ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!

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ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ! - (2020/05/21 (木) 18:51:30) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2020/04/08 (水曜日) 16:31:00
更新日:2024/03/01 Fri 23:46:02
所要時間:約7分で読めます




概要


『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』はクレイアニメ『ウォレスとグルミット』の第四作である。
シリーズ初の長編映画であり、ウォレスとグルミットの他にも大勢の人物が登場している。その分製作も時間がかかっており、実に5年半もの月日が費やされている。


あらすじ

年に一度開催される「巨大野菜コンテスト」の開催が迫る中、町の住民達は野菜を食い荒らすウサギの被害に悩まされていた。ウォレスとグルミットが設立した害獣駆除隊「アンチ・ペスト」により順調にウサギは捕獲されていった矢先、突如出現した巨大ウサギによって町が未曾有の大被害を受ける。
一気に信頼を失いかけた2人だったが、コンテストの主催者であるレディ・トッティントンの弁護でチャンスを貰い巨大ウサギの捕獲に乗り出した。果たしてウォレスとグルミットは巨大ウサギを捕らえて町の野菜を守り切れるのだろうか?


登場人物


  • ウォレス 声:ピーター・サリス/萩本欽一
チーズが大好きなおとぼけ自称天才発明家。野菜は大の苦手で、そのせいで最近少し太り気味。
何気に過去の容姿が明らかになっておりグルミットが子供の頃はまだ髪もフサフサで立派な髭を蓄えていたが、グルミットの大学卒業と同時に側頭部以外は禿げ上がり、やがて現在の容姿に至っている。
今作では害獣駆除を営んでいるが、
捕まえたウサギ達をどうしても殺せず地下室でこっそり飼育するなど優しい一面を見せる。尚、世話をするのはグルミットの模様。つーかその優しさをもう少しグルミットにも向けてやれ。
終盤は相棒としての身を呈した行動を起こす等なんだかんだ主人公である。
その一方でさらっと人類の倫理に関わるトンデモ発明品を開発した挙句に、
その発明品を使ってウサギが野菜嫌いになるように洗脳しようとするなど、ある意味殺すより酷い仕打ちをするマッドサイエンティストな面も*1
その報いか、本作ではとんでもない災難に見舞われることとなる……。

  • グルミット
ウォレスのパートナーのビーグル犬。ドッグワーツ大学卒*2
太り気味のウォレスを誰よりも心配しており、彼のためなら野菜だけを食事に出すことも隠したチーズに罠を仕掛けることも厭わない犬の檻。
自身もまた巨大野菜コンテストに向けて巨大なキュウリを大事に育てているが、主人のピンチを救うためにそれを泣く泣く利用することに。

  • レディ・カンパニュラ・トッティントン 声:ヘレナ・ボナム=カーター/飯島直子
巨大野菜コンテストの主催者で、町一番の資産家にしてとてもそうは見えないけど美女。
愛称は『トッティ』。松野家の末っ子ではない。
やや平和ボケ気味だが、この町の住民としては正常の範囲内で意思も強い。
ウサギを殺すことなく捕獲するウォレスに一目置いており、巨大ウサギが出現した時にはその捕獲を一任する。

  • ヴィクター・クォーターメイン 声:レイフ・ファインズ/大川透
強引で嫌味な性格の貴族の男。常に銃を持ち歩いている。レディ・トッティントンの財産を狙い幾度もアプローチを試みるものの、全く相手にされていない。そして彼女の興味を引くウォレスに勝手に敵愾心を抱く。ちなみにカツラ
巨大ウサギ捕獲の際には自身も勝手に名乗り出る。

  • 巨大ウサギ
夜の町に突如出現し、野菜を纏めて食い荒らした謎の存在。これでも伝説自体は昔から存在する。
その姿を目撃した神父からは「オノのような歯をして、耳は墓石のようだった」と称される。
雄叫びと共にドラミングをすることでそれを聞いたウサギ達にも同じ行動を取らせる(特に意味は無い)。
この手の怪物でお馴染みのシルバーバレット…じゃなくて金(24金)の弾丸が弱点とされている。

  • ハッチ 声:ピーター・サリス/萩本欽一
ウォレスがココロ・コントローラーを使った実験で誕生した、ウォレスと同様に野菜嫌いになったウサギ。
檻を破った状況証拠、出現する時間が夜限定=ココロ・コントローラーの動力源である月の光との関連性から当初は彼が巨大ウサギの正体だと思われていたが……?

  • ウサギ達
よくあるかわいいイメージのうさぎ・・・ではなく、
逆の「野菜を食い荒らす害獣」や「イタズラ者にして生意気な」イメージの兎としてデザインされている。
例えるなら同じく英国出身のレア社のゲームにでてきそうな赤栗鼠うさぎ。
多少のトラップや防犯設備程度なら学習して簡単に突破する知能は持つため住民達に厄介がられてる。
なぜか仲間のドラミングに呼応する習性がある。ゴリラじゃあるまいし。
一方やや特殊なウサギの死も悲しんだり、一時の食物期が終わることによる別れを惜しんだりとかなり感情的な一面も。

  • 町の住民方
言葉で表すなら英国流平和ボケを体現したような方々。
  • コンテストに対して何かと嫌味を言う一方、いざ危機に陥るとパニックを起こす警察のPCマッキントッシュ(声:ピーター・ケイ/鈴木勝美)
  • シスタープロレスなる如何わしい本を所持したり、シルバーバレットならぬゴールデンバレットの値段をういういと説明する神父のクレメント・ヘッジ(声:ニコラス・スミス/山野史人)
  • 我が息子(野菜)かわいさに我先に逃亡するおばあちゃんのマルチ婦人(声:リズ・スミス/片岡富枝)
  • 巨大ウサギ対策に「より大きな檻を用意する」という策でもなんでもないあやふやな提案をしたウォレスを素晴らしいアイデアだと絶賛し、何故か勝利確実モードに浮かれまくる
  • 巨大ウサギの死を悟り一瞬冥福を祈ったと思いきや、次の瞬間に祭りを開催できることに歓喜
  • 前述の逃亡したおばあちゃんを呼び戻そうとしていたのに巨大ウサギに追跡されていることがわかるやいなや来るなと拒絶する住民     etc.
基本的に悪い意味でボケボケであり、ヴィクターからも「ピーマン(頭)共*3と呆れられる始末…

が、終盤巨大ウサギが負傷するやいなや…

以前から町の人々の様子が疑問視されていたが想像の斜め上ををいく有様には、
ウォレスが度を過ぎておとぼけなのも、かつて「ゴム手袋を被ったペンギン」を「鶏」と勘違いして挙句1000ポンドの指名手配というツッコミどころ満載の珍事をしていたのも納得である。

発明品


  • 発進装置
前作の改変型である半場恒例のサンダーバードリスペクト発進装置。
今回はウサギの出現を感知したらすぐに発信できるようになっているが例によって無駄に大がかりな仕掛けでできており、

各家庭にしかけられた(人形などに偽装した)センサーがウサギを感知

ウォレスの家にある住民(ウサギが出現した場所の家主)の絵の目の部分が点灯*4

コンロに点火、ヤカンが沸騰して蒸気で風車を回す

棒が上下してグルミットのベッドを下から突いて起こす(同時にチーズの匂いに釣られてウォレスも起きる)

ベッドが前方に傾斜して穴にウォレスとグルミットが突入(構造上後方に傾斜する早起きマシンと矛盾している)

傾斜とスロープの降下を繰り返して帽子、長靴の順に着用

ドリンク(ホットコーヒー?)が注がれて飲む……と見せかけ巨大な手がウォレスとグルミットが乗った板を弾いて上空に大きく飛ばす

カップを持ったまま飛ばされながら作業着を着用、スロープで降下した後ドリンクを飲む

作業車に乗り込み発進

と、突っ込みどころ満載。どう見てもサンダーバードのパロディ。
ちなみに例によって欠陥があり、冒頭のヤカンと棒が外れていると作動しない。このせいで巨大ウサギの初出現時に出動できなかった。

  • 作業車
害獣駆除に使う車。
例によって様々なギミックを内蔵しており、
エンジンを(メカハンドが手動でエンジンを回転させて)自動で作動させるオートスタート機能、捕縛用の投げ縄、地底を進み文字通りの土砂降りもかき分けるワイパーなど、
(無駄に)高性能かつ(無駄に)多種多様な機能を満載したハイテク車両。

  • 早起きマシン
おなじみのマシン。
仕様はこれまでと変わらないが、ウォレスが太って床の穴を通らなくなったため新たに「パワーアシスト機能」が追加。
作動させるとハンマーが振り下ろされてウォレスを殴り下に叩き落とす

  • ウサギ吸引機
ウサギ駆除のために作られた新発明。地面に突き刺して掃除機のように使用。
強力な吸引力で広範囲にいるウサギ達を殺すことなく纏めて吸い上げる。そんな凄まじい吸引力があったら地面も抉れたりウサギがミンチよりひでえ状態になりそうなものだが。

  • ココロ・コントローラー
元々は悪い欲求を吸い出すための装置。さらっと革命どころか人類の倫理に触れかねない発明をするあたり根は本物の技術者である。恐怖の意味で。
ちなみに月の光をエネルギーに変換するパワーアップ機能付きというウォレス作に恥じぬ怪しさ120%の出来栄え。だがウォレス作としては異例にも意外にも正しく使えば正常に機能する。
だが捕獲したウサギの対応に悩んだウォレスが「ウサギを自分と同じく野菜嫌いにすれば被害はなくなる」「そうして自分の野菜嫌いも克服できる」と考え、ウサギ吸引器と繋げてウサギの思考を変えるために使用。機械的に悪い欲求を呟く様はもはや完全に洗脳である。
恐る恐る操作するグルミットは見事に視聴者の心理を体現している…。そんななかウォレスがうっかりを気を抜いたがために…。
今回の騒動の元凶。

  • 巨大メスウサギのぬいぐるみ
巨大ウサギ捕獲のために作られた。
ローテクなモーショントレースで動かすが、直接着ることも可能。
ふざけた見た目に反して効果抜群。

余談


  • 映画公開中にアードマンの倉庫で火災が発生したが、たまたま今作のセットは他所で展示中で無事だった。しかしその他の資料は被害に遭い、30年分の歴史を物語る資料が焼失することに……。

  • 吹替版において萩本氏は自身の持ちネタである「なんでそーなるの!」というアドリブを入れたものの、担当者にカットされてしまったらしい。何故カットしたし。


追記・修正は野菜嫌いでない人がお願いします。


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