こそあどの森の物語

「こそあどの森の物語」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

こそあどの森の物語 - (2018/07/16 (月) 04:04:00) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2018/07/16 Mon 04:03:00
更新日:2024/02/10 Sat 22:50:41
所要時間:約 6 分で読めます




こそあどの森の物語とは、岡田淳の児童文学シリーズ。
の森でもなければの森でもない、の森でもなければの森でもない「こそあどの森」を舞台にしたファンタジー。

シリーズは全12巻で完結済み。

概要

児童文学ではあるが、全体的な設定の奥深さや一種幻想的な表現の数々は大人でも十分読み応えのあるもの。
子供がメインであるが、大人たちも主人公の一角として立ち回るのも児童文学にしては珍しい。
極端に戯画化されており、漫画と絵本のちょうど中間にあるかのようなイラストの数々も味わい深い。
特に「森のなかの海賊船」はその非常にドラマチックな展開も相まっておススメ。

世界観

  • こそあどの森
世界のどこかにある深い森。
物語のほとんどがここで進行するので勘違いしやすいが、別に世界から切り離された秘境の地というわけではなく、半日ぐらい歩けば普通に町に着く。
「田舎の村」というには住民が少なすぎるが、あまり世俗と関わらない人々のコミュニティと言ったところか。

  • ウニマル
スキッパーとバーバさんの家。
その名の通り、ウニのような球体が乗っかった船のような不思議な形状をしている。
ウニのような棘の正体は煙突や物干しざお。一本は望遠鏡になっている。

  • 巻貝の家
ふたごの家。湖のど真ん中に建っており、行き来には桟橋を通る必要がある。
なぜそうなっているかは不明だが、異様に密閉性が高く、窓を閉じると完全防水というまるで潜水艦のような構造をしている。

  • ゆわかしの家
ポットさんとトマトさんの家。注ぎ口を上にして半分地面に埋まったやかんのような形をしている。
おもてなし好きの夫婦のために、大きなテーブルが用意されている。
地下2階はいつでも涼しく、物を保存しておくのに便利。

  • ガラス瓶の家
大きなガラス瓶が地面に半分埋まった形をした家。飲み口が玄関になっている。
後ろ半分は土の中にあり、前半分が全て窓になっている。
スミレさんとギーコさんの家だが、かつてはトワイエさんが下宿していたこともある。

  • 屋根裏部屋の家
木の上に引っかかった屋根裏部屋。ある嵐の夜の後にどこかから飛ばされてきたものを修繕したもの。
トワイエさんが住んでいる。風が強いと揺れてしまうのが難点。

主な登場人物

  • スキッパー
主人公。ウニマルにバーバさんと住む少年。
バーバさんが普段から世界中を飛び回っているため、食事は缶詰の保存食がメイン。
基本的にはウニマルで本を読んだり、化石を眺めたり、星を見たりしながら過ごしておりあまり外には出て行かないタイプ。
第一巻時点ではまともに会話することもできないぐらいだったが、次第に森の住人達と打ち解けていき、現在は普通に交流するようになっている。
耳が非常に良く他の人には聞こえないものも聞こえる。
体力は余りないが、普段から本ばかり読んでいるので非常に博識。

  • バーバさん
ウニマルに住む博物学者のおばさん。しかし、研究のために世界中を飛び回っているので作中でまともに姿を見せたことは一度もない。
手紙はしょっちゅうスキッパーに送っているので交流自体はしっかりある模様。

  • ふたご
巻貝の家に住む少女たち。収入源は不明。
森に住む数少ない子供だが、スキッパーとは対照的にものを考えないタイプ。
遊ぶことが何より大好きで普段の食事はお菓子のようなものばかり。
真面目なスミレさんは天敵。
決まった名前がなく、その時の気分で気まぐれに名前を変える。
基本的にはトラブルメイカーだが、普段からヨットで遊んでいるので操船技術はプロ並み。またその発想が物事を好転させることも。

  • ポットさん
ゆわかしの家に住むおじさん。チビ。
よく農作業をしている。体格の割には体力はあり、力仕事には頻繁に駆り出されている。

  • トマトさん
ゆわかしの家に住むおばさん。大柄。
料理が得意で、彼女の作る料理は森の住人の大きな楽しみの一つ。普段缶詰ばかり食べているスキッパーとお菓子ばかり食べているふたごの貴重な栄養源でもある。
夫婦仲は大変良く、よくポットさんに「キスして」とせがむが、身長差がありすぎるのでトマトさんがしゃがむか、何か台を持ってくる必要がある。
作中最強キャラ疑惑あり

  • スミレさん
ガラス瓶の家に住む姉弟の姉。薬草づくりが得意。
大甘なトマトさんとは対照的にシビアで現実的な性分で、ふたごとは犬猿の仲。
もっとも、皮肉屋ではあるが意地悪ではないので基本的にそれらの行動も子供たちを心配してのことである。
また、実は本当の性格は純粋な少女のようであり、楽し気なものには心躍らせることも。
予言者のような不思議な力が備わっており、時々これから起きることに鋭い勘を働かせることがある(何が起きるかまではわからず、「行ったらいいことがあるだろう」「こうしないと悪いことが起きるだろう」程度)。

  • ギーコさん
ガラス瓶の家に住む姉弟の弟。大工仕事が得意。
無口だが、別に無感情というわけではない。
家の外に作業小屋を持っている。

  • トワイエさん
木の上の屋根裏部屋に住む作家の男性。
大人たちの中では一番スキッパーに年齢が近いので、保護者というよりは兄か友人のようなスタンスで接する。
考えながら喋るのでどもるような口調になる癖がある。多くの蔵書を抱えており、スキッパーと同じく博識。

  • ドーモさん
森の住人ではなく、近くの町の郵便配達人。なぜか犬のような顔をしている。
森には郵便局がないので定期的に郵便物の配達と回収にやってくる。
物語の本筋にはあまり絡まないが、登場頻度は結構多い。

  • ナルホドとマサカ
旅芸人のコンビ。数少ない複数巻に跨って登場したキャラクター。
ほとんど住人のいないこそあどの森にやってきたのは何か目的があるようだが……?

  • ホタルギツネ
尻尾が蛍のように光る変わった狐。言葉を喋ることができる。
スキッパーにとって友人と言える貴重な存在。

  • ウサギ
ユメミザクラの木の傍に現れた不思議な少女。
どことなく、誰かの面影があるが……?

シリーズ一覧

  • ふしぎな木の実の調理法
  • まよなかの魔女の秘密
  • 森のなかの海賊船
  • ユメミザクラの木の下で
  • ミュージカル スパイス
  • はじまりの樹の神話
  • だれかののぞむもの
  • ぬまばあさんのうた
  • あかりの木の魔法
  • 霧の森となぞの声
  • 水の精とふしぎなカヌー
  • 水の森の秘密



追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/