SCP-1322

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SCP-1322 - (2018/06/10 (日) 21:43:35) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2017/10/19 (木) 22:10:19
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます

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SCP-1322は、シェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]] (SCiP) のひとつである。 

*概要
SCP-1322は安定して存在する時空間異常であり、これは平行宇宙へと続くワームホールであると考えられている。
1952年8月に発見され、翌月には収容を開始した。SCP-1322の位置は固定であり、サイト-122がその封じ込めを担っている。

SCP-1322は平面的であり、地表に対して垂直に、北から約36度西に傾いている。形状はほぼ楕円形で、横向きに約2.5cm、縦向きに約1cmの大きさである。
粒子 (光を含む) および物体は、SCP-1322の大きさを超えなければ相互に行き来可能である。
向こう側が明るければ向こう側の様子を覗く事すら可能である。ただし、音のみは伝達する事が出来ない。

*SCP-1322-A "ハートル"
SCP-1322が続く向こう側には、異文明のSCP-1322-Aが存在する。
口語では「ハートル」と呼ばれており、これは向こうの言語で「故郷」を音声に直したものである。我々が地球人ならば、SCP-1322-Aはさながらハートル人と言ったところである。
SCP-1322が物質のやり取りが可能な事から、財団とSCP-1322-Aは、初期は物体を直接やり取りして互いの交流を図った。SCP-1322の発見から2ヶ月後、1952年10月、SCP-1322-Aから贈られた金属筒が最初の情報である。
後にSCP-1322-A側から引かれた特別なケーブルを用いる事で、相互通信は飛躍的に加速した。
SCP-1322の言語は財団の努力により翻訳されており、通信には英語とSCP-1322-Aの言語が混ざったピジン言語が使用されている。

SCP-1322-Aが存在する場所は、少なくとも地球から観測可能な範囲には存在しない可能性が高い事が、SCP-1322-Aから送られた天体観測データから示されている。
大気サンプルは地球と類似している物の、アルゴンの濃度がわずかに高い。
SCP-1322-Aはホモ・サピエンスと同じか、それとはわずかな違いしかない生物が文明を形成している。全人口は約88億人である。
SCP-1322-A側におけるSCP-1322の管理は、SCP-1322が所在する地域を管理する (国家に準ずる) 政治組織に属する科学的機関が行っており、比較的友好的である。
技術及び工学は非常に発達しており、特に数学と高エネルギー物理学は地球人を凌駕する。財団が保安上の懸念から仕込んだ偽情報を9時間以内に識別する程である。
SCP-1322も、向こうが物理学の実験中に偶然生成したらしい事が示されている。SCP-1322-Aにとっても技術的に困難らしく、実験の再現、あるいはSCP-1322の拡張、閉鎖、改造のいずれにも成功していない。
逆に生物学は地球人と比較して、かなり遅れているようである。
SCP-1322-Aは、地球の音楽、視覚芸術、文学((特に様々な言語の韻文詩、とりわけインド及び中国文化。))と数学に強い関心を示す一方で、薬学と宗教には無関心な事からも、この傾向が見て取れる。

財団とSCP-1322-Aの交流は、互いの科学的・文化的発展に寄与する事を目的としている。その実例を1つ紹介する。
交流開始から約20年後の1972年12月より、SCP-1322-A側の通信への応答は一時的に悪化した。これはSCP-1322-Aでの世界的な病気の蔓延が進行している為であった。
SCP-1322-A全人口の0.091%に当たる800万人が犠牲になる中、財団は支援を提案。向こう側から病原体が送られた。
危険な病原体かもしれず、財団は慎重に分析に当たったが、中身は無害なインフルエンザウイルスの変種であった。
SCP-1322-Aと人類のインフルエンザウイルスに対する感受性の違いか、それとも生物学や薬学が地球人と比べて遅れているせいかは不明であるが、とにかく財団はワクチンの合成及び接種を提案。
効果はてきめんであり、SCP-1322-Aでの新規患者発生数を激減する事に成功した。


追記・編集はSCP-1322-A側からお願いします。

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#right(){SCP-1322
by spikebrennan
http://www.scp-wiki.net/scp-1322
http://ja.scp-wiki.net/scp-1322 (翻訳)
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
}

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#center(){&bold(){貴様らは我々を殺戮した。よくもやりやがったな。&br()貴様らの軽率と傲慢が、我々の未来を打ち砕いた。&br()&font(#ff0000){だが必ず復讐する。}それが約束と誓いだ。&br()我々最後の世代の。思い知るがいい。}}

SCP-1322は、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト (SCiP) のひとつである。 
先ほどは意図的に抜かしていたが、項目名は&font(#ff0000){『Glory Hole (死滅の穴)』}、[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&font(#ff0000){Keter}である。

*特別収容プロトコル
SCP-1322は、それ自体は危険ではない。しかしながら、現在のSCP-1322は、極めて厳重な収容耐性が敷かれている。
SCP-1322の収容室は、アブレータ((ロケット噴射や大気圏再突入のような超高温に耐える必要のある宇宙船などに使用される素材。炭素繊維やガラス繊維を合成樹脂で固めたもの。))を内張りした上で、粒子ビーム、核爆発、非核爆発、腐食性物質に可能な限り耐える球状クラスVIII格納室に密閉し、定期的に損傷検査を行い、ウイルス及び細菌への汚染を定期監視する必要がある。
収容室の気圧は6.00×10&sup(){-2}Pa以下を維持し、抗病原体が発生しないように照射線量は毎秒4.5レントゲン以下を維持する必要がある。

このような厳重な措置が取られているのは、SCP-1322-A側からの攻撃が原因である。
財団とSCP-1322-Aは、現在は友好的関係どころか、向こう側からの攻撃に対処し続けている状態となっているのである。
何故か。それは上述したワクチンに原因がある。

財団が提供したデータを元に合成したワクチンは、確かにSCP-1322-Aでインフルエンザの世界的流行を阻止した。
しかし同時に、それには深刻な副作用があった。SCP-1322-Aの側の出生率が激減してしまったのである。
SCP-1322-A側のデータによれば、財団がデータを提供したワクチンの副作用により、受胎率が急激に減少し、新規出生数が激減したとの事である。
分かっている限り、最終的には世界中の出生数が72日間で1000人未満という極端なレベルの落ち込みとなっている事が明らかにされた。

子孫が残せないという重大な混乱の中で、向こう側のSCP-1322の運営体制は変更され、しばしば攻撃的・非難的な論調となった。
1975年7月には、科学的・文化的コミュニケーションが一方的に中止され、そして同年10月に送られたメッセージが最後となった。それが上記の言葉である。

その後、メッセージは送られる事はなく、SCP-1322からは断続的に攻撃が続いている。
技術に秀でたSCP-1322-A側らしく、その攻撃は地球人の技術レベルを超える物である。
・病原体及びナノボットの投入。
・高エネルギー粒子ビーム。
・コヒーレント放射エネルギー((平たく言えば、波長が揃った光ビーム、レーザー光線。))。少なくとも108日間連続投射が可能で、その総エネルギーは10&sup(){33}eV((約160兆J、TNT火薬40キロトン相当、広島型原爆2.7発分。))以上に達する。
・指向性エネルギー兵器。
・高速硬化セラミックを溶かす未知の溶剤。
・超高圧での腐食性流体の注入。
・小型プラズマ発生装置による空気の加熱。格納室を真空に保つ事が新たに加わった。
・最低でも8kgの鉄の棒を光速の0.006% (18000km/s)((運動エネルギーは約13億J。新幹線N700系 (300km/h・約700トン) の約半分に相当する。))で発射。
・複数の二段階熱核兵器。当然その大きさはSCP-1322を通る程小さく、動作原理は十分に理解されていない。
・分子間距離が固体の時の方が気体より大きい未知の物質((普通の物質とは真逆の性質であり、当然ながら現実においてそのような物質は発見されていない。))の投入。気体が固化した事による超高圧が発生。
攻撃の度にサイト-122は収容室レベルからサイト全体までの幅広い被害範囲で何度も破壊されているが、その度に修復し、どうにかこれ以上の被害は防いでいる。
厳重過ぎる収容手順は、SCP-1322-Aによる新たな攻撃方法に対応したものであり、SCP-1322-Aが攻撃をやめるか、もしくはどちらかが全滅するまでこの状況は続くだろう。
一度だけ遠隔操作型の小型探査装置を送り込む事が試みられたが、即座に攻撃され破壊、収容室も被害を受けた為、今のところ第二弾の探査計画は準備されていない。

確かに、SCP-1322-Aは、良く調べもせずにワクチンをすぐさま世界中に配布・接種したのが、記録から読み取れる。直接の原因はSCP-1322-A側にあるかもしれない。
しかしながら、そもそもSCP-1322-Aは地球人と比べて大幅に生物学が遅れており、薬学に無関心なのである。
1cmの穴を通る小型熱核兵器を作製する科学力がありながら、インフルエンザウイルスのワクチンすら自力では作製できていないのがその傍証であろう。
もしかすると、SCP-1322-A側の医学では、ワクチンという医薬品の存在や、副作用と言う基本概念すら乏しいのかもしれず、副作用を検討する臨床試験を怠っていた可能性すらある。
そして、その説明を、財団がついうっかり自分たちの基準で "常識" だと判断し、怠っていたとしたらどうだろうか。
そんな状況で、世界中に蔓延し多くの死者を出す病気の流行を阻止できる魔法の薬が登場したら、すぐさま使ってしまうのは無理もないだろう。

*Sic Transit Gloria Mundi
なお、Taleの1つ "Sic Transit Gloria Mundi" (執筆時点で未翻訳) では、&font(#ff0000){SCP-1322-Aによる復讐が成し遂げられている世界}が描かれている。
作者はSCP-1322本体の記事を執筆したspikebrennan氏によるものである。

2016年8月24日、SCP-1322から以下のような攻撃が発生した事が自動観測により示された。
・05時33分06秒: 平均質量575gの金属球が3.6秒間に約2300発、80m/sから110m/sの速度で発射される。
・05時33分09秒: 金属球の70%が爆発し、中から気体が噴出する。
・05時33分10秒: 様々な大きさの850個の金属塊が10m/s~18m/sで発射される。

視点は変わって、財団職員のVijay Patelに移る。
Patelは[[SCP-120]] (瞬間移動プール) によって移動可能な地点の内、座標#9に設定されている月の雨の海にある財団の前哨基地にいる。
Patelはコンピュータに、現在生きている人類の数を訪ねる。返答は、Patel以外の財団職員は1人もおらず、Patel以外に生き残っているのは国際宇宙ステーションにいる4人のみと言う回答であった。
地球は既になく、周回する天体を失って一直線に進み、今は月の裏側のどこかにいる国際宇宙ステーションに連絡手段もない。
SCP-1322-Aは、&bold(){地球を[[SCP-1012]] (秘密の音色) によって原子レベルで共鳴崩壊させる事で復讐に成功したのである。}
気体によって密度を調整し、その後発射した金属塊が出す音で、SCP-1012の条件を満たす5つの音波を出したのである。
なお、SCP-1322は様々な粒子・物体を通すが、音のみは伝達できない。SCP-1012でSCP-1322-Aは巻き添えを食らう事無く、地球を破壊できる。
財団の中では、[[SCP-1548]] (きらいきらい星) や[[SCP-2838]] (転星の柱) のような地球外の敵対的存在に対してSCP-1012を使用する事を提案した職員もいたが、まさか自分たちが同じ目に合うとは思ってはいなかっただろう。
なお、人類最後の生き残りの1人であるPatelの先も明るくない。前哨基地の資源では、せいぜいあと22日間しか生きられないのである。
恐らくそれより早く、自身でハッチを開け空気を放出する事で、けりを付けるつもりである。


追記・編集はSCP-1322-Aの約束と誓いが果たされる前にお願いします。

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#right(){SCP-1322 - Glory Hole
by spikebrennan
http://www.scp-wiki.net/scp-1322
http://ja.scp-wiki.net/scp-1322 (翻訳)

Sic Transit Gloria Mundi
by spikebrennan
http://www.scp-wiki.net/sic-transit-gloria-mundi
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
}

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&aname(*2,option=nolink){(*2)}ロケット噴射や大気圏再突入のような超高温に耐える必要のある宇宙船などに使用される素材。炭素繊維やガラス繊維を合成樹脂で固めたもの。
&aname(*3,option=nolink){(*3)}平たく言えば、波長が揃った光ビーム、レーザー光線。
&aname(*4,option=nolink){(*4)}約160兆J、TNT火薬40キロトン相当、広島型原爆2.7発分。
&aname(*5,option=nolink){(*5)}運動エネルギーは約13億J。新幹線N700系 (300km/h・約700トン) の約半分に相当する。
&aname(*6,option=nolink){(*6)}普通の物質とは真逆の性質であり、当然ながら現実においてそのような物質は発見されていない。

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- これ読んだ時は、向こうの世界の人類は滅びてて、機械だけがひたすら技術を磨いて攻撃を仕掛けてるのかと思ってたけど、どうなのかなあ  -- 名無しさん  (2017-10-19 23:13:07)
- 向こう側の崩壊のきっかけであるウィルスは、十中八九地球から流れてきたんだろうな  -- 名無しさん  (2017-10-20 01:15:12)
- 流石に攻撃的すぎないか?以前から交流があったのなら悪意がないことは伝わってくれないのだろうか こちらの世界がそれに対応した薬を作れるかもしれないのに  -- 名無しさん  (2017-10-20 01:23:57)
- どうせ絶滅してしまう可能性が高いなら、道連れより責任を取って出生率を戻す方法を考えさせた方がいいのでは。 もう滅亡寸前にまでなったから復讐したのかな  -- 名無しさん  (2017-10-20 01:30:33)
- SCP-1322-Aが非常にアホだということはよくわかった。  -- 名無しさん  (2017-10-20 08:27:02)
- めんどくせー奴らだな。おいSCP-682、エサがあっちにいっぱいあるから好きに食っていいぞ  -- 名無しさん  (2017-10-20 09:25:13)
- SCP-096の写真とか突っ込んだらどうなるんだろう  -- 名無しさん  (2017-10-20 10:05:47)
- ↑5 この解説ではカットされてるが、向こうが対策に奔走してる間にクーデターが起きて穏健派が駆逐された  -- 名無しさん  (2017-10-20 10:10:32)
- そもそも生物学・薬学に関して無関心、という生物だったらしいし出生率改善のメドは立てようがないんじゃないかなぁ。それで、自分たちにできる技術でできることをやろうとした結果がこの復讐戦争と。……自身の機械化とかそういう方向の研究も進んでなかったのかもね。  -- 名無しさん  (2017-10-20 11:00:22)
- 生物学・薬学の知識が全くなくここまで発展するって設定に無理がないか…昆虫並みの短命+出生率で死傷率をカバーするとか物凄く強い生命体+低出生率とかでない限り、発展の余地がない…  -- 名無しさん  (2017-10-20 11:19:22)
- これマジ?物理学に比べて医学が貧弱すぎるだろ...まるでそういう展開のために生まれた文明だなぁ(直喩)  -- 名無しさん  (2017-10-20 11:55:00)
- "Glory Hole"で鉄の棒を突っ込んできてる辺り、その……  -- 名無しさん  (2017-10-20 11:57:41)
- ↑それ以上いけない。  -- 名無しさん  (2017-10-20 15:51:54)
- これまるで南米じゃないか?  -- 名無しさん  (2017-10-20 21:12:03)
- 別のSCPに似たようなのがあったような、向こうはGOCに占拠されてヤバイ物送られ続けた結果完全にブチ切れてるけど  -- 名無しさん  (2017-10-21 01:21:40)
- これと秘密の音色と未翻訳TALLで一本のカノンを形成しているのかね?  -- 名無しさん  (2017-10-21 01:38:30)
- 俺らにとって薬でも向こうじゃ毒だったということか、どこぞのエーテル病みたいだな  -- 名無しさん  (2018-04-18 13:55:08)
- ↑↑↑これの詳細頼みます  -- 名無しさん  (2018-06-01 12:37:36)
- https://www49.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/36741.html たぶんこれのことじゃないか?  -- 名無しさん  (2018-06-01 13:16:19)
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