“僕”(都市シリーズ)

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“僕”(都市シリーズ) - (2016/03/25 (金) 14:43:40) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/01/08 (日) 22:23:20
更新日:2023/11/29 Wed 10:35:04
所要時間:約 6 分で読めます






んじゃ、レッツゴー。僕の記憶をアンタの機械で消してみよう。




川上稔の長編イラストノベル、都市シリーズ 矛盾都市TOKYOに登場する人物。
尚、「矛盾都市TOKYO」においては本名を知る事に意味があるため、全ての登場人物が代名詞で呼ばれている。

役職:東京圏総長連合・副長
字名:全打撃
戦種:近接格闘師
起動力:思い信じて打撃すれば、エネルギー保存の法則に従い、いかなるものも打撃力を受ける
備考:語り部、主人公


□外見

不明。
というのも、彼が主人公を務める“矛盾都市TOKYO”は都市シリーズにしては珍しく彼の一人称で進行しており、
彼自身の身体的特徴に関しては一切言及されていない。
また挿絵に関しても後ろ姿でラーメン食ってるものや拳だけが映っているもの等、彼の全体像が推察できるようなものは存在しないためである。

まるで往年のエロゲ主人公の如く特徴に関する描写が存在しないが、一応数少ない挿絵から察するには、

  • 背格好は中肉中背。中三の時点で学年が一つ上の“先輩”とほぼ同じ身長。
  • 髪の色は恐らく黒。そうでなくても暗色系。
  • 打撃技主体の闘い方をするためか手には指貫きグローブ。

等の特徴が見受けられる。


□性格、特徴

基本的にクールであまり物事に動じない性格。ボケもツッコミも両方こなすが、割合的にはボケ役の方が多い。
そしてエロス。女性が露天風呂に入っていれば覗く位はエロ。
乳よりは尻に興味がある様子で恐らくは尻神教信者。

解る人に解りやすく説明するなら“奏(騒)楽都市OSAKA”の主人公、陽坂・勝意をもっとクールにした感じ、といったところか。
他作品の例を出すことになるが、戯言シリーズのいーちゃんにも近いかもしれない。

ただ、BABEL争奪戦に参加するゲーム版主人公を見たときは珍しく動揺しており、彼がどれだけ僕に影響を与えていたかがわかる。

そんな彼であるが、意外(?)にも勉強はかなり出来る。
学生の自治が認められており、学生の地位がそれなりに高いこの時代の日本において、
一般の学生よりも大きな権限を持ち学生治安を担当する学生達の自警組織である“総長連合”。
そのTOPから二番目“副長”の役職に就いており、
更に総長連合候補者を育成する機関“御山”で修業した彼(というか総長連合の面々)は大卒レベルの学習を既に習得している。

そしてそれ故に通常の授業及び試験は基本的に免除。…………こいつら何しに学校来てんだ?

“矛盾都市TOKYO”本編は彼が高校に入学する少し前の1997年2月から、
“ある事件”の影響から彼が記憶を封印することになる(後述)1999年2月までの期間を描いたものであるが、
若干、彼の中学時代についても触れられる。

それによれば、

  • 同じく総長連合に所属し、総長の役職に就く“先輩”及び第一特務である“君”とは中学時代からの付き合いであること。
  • 奏(騒)楽都市OSAKA(ゲーム版)の主人公達との面識があること。
  • 中学時代は陸上部な所属し、上記の面々とはその関係から知り合ったこと。

などが明かされている。

また、明言は避けられているが、“御山”における彼の教官である“教官”は十中八九某“奏音の領主”。
更に、“僕”が“御山”にいた頃、とある関西圏のVIPがお供を連れて“御山”に来ていたが、
こちらはライトノベル版「奏(騒)楽都市OSAKA」における古都圏守護役である結城・夕樹と、主人公である陽坂・勝意であることが明言されている。


□戦闘能力

○矛盾都市TOKYOについて
彼の戦闘能力について語る前に、先ずは物語の舞台である「矛盾都市」について軽く触れる。
矛盾都市TOKYOは“なんでもあり”の都市である。いろいろ理由があって、
この世界における各都市はそれぞれが全く違った特色――特殊能力を持つが、
TOKYOの持つ特殊技能は“矛盾力”とそれによって生み出される“記動力”である。

“矛盾力”によりこの都市では、絶対なありえないことが存在せず、
これによりTOKYOでは風や月、星といったものから、果ては「音」や「光」や「季節」といった形無いものまで擬人化して存在することが出来る。
また、一部の住人は矛盾の力を使用した「記動力」という特殊能力を使用することが出来る。

○“僕”の戦闘能力について
自警組織である総長連合のNo.2を張るだけあって、その戦闘能力は極めて高い。
具体的には、腕試しの為にわざわざ関西から東京まで来た学生達を総長の“先輩”と二人で、
何の苦もなくノシてみたり、企業体から派遣された大人(拳銃装備)に対し余裕で対応するくらい。

基本的には拳技主体の戦闘を得意とするが、これは恐らく彼自身の起動力の影響。
そのままでも十分強いが、“記動力”を使用することで作中最強クラスの実力を発揮する。

○“僕”の起動力について
最初に書いてあるが、“僕”の起動力は“思い信じて打撃すれば、
エネルギー保存の法則に従い、いかなるものも打撃力を受ける”である。
この記動力により、“僕”は些細なものからそれ殴っちゃヤバくね? 的なモノまで、有形無形問わずありとあらゆるモノを殴り飛ばす事が出来る。

具体的に作中で殴り飛ばしたものも、弾丸、未来に存在する矢、
他人の起動力、風邪(風に非ず)、他人の記憶、ラーメンの不味い部分、車の遅い部分、と凄まじい。

ちなみに風邪を殴り飛ばしたら、殴り飛ばされた人の風邪が治り、
ラーメンの不味い部分を殴ったらラーメンから不味みが無くなり少し物足りない味になり、車の遅い部分を殴ったら車が加速した。

更に、理性、我慢、堪え、気力、恥、外聞といったモノを殴る事で、他人を恐慌状態にしたり、失神させる事も可能。

最終的には、世界中の“不幸”をTOKYOに集め、TOKYOを凍結(時間停止に近い)させる事で、
世界中から“不幸”を無くそうとした大人達の策略に対しTOKYOの「時間」を三日分殴り飛ばす事で、
TOKYOは凍結ではなく“三日間を繰り返す都市”となる(このエピソードについては「矛盾都市TOKYO」本編では語られていない)。


□作中での活躍

「矛盾都市TOKYO」自体が彼の一人称で語られるため、全てについて書くと膨大な量になること、
本編が“僕”が記憶を失う際の副作用として、ランダムに回想させられた記憶をそのまま描く形式を取るため、
時系列がバラバラに描かれている事の二つを考慮して、この項では彼の活躍について、得に重要な部分のみを時系列順で抜粋する。

○1997年
  • 2月
#本編開始
。高校の受験票を提出に高校に行った時、ポニーテールの少女“雪の字”と邂逅。
#“僕”の両親が海外へ。

  • 4月
#“僕”と“君”の入学式。入学式後“先生”に出会う。

  • 5月
#“御山”入山
#“守護役”とそのおまけに出会う

  • 6月
#“君”と約束を交わす。
約束の内容は“君”が“僕”を一度だけ心から応援するから“僕”が“君”を一度だけ心から助ける。

  • 9月、10月
#“御山”の最終試験で“雪の字”と相対。勝利し、“雪の字”の病について知る。
#“御山”での修業が終了。
#“僕”、東京圏副総長に。
#“博士”に出会う

  • 11、12月
#“令嬢”に出会う
#関西学生の襲撃
○1998年
  • 2月
#“大将”に出会う

#1998年はメインの年ではあるがその殆どが
“総長連合”としての活動にあてられ、大局的な動きが無いため11月まで割愛

  • 11月
#BABEL使用による東西のバランスの崩壊を恐れた企業体から刺客が送られてくる
○1999年
  • 2月
#“ある事件”が起きる。これにより“先輩”が死亡。
“君”が害され、“僕”が記憶を封印。

#ここで
「矛盾都市TOKYO」本編は終了。8月にTOKYO凍結。
“僕”が時間を殴り飛ばしTOKYOは三日を繰り返す都市に。


□備考

  • “僕”の能力は、その性質が“先輩”に酷似しており、総長連合において“先輩”を殺す事が出来る唯一の存在。
  • 「矛盾都市TOKYO」自体が“僕”の回想という形で描かれるが、原作者曰く「全てが真実ではない」とのこと。
    記憶は都合よく捻じ曲げたり、TOKYOという都市の性質上実在しない人物がいる可能性も示唆されている
  • 都市シリーズ唯一のバッドエンド…………というより、“僕”が記憶を失うことまでしか描かれていないため、
    “僕”が全てを思い出す長編版TOKYOを望む声も多い。


追記、修正頼みます。

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