黒魔道士(FF9)

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黒魔道士(FF9) - (2016/02/14 (日) 23:05:02) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2011/03/06(日) 12:54:22
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「君にはわかっているようだね……止まってしまった……いや、死んでしまった仲間達のこと……」



・黒魔道士(Black Mage)

本項目では『[[FINAL FANTASY Ⅸ]]』に於ける黒魔道士……「黒魔道士兵」についての説明を記述する。

『[[FINAL FANTASYシリーズ]]』では黒魔道士を三角帽子に光る目と云うディフォルメされた姿で現して来たが、SFC・PSでの展開を経てリアルな世界観に以降しつつあった「FF」では、そうしたデザインはシリーズから廃されつつあった。

しかし、その流れに反して原点回帰を目指して製作された『FF9』では黒魔道士のデザインを復活させると共に、キャラクター毎のジョブと云う概念を明確に復活させ、主人公の一人ビビのデザインに採用する等、大胆に物語に取り込んでみせていた。

「黒魔道士兵」とは、ビビ同様に「黒魔道士」のデザインを活かした「FF9」独自の設定にあるキャラクターであり、「命」をテーマにした本作を象徴する存在達である。
 


【概要】
「アレクサンドリア」の女王ブラネが「霧の大陸」制覇の為に作り上げた殺人兵器。
大陸を包み、人の精神に悪影響を与えモンスターを生むと呼ばれる「霧」により生み出された、強大な魔力を持つが「魂」を持たぬ人形(ゴーレム)である。

生成方法を謎の武器商人クジャがもたらし、ブラネ配下の宮廷道化師ゾーン/ソーンが指揮を取り、「ダリの村」の地下工場で作り上げられていた。

尚、時期により3タイプが存在し

●Aタイプ(1〜90番台まで)
●Bタイプ(100〜190番台まで)
●Cタイプ(200番台以降)

に分かれている。
後期型になる程デザインが派手になると共に、魔力が高められる等、兵器として洗練されているのが特徴。

「魂」を持たぬ故に恐怖が無く、強大な魔力により放たれる魔法により、立ち塞がる敵を焼き払う戦いぶりは正に悪魔と呼べるものであり、「ブルメシア」「クレイラ」「リンドブルム」を蹂躙……。


「キル!」

「キル!」
 
「テレポット」を利用し、城内に直接兵団を送り込むと云う戦法もあり、多大な被害を与えた。

その悪魔の如き戦いぶりから、それら蹂躙された国の民からは「恐怖の象徴」として捉えられており、「リンドブルム」陥落後に廃墟と化した町の住民達が恨みを込めて“動きを止めた”黒魔道士兵にリンチを加えようとする場面が描かれる等、その描写はリアルなものとなっている。

尚、それら「兵器」としてロールアウトされた物の他、更に能力の高められた「黒のワルツ」と名付けられた発展型や、後の物よりも能力の優れた実験型のプロトタイプが存在……。
いずれもゾーン/ソーンの手により製作されたものだが、“彼ららしく”プロトタイプを飛空艇での輸送中に無くしてしまうと云うミスを犯している。
 

※以下、更なるネタバレ







ビビ「ねぇ、ジタン……さっきの人形達……ボクに似てなかった?」

……その姿から想像出来る様に主人公の一人ビビの正体は、この「黒魔道士兵」の一体……失われたプロトタイプであった。

「ダリの村」で、その事実に気付き始めたビビは、以降の「ブルメシア」「クレイラ」「リンドブルム」での「黒魔道士」の凶行を見ず知らずの住民達に責められ、思い悩む事になる。

ビビ「ボク、何も悪いことをしてないのに……」

“おじいちゃん”と慕うクワンにより心……、「魂」を与えられた自分と、他の「黒魔道士兵」との違いはなんなのか……?
その答えは、「外側の大陸」で得られる事になる。



【黒魔道士の村】
「外側の大陸」の、フクロウも住まぬ程に深い森の中に住む種族。
その正体は“自我に目覚めた黒魔道士兵”である。

288号「気付いた時……血に塗れて倒れた人の姿があった……」

288号「怖くて、怖くて必死で戦場から逃げて……見てみると……周りにも、似たような目覚めた仲間達が居たんだ……」

 
「黒魔道士の村」でビビやジタンは知る事になる。
「黒魔道士兵」の真実と止まってしまった仲間達の事……
自分達を兵器として使った人間達を恐れながらも、その真似をして“日常”を送る彼らも日々の暮らしを通じて“個性”を獲得するまでになっていた。


だからこそ、村のリーダーである288号の言葉が重く突き刺さるのである。

288号「……兵器として作られた僕達の命は……およそ、一年で尽きてしまうんだ」

自我に目覚めて間もない、彼らの中にその“意味”を本当に理解出来ている者は少ない。

本項目の冒頭の言葉は、288号とビビの会話を抜粋したものだが、豊かな「心」を持つ仲間……ビビに。
彼だから願いを託すのである。

288号「僕達の替わりに世界を見て来て欲しい」……と。


……この出会いに希望を見出だしたビビだったが、狡猾なクジャはこの後、寿命=タイムリミットの事実を知らせる事で、彼ら黒魔道士を失った手駒の替わりとして利用する行動に出る。
「寿命を延ばしてやる」と謀り、彼らの心を弄び……。
 
無論、その約束は果たされる筈も無く、ビビはクジャへの怒りを燃やすのである。




???「霧から作られた人形よ……自らの存在を否定すると言うのか……?」

ビビ「作らせない……作らせないよ!!…もう、決して仲間達を人殺しの道具になんかさせない!!」

「ガイア」深く根を下ろし「霧」を生み出す「イーファの樹」の最下層でビビは叫ぶ。
仲間達の未来の為に。



【ジェノム】
真の「テラ」の民の復活の器として用意された「魂」の無い存在であり、実は「ガイア」の「魂」より生み出された「黒魔道士」と対になる存在。
「テラ」での出来事を通して、ジタンやビビはそれを知る事になる。

ジタンや、クジャ自身が“そう”である事を……

「テラ」の崩壊後……ジタンらに救い出された何も知らぬ異邦人である彼らは、「黒魔道士の村」に迎え入れられる事になる。



黒魔道士「知ってる?…… 水だけじゃ無くて、時間も“流れるって”いうんだって」

ジェノム「ガイアでは、水も時も“流れる”のか…」
 

「命」が尽きると云う事実に怯え、恐怖により一度は道を誤りかけながらも、大好きな村に戻り絶望から救われた「黒魔道士」達の記憶は、兄弟とも呼ぶべき「ジェノム」に引き継がれて行くのである……





【関連人物】
※当該項目がある者はそちらを参照(ネタバレ注意)。

・288号
知性に優れた村のリーダー格。
誰よりも先に「死」の概念や自分達の真実に気付いていた。

・33号
・111号
チョコボ「ボビィ=コーウェン」の卵を温めていた二人組。
漠然とながらも「命」の意味を理解し、クジャの誘惑にも乗らなかった。

・163号
アイテムショップを経営。
「れいのもの(例の物)」を客に渡す事を期待したり恐れたりしている。

・123号
宿屋にたむろしつつ、いつか「おんがく」を聞くのが夢。

・ミコト
ジェノムの少女で、ジタンやクジャの妹とも呼ぶべき存在。
当初は合理的思考の持ち主であったが……

・ビビ・オルニティア
「黒魔道士」達の希望。

・ジタン・トライバル
ビビの親友。
クジャの野望に立ち塞がる。
 
・クジャ
「黒魔道士」の創造者。
……実は、その方法は漠然と刷り込まれていた自分達「ジェノム」の創造方法に似通っていた。



【余談】
「霧」が止められた事により生み出す事が出来なくなった筈の「黒魔道士」だが、エンディングにはビビの子ども達が登場している。
……この事から、何かしらの方法で「記憶」を引き継ぐ存在が彼ら「黒魔道士」にも生み出せる様になったと想像出来、プレイヤーに希望を感じさせる物となっている。





追記、修正してくれないか?
……僕達の記憶を絶やさないために……

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- ('仄')パイパイ  -- ('仄')パイパイ  (2014-06-26 11:44:20)
- ビビ殿はビビ殿ではござらんか  -- 名無しさん  (2016-02-14 23:05:02)
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