かおん&ひみこ

「かおん&ひみこ」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

かおん&ひみこ - (2019/12/29 (日) 16:18:20) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/10/31(月) 23:17:11
更新日:2023/02/10 Fri 17:09:29
所要時間:約 7 分で読めます







もっと、冷たい風が吹いて欲しい。


もっと、二人で寄り添えるように。


もっと、ぬくもりを分かち合えるように。


私から、天使が離れていかないように。


どうか─────お願いです。




神様。


かおん&ひみこは、京四郎と永遠の空の登場人物。

いわゆるスターシステムとして、神無月の巫女の主人公2人が新しい設定を得て別人として登場した姿。
もっとも、ほぼ公式で二人の輪廻の一環とされており、事実上の転生体ないし前世。
放送当時、様々な意味で金字塔を打ち立てた二人が今度はどのような物語を紡いでいくのかと、介錯キャラクター出演陣の中で最も注目を集めた。

事実、出番はそこそこながらも恋愛ドラマの濃さや視聴者の好感度は完全に主人公を喰っている。
まあ、これは前作補正を差し引いても、肝心の主人公である京四郎と空が感情移入できない言動ばかりだったので必然とも言える結果だったが……。

服装はともかく容姿のデザインは全く変わっていないが、神無月の巫女の時に比べると肌や髪の色が若干薄くなっている。
その他、細かなアクセサリーを身につけて差別化を図っていた。

因みに、神無月の巫女以降、二人が登場する場合はこれを含めて全て千歌音側がメインとして扱われている。


◆かおん
CV:川澄綾子

「私はただ奪うだけ…呪われたキスであなたを貪るだけ。あなたを苦しめて、苦しめて、それでも離れられない……だから……全部あなたに返すわ…」

前身は姫宮千歌音。
綾小路ミカを契約者とする絶対天使で、「月の螺旋のかおん」。または、右腕を司る「ムラクモ」。
他の絶対天使に比べるとマナの摂取効率が著しく低く、供給実験の度に数え切れない女生徒を病院送りにしていた。
まるで、唯一無二の“誰か”を待ち続けていたように……。


ミカに完璧なまでに従順ではあるものの、この世の全てに喜びも悲しみも感じられずにいた。
だが、攻撃力の性能テストを行った際に標的のたるろってに感応して暴走。
激しい爆発の末、行方不明になり、崇娃(ひみこ)と運命的な出逢いを果たす。

出会っただけで感動して涙を流し、眠る崇娃に口づけるなど、一瞬でそれまでの無機質さから激変。
ミカに無事を伝えるどころか帰還する事さえ頭になく、「群雲かおん」という偽名を名乗ってまで彼女と共に過ごすことを望み、二人で仲睦まじい同棲生活を送ることに。

崇娃への愛は絶対で、いわく「崇娃がその存在のどれかを失っても、想いは絶対変わらない」。
あろうことか、彼女の為なら絶対的な存在である契約者にだって抗ってみせると決意していたほど。
それほどまでに深い愛であったが、徐々に自分が絶対天使であるという宿業を突きつけられる。

自然と心を通わせ結ばれていく二人だったが、キスで崇娃を重体にしてしまい、やむなくミカの元へ帰還して治療してもらうが、彼女はその利用価値とある種の嫉妬から「ひみこ」としてお側女にされてしまう。
かおん自身も過酷な再調整を受けた影響で何よりも大切に記憶に刻んでいた崇娃の本名を忘れ、マナの供給源として愛する彼女を傷つけなくてはならないという残酷な仕打ちを受けることに。
以降、ミカの望みを全て叶え自由を手に入れ、彼女と共にアトリエに帰るという願いの為に戦っていく。

だが、どれだけ大切に想っていても、絶対天使である自分は愛するひみこを傷つけることしかできないという葛藤は常にかおんを苛んだ。
最終的には上記の台詞を語り、ひみこの為に自害しようとまでしている。


京四郎の攻撃からミカよりもひみこを守ってしまうなど、そうした失態が続き徹底的な強化調整を受け、ひみこのことを完全に記憶から消去され、ミカの忠実な下僕と化してしまう。
しかし、死を受け入れて立ち去ろうとするひみこを無意識に止めるなど絆は不滅だった。

ひみこを生け贄にして更なる強化を目論む実験の最中にカズヤが襲来し、拉致されてしまうものの、その直前に遂にひみこと真の意味で心を通わせる。
カズヤの手で人形同然にされてしまうが、精神世界ではワルテイシア相手にも毅然とひみこへの愛を言い放ち、何があろうと愛を貫くことを決意。

京四郎の活躍で絶対天使の本体が崩壊し、解き放たれた彼女は天使の翼を生やした姿で、愛するただ一人の少女の元へ舞い降りた……。


◆ひみこ
CV:下屋則子

「大丈夫だよ、かおんちゃん…とられたってとられたって、たとえ命が消えちゃっても、絶対に無くならないもの……私、持ってるよ。だから…平気だよ」

前身は来栖川姫子。
幼い頃に両親を失い、ずっと一人で生きてきた絵描きの少女。
第61北芸術高校の生徒として大学園祭の美術展に出品する為、森の中のアトリエに泊まり込みで作業していたが、絵のモチーフを求めて湖畔を散策中に倒れていたかおんを発見して保護した。

かつて本名をひどくからかわれた経験がトラウマとなっており、なかなか人前では明かしたがらない。
それでもかおんにはすぐ教えたが、やはり本名で呼ばれるのは恥ずかしいらしく、インドの太陽神から採った「崇娃(すうけい)」というペンネームで呼ぶように頼み、かおんも快く了承した(そもそも崇娃は男性の神だが、響きが好きだから使ったとのこと)。

かおんをモチーフにして絵の完成に取り組み、二人だけのアトリエで幸せな時を過ごしていたが、絵の完成した夜に双方合意の上でかおんと再びキスしたものの、今度は絶対天使のマナ吸収能力によって深刻な容態に陥る。

かおんが絶対天使管理局に運び込み、ミカへ懇願して治療を受け、一命は取り留めたものの、かおんにマナを安定して供給できる唯一の存在として、何よりかおんにとって特別な存在であることを見抜かれてしまう。
かおんへの人質と生贄的な意味合いを兼ねて、強制的に東月封魔女学園に在籍させられ、ミカのお側女の絵師として仕えることに。
その際、隷属の証として「ひみこ」の名を付けられ、眼鏡を着用するよう強要される。
なお、ミカの指示次第でいつ殺されてもおかしくない状況だったが、そうならなかったのはミカの「もし始末すればかおんの精神が壊れる」という直感があった為である。
以後、ミカからは嫉妬混じりの懲罰を事あるごとに受け、周囲のお側女からは散々嫌がらせを受けつつも、常にかおんに寄り添い支えてきた。

実は、空と出逢う前の京四郎に「絶対天使が契約者に逆らって他の人間を大切にしている」ケースとして相当な動揺を与えた存在でもある。

やがて、再調整の荒らしを受けかおんが記憶を消去され、用済みとなった彼女は遂に全生命をかおんに捧げられることに(本人もある意味望んでいたことであったが)。
その実験中に綾小路カズヤの襲撃を受けかおんは連れ去られ、ミカは瀕死の重傷を負い、息絶えるミカから『天の第七楽章(マナバスター)』を託される。漫画版ではそのシーンで、より神無月の巫女の輪廻が強調されていた。

単身かおんを救い出すべくカズヤの城を目指し、その途中で遭遇した綾小路ソウジロウとタッグを組んで城に殴り込んだ。
最終決戦で奮戦虚しく力尽きてしまうが、解放されたかおんのキスによって蘇生し、再会を喜び彼女に抱きついた。

それでも足を負傷して不自由になったらしく、全てが決着した後は松葉杖をついており、献身的に支えてくれるかおんに再び己の本名を教える。
眼鏡を外し、夜空に輝く神無月の下で……。

因みに、決戦の最中に大神ジンとあるやり取りがあったのだが、色んな意味で涙なくしては見られない。




現在、姫子と千歌音をモチーフにしたキャラクターでは完全なハッピーエンドを迎えている唯一のケースである。




「かおんちゃん、追記修正しちゃ…駄目かな?」


「駄目な訳ないわ。あなたがいいなら、それでいいもの」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/