SCP-785-JP

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SCP-785-JP - (2017/01/27 (金) 20:05:51) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2017/01/27 (水曜日) 16:55:00
更新日:2024/04/06 Sat 17:51:54
所要時間:約 8 分で読めます



SCP-785-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「The SCP Foundation」の日本支部によって生み出されたオブジェクトの一つである。
項目名は『ヤマさん』。オブジェクトクラスは「Euclid」に指定されている。

SCP-785-JPは、ある特定の【発言】と、その【発言】を『言ってしまった人物』・『聞いてしまった人物』それぞれに発生する異常現象を総称したものである。

まずは、問題の【発言】を言ってしまった人物の身に起きる現象から検証してみよう。
その【発言】を言ってしまってから一年以内の就寝中に、その人物は何故か警察の取り調べ室でこの世のものとは思えない恐ろしい顔つきの刑事さんから取り調べを受けている夢を見てしまうのだ。

その刑事さん…財団によって《SCP-785-JP-1》と指定されているその人物は、戦前の特高警察まがいに拷問器具を取り出して、「(SCP-785-JPに該当する)【発言】をしたな?」と、ほとんど脅迫と変わらない高圧的な態度で質問を投げかけてくるのである。

もし、発言してしまった人物が前言を撤回してしまった場合、夢はそこで終わってしまう。
異常現象から逃れたければ、この段階で否定してしまえばいいのである。

しかし、万が一、刑事さんの発言を肯定してしまった場合…異常は第二段階に進行する。

異常の第二段階が発現するそのきっかけとなってしまうのは、悔しい事に【発言】を言ってしまった人物…財団によって《対象者A》と指定されてしまった人物自身のである。

異常の第二段階が発生する対象となるのは、問題の【発言】を聞いてしまった人物だ。

財団によって、《対象者B》と指定されているその人物に対して、『ある特定の感情を抱き、特定の行動を取ろうとる相手』が現れたその時、その相手の目に今は亡き問題の発言をしてしまった人物…《対象者A》改め《SCP-785-JP-2》の姿が見えるようになってしまうのだ。

たいていの場合、姿を現した《SCP-785-JP-2》は死亡した時よりも若い姿であり、高確率で口から大量の血を流したおぞましい姿であると報告されている。
中には、下顎が完全に欠損した《SCP-785-JP-2》が見えてしまった人もいたらしい。

…死後、この世のものとは思えない刑事さんに拷問でもされてしまったのだろうか?

因みに、《対象者B》に対する『ある特定の感情』が強ければ強いほど、《SCP-785-JP-2》の姿が鮮明に見えてしまうことが判明している。

しかも、《SCP-785-JP-2》が見えてしまう人物は一つの事例で一人だけ出現するわけではなく、数人がほとんど同じ感情を纏めて《対象者B》に向けていた場合、その全員が《SCP-785-JP-2》の姿を見てしまう羽目に陥ってしまうのである。


同僚研究員「ヒントだけでも欲しい? そうだなぁ…コレなんかどうだ? あぁ、お前のパソコンになんか通知が来てたぞ…頑張れよ」




追記・修正は、この世のものとは思えない刑事さんの取り調べでどんな言い訳をするのかを考えながらお願いします。


SCP-785-JP - ヤマさん
by soilence
http://ja.scp-wiki.net/scp-785-jp
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認証を完了しました

情報を開示いたします




この通知を受け取ったということは、貴方はーー

お父さん、あるいはお母さんになったのですね。

まずは、おめでとうと言わせてください。もう、お子さんは抱かれましたか?

ところで、あなたはとても幼いころ、「死」というものに対して過剰な恐怖を抱いたような経験はありませんか?

貴方がまだ小さかった頃、お父さん、あるいはお母さんとの会話で思わずこんなことを言ってしまったことはありませんか?

「お父さん(お母さん)、死なないで!」

それに対して、貴方の親御さんはいったいどのような返事をしたのでしょうか。
きっと、このような返事をしたのではないかと思います。

「お父さん(お母さん)は死なない、ずっとそばにいるよ」

或いは、死んだとしても、お星様になってずっと見守ってあげるからね、そう言ったのかもしれません。

そう、財団が『SCP-785-JP』と指定している【発言】とは、親が子を思ってつい口にしてしまうこの発言そのものです。

【発言】を口にしてしまった親御さんが見る夢の中に現れる《SCP-785-JP-1》は、閻魔大王の化身だと推定されています。
閻魔大王は、【発言】をしてしまった親御さんに対して巨大なペンチを振りかざし、こう問いかけて来ます。

「『私は死なない』や『ずっとそばで見守ってあげる』などという無責任な発言を、なんで自分の子供に言ったのだ!?」

いたいけの無い子供を騙すなど大罪だ、このペンチで貴様の舌を引っこ抜いてやる、安らかに死ねると思うなと、閻魔大王はそう宣告してくるのです。
それでも、たとえ閻魔大王の取り調べを受けたとしても、貴方が自らの発言を曲げなかったその時、貴方は《SCP-785-JP-2》となるのです。

そして貴方の死後、貴方のお子さんに『特定の感情』を、すなわち激しい悪意を向けている人物が現れたその時、貴方はお子さんに危害を加えようとしている不届き者にしか見えない、口の中をズタズタに破壊された幽霊として再びこの世に姿を表す事になるのです。

ここまで聞いた時点で、検閲の中身に気づいた人もいるかもしれません。
残念ながら、幽霊となって現れた貴方は相手を驚かすことしかでき無いのです。

悔しい事に、不届き者の中には《SCP-785-JP-2》の姿が見えているにも関わらず、「お前なんか怖かねぇ!!」とばかりに《SCP-785-JP-2》が守ろうとしたお子さんを手にかけてしまった鬼畜も少なからず存在しています。

でも、もし、相手が《SCP-785-JP-2》と同様、超自然的な存在であるのなら。
《SCP-785-JP-2》は、ある程度の対抗ができる様になるのです。
勿論、《SCP-785-JP-2》は元々はなんの力も持たない人間であったのですから、できることなどタカが知れてします。

以前、とある研究員が脱走したKeter級のオブジェクトに襲われそうになったことがありました。
その際も、現れた生前の行動により《SCP-785-JP-2》となっていた研究員の親御さんは、お子さんが踏みつぶされようとするのをたった1秒だけ遅らせて、彼を逃げ延びさせる程度のことしかできませんでした――それも自身の消滅と引き換えに。

しかし、それでも、お子さんは生き延びることが可能となったのです。

この様に、《SCP-785-JP-2》がわずかならも現実改変に近い能力を保持していることが明らかとなったことによって、SCP-785-JPの扱いについては今でも大きく意見が分かれてしまっています。

財団の理念を優先するならば、ほかのオブジェクトに悪影響を与えかねない《SCP-785-JP-2》は抹殺すべき存在かも知れません。
己の悪行の果てに、《SCP-785-JP-2》と遭遇してしまった不届き者に対する隠蔽工作に必要なコストもバカにはできません。

しかし、我々の中には、このオブジェクトを有効に活用しようと考えている職員も少なからずいるのです。
中には、《SCP-785-JP-2》になる資格を持った職員を集めた機動部隊の設立を考えている人もいるくらいです。

同じ言葉を繰り返すことになりますが、財団の理念に則るならば、我々のすべきことは「SCP-785-JPに該当する【発言】をするな、そして万が一、発言してしまったとしても閻魔大王の取り調べを受けた際に必ず否定しろ」という通知を徹底するのがベストなのでしょう。
しかし、前述した状況により、財団はこの様な無粋な強要はいたしません。

あなたの大切な人を《対象者B》にするかどうか、その最終的な判断は、現時点では、あなたの方で決めてもらって構わないのです。

一般論としても、自分はずっとそばにいるという発言をすることに異を唱える方もいることでしょう。
どんなに幼くても、「死」については真実をはっきりと教えるべきだと。
その考え方も勿論、尊重されるべきです。

閻魔大王も、はっきりと罪だと断言していることですしね。
因みに、閻魔大王の夢を見た親御さんの多くは、ハムスターや虫のような短命のペットや、「死」について教える絵本なんかを子どもに買い与えるのだそうです。

貴方にも思うことは多々あるとは思いますが、どうかこの世の中には様々なことが起こりうるのだということを、どうか心に留めておいてください。

素晴らしい未来を手にした貴方へ、さらなるご活躍とご健勝を祈りつつ。







同僚研究員「おめでとう!」


追記・修正は我が身を犠牲にしてでも、愛しい方をお守りする覚悟を決めた方にお願いいたします。


SCP-785-JP - ヤマさん
by soilence
http://ja.scp-wiki.net/scp-785-jp
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