平成ライダーシリーズ

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平成ライダーシリーズ - (2023/05/11 (木) 09:40:08) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2009/11/05 Thu 02:47:33
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&font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます

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&tags()
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#center(){{{
'''からっぽの星'''
'''時代をゼロから始めよう'''


'''見上げる星'''
'''それぞれの歴史が輝いて'''
}}}



『平成ライダーシリーズ』は、[[テレビ朝日]]系列で毎週日曜朝8時→同朝9時から放送されている仮面ライダー作品の総称。

「平成に入って新たにTV放送を開始した仮面ライダーシリーズ」という意味であり、平成に放送していた仮面ライダーという訳ではない。
よって、[[初代仮面ライダー>仮面ライダー]]から続いていた『昭和ライダーシリーズ』に含まれる「[[BLACK RX>仮面ライダーBLACK RX]](平成元年まで放送)」や、
クウガ以前に制作された[[「真」「ZO」「J」>ネオライダー]]、昭和シリーズのリメイクである「[[THE FIRST>仮面ライダー THE FIRST]]」「[[THE NEXT>仮面ライダーTHE NEXT]]」「[[アマゾンズ>仮面ライダーアマゾンズ]]」は平成ライダーに数えられない(昭和、平成のどちらにもカウントされない)。

昭和ライダーシリーズでは見られなかった(見られにくかった)要素としては、以下のような点だろう。

・若手[[イケメン]]俳優を主演に据え、子供だけではなく女性(特にお母さま方)もターゲットに
・一人のライダーが複数の形態を使う(フォームチェンジ)
・複数人のライダーがレギュラーで登場する(クウガ以外)
・生命維持等で体に医療器具を入れる人への配慮で“改造人間”という設定は使わない
・敵が[[世界征服]]を目指す悪の組織ではなく、人類を脅かす怪人という種族そのものとなっている
・アギトとディケイドを除き、各作品の世界観は基本的に独立している(ただし、電王とキバは[[パラレル>パラレルワールド]]世界観で共演したことはある)。

……このような要素などが特徴。
もっとも、イケメンの定義は時代と共に変わるので、昭和の主演陣も放送当時のイケメンに当てはまっていると言えるが。
世界観の独立設定に関しても、「[[真>真・仮面ライダー 序章]]」((「ZO」と「J」は仮面ライダーワールドやSIC等で共演しているため割愛))が繋がっていなかった流れをそのまま引き継いだ感じではある。

また、昭和ライダーの重要なファクターであり、石ノ森作品の特色である&bold(){「同族殺し」「敵からもたらされた力で戦う」}といった要素はほとんどの平成ライダーに受け継がれている。

2018年現在では各作品の小説版が刊行されており、そちらも評価が高い。
なお、アギト、龍騎、555、剣、カブトにはTV本編にサブタイトルが存在しない(新聞や公式サイトなどには記載されている)。


●目次
#contents


*【シリーズ一覧】
**2000年1月~2001年1月:『[[仮面ライダークウガ]]』
#center(){&b(){&color(#ff0000){A New Hero. A New Legend.}}}

#center(){&b(){&color(gold,red){伝説はぬりかえるもの}}}

記念すべき第一作目。東映側プロデューサーは『[[激走戦隊カーレンジャー]]』等の[[高寺成紀>高寺重徳(プロデューサー)]]で、メイン脚本家は高寺も関わった『仮面ライダーBLACK』で特撮デビューした荒川稔久(この後戦隊メインになるためライダー参加は『仮面ライダーW』のゲスト参加のみ)。
「敵が弱いやつから出てくる」「敵を倒すと爆発する」といった特撮特有のご都合演出を設定として上手く落とし込んでおり、
「敵組織が独自の言語や文化を有する(しかもしっかりと会話になっている)」「[[必殺技]]名を叫ばない」などリアリティのある描写も特徴的。
「もし怪人が実際に出現したら」を警察に取材するなど積み重ねによって作られた、特撮というよりドラマに近い非常に独特な雰囲気を持つ作品である。
敵組織は[[グロンギ族]]。[[変身ベルト>変身ベルト(平成仮面ライダー)]]は「アークル」(玩具版はソニックウェーブ)。
シリーズ中唯一ライダーがクウガただ1人しかおらず、劇場版もない(2号ライダーの登場、劇場版の双方構想はあったがどちらも頓挫している)。

放送当初はまだ平成ライダーシリーズ事態手探りだった事もあってか、生々しい殺人描写に対する保護者からの苦情や、昭和ライダーファンからの手厳しい批判、
脚本やリアリティ描写に力を入れ過ぎたことで撮影が遅れた事から総集編が数回放送されるといった困難に直面。
しかし、主に高校生や大人の年代から支持を集め、現在は平成ライダーの中でも屈指の名作と讃えられている。
また、主演のオダギリジョーとその相棒役を務めた葛山信吾が、子供と一緒に視聴していたお母さま方にヒットし、
[[スーパー戦隊>スーパー戦隊シリーズ]]と並んで現在も続くイケメンヒーローブームの火付け役となった。

EDは本作以外では響鬼の前半と各[[最終回]]しかなく、以降の作品では戦闘挿入歌がED扱いに。
全編がHDTVで撮影されており、当時としては異例の16:9の画面比率で放映されている。
しかし、まだ地デジも始まっていなかった時期であったため、テレビ放送・DVD共に4:3のレターボックス仕様であったが、
Blu-ray化に伴い本来の画面サイズで収録された。

ちなみに、クウガの前番組は同じく大人世代からの支持を集めた[[タイムレンジャー>未来戦隊タイムレンジャー]]である。
この年のニチアサはかなり意欲的な作品が並んでいたと言えよう。

**2001年1月~2002年1月:『[[仮面ライダーアギト]]』
#center(){&b(){&color(#ffdc00){目覚めろ、その魂}}}

#center(){&b(){&color(gold,black){君のままで 変わればいい}}}

平成ライダー第二作であり、仮面ライダー生誕30周年記念作品。前作では中盤からの東映側サブプロデューサー&脚本家だった『[[超光戦士シャンゼリオン]]』の[[白倉伸一郎>白倉伸一郎(プロデューサー)]]・[[井上敏樹]]コンビがメインとなった初のライダーでもある。
敵組織は[[アンノウン>アンノウン(超越生命体)]]、変身ベルトは「オルタリング」(玩具版はトリプルフラッシュ)。
序盤から3人の仮面ライダー、[[アギト>仮面ライダーアギト(登場キャラクター)]]・[[G3>仮面ライダーG3/G3-X]]・[[ギルス>仮面ライダーギルス]]が登場するのが特徴。
前作の続編だが一部単語が使われる程度でそこまで繋がりはない。当初は正統続編の設定だったが後に意図的に矛盾点を設け、現在ではパラレル的続編とされる。
また、本作より劇場版の公開が恒例となった。

前作における苦情を受けて、アンノウンによる殺人描写は人の手ではありえない不可能犯罪が中心に。
前作に劣らず練り込まれた設定で、謎を解き明かしていくエンターテイメント性の強いストーリーになっている。
クウガのヒットもあってか、玩具の売り上げこそ落ちたものの、平均視聴率は未だにシリーズ最高を誇る。
この作品を最後に、OPの歌詞には「仮面ライダー」が入らなくなった。

**2002年2月~2003年1月:『[[仮面ライダー龍騎]]』
#center(){&b(){&color(#ff0000){戦わなければ}&color(#0000ff){生き残れない!!}}}

#center(){&b(){&color(silver,red){ためらわない勇気だけが 悪夢を壊す}}}

シリーズ第三作。白倉伸一郎が続投し(この後の『555』も担当)、メイン脚本家は[[小林靖子]]にシフトした。
キャッチコピーの通り、&bold(){13人ものライダーが登場してバトルロイヤルを繰り広げる}異色作。
なんでも白倉氏は9/11同時多発テロ事件に衝撃を受け、異なる価値観を持ったもの同士の正義がぶつかったらどうなるのかというのを題材にしたとか。%%今思うと、白倉Pの独特な作風は本作が最初なのかもしれない。%%

敵となるのは[[鏡]]の世界・ミラーワールドに住む[[ミラーモンスター>ミラーモンスター(仮面ライダー龍騎)]]だが、同時に「自分以外の仮面ライダー」らも敵となる。%%まあ実は割とライダー変身者同士で一緒に飯食ったりバイトしたりギャグやったりしてるが。%%
変身アイテムは「カードデッキ」と「Vバックル」。
2009年に『[[KAMENRIDER DRAGON KNIGHT]]』として海外版リメイクが制作され、日本でも放送された。

「外付けの変身ベルト」「変身時や技発動時の電子音声」「[[ライダー同士の戦闘>ライダーバトル]]」など以降の平成ライダーシリーズで定番化する要素を生んだ、クウガとは違った意味で平成ライダーの元祖と言える作品。
放送開始当初は、これまでにない作品設定や異彩の放つストーリーに、著名人をも巻き込んで[[賛否>賛否両論]]が巻き起こったが、
テレゴングにより結末の変わる[[TVスペシャル>仮面ライダー龍騎スペシャル 13 RIDERS]]や、最終回先行上映というキャッチコピーの[[劇場版>劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL]]で話題を集めた。
よって、映像作品だけでも4つの結末がある異色のストーリーになっている。

カードを用いたバトルというアイデアは剣やディケイドにも踏襲された。
平成ライダーシリーズ中で初めて劇中で「仮面ライダー」の名称を使った作品でもある。
そして本作から、主題歌発売レコード会社が昭和時代からのコロムビアからavexに変更された。

**2003年1月~2004年1月:『[[仮面ライダー555]]』
#center(){&b(){&color(#808080){疾走する本能}}}

#center(){&b(){&color(red,silver){悲しみを繰り返し 僕らは何処へ行くのだろう?}}}

シリーズ第四作。
敵組織は[[オルフェノク]]。変身アイテムのモチーフは携帯電話で、「[[ファイズギア>仮面ライダーファイズ]]」「[[カイザギア>仮面ライダーカイザ]]」「[[デルタギア>仮面ライダーデルタ]]」の3つのベルトがストーリーのカギを握る。
ライダーのデザインがより一層と機械的になったが、そのデザインやギミックは高く評価されている。
DX玩具の変身ベルトは平成一期だけなら最高売り上げ。

これまで敵怪人は「人類を脅かし、相容れぬ宿命」にあったが、本作では初めて怪人側にもスポットを当て、仮面ライダー側と怪人側にそれぞれ主人公が存在する。
ストーリーもアギトの終盤でも描かれた&bold(){「異種族との共存」}を目指すという試みをした作品である。
全話を敏樹が手掛けたので当然ながら、終始不穏な空気が漂う複雑なシナリオや本作を象徴するキャラクター・[[草加雅人]]など全キャラが何かしら性格に重大な欠点があるため、非常に好みが分かれる。
メインターゲットである幼年層には重い描写も多く、仮面ライダーシリーズの中でも屈指のシリアス作品であると同時に賛否両論が激しい。
その一方で劇場版も極めて完成度が高く、平成ライダー最高傑作とまでの評価を獲得している。
放送終了から10年を経て、『[[仮面ライダー大戦>平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊]]』にて本作主人公の[[乾巧]]がメインキャストとして堂々の復活を果たした。

ちなみにこれが放送された年の前番組は[[アバレンジャー>爆竜戦隊アバレンジャー]]、後番組は[[明日のナージャ]]という&s(){恐ろしい}構成。
&s(){本作の草加と合わせて子供を泣かせるスーパー鬱タイムとか言われていたとかなんとか。}

**2004年1月~2005年1月:『[[仮面ライダー剣]]』
#center(){&b(){&color(#0000ff){運命の切札をつかみ取れ!}}}

#center(){&b(){&color(silver,navy){切り札はキミの中 研ぎ澄まされた勇気にして}}}

#center(){&b(){&color(gold,navy){奇跡 切り札は自分だけ}}}

シリーズ第五作。東映側プロデューサーは[[メタルヒーロー>メタルヒーローシリーズ]]・[[不思議コメディ>東映不思議コメディーシリーズ]]・スーパー戦隊シリーズを担当していた日笠淳で、メイン脚本家は今井詔二(前半)→[[會川昇]](後半)。
敵怪人は[[アンデッド>アンデッド(仮面ライダー剣)]]、変身アイテムはをカードをベルトに差し込む「○○バックル」。
昆虫をモチーフに[[トランプ]]の柄を合わせた4人のライダーが登場する。龍騎に続いてカードを使うライダー。

放送当時はリアル路線が下火となっており、序盤の展開の迷走っぷりや俳優の活舌の悪さから生まれたネタ・[[オンドゥル語]]などの要素から、関連商品の売り上げ及び視聴率がかなり低迷してしまい、「平成ライダー迷走期」の作品と揶揄する人も。
しかしストーリー後半から衝突し合っていたライダー達の結託、アンデッド側にも戦う理由があり、必ずしも人間だけが正義では無いというテーマや決着の仕方など見事なストーリー展開と[[伏線]]回収、衝撃的な最終回などの秀逸なネタ要素から、最終的には高い評価を得る事に成功しており、未だに特撮ファンからの人気が高い作品となった。
555同様、人によって評価が大きく別れるライダー作品の1つである。
ちなみに役者陣はこれらのネタについては非常に寛容的。特にMAD動画は&bold(){ほぼ全てが剣崎役の椿氏に見つかってTwitter等にリンクを貼られる}レベル。
余談だが仮面ライダーシリーズは555で一旦終了する予定であり、その繋ぎとして製作されたのが本作である。


**2005年1月~2006年1月:『[[仮面ライダー響鬼]]』
#center(){&b(){&color(#800080){ぼくたちには、ヒーローがいる。}}}

#center(){&b(){&color(red,purple){傷付いてもいい 強く立ち上がれ}}}

シリーズ第六作。プロデューサーは再登板した高寺成紀(前半)→白倉伸一郎(後半)で、メイン脚本家は『クウガ』総集編回を担当していた演出家・劇作家・俳優の[[きだつよし]](前半、但し実質的には文芸の大石真司との共作・並立体制)→第一期平成ライダー常連の井上敏樹(後半)。
ライダー要素を一切省き、徹底した和風テイストを投入した、独自性の目立つ異色作。「平成の[[アマゾン>仮面ライダーアマゾン]]」とも例えられる。後に本当に[[平成アマゾン>仮面ライダーアマゾンズ]]が出たのは内緒。
敵怪人は妖怪的な[[魔化魍]]。仮面ライダーたちは楽器をモチーフにした変身アイテムを使い、ライダーたちも作中では「鬼」と呼ばれる。
デザインや設定もライダーの特徴が一切ないが、これらは企画段階で前作の商業展開の不振から『[[変身忍者 嵐]]』のリメイクとして作られていた影響にある。

主演は通例よりやや高めの年齢であり、その背中を追う少年との師弟関係を描いた作風は高年齢に支持された。
しかし、肝心の子供にはまったくウケず、玩具売り上げは低迷。
また、序盤は和風テイストの渋い作品だったが、途中でプロデューサーと脚本家が交代して作風が一般的な特撮の方面へガラリと変わってしまうという事件も起こった。
詳細は項目にて。

スタッフとしては本作までの反省点として''「戦わなければ生き残れない」ぐらいの緊張感がなければ、多数のレギュラーライダーを出すと間が保てない''と思い始めたらしい。

**2006年1月~2007年1月:『[[仮面ライダーカブト]]』
#center(){&b(){&color(#ff0000){天の道を行き、総てを司る!}}}

#center(){&b(){&color(#00ffff,#f02121){強さという自信 身体を溢れ出したら 総てが力になる}}}

シリーズ第七作目にして仮面ライダー誕生35周年作品。プロデューサーは白倉伸一郎と当時新人の武部直美で、メイン脚本家は『響鬼』後半でゲスト参加した[[米村正二]]。
前作に対し、「昆虫がモチーフ」「変身の掛け声」「必殺技名を言う」「変身ベルト」「[[バイク]]の常用」などの部分で昭和ライダーに回帰し、
&bold(){「仮面ライダーの限界に挑む」}というテーマで制作された。
敵怪人は[[ワーム>ワーム(仮面ライダーカブト)]]。変身ベルトは昆虫モチーフの「○○ゼクター」で、仮面ライダーたちはワームの掃討を目的に制作された「マスクドライダーシステム」で戦う。

シンプルイズベストを貫いたライダーの造形は非常に評価が高い。
『[[キャストオフ]]』『[[クロックアップ>クロックアップ(仮面ライダーカブト)]]』といった独自のギミックや、主人公の名言『[[天道語録]]』も人気がある。
一方で前作の事件が尾を引いてか、ストーリーには多数の矛盾、多すぎる上に性格がブレるキャラたち、地に足がついていない設定など、話はグダグダとの評価を受けやすい。
この作品以降、VTR撮影からHD24Pを導入した撮影に移行した。(なお、前作の後期OP映像もHD24Pで撮影されている)

前作でライダーの増加に限界を感じ始めていたスタッフだが、''「キャラを目いっぱい濃くすれば、その問題は克服できるのではないか」との仮説の下に本作でも多数のライダーを登場させた''ものの、
収拾を付けるのに苦労したために、スポンサーに「次作のレギュラーライダーは多くても二人まで」と注文したらしい。

**2007年1月~2008年1月(TV):『[[仮面ライダー電王]]』
#center(){&b(){&color(#ff0000){"&ruby(とき){時刻}" を}&color(#0000ff){超えて} &color(#ffb74c){俺、}&color(#800080){参上!}}}

#center(){&b(){&color(ghostwhite,red){迷いそうな時必ず 想いの強さが導く}}}

シリーズ第八作でかなり異色な作品。スタッフは白倉伸一郎・小林靖子の『龍騎』コンビ再び。
敵怪人は[[イマジン>イマジン(仮面ライダー電王)]]。変身ベルトは自動改札モチーフの「デンオウベルト」。ライダーは怪人の[[憑依]]によって変身やフォームチェンジをする。
&bold(){「味方に怪人がいる」「主人公にとり憑く怪人によってライダーの姿が変わる」「乗り物が電車」}という今も尚輝く独自要素を持つ。

コメディ色が強く入りやすい作風に加え、味方イマジンに人気声優の起用などを受けてライダーファン以外からも好評を受けた。
玩具の売り上げも低迷した剣~カブトから復帰し、セールス面でも持ち直すことができた。
またコメディ色が強いながらも根幹のシリアスな設定は変わらず、設定・伏線を巧みに回収し、ヒロインの降板という事態すら新設定により無理なく生かしたストーリーも評価が高い。
剣以降カブト辺りまで続いた「これを最後にしよう→人気が出て続く」の流れを断ち切った作品でもある。
その人気の高さから放送終了後も度々新作映画が制作されたが、あまりに多すぎたためにファンから&bold(){「いつ終わるのか分からない」}と言われていたことも。


**2008年1月~2009年1月:『[[仮面ライダーキバ]]』
#center(){&b(){&color(#444444){&ruby(ウェイクアップ){覚醒}!}}}
#center(){&b(){&color(#444444){&ruby(さだめ){運命}の鎖を解き放て!}}}

#center(){&b(){&color(red,yellow){そこにある確かな絆を忘れないで}}}

シリーズ第九作。武部直美が初の単独チーフプロデューサーとなり、またまた井上敏樹がメイン脚本家を担当。
敵組織は[[ファンガイア]]。変身ベルトは「キバットべルト」、そこに相棒である[[コウモリ]]型モンスターの「キバットバットⅢ世」を差し込むことで変身する。
[[吸血鬼]]イメージな為か敵味方ともに全体のデザインにはゴシックを取り入れている。

前作で受けた「味方怪人」「使用する怪人によって姿が変わる」などの要素が引き継がれたが、シナリオはハード&シリアス路線に回帰している。
現代(2008年)と過去(1986年)の物語を交互に織り混ぜつつ話が進むという、他に類を見ない演出が特徴。

秀逸なライダーのデザイン、[[753>名護啓介]]や[[紅音也]]などのメリハリの効いた登場人物、クオリティの高い挿入歌は評価が高い。
一方、人間関係の昼ドラ化やうまく使いきれていない現代と過去の関係、やたらと多い死に設定・ギミックなどの面もある。
だが、ファイズとはまた異なる形の『人間と怪人の共存』を描いたストーリーを支持するファンも多い。
一方でストーリーや構成がちびっ子には難しい点が大きかったのか「今見るとなんでつまらないと思ったんだろう」「放送当時途中脱落だったが、改めて見たらハマった」という人もちらほらといる。
放送から10年経って当時のちびっ子は高校生〜大人となり、AmazonプライムビデオやBlu-ray・DVD等もう一度見る機会が増えた現在、&font(l){[[ジオウでの衝撃の展開>アナザーキバ(仮面ライダージオウ)]]もあってか}再評価の傾向にあり、「一気見したほうが面白い」「1週1話でこのストーリーはキツい」と言われてたりもする。
また、「電王が人気すぎて逆にキバじゃなくても人気は多少落ちたかもしれない」という分析もある。
響鬼並みに瞬間瞬間を必死に生きたライダーと言えよう。


**2009年1月~8月(TV):『[[仮面ライダーディケイド]]』
#center(){&b(){&color(#ff008c){平成ライダー?10年早ぇよ!}}}((もう10年たったの!?という意味。))

#center(){&b(){&color(black,magenta){本当の自分自身出会うため 歩き続けるのさ}}}

シリーズ第十作目にして、平成ライダー10周年記念作品。プロデューサーは白倉伸一郎、メイン脚本家は會川昇(前半)→米村正二(後半)。
これまでの平成ライダーの世界を旅するという内容で、過去のライダーが多数登場する。
過去のライダーの世界は出演者や設定の異なる別物((電王のみ原作と同一世界観だったが、後によく似た別世界とされた))だが、一部原作キャストが出演。
龍騎、剣に続いてカードを使うライダーで、変身ベルトは「ディケイドライバー」。主役ライダーは過去のライダーに変身できるという能力を持つ。
この時に各ライダー専用のマークとも言える『[[ライダーズクレスト]]』も昭和ライダーを含めて全作品に設定された。

また、カード式アーケードゲーム『ガンバライド』と連動した商品展開を行っていた。
[[スーパー戦隊シリーズ]]や昭和ライダーとも競演し話題を呼び、響鬼の世界や[[シンケンジャー>侍戦隊シンケンジャー]]の世界等一部のエピソードは好評。

元々戦隊との競合と放送時期をずらすために企画されたため、放送期間は約半年。&bold(){結末が劇場版に持ち越しという異例の終わり方}で不評を買った。
にも関わらず、その劇場版も最終回と直結しているとは言い難く、かえって批判に拍車がかかってしまった。(BPOに苦情が入ったとか。)
商業展開ではディケイドライバーをはじめ成功をおさめ、今作以降、他作品同士の仮面ライダーが共演するMOVIE大戦シリーズなどの冬の劇場版や、
昭和と平成の枠を越えた大規模な共演作である「オールライダー」物の映画が多く製作されるようになり、
玩具展開も現行ライダーのアイテムに過去作ライダーをモチーフにしたもの、いわゆる『レジェンド商法』も活発になり
そういった意味では成功作と言えなくもない。

放送終了後も%%設定面で使いやすい為%%『[[スーパーヒーロー大戦>仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦]]』や『[[仮面ライダーウィザード特別編>仮面ライダーの指輪/終わらない物語]]』『仮面ライダー大戦』等で主人公の門矢士が主役の一人として登場し、
平成ライダー20周年作品である『[[仮面ライダージオウ]]』でも実質的な4号ライダーとして士が活躍した。ちなみにジオウで士の登場したエピソードをディケイド本編の話数と合算するとちょうど平成ライダー1年分の話数となる。

賛否両論はあれどここで「平成ライダー」には一区切りつき、『[[仮面ライダーW]]』から『[[第二期平成ライダーシリーズ]]』へと切り替わることになる。

*【関連作品】
・[[仮面ライダーG]]&br() 2009年に放送された『SmaSTATION Presents!! SMAP☆がんばりますっ!!』という番組にてSMAPの稲垣吾郎の願いで制作された作品。&br()一話のみの短編だが、&bold(){石森プロと東映が全面協力して制作した}クオリティは正真正銘本物。&br()&del(){[[例のアレ>仮面ノリダー]]と違って}[[公式に平成ライダーとして認められている>劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer]]。

・[[平成ウルトラシリーズ]] &br()平成でTVシリーズを再開したこと以外に、偶然にも第一作目から五作目まで共通項が多い。&br()・[[超古代の戦士>ウルトラマンティガ(作品)]]&br()・[[一作目と共通項が多い>ウルトラマンダイナ]]&br()・[[異なる価値観を持つ人間同士の争い>ウルトラマンガイア]]&br()・[[異種族の共存と軋轢>ウルトラマンコスモス]]&br()・[[試練を乗り越え最強の力を手に入れる主人公>ウルトラマンネクサス]]&br()さらに初期五作の後で娯楽性が高い作風になり、同時に放送されることも多くなった。&br()だが、ウルトラ兄弟といった昭和作品のキャラクターが常時客演するようになったウルトラシリーズ((ニュージェネレーション以降は新作の度に世界観を変えつつも昭和作品のウルトラヒーローや怪獣を出す方針となっている。))に対し、仮面ライダーシリーズは「(一部を除き)新作の度に世界観を変える」といった体制のままであり、両者とも2023年現在もその体制を貫いている。

・[[美少女戦士セーラームーン]] &br()現在のニチアサキッズタイムでは戦隊・ライダー・プリキュアの御三家となっているが、『剣』の頃は世間の「戦う美少女」のイメージはセーラームーンの方が大きく、『スターズ』終了してからも実写が作られたり玩具屋のチラシでも関連商品が掲載されている程に人気が高かった。だが、放送終了後にプリキュアに世代交代する形で沈静化していった。&br()偶然にも次の番組は『[[ウルトラマンネクサス]]』であっありする。&br()また、後に『シン仮面ライダー』に携わる庵野も『S』でカリスマコンビの変身バンクを担当しており、後のエヴァでも[[声優>緒方恵美]]やキャラクターの名前を本作から引っ張り出している。

・[[燃えろ!!ロボコン]] &br()平成に放送された、石ノ森章太郎原作作品の『[[がんばれ!!ロボコン]]』のリブート作品で、石ノ森章太郎の死去後、最初に制作された石ノ森原作の東映特撮作品。&br()当時のニチアサの番組展開は基本的に3年区切りで、アギトや剣で仮面ライダーシリーズ終了を図ったのも石ノ森原作カテゴリのロボコン→クウガ→アギトに続く仮面ライダー単体展開での龍騎→555→剣が終わってひと段落したためである。平成ライダーが本格的にシリーズ化されるまでは、本作を第1作として本作・クウガ・アギトの3作を&bold(){「石ノ森原作シリーズ」}と呼ばれることもあった。&br()だが『[[変身忍者 嵐]]』の[[リメイク作品>仮面ライダー響鬼]]を&bold(){「仮面ライダーの方がお金が入ってくる」}というバンダイの&s(){無理強い}後押しために仮面ライダーとして企画してしまうことになり、シリーズの継続が決定。2023年今日まで仮面ライダーシリーズが放送する流れになった。&br()&s(){商業展開を無視してクウガを制作した高寺Pもここで商業展開に振り回される羽目になるのは想定外だっただろう。}

・[[魔法少女まどか☆マギカ]]、[[結城友奈は勇者である]] &br()ある意味、平成ライダー初期五作の系譜を継ぐ作品。&br()前者のメインライターの虚淵は重篤な龍騎や555のファンであり、後者にはクウガの[[とある>EPISODE2:変身(仮面ライダークウガ)]][[シーン>結城友奈]]がオマージュされている。


#center(){{{

You're the next
Next Decade

星座巡っても変わらぬもの
揺るぎない 絆 永遠
もう二度と会えないとしても
stay alive


次の10年を駆け抜ける
[[未来のヒーロー>第二期平成ライダーシリーズ]]たちに捧げる……

}}}

#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,18)
}
#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 反対意見がなかったので、リセットしました。  -- 名無しさん  (2022-10-27 13:14:32)
- キバはファイズのIFで、ファイズはアギトのIFで、アギトはクウガのIF  -- 名無しさん  (2022-11-13 12:04:42)
- 正直、「昭和ライダー」「平成ライダー」でガチガチに区分して別物扱いする意義が分からない。全部まとめて「仮面ライダー」じゃ駄目なの?令和ライダーなんて極端な言い方すれば看板が変わっただけでやってることは平成ライダーとほぼ同じ(悪口ではない、念のため)だし  -- 名無しさん  (2023-03-21 11:20:24)
- ↑地続きの平成→令和はともかく、昭和→平成はブランクがあるから多少はね?  -- 名無しさん  (2023-05-06 17:27:49)
- なんかいつの間にやら例の無断分割項目の内容がサラッと追加されてる…  -- 名無しさん  (2023-05-11 09:06:34)
- クソあの  -- 名無しさん  (2023-05-11 09:39:16)
- 失敗↑。あのこじつけクソ項目のなんか入れんでいいでしょ。  -- 名無しさん  (2023-05-11 09:40:08)
#comment
#areaedit(end)
}