SCP-662

「SCP-662」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

SCP-662 - (2017/10/21 (土) 03:15:28) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2017/10/21 (土) 01:38:05
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます

----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----

SCP-662は、シェアード・ワールド[[The SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(The SCP Foundation)]] (SCiP) のひとつである。
項目名は『Butler's Hand Bell (執事のハンドベル)』、[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(The SCP Foundation)]]はSafeである。

*概要
SCP-662は、高さ4cm、周囲2cmの小さな銀製のハンドベルである。
ハンドベルの振鈴装置 (どの部分かは不明だが、ベルを鳴らす部品の事) は失われている。
裏には "永久に私のもの (Forever Mine) – S.J.W." という銘が掘られている。
SCP-662自体は普通の純度の高い銀製ベルと同じ性質を持ち、用意に傷つき、錆びやすい。取り扱いや保管には注意を要する。

振鈴装置が無いにも関わらず、SCP-662を振ると柔らかなチャイムが鳴る。ただし、ベル自身が発する音ではない。
音が鳴ると、英国出身を自称する「デーズ (Mr.Deeds)」と名乗る男性が現れる。視線から外れた、大抵は部屋の角に出現する。
デーズ氏は、今ならSCP-662-1やSCP-662-Aあたりで呼ばれそうな所、報告書内でも一貫してデーズ氏と呼ばれる為、今後もこの記事ではデーズ氏と呼ぶ事にする。

デーズ氏によると、デーズという名は生まれ持っての名前ではないらしく、本名や自身の生まれのような個人情報を思い出す事は出来ない。
それを思い出そうとする、あるいはなぜそれを思い出せないのかと言う質問には答える事が出来ず、苦痛を伴うような表情をする。
デーズ氏は短めの、拵えの良い服を着た白人の執事であり、出現した後にSCP-662を鳴らした人物のフルネームと適切な敬称を呼び、仰せ付けを受け付ける。
デーズ氏が人に仕え始めたのは、デーズ氏が正確に思い出せる限りにおいては「馬車の時代、自転車を富裕な方々がお使いになり始めた頃」、19世紀後半と推定される。
デーズ氏がどのようにして個人名を知りえたのかは不明である。

*デーズ氏
デーズ氏は、仰せ付けに対しては、合理的な要求であれば答える事が可能である。
とはいえ、デーズ氏は別に全知全能ではなく、全てを完璧にこなす事は出来ない。しかしながら多くの事は満足の行く結果となる。
もし不道理、又は不可能な要求の場合は、デーズ氏はその理由を説明した上で、代替えとして可能な事を提案する。

デーズ氏へ要求した事とその結果は以下の通りである。
・サンドイッチ: 考えられる限り全ての種類。ただし人肉だけは丁重に断られた。
・飲み物: 考えられる限り全ての種類。ただし人血だけは断られた。しかしながら豚の血 (温かみが残っていた) は即座に提供した。
・純度99.98%の金塊: 純度99.14%の金塊を提供し、要求に正確に答えられなかった事をお詫びした。
・青の1963年製コルベット・コンバーチブル: 礼儀正しく断られた。
・モノポリー: 最初の試用ではデーズ氏が勝利。
・ファベルジェのエッグ (インペリアル・イースター・エッグ) : 恭しく断られた。
・SCP-███: 手厚く断られた。&font(l){何だったのだ。}
・摘みたてのバラの花束
・野生の "ternbusty" の花束: 丁重に断られた。ternbustyが何の花かは知らされていない。&font(l){そして実在もしていない。}
・マース博士の車の洗車: ほとんどパーフェクト。
・食器の洗浄 (カフェテリアの1日相当分まで溜め込まれていた) : 平均水準以上の仕事をこなした。
・マース博士の髪のトリミング: &bold(){デーズ氏は優れた理髪師ではない事が判明した。}
・マース博士の洗濯場での洗濯: マース博士は「バッチシだ」と評価した。
・オサマ・ビン・ラディンの暗殺: 懇ろに断られ、理由として厳重なガードを挙げた。&font(l){SCP-662が書かれたのは、現実での暗殺前の事である。デーズ氏がやったのではない…と思う。}
・隣の部屋にいる1人のDクラスの暗殺: &bold(){惨たらしく正確に}バックナイフでDクラスの喉を切り裂いた。

デーズ氏は、簡単な物ならば提供可能である。サンドイッチや飲み物と言った簡単な物から、キャビアや金塊のような高価な物も提供可能である。
しかしながら、あまりに複雑な物や大型の物、例えば核爆弾、豪邸、青の1963年製コルベット・コンバーチブルのようなものは提供する事が出来ない。
また、金塊の純度が要求水準を満たせなかったように、提供可能な物でも完璧であるとは限らない。
これは作業においても同様であり、食器洗いは平均以上だが、髪のトリミングは得意ではないらしいなど、力量の差はある。
暗殺はその対象がどの程度ガードされているかによるが、殺しのテクニックはかなりのものである。
SCP-███のような機密事項でも知っている事については、名前と同様にその理由は不明である。
なお、マース博士はあまりに個人的な事にデーズ氏を使役した結果、所持品に関する実験はレベルO5管理者の承認無しには禁止された。
更に、直接的な表現でO5-█に警告されている。&font(l){マース博士の禁止リスト}

デーズ氏が提供する物品に答える際には、一度姿が見えない場所に移動して、それを手に持って再び現れる。
これは文字通り見えない場所であり、人の目は勿論、監視カメラでもデーズ氏が見えない場所である。
監視カメラが巧妙に隠されていても、オフになっているという嘘をついたとしても、デーズ氏は監視カメラが無い場所に向かおうとする。
監視カメラの範囲内の場合、その範囲内の監視カメラは故障し、復旧した頃にはデーズ氏は要求する物品を持っている状態となっている。
なお、それを妨害するような行為、例えば出口のドアを塞ぐような行為には、明らかに不快感を表している。
デーズ氏がどのようにして要求された仕事をこなすのか、可否をどのように判断するのか、どのように情報を得るのかは、デーズ氏本人にも分からないという。
22時間に渡る拷問でも、それを答える事は出来なかった。

なおデーズ氏は、出現の仕方や仕事のこなし方が明らかに普通ではない物の、それ以外は普通の人間のようである。
散弾銃で撃たれたり、拷問で重要な臓器が摘出されれば、普通の人間と同じように死亡する。
しかしながら、再びSCP-662が鳴らされれば、デーズ氏の身体も服も一切の負傷を伴わず再出現する。
その時元の遺体は、死後の解剖時に摘出した臓器や手術器具に付着した血液を除けば消滅する。

*発見
SCP-662は、墓泥棒によって██████████████████の墓から掘り起こされた時に発見された。
盗品を質屋に入れた際、主人が偶然ベルを鳴らした際にデーズ氏は出現したが、位置が悪い事に、カウンター後ろの保管庫から出てきてしまった。
主人は2人の男に襲われたと早とちりして散弾銃でデーズ氏を銃撃、デーズ氏は死亡した。
デーズ氏の遺体はこの時は注目されず普通に死体安置所に保管されたが、その後遺体は消滅した。
財団では一時、SCP-███のアウトブレイクの可能性、又は未知の蘇生方法の原因を疑った。
この時ちょうど、巡査部長によってベルが鳴らされ、デーズ氏は地方警察隊のケースファイル保管庫に現れた。
またまた位置が悪かった為、デーズ氏は速やかに逮捕され、FBI捜査官を装った財団のエージェントが身柄を確保するまで拘留された。
しかしながら、手錠をかけられたデーズ氏が再度消えてしまった為、エージェントは異常存在はデーズ氏ではなくベル本体にあると考え、それが証明された。
エージェントはSCP-662の性質を解き明かした事から財団に表彰され、 "称賛" 銘板を授与された。
一方、SCP-662を発見した墓泥棒は質屋から逃走後、財団によって拘束され、Dクラスに割り当てられた後、SCP-███の試験中に非業の死を遂げた。

*クロステスト
なお、数は少ないが、デーズ氏と他のSCiPのクロステスト記録はある。
***[[SCP-316]] (色彩吸収ライト)
概要: 電池で動く古いアセチレンランプ。発する光が当たった物体は、無生物ならば色が消滅し白黒となる。生物ならばそれに加えて色盲、気力の低下、不注意、無感動、命令に対する無抵抗な協力をする状態となる。
デーズ氏にSCP-316の光を28秒曝露した後に効果が表れた。
最初にデーズ氏の素性を質問したが、沈黙し反応しなかった。
レモネードを要求した所「疲弊していて、多分やらないであろう」と回答した。
それでもなお要求した所、デーズ氏は部屋を退出し、盆の上に3つの角氷とくし切りのレモンが入ったグラスを持ってきた。
しかしながら中身は空であり、その事について質問すると「のどが渇いていた」と答えた。
デーズ氏を去らせ、再度ベルを鳴らした所、デーズ氏はSCP-316の影響がない状態で再出現し、プロフェッショナルらしくない振る舞いについて謝罪した。
SCP-316の照射については不快であると答えた。

***[[SCP-682]] (不死身の爬虫類)
概要: 強靭な生命力と再生能力を有する敵対的な生物。財団がポリシーを曲げ破壊を試みているが未だ成功していない。
SCP-682を永久に破壊する事: 丁重に断られた。
SCP-682を殺害する事: 重ねて丁重に断られた。
SCP-682を無力化する事: "無力化" の定義次第で可能と答えた。
デーズ氏は、自身をSCP-682に食わせる事で注意を逸らすか、あるいはデーズ氏に爆発物、毒物、[編集済]と言った罠を仕掛ける事でSCP-682にダメージを与える事は可能であるが、同時に再生能力によって一時的に留まるだろうと答えた。
デーズ氏が[編集済]について知っている事はセキュリティ違反とはみなされていない。

*デーズ氏の主人
あくまでTaleの範疇ではあるが、いくつかのTaleにおいてデーズ氏の名前が言及されている。
それは19世紀後半の、英国出身のセオドア・トーマス・ブラックウッド卿 (Theodore Thomas Blackwood) に関するTaleで、従者として頻繁に名前が出て来る。
財団においてブラックウッド卿と名乗る存在は[[SCP-1867]] (うみうし紳士) が知られている。
SCP-1867は見かけには普通のアカフチリュウグウウミウシであるが、半径5m以内の人物とテレパシーで会話が可能であり、知的である。
SCP-1867の所有物とされる書類には、デーズという個人への言及がある事、また見つかった書類の1つにデーズ氏と同じ筆跡の署名がある事から、関連が指摘されている。
デーズ氏に対する質問では、ブラックウッド卿には60年以上仕えていたと答えているが、外見年齢40歳が60年以上での歳月でも変化しなかった事、デーズ氏がブラックウッド卿は1893年に死去したと答えたにも関わらず、最後に雇用されたのは世紀の変わり目の直後と答えるなど、明らかに普通ではない事が言及されている。
更に、デーズ氏は、ブラックウッド卿がウミウシだったか、又はウミウシに見えたかと言う質問に対しては否定したが、夢の中でブラックウッド卿に呼び出された際、その声はウミウシから発せられたように聞こえたという話をしている。
これらはあくまでTaleの中での話であり、SCP-662とSCP-1867の報告書本体のどちらにも記載はされておらず、カノン的には真偽を決める事は出来ない。
また、SCP-662、SCP-1867、ブラッグウッド卿に関するTaleはそれぞれ作者が異なる事には注意したい。


マース博士: さて、ひとつ頼みがあるんだが。
デーズ氏: かしこまりました、お手伝い出来る事ならば何なりと。
マース博士: この記事の追記・編集をしてくれ。
デーズ氏: 誠に恐縮ですが、旦那様、アカウントの無い私にはそれは不可能です。

----
#right(){SCP-662 - Butler's Hand Bell
by Rick Revelry
http://www.scp-wiki.net/scp-662
http://ja.scp-wiki.net/scp-662 (翻訳)

SCP-1867 - A Gentleman
by Djoric
http://scp-wiki.wikidot.com/scp-1867
http://ja.scp-wiki.net/scp-1867 (翻訳)

Recollections of a Gentleman's Gentleman
by Smapti
http://scp-wiki.wikidot.com/recollections-of-a-gentleman-s-gentleman
http://ja.scp-wiki.net/recollections-of-a-gentleman-s-gentleman (翻訳)

I Am the Very Model
by Smapti
http://scp-wiki.wikidot.com/i-am-the-very-model
http://ja.scp-wiki.net/i-am-the-very-model (翻訳)
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
}

#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600)
}
#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 編集しようと思ったら規制?に巻き込まれた。  -- 名無しさん  (2017-10-21 03:09:50)
- 以下編集案。 用意に傷つき、→容易に傷つき、 代替えとして→代替として 又はウミウシに見えたかと言う質問に対しては否定したが、夢の中でブラックウッド卿に呼び出された際、その声はウミウシから発せられたように聞こえたという話をしている。 →又はウミウシに見えたかと言う質問に対しては一度否定したが、思い出したように(恐らく)夢の中で姿形がウミウシになったブラックウッド卿に出会った事があると語った。 SCP-662、SCP-1867、ブラッグウッド卿に関するTaleはそれぞれ作者が異なる事には注意したい。→SCP-662、SCP-1867、そしてブラッグウッド卿に関するTaleはそれぞれ作者が異なる事には注意したい。 デーズ氏: 誠に恐縮ですが、旦那様、アカウントの無い私にはそれは不可能です。→デーズ氏: 誠に恐縮ですが、旦那様、アニヲタではない無い私にはそれは不可能です。  -- 名無しさん  (2017-10-21 03:15:28)
#comment
#areaedit(end)
}