イリヤの空、UFOの夏

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イリヤの空、UFOの夏 - (2014/02/14 (金) 19:25:10) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/05/26(火) 22:23:22
更新日:2024/04/18 Thu 15:57:50
所要時間:約 3 分で読めます




メディアワークスが刊行している電撃文庫作品の一つ。
おかしくて、切なくて、どこか懐かしい、ちょっぴり変な現代が舞台の、SFボーイミーツガールストーリー。

著・秋山瑞人
イラスト・駒都えーじ
全4巻

ドラマCD化に加え、2005年にはOVA化もされた。そちらは全6巻。
ニンテンドーDS対応のサウンドノベル「DS電撃文庫」第3弾、第4弾としても発売中。
ただし特別編の「死体を洗え」と「そんなことだから」は未収録です! 注意すべし。

一部オリジナル展開を含めた漫画版も全2巻で発売中。

なおOVAの主題歌は、
OP forever bule
ED ひまわり



あらすじ
主人公、浅羽直之は園原中学校の二年生。
非公式のゲリラ新聞部に所属する彼は、部長である水前寺邦博と共に、夏休みの間中、裏山にてUFOを探す日々を送っていた。
園原にはUFOの噂が絶えない有名な空軍基地があり、水前寺はその秘密を追究していたのだ。
しかし夏休み全てを費やしても、UFOについては結局何の成果も得られなかった。

そして夏休み最後の夜、誰かが「めちゃくちゃ気持ちいいぞ」と言っていたのを思い出した浅羽は学校のプールへと忍び込むが、
そこには伊里野加奈と名乗る、見慣れぬ不思議な少女がいた。律儀にスクール水着と水泳帽子を被っていた。
浅羽が声をかけると、プールに落下、浅羽は助け、水泳について教えるが途中で違和感に気付く、
手首には金属のようなものが、埋め込まれていて、伊里野に「なめてみる? 電気の味がするよ」と言われるが、すぐに伊里野の兄貴と自称する謎の男、榎本が現れた。
そして翌日の始業式の日、浅羽のクラスに伊里野が転校生として編入してきた。
ささいな事件がきっかけでクラスから孤立してしまった伊里野と伊里野のことが気にかかる浅羽と伊里野の周囲に垣間見える幾つもの奇妙な謎。
浅羽直之のUFOの夏は、終わっていたはずの夏が、終焉の歯車は静かに動き出した。

少年と少女が織り成す、切なくておかしくてどこか懐かしく感じるSF青春ラブストーリー。


短編

『それ以外のことについて言えば、』
大学四年生の町田 一輝(卒業後は実家に帰って家業を継ぐ予定だった)は、
浅羽理容店と通りを挟んだ真向かいにある木造二階建てのアパートに住んでいることが理由で、浅羽の監視のため、スパイの守 和泉(かみ いずみ)に部屋を占拠された。
(和泉は陸上自衛軍の特務兵、榎本たちの組織の「下っ端」にあたる)浅羽や水前寺は、直接は登場していない。

スパイになりたかった大学生と、大学生になりたかったスパイの、ちょっとおかしな、ちょっと不思議な、ちょっと考えさせられるSFストーリー。


『グラウンド・ゼロ』
本編のプロローグみたいなもの(伊里野視点の浅羽とプールで出会うまでの約半日を描いている)



『それ以外のことについて言えば、』はドラマアルバム版に書き下ろし収録されていますが絶版です。『グラウンド・ゼロ』はイラスト集に収録。
DS版1、2にそれぞれ収録されています。安く読みたいならオススメです。

秋山瑞人の独特ながら緻密な文章とジュブナイルとしての完成度から今もなお高い人気を持つ。
終盤の展開がよく鬱展開として挙げられるが、作者はラストについてハッピーエンドだとしている。




「EGFマダー?」

「EGF……? とは何かね?」

「えっ……部長……知らないんですか?
――僕はやりますよ、追記・修正。
1人でも」

「……ふっ、好きにしたまえ」

「はいっ!」

そして、僕は追記・修正を終わらせる。

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