の中に押し込めておく必要があるのだ。
もし「ノエル・イベント」対策をしなければ数カ月の間にテキサス州全土がクリスマスに汚染されて麻痺するらしい。
なお、「4」の撤収作業を妨害してはいけない理由は、暴力的な行為に出ると全てのSCP-784-1個体が目を覚ましてしまうためであり、数の暴力でその場に居合わせた全職員が拉致されかねないからであるとも取れる。

が、このオブジェクトにおいて財団を一番悩ませているであろう事柄は、このゲーテッドコミュニティの近隣に住宅開発地が存在していることだろう。
これのせいでパトロールは比較的穏便に行わなければならないらしく、この危険地帯を非武装でパトロールしなければならない。
このSCPに割り当てられた職員の気苦労が窺い知れる。





SCP-784 - Christmas Cheer
by Snowshoe
www.scp-wiki.net/scp-784
scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-784(翻訳)
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