ウェンズデー(ドラマ)

「ウェンズデー(ドラマ)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ウェンズデー(ドラマ)」(2024/02/22 (木) 20:11:23) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2022/12/07 Wed 00:00:41 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 34 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &bold(){誰の思い付きか知らないけどどうかしてる。} &bold(){思春期の子供達を何百人も資金不足の学校に入れるなんて。} &bold(){しかも経営者はとっくに夢破れた奴ら。} &bold(){まあサディスティックでいいけど。} } **概要 ---- &bold(){&color(white,#274a78){『ウェンズデー』(原題:Wednesday)}}は、2022年11月23日&bold(){(水)}よりNetflixにて独占配信されたドラマシリーズ。 様々なメディアで展開される世界的人気作『[[アダムス・ファミリー>アダムス・ファミリー(映画)]]』の長女・ウェンズデーを主人公に据えたミステリー風ダークファンタジーで、ティーンとなった彼女の活躍が描かれる。 監督(第1話~第4話)・製作総指揮は、本作が初のドラマシリーズとなる[[&bold(){&color(purple){ティム・バートン}}>ティム・バートン]]。&footnote(単発作品ではハロウィン特番として放送された『ヘンゼルとグレーテル』、『フェアリーテール・シアター』の『アラジンと魔法のランプ』、『新・ヒッチコック劇場』の『ビン詰めの魔物』を手掛けている。) 第5話・第6話はガンディア・モンテーロ、第7話・第8話はジェームズ・マーシャルが監督している。 これまでダークファンタジーやはみ出し者をテーマにしてきたバートンと、お化け一家の物語『アダムス・ファミリー』。 &bold(){今まで手がけてこなかった事が不思議に思えるほどぴったりの組み合わせである。} 事実、91年の映画版の時にオファーを受けていたが、『[[バットマン リターンズ>バットマン リターンズ(映画)]]』の撮影のために断ったといういきさつがあった。 そのため、企画の発案者である『ヤング・スーパーマン』のプロデューサー、マイルズ・ミラーとアルフレッド・ガフは、オファーしても再び断られるのではと考えていたという。 ところが2人の予想に反して、バートンは第1話の脚本を受け取ってから3日後、彼らに連絡をしてきた。 2人によると、彼はミステリーの謎の部分に関心を持ち、過去に手がけたテレビドラマについて、どのようにして作り上げたのかたくさん質問をしてたのだという。 さらにバートンは、映画と違いドラマなら短い尺で完結させる必要がなく、じっくりとキャラクターを掘り下げられる点を気に入っていた。 中でも主人公のウェンズデーには&bold(){&color(purple){「彼女にはとても強い繋がりを感じるんだ。彼女の人生観、人間観、親や教師に対する考え方など、僕らはどれも共有している。だから、この作品にはとても共感できたし、何故かよりリアルに感じられたんだよ」}}と、深い共感を寄せる姿も見せていた。 こうして出来上がった本作は、近年の作品で見られがちだった&bold(){「いい大人になっちゃって昔ほどの才気がないなぁ」}という評価を覆すほどの&bold(){&color(purple){バートン色たっぷりの快作}}に仕上がっている。 ネトフリのドラマという新たな舞台で、水を得た魚のように才気をほとばしらせるバートン。 どうやら[[恐ろしい巨大サーカスから脱出できた>ダンボ(実写版)]]というのは事実だったようである。よかったね。 ミラー曰く、本作は&bold(){&color(purple){「上映時間8時間のティム・バートン映画」}}。ファンにとっては大変贅沢な作りと言えるだろう。 評判も上々で、配信開始から1週間の総視聴時間で3億4120万時間を記録。&bold(){ネトフリの英語シリーズ作品として、1週間における最多視聴時間の新記録を達成}。 さらに&bold(){視聴時間は1カ月で10億時間以上を記録し、配信開始からわずか数週間で最も視聴されたドラマシリーズ歴代第2位に上り詰めた}。 そして2023年1月には、早くもシーズン2の制作が発表されている。 また本作は映画版、特に『[[アダムス・ファミリー2]]』への[[オマージュ]]もしっかり完備している。 カヌーレースに感謝祭やピルグリム&footnote(旧大陸で続く迫害から逃れるためアメリカへ移住した清教徒達。「ピルグリム・ファーザーズ」と言えば世界史で習うだけにピンと来る人も多いだろう。)への強烈な皮肉、“健全な”映画を観せられてゲンナリする場面などは、知っていればニヤリとなるはず。 他にも、学校の名前などエドガー・アラン・ポー作品由来の小ネタが盛りだくさんなので、調べたり読んだりしてみるのもいいだろう。 **あらすじ ---- 変わり者の一家、アダムス家の長女・ウェンズデー。 彼女は優等生でありながら、その独特の価値観や我の強さ故に行く先々でトラブルを起こし、5年間で8度もの転校を繰り返していた。 そんな彼女が送られた先は、両親の母校にしてのけ者達のための学園、ネヴァーモア学園・オフィーリア寮&footnote(オフィーリアはモーティシアの姉の名前でもある。)。 しかし、彼女がそこに転校する前から周辺では、謎の怪物による殺人事件が相次ぎ始めていた。 さらにそれは、アダムス家にも深く関わるものらしいというのが明らかになってくる。 周囲を巻き込みながら謎解きに挑むウェンズデー。 そこから浮かび上がってきたのは、一族や学園、ジェリコの町との因縁の歴史であった。 **用語 ---- ・&bold(){ネヴァーモア学園} ニュージャージー州にある、のけ者達のために設立された寄宿制の学園。 モーティシアとゴメズだけでなく、かのエドガー・アラン・ポーの母校でもある。 一口にのけ者といってもその対象は広く、&bold(){超能力者はおろか、人外までもがひしめいている}という、そっち方面のエリート校。 故に、&bold(){普通の世界で変わり者扱いでも、こちらでは変わり者のハードルが高すぎて逆に平凡になってしまい、再びのけ者になってしまうという部分も描かれている。} 校内では主に[[ヴァンパイア>吸血鬼]]の&bold(){&color(red){牙族}}、[[人狼>狼男]]の&bold(){&color(brown){毛皮族}}、[[セイレーン>セイレーン(ギリシャ神話)]]の&bold(){&color(teal){鱗族}}、[[ゴルゴン>ゴルゴン(ギリシャ神話)]]の&bold(){&color(gray){石族}}の4つの派閥がある。 イーニッド曰く、 牙族……何十年も在籍している生徒がいる。 毛皮族……[[バカ>馬鹿]]の集まり。満月の夜に変身し、ノイズキャンセリングのイヤホンを持っていた方がいいほどうるさくなる。 鱗族……学園の女王蜂&footnote(女子のスクールカースト最上位を表す言葉。「クイーンビー」とも。)ポジションのビアンカが属する。 石族……かわいいけど、脳味噌が石。 名前の由来は、ポーの詩『[[大鴉>大鴉(詩篇)]]』で繰り返し用いられる&bold(){「Nevermore(もはやない)」}というフレーズから。 バートンの監督デビュー作に当たる短編『ヴィンセント』でも使われていたので、そちらから知った人もいるかもしれない。 ・&bold(){ジェリコ} ネヴァーモア学園の近隣にある田舎町で、徒歩25分圏内の距離にある。 生徒達がそこに行くには許可が必要で、週末にはバスが出ている。 学園との地域交流の日もあり、この日は学生達がボランティアにやって来る。 しかし、そこの住民の多くはのけ者である学生の事を快く思っておらず、露骨な差別意識をむき出しにする者も少なくない。 実際はこの学園がスポンサーとなり、公共事業費などこの町を支えているのだが。 ・&bold(){ポー・カップ} 125年の歴史を持つ、ネヴァーモア学園の伝統行事。 寮対抗のカヌーと陸上の混合レースで、クラックストーンの霊廟から旗を獲得し、“沈むことなく”ゴールする事が勝利条件。 ……“沈むことなく”で察した人もいるかもしれないが、その展開は&bold(){ルール無用}という過激さを持ち、&bold(){&color(red){破壊工作や殺人未遂}などが当たり前に行われている。} この大会の参加に乗り気でなかったウェンズデーだが、ビアンカの策略で欠員を出したと知り、参加を決意。 途中、霊廟に辿り着いた時に幻視が発動し遅れてしまうも、他の舟を沈めて見事勝利。 オフィーリア寮にとってはモーティシアがリーダーだった時以来の優勝であり、ビアンカにフェンシングの時のリベンジを果たしたのであった。 ちなみに、カヌーや衣装デザインはポーの短編作品をテーマにする事になっている。 ウェンズデーやイーニッドのチームは『[[黒猫>黒猫(小説)]]』、ビアンカのチームは『[[黄金虫>黄金虫(小説)]]』とメジャー所だが、 他チームは『落とし穴と振り子』や『アモンティラードの樽』と、なかなか渋いチョイスとなっている。 そして黒猫チームの衣装は『バットマン リターンズ』の[[キャットウーマン]]のセルフオマージュ。 ・&bold(){レイヴン} ネヴァーモア学園のダンスパーティーで、「rave(音楽パーティー)」ならぬ「rave&bold(){n}(大鴉)」。 ウェンズデーは殺人事件の犯人候補となったゼイヴィアを観察するために彼と参加しようとするが、秘密を嗅ぎ回りすぎた事で拒絶される。 その後何やかんやでタイラーと共に参加する事に。 他の生徒達も様々な事情を抱えながら参加しており、パーティーという舞台でそれぞれの人間模様は複雑に絡み合うのだった。 ここでウェンズデーが披露した&bold(){一度見たら忘れられない奇妙なダンス}は、演じたジェナ・オルテガ自ら振り付けたもので、本作でも屈指の人気シーン。 このシーンの撮影2日前、バートンとこんなやり取りがあったとか。 &bold(){&color(purple){「ジェナ、自分で振り付けしたいって言ってたけど……君なら大丈夫だよね、信じてるよ♪」}} &bold(){「任せて♪(やっばい、チェロやフェンシングの練習が忙しくて何も準備してない……)」} そこで彼女は、英ロック歌手のスージー・スー、リサ・ローリング&footnote(『アダムスのお化け一家』のウェンズデー役。つまり実写作品における元祖ウェンズデーということになる。)、80年代のゴス系のダンスを元に振り付けして乗り切ったという。 さらにこの時、彼女自身&bold(){コロナに感染して体調最悪の状態}で撮影に望んでいた事が明かされている。 ・&bold(){ベラドンナ・クラブ} ネヴァーモア学園にある秘密クラブ。 ローワンへの幻視や、予言の絵に花の紋章の透かしが入っていた事がきっかけでその存在を知ったウェンズデーだったが、ソーンヒル曰く「何年も前に解散した」という。 しかし、ポーの像に紋章が入っているのを見たウェンズデーはそこに刻まれていた暗号を解き、拠点である秘密の図書館へ足を踏み入れる。 そこでローワンに切り取られた絵の出所であるベラドンナの会誌を見つけるが、何者かに捕らわれてしまう…… 「像の前で指ならし2回」は、有名なテーマ曲のオマージュだろう。 #openclose(show=ネタバレ){ 実はこのクラブは現在も存続しており、現在はビアンカ、ゼイヴィア、エイジャックスらがメンバー。 ローワンもこ々のメンバーだったのだが、追放されている。 彼ら曰く「30年前に人間の女の子が死んで解散させられたが、金持ちのOBのおかげで波風立てないという条件付きで黙認状態」なのだという。 ウェンズデーを捕えたはいいが、どうすればいいものかと考えあぐねている隙に&bold(){あっさり帰られてしまった。} 名前の由来は、創設者グッディ・アダムスが毒草ベラドンナでクラックストーンを殺した事からつけられた。 } ・&bold(){ピルグリム・ワールド} ジェリコの名所の、開拓者をテーマにしたテーマパーク。 舞台設定はジェリコにピルグリムが入植した1625年&footnote(ちなみに後のニューヨークとなる、オランダの入植地ニューアムステルダムが設立された年でもある。)。 見所はクラックストーンにまつわる歴史的遺物が展示されている集会所、&bold(){アメリカ初の性別不問トイレ、魔女裁判ショー}など。 地域交流の日にウェンズデーはクラックストーンの謎に迫るべく、イーニッドと職場を交換し潜入&footnote(元々ウェンズデーが引いた職場は「ユーライアズ・ヒープ」なる剥製の骨董屋でイーニッドからドン引きされたが、エイジャックスもそこに割り振られたと知るやあっさりOKした。もちろん仕事内容にはドン引きしていたが……)。 ファッジ&footnote(イギリス発祥のキャラメルに似た菓子。ちなみに実際に生まれたのは入植の258年後なので、このテーマパークの欺瞞を象徴していると言えるだろう。)専門店で働く事になるが、彼女らしく&bold(){白人入植者の犯した罪や欺瞞}を語る宣伝で客を追い出していた。 &font(l){一方でユージーンはファッジをドカ食いしており、いじめた連中にゲロをぶちまけていた} 立ち入りを禁じられていた集会所にユージーンを利用して侵入した彼女は、クラックストーンの霊廟で幻視した少女の描かれた絵画を発見するのだった…… ・&bold(){コブハムの森の集会所} ピルグリム・ワールドで発見した絵画に登場する集会所を探している時、タイラーに教えられた場所。 既に廃墟になっており、ホームレスやジャンキーのねぐらになっているため、かなり危険な場所。 そこで見た幻視は、自分の先祖とクラックストーンの因縁にまつわるものだった…… ・&bold(){ジョセフ・クラックストーン} ローワンの母が描いた予言の絵の片方に描かれていたピルグリムの長。 その絵では学校の中庭に立っており、ウェンズデーと対峙するような構図になっている。 ジェリコの町の創設者で町民からはとても尊敬されているが、その実態は土地を奪い、異端や先住民を徹底的に迫害した典型的な侵略者。 その恐ろしさは、ウェンズデーが幻視で姿を見た時に初めて恐怖の感情を抱かせた程。 新たな銅像の落成式の時には[[復讐]]のため、像の立つ噴水の中にガソリンを混ぜて&bold(){&color(red){炎上}}させた。 皆が逃げ惑う中、ウェンズデーは不敵にチェロでヴィヴァルディの「四季~冬」を演奏するのであった…… #openclose(show=ネタバレ){ 第5話のラストで、校内に炎で&bold(){&color(orange){「炎の雨が降る」}}の文字が浮かび上がる。 さらにゲイツ邸に侵入した時クラックストーンの祭壇を見つけるが、そこにも&bold(){&color(orange){「我が蘇る時、炎の雨が降る」}}の文字が…… その立場は&bold(){本作の[[ラスボス]]}であり、ローレルの計画により遂に復活。 のけ者を滅ぼすという目的の元学園を襲撃し、火の海に変えていくが、ウェンズデーの活躍により弱点の心臓を刺され、今度こそ永久に葬られた。 } ・&bold(){グッディ・アダムス} ウェンズデーの幻視に度々警告するかのように現れる、アダムス家(父系)の先祖に当たる少女。 第一世代の開拓民のメキシコ人で、ベラドンナ・クラブの創設者。 先住民とも仲良く共存していたが、クラックストーン率いるピルグリム達が現れた事で魔女裁判にかけられ、火あぶりの刑に処される事に。 そこから脱した後、クラックストーンに復讐を果たしたが、強すぎる復讐心により身を滅ぼしたという。 果たして、「あなたが鍵となる」の言葉の真相とは? #openclose(show=ネタバレ){ 彼女はクラックストーンを殺しただけでなく、ある呪いもかけていた。 それは、彼の棺にグッディ自身の直系の子孫にしか解けない封印をかける事だった。さらにそれを開けられるのはブラッドムーンの夜のみ。 つまり、彼女の言う鍵とはクラックストーン復活のための鍵ということであり、ローレルにとって、ウェンズデーの転校は千載一遇のチャンスだったわけである。 クラックストーン復活後、何とか拘束を解いたウェンズデーだったが、彼に刺されてしまう。 生死の境をさまようウェンズデーだったが、その元にグッディが現れ、自身を取り込ませる事で命を救った。 } ・&bold(){ゲイツ家} ジェリコで絶大な権力を持っていた名家。 しかし、32年前の事件で長男のギャレットが殺されて以降、一家は崩壊の一途を辿っていった。 母は首吊り[[自殺]]、父アンセルは酒浸りで早死に、身寄りのなくなった妹ローレルは船で海外に送られる途中で溺死したという。 アンセルは学園の土地は200年前に先祖から盗まれたものと主張、のけ者達を激しく憎んでいた。 #openclose(show=ネタバレ){ 第6話では、グッディから指示を受けたウェンズデーが仲間達と共に廃墟化した邸宅へ潜入する。 すると、ローレルの部屋には人が住んでいたかのような痕跡が。 他にも、被害者の体の一部を切り取った標本の数々が見つかったり、ローレルの部屋にあったオルゴールからウェンズデーの写真が発見されたりする。 第7話では、実際にはローレルの遺体が見つかってない事が明らかに。 さらに邸宅は昨年90歳の女性が購入したが謎の死を遂げており、介護士の「&ruby(Teresa){テレサ}・L・&ruby(Glau){グラウ}」なる人物が相続したという。 それは&ruby(Laurel){ローレル}・&ruby(Gates){ゲイツ}のアナグラムだった。 つまり彼女は生存しており、名前を変えてジェリコに戻って来ていた。 &bold(){……一族を滅ぼした者達への復讐のために。} } ・&bold(){怪物} ネヴァーモア学園やジェリコ周囲の森で出没する怪物。 犠牲者からは何故か体の一部が切除されており、そのため正体は人間ではないかと疑われている。 #openclose(show=ネタバレ){ フェスターおじさん曰く、その正式名称は&bold(){「ハイド」}。名前の由来は二重人格をテーマにした古典『ジキルとハイド』から。 のけ者コミュニティの記録者ナサニエル・フォークナーの日記によると、芸術家肌だが、邪悪で執念深い性格。 その名の通り、[[トラウマ]]や化学薬品、催眠療法などで怪物に変身してしまう人間の事を指す。 また、その本性を解放した人間に主人として仕える習性があり、どんなに極悪非道な命令でも実行する道具となる。 フォークナーは長年彼らを研究しており、無意識に殺すのか、自分の行動を認識しているか調べていたが、結論が出る前にハイドに殺されてしまった。 彼の研究を引き継ごうとした者達もいたが、その危険性により30年前に研究は禁じられ、彼らは追放された。 なお、その風貌はギョロ目でどこかチープな造形であり、&bold(){&color(purple){バートンの趣味を感じさせるデザインとなっている}}。 } **登場人物 ---- ***【アダムス家】 ・&bold(){ウェンズデー・アダムス} 演:ジェナ・オルテガ / 日本語吹替:遠藤璃菜 ご存じ、お化け一家アダムス家の長女。 名前の由来はマザーグースの『水曜日に生まれた子は不幸』からだが、実際の生まれは[[13日の金曜日>13日の金曜日(映画)]]。 文武両道の優等生ながらも、その性格は冷徹にして危険。&bold(){口を開けば語彙力キレッキレの皮肉が飛び出し}、何があっても決して折れたり媚びたりしない孤高の少女。 その分人間の感情に疎い所があり、周りを利用するかのような言動で傷つけたり、危険な目に遭わせたりする事も少なくない。 しかし、イーニッドと衝突した時は流石に少し落ち込んでいた他、ハンドが何者かに刺されて死にかけた時にはいつもの冷静さが嘘のように取り乱し、涙していた。 このように、学園生活を経て感情を見せる事が多くなっていくのは見所の一つ。 実際、周りからも何だかんだで認められており、サプライズの誕生パーティーを開いてもらえるほど。 もっとも、本人の性格が性格なのでうんざりしていたが…… 色彩アレルギーを持つため、制服は黒とグレーの特注品&footnote(通常の制服は紫と黒のストライプ。)。相部屋のステンドグラスも「虹のゲロに耐えられない」と、半分色を剥いでしまった。 趣味は探偵小説『&ruby(ヴァイパー・デラ・ムエルテ){死の毒蛇}』の執筆だが、アナログ派でタイプライターで書いている。 とはいえ、イーニッドにPCの使い方を教えてもらったりしている辺り、必ずしもテクノロジーに否定的というわけでもない模様。 チェロも得意で、第1話でローリング・ストーンズの「黒くぬれ!」を演奏する場面は必見。 運動神経も良いほうで、フェンシングや弓術・カヌーの操作もこなし、ケンカの際も複数の男子を一人で瞬殺するほど強い。 また、学園に来る2~3か月前から触れた対象の残酷な過去や未来が見える能力を持つようになったが、その発動は不安定で家族にも打ち明けていなかった。 曰く「電気ショック療法に似てるけど、あんな素敵な余韻がない」。 この能力を知った母は、強い幻視能力を持つ分正しく鍛えないと正気を失う事と、その訓練には先祖グッディの協力が必要である事を教えるのだった。 第1話での制服姿を始め、カヌーチームの服装やファッジ販売時の衣装など各エピソードで様々な姿を見せてくれる。&font(l){ほとんどの場合、本人は嫌々着ているが……} #openclose(show=ウェンズデー語録){ 「SNSは意味のない承認のために魂を吸い取られる」 「“知っていることを書け”という言葉が私は嫌い。そんなの想像力不足の言い訳だ。でも現実がねじ曲がったミステリーの場合は……試してみるのもいいかもしれない」 「もう一度聞いたら命を8つに減らすよ?」 「素人が誘拐なんて100年早い」 「私の悲鳴を聞いても気にしないで。多分楽しんでいるだけだから」 「彼女(メアリー・シェリー((小説家。19歳の時に『フランケンシュタイン』を執筆した。)))はヒーローで宿敵。私にはあと3年マイナス1日ある」 「人が悪の道を選ぶのは、それを幸せだと誤解するからである。このシェリーの言葉は、善意に見せかけて悪事を働く校長のような人を指している」 「虹を見てムカついたり、ポップソングを聴いて耳から血が出るたびに、あんたを思い出す」 } ・&bold(){ゴメズ・アダムス} 演:ルイス・ガスマン、ルシアス・ホヨス(学生時代) / 日本語吹替:辻親八 ウェンズデーの父。 モーティシアとはいつもラブラブだが、娘からはウザがられている。 しかし、ドノバンによると実は&bold(){&color(red){殺人容疑}}をかけられた過去を持っているらしいが……? なお、伊達男な映画版を知っていると「役者のイメージが違う!」となるかもしれないが、原作に近いのはこちらである。 #openclose(show=ネタバレ){ 当時の捜査資料が発見され、32年前にギャレット・ゲイツ殺人の容疑をかけられた事は事実だった事が明らかに(身の潔白こそ証明されてはいたのだが……)。 参観日というタイミングで、当時この事件を担当していた検視官が&bold(){自殺}。 さらに、この事件の嘘の報告書を書いた事を苦にしていたという遺書が見つかったために遂に証拠が揃ってしまい、ドノバンに逮捕された。 父が言うには、ギャレットはモーティシアに親切にされた事から惚れ込み、[[ストーカー]]化。 警察にも相談したが、ジェリコ一の名家出身だったため不問に。 そしてレイヴンの日にモーティシアと共に外にいた時、校内に忍び込んだギャレットに襲われた。 嫉妬と憎しみで暴走したギャレットはモーティシアでも止められず、とっさに落ちていた剣で刺し殺してしまったのだという。 その語りは誠実だったが、その細かい仕草や状況に不信感を感じたウェンズデーは父の無実を信じて奔走する。 } ・&bold(){モーティシア・アダムス} 演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、グウェン・ジョーンズ(学生時代) / 日本語吹替:深見梨加 アダムス家の女家長で、ウェンズデーの母。旧姓はフランプ。 学生時代はフェンシング部の部長、闇プロムの女王、霊媒協会の会長と様々な肩書を持ち、ポー・カップでは4度の優勝経験を持つ。 絶賛反抗期中の娘にどんなに毒づかれても動じず、母子の絆の印として「W(M)」のイニシャルの入ったお守りを渡す。 これに使われている黒曜石はアステカの僧侶が儀式に使ったもので、霊を呼び寄せる強い力を秘めるという…… また、娘と同じく幻視能力を持つが、見える内容は対照的にポジティブな内容なのだという&footnote(ポジティブな幻視は「ハト」、ネガティブな幻視は「カラス」と呼ばれる。)。 #openclose(show=ネタバレ){ ゴメズに容疑がかけられていた32年前の殺人事件の真相、それは&bold(){彼女自身がとっさにギャレットを刺した}というもの。 その後、彼女を守るためにゴメズ自ら罪を被ろうとした事が明らかにされた。 母の話からウェンズデーはギャレットの様子に違和感を抱き、彼の墓を暴いて調べようとするが、警察に見つかり留置所にアダムス一家勢揃いになってしまった。 こんな状況でも夫婦は再会できてラブラブ状態の中、ウェンズデーは抜かりなくギャレットの指を拝借しており、真の死因はベラドンナの毒である事を見抜いた。 そしてここで彼女の幻視が発動。 それは、父親から生徒を皆殺しにする事を命じられたギャレットは、毒をレイヴンの飲み物に混ぜようとしたが、誤ってその小瓶を割って毒を身に浴びた結果、狂死したというものだった。 この事実を知ったアダムス一家は、当時を知るウォーカー町長の元へ直談判へ行くのであった。 } ・&bold(){パグズリー・アダムス} 演:アイザック・オルドネス / 日本語吹替:永竹功幸 ウェンズデーの弟。 ナンシー・レーガン高校にて、水球部の生徒から縛られた状態でロッカーに閉じ込められるといういじめを受けていた。 これを知ったウェンズデーは「私の弟をいじめてもいいのは私だけなの」と、&bold(){&color(red,lightskyblue){プールにピラニアを放ち殺人未遂}}という、初っ端から強烈な報復をかました&footnote(この場面で流れた曲は、クリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』でも使われたエディット・ピアフの「水に流して」。皮肉が効きすぎている……)。 &font(l){ちなみに1人はタマを失いましたとさ} この事件によって、ウェンズデーはネヴァーモア学園に転校してくる事になる。&font(l){そのせいで姉の水責めの拷問がなくなって寂しいらしい……} キンボットが置いておいた室内香のポプリをおやつだと思ってゴメズと食べたり、手投げ弾で魚釣りしたりと自由気まま。 ・&bold(){フェスター・アダムス} 演:フレッド・アーミセン / 日本語吹替:落合弘治 第7話で登場した、ウェンズデーの伯父。手から電流を流す力を持つ。 いつもは鉄面皮のウェンズデーも、再会した時は満面の[[笑み>笑顔]]になるほど心を開いている。 ネヴァーモア学園には学力が足りなくて入学出来なかったが、弟のゴメズにはよく会いに行っていたという。 その生き方は自由人……というかかなりのアウトローで、ハンドと共に金庫破りをやったり、&bold(){触法精神障害者の施設でロボトミー手術を受ける事にハマったりしてた}らしい。 そして彼曰く「40年前にも怪物と遭遇した経験がある」という。 ・&bold(){ハンド} 演:ビクター・ドロバントゥ 両親からウェンズデーのお目付け役として送り込まれた「手」。 お気に入りはオレンジとベルガモットの香りのハンドローション。「ペット」と言われると怒る。 物陰からその様子をうかがっていたものの、その匂いで彼女にあっさり見つかり、事件の謎解きのために働かされる事に。 実際、映画版同様大変有能で、要所要所で大活躍する。 また、従来のハンドとは違いツギハギとなっており、&bold(){&color(purple){バートンの趣味を感じさせるデザインとなっている。}} ***【ネヴァーモア学園関係者】 ・&bold(){イーニッド・シンクレア} 演:エマ・マイヤーズ / 日本語吹替:天野心愛 ウェンズデーのルームメイトになった、毛皮族出身の少女。 アイスホッケーのシャークスのファンで、好きな映画は『ドラゴンへの道』。 カラフルなものが大好きで、様々なSNSを使いこなして学園の情報を発信するいわゆる陽キャ。自分を監視していたハンドと仲良くなったりもした。 しかし、毛皮族でありながら爪を長く伸ばす事しか出来ず、専門家からも一生変身出来ない可能性を宣告されたため、人知れずコンプレックスを抱えていた。 意外と怖がりな部分もあり、ウェンズデーが調査の過程で集めたグロ写真を見せられた時は失神したほど。 一方で、母親からは狼化のためのキャンプに行く事を押しつけられそうになっても、「いつ変身するかは自分で決める」と言い切る芯の強さも見せている。 このように、ウェンズデーと対照的な性格からお互い初見時の印象こそ最悪だったが、 ・彼女の個性を認め、苦手なことは無理強いしない ・好みのカラーに合わせた誕生日プレゼントを贈る ・ウェンズデーのわがままに振り回され、ケンカして部屋を去った後も彼女のことを気遣う ・そして最後はウェンズデーの元に戻る ……など、とにかくいい子。 #openclose(show=ネタバレ){ 最終話にて遂に[[狼>オオカミ]]への変身能力に目覚め、ハイドに襲われていたウェンズデーの危機を救った。 事件解決後、それまでハグが苦手だったウェンズデーが彼女にハグする場面は&bold(){本作の涙腺崩壊ポイント。} } ・&bold(){ビアンカ・バークレー} 演:ジョイ・サンデー / 日本語吹替:高梁りつ 鱗族出身の「女王蜂」。 セイレーンらしく声で相手を操る能力を持ち、クラブ活動ではコーラス部に所属。 イーニッド曰く「最も高貴な方」だが、学期の初め頃にゼイヴィアに振られた事で没落しかけている。 それでも実力は高く、ウェンズデーからフェンシング勝負を挑まれた時は返り討ちにしている。 一方で、別れたゼイヴィアについては未だに未練がある様子。 レイヴンではよりを戻したかのように見えたが、結局ウェンズデーの件で再びケンカしてしまう。 そしてウェンズデーに、本当に誰かに好かれているのか分からない事や、ゼイヴィアを信じられなかった事への悩みを打ち明けるのだった…… #openclose(show=ネタバレ){ そんな彼女の最大の天敵は母のガブリエル。 彼女はカルト団体「モーニング・ソング」の主催で、セイレーンの力を利用する者と再婚していた。 この学校に来たのも家族から逃げ出すためだったのだが、「女王蜂」の地位に上り詰めたのはそのセイレーンの力によるものだった。 セイレーンとしての力が弱まりつつある母は、「戻らなかったらその秘密をバラす」と脅迫。 しかし、最後は学年末まで留まる事を求め、「手伝い終わったら絶縁する」と告げるのであった。 また、本名はブランディ・ジェーンだったが、母への反発から別の名を名乗っていた事も明らかとなった。 最終話ではセイレーンの力を活かして崩壊の危機に陥った学園から生徒達を避難させたり、クラックストーンと戦うウェンズデーをアシストする活躍を見せた。 } ・&bold(){ゼイヴィア・ソープ} 演:パーシー・ハインズ・ホワイト / 日本語吹替:熊谷健太郎 ビアンカの元カレで、描いた絵を動かす能力を持つ。クラブ活動ではアーチェリー部に所属。 別れた理由は、操られる事に耐えられなくなったからだという。ビアンカ曰く「それは誤解」だというが…… 幼い頃のウェンズデーを知っており、落ちてきたガーゴイル像が直撃しそうになった彼女を助けた。 助けた理由は、10歳の時祖母&footnote(字幕では代母。また、ウェンズデーの祖母と共に若い頃は詐欺師としてヨーロッパ中を荒らしまわったらしい。)の葬式でかくれんぼをしていた所、祖母の棺に入ってあわや生きたまま火葬されそうになったのを救われた借りなのだという。 父親は有名な超能力者で、パグズリーも大ファン。 そのため彼女の幻視能力にも勘づいており、超能力は論理に根差してないとし「見えた事が全てじゃないから幻視は鵜呑みにするな」「正直、感情は君の長所じゃないだろ?」と忠告する。 が、首元にフェンシングのものと思えない傷跡があるのを見られた事を切っ掛けに、 アトリエに大量に怪物の絵があった事や、タイラーが負傷し助けに行こうとした絶妙なタイミングで現れたりした事で、連続殺人事件の容疑者として見なされていく。 怪物の絵を描いていた理由はその悪夢を頭の中から追い出そうとしていたためで、首筋に傷跡があったのも描いた怪物に襲われたためにできたものだというが…… #openclose(show=ネタバレ){ ウェンズデーが怪物ハイドの習性を知った事や、彼がキンボットと密会していた場面を見られた事から完全にクロ認定される。 さらにアトリエ内部に被害者の持ち物があった事から、遂に逮捕されたが……直後に真犯人の存在が明らかに。 つまり、&bold(){純粋に彼女の事を思って行動していたのに、ことごとく不信感を抱かれた挙句冤罪を着せられた事になる。}あまりにも不憫である。 事件解決後は無事に釈放され、留置所での非礼を詫びたばかりか、彼自身の電話番号入りのスマホまでプレゼントする心の広さを見せている。 &bold(){……これだけの目に遭ってもここまで出来るとは、もはや聖人の域と言っていいだろう。} } ・&bold(){ローワン・ラスロー} 演:カラム・ロス ビアンカにフェンシング勝負を挑んでいた男子学生。喘息持ち。 イーニッド曰く「陰キャのぼっち」で、ゼイヴィアのルームメイト。 のけ者の学園でものけ者になってしまった事を悩んでおり、似たようなタイプのウェンズデーに共感していた。 しかし感謝祭の日、ジェリコから脱出しようとしていたウェンズデーは&bold(){&color(red){彼が殺害される未来}}を幻視してしまう。 #openclose(show=ネタバレ){ 自らが見た幻視を伝えようとするウェンズデーだが、何故か彼は念動力で彼女を攻撃し始める。そして、ガーゴイル像を落としたのも彼だった。 曰く、25年前に母が描いた絵にウェンズデーらしき少女が描かれており、&bold(){その子は学園の全てを破壊すると予言された}ため命を狙ったのだという。 が、その時。幻視通りに怪物に襲われて殺害されてしまった。 &bold(){……怪物の行動はまるで、ウェンズデーを助けようとしているかのようだった。} この件で予言の絵を手にしたウェンズデーは、学園や一族の真実を知るべく本格的に動き出すのだった。 ……しかし、第2話では&bold(){全くの無傷の姿で彼女の前に現れた}。 さらに翌日、校長から退学した事が告げられる。 学園から去っていく彼をハンドに尾行させるが、バーリントン駅のトイレで撒かれてしまう。 ……実はその正体は、変身能力を持つウィームス校長だった。 その後、ウェンズデーは森の中に彼の眼鏡が落ちているのを見て、事件が隠蔽されたと確信。 また、ゼイヴィアからも彼と連絡が取れなくなっている事を聞かされる。 ……そして第5話で、ウィームス校長によりその死が隠蔽された事が明らかになった。 } ・&bold(){エイジャックス・ペトロポラス} 演:ジョージー・ファーマー / 日本語吹替:野津山幸宏 石族出身の学生で、イーニッドが思いを寄せている。 見た相手を石にしてしまう能力のため、普段はニット帽を被っている。 その危険性から他者と関われない種族出身故に、奥手で鈍感な性格だが、イーニッドと共に「ユーライアズ・ヒープ」で働いた事により、初めてデートのお誘いを受ける。 ところがデートの前にシャワーを浴びた後、誤って鏡に映っていた自分の姿を見てしまい[[石化]]。 おかげでデートをすっぽかす事となり、イーニッドは深いショックを受けるのだった…… この場面では各々の人間模様がシリアスに描かれているだけに、&bold(){彼のうっかりが際立つ形になっている。} #openclose(show=ネタバレ){ レイヴンでの惨劇の後、ルーカスに裏切られた挙句、ピルグリム達に絡まれていたイーニッドを助ける。 その時自身がデートに行けなかった理由を打ち明け、無事よりを戻す事が出来た。そして晴れて立派なカップルになりましたとさ。 } ・&bold(){ユージーン・オティンガー} 演:ムーサ・モスタファ / 日本語吹替:永竹功幸 養蜂部の創立者の生徒で、自らのクラブを&bold(){&color(black,#fcc800){「ブンブンズ」}}と呼んでいる。 両親は母親2人の同性カップル。 部員や友人は誰もおらず、「選ばれし者の部活だ」と呼んでいたが、ウェンズデーとイーニッドが来た時は心底嬉しそうな様子を見せた。 こんな立場だが、相手から振り向いてもらえる可能性がわずかでもあれば決して諦めない健気な性格。 ウェンズデーからも「あなたや私はみんなとは違うの。自分を持ってて、思春期の吹き溜まりの中ではどうしても浮いてしまうけど、バカな通過儀礼なんかなくてもブレずにいられる」と、&bold(){珍しく好意的に評価されている}。 クラブの創立者だけあって養蜂[[オタク]]で、知識を語りだすと止まらなくなる。さらに吹き替え版でのセリフ回しは必見。 #openclose(show=ネタバレ){ 第4話でゼイヴィアの怪物の絵を見せた時、そこに描かれていた洞窟は彼が標本採集のために訪れた事のある場所だった。 調査に向かうと、怪物の存在する証拠となる爪を発見。さらにウェンズデーは洞窟に2人で張り込んで怪物の正体を突き止めようとしていた。 ……が、ハンドがタイラーにレイヴンへのお誘いの手紙を送った事でダブルブッキングに。 「洞窟の張り込みに向かうのは明日にしよう」とウェンズデーから言われたが、結局1人で洞窟に向かってしまう。 そこで何者かによって洞窟が燃やされるのを目撃。 さらにウェンズデーが彼が怪物に襲われる幻視を見た事で駆けつけるも、あと一歩及ばなかった……((この時は大声で彼の名前を呼びながら森を全力疾走していた。)) その後一命は取りとめたものの、昏睡状態に陥ってしまい、鉄面皮のウェンズデーも胸を痛めていた。 しかし、最終話では無事昏睡状態から回復。 ウェンズデーにハイドを操っていた人物の決定的な証言をして事件解決の糸口になったり、イーニッドに黒幕の存在やウェンズデーの危機を伝えたり、 さらに最後の悪あがきとしてウェンズデーを殺そうとしたローレルに蜂の群れをけしかけて足止めするという、&bold(){それまでの鬱憤を晴らすかのような大活躍を見せたのだった}。 } ・&bold(){ラリッサ・ウィームス} 演:グウェンドリン・クリスティー / 日本語吹替:きそひろこ ネヴァーモア学園の校長で、モーティシアとはルームメイトだった。 本来学期途中の編入は認められていないものの、ウェンズデーが成績優秀だった事やアダムス家と学園の長い付き合いもあって、特例を認めてもらったのだという。 彼女が問題児という事もあってガッツリと監視しようとするが、何度も何度も校則を破って楯突いてくるウェンズデーに手を焼く羽目に。 そしてモーティシアとの間にも因縁があるようだが……? #openclose(show=ネタバレ){ ポー・カップでは副キャプテン、レイヴンではゴメズを取られてしまうと、モーティシアの影に隠れた存在だった事が示唆されている。 また、32年前の殺人事件を目撃しており、当時保安官だったウォーカーに事件の発端となったのはモーティシアだと告げ口していた。 モーティシアは純粋に友人だと思って接していたのに、そのコンプレックスから結果的に彼女を危機に陥れる事になったのは皮肉である。 最終話では変身能力でタイラーに化けてローレルを阻止しようとするが、&bold(){毒を注射されてあっさり死亡。} ここから校長大活躍か?と見せかけてこの展開だったため、唖然とした人もいるとか…… しかし、学校や生徒を思う気持ちは本物であり、ウェンズデーからも「鬱陶しい人だった。でもタフで、本当にこの学校が好きで、そのために死んだ」と評された。 } ・&bold(){マリリン・ソーンヒル} 演:クリスティーナ・リッチ / 日本語吹替:小島幸子 オフィーリア寮の寮母で、植物学の教師。 寮生に合わせて歓迎の印の花をプレゼントしており、ウェンズデーの場合は「ブラック・ダリア」。 彼女も「大好きな未解決殺人事件の名前だから」とまんざらでもない様子だった。 また、&bold(){学園スタッフで唯一の普通の人間}であり、かなり苦労している模様。 演じたクリスティーナ・リッチは、映画版でウェンズデーを演じた女優。 つまり、新旧ウェンズデーの共演という事で、ニヤリとさせられることだろう。 また、バートン作品でも『[[スリーピー・ホロウ>スリーピー・ホロウ(映画)]]』に出演しており、元から縁があると言える。 #openclose(show=ネタバレ){ その正体は、死んだとされていた&bold(){ローレル・ゲイツその人。} 町中ののけ者を調べていた父から、ハイドを輩出していたガルピン家の事を知り、母親の正体という弱みを利用してタイラーを操っていたのだ。 彼を利用して、本性に勘づいたウォーカー市長やキンボットを殺害させ、ゼイヴィアに濡れ衣を着せ、真相に近づいた者達を次々に排除。 そして、ウェンズデーをクラックストーンの霊廟へと拉致。 その目的は、一族の先祖にしてのけ者最大の敵であるジョセフ・クラックストーンを復活させる事。 ピルグリム・ワールドから盗み出した魔導書『影の書』、犠牲者達の体の一部が6つ、そしてグッディ・アダムス直系の子孫の血…… 復活のカギは遂に全て揃ってしまった。そして復活するクラックストーン…… &font(l){先祖の横暴な姿には幻滅した様子だったけど} クラックストーンが撃退された後、最後の悪あがきでウェンズデーを殺そうとするが、ユージーンと彼女に制裁される。 &bold(){先祖代々に渡る復讐心と、のけ者への憎悪のために生きていた彼女の野望はこうして潰えたのだった。} } ***【ジェリコの町の人々】 ・&bold(){タイラー・ガルピン} 演:ハンター・ドーハン / 日本語吹替:岩中睦樹 風見鶏カフェの店員。ウェンズデーと同じくキンボットのカウンセリングにかかっている。 イタリア製のエスプレッソマシンが故障したところをウェンズデーに修理してもらった事で、学園からの脱出の手引きを依頼される。 この計画はローワンの事件で失敗に終わったものの、唯一怪物の存在を信じてくれた。 純情な性格でウェンズデーに惚れ込んでいくが、彼女自身その手の感情に疎いので散々振り回される羽目に。 しかし、ゼイヴィアは彼について何かあったらしく、ウェンズデーに再三「あいつには近づくな」と警告していた。 さらに父ドノバンとは死んだ母親の件で何かしらわだかまりがあるようだが…… #openclose(show=ネタバレ){ レイヴンにてウェンズデーが知った彼の過去、それはゼイヴィアの壁画を壊した事があるというものだった。 自分でもどうしてそんな事をしてしまったのか分からず、その後非行矯正キャンプに送られたという。 第7話では、前回で散々な結果に終わったデートのやり直しを求めてくる。 そこで遂に告白。後日めでたくファーストキスにまで至る。 するとその時、ウェンズデーの幻視が発動。 ……そして彼女は遂に真相を知る事になる。彼こそが&bold(){真のハイド}だったのだ。 彼の母親はネヴァーモア学園出身のハイドであり、父ドノバンはその症状が遺伝する事を恐れていた。 キンボット曰く「母親を喪った事が深いトラウマになっており、そのことに触れると豹変する」という危険な状態だった。 ゼイヴィアに冤罪をかけさせた件では「負けた気分はどう?」などと、口調は穏やかながらも遂にハイドとしての本性を覗かせるのだった…… 彼はローレルに利用され続けるうちにすっかり従順になってしまったのだ。 ウェンズデーがクラックストーン復活の儀式に使われた後、彼女を始末しようとするが、狼に変身出来るようになったイーニッドが阻止。 事件解決後は護送されるも……&bold(){再びハイド化}する場面で物語は幕を下ろす。 } ・&bold(){ドノバン・ガルピン} 演:ジェイミー・マクシェーン / 日本語吹替:増元拓也 タイラーの父で、ジェリコの保安官。 謎の殺人事件の犯人をネヴァーモア学園の生徒だと決めつけており、証拠が見つかるまでは熊の仕業にして隠蔽する事にしていた。 昔起きたギャレット・ゲイツ殺害事件の犯人はゴメズだと信じて疑わず、ずっと追い続けている。 当然、ウェンズデーは彼に睨まれる事になるが、彼女自身も事件解決のために協力を申し出たため、だんだんその働きを無視出来なくなってくる。 ・&bold(){ヴァレリー・キンボット} 演:リキ・リンドホーム / 日本語吹替:[[園崎未恵]] 法廷命令により、カウンセリングを受ける事になったウェンズデーを担当する臨床心理士。 性格的にカウンセリングと相性最悪のウェンズデーは当然反発しまくり、最初のカウンセリングでは脱走された。 その後も効果ははかばかしくなかったため、親子参観の日にアダムス一家全員でカウンセリングを受けさせる。 また、「ユーライアズ・ヒープ」の常連らしく、そこで色々な置物を購入している。 #openclose(show=ネタバレ){ 怪物ハイドの習性とローレル・ゲイツの生存を知ったウェンズデーにより、ローレルの正体だと見なされたが、ハイドに殺されてしまった。 &bold(){……ぶっちゃけこちらも冤罪である。}哀れ。 } ・&bold(){ノーブル・ウォーカー} 演:トミー・アール・ジェンキンス ジェリコの町長。 元保安官でドノバンとは旧知の仲であり、ウィームス校長から資金援助を受けている。 #openclose(show=ネタバレ){ 32年前の冤罪事件についてアダムス家が直談判に訪れた時、その真相を明かした。 ギャレットの真の死因も、その父アンセルが学生達を皆殺しにするよう命じていた事も、検視官に死因を捏造させたのも、町と学園の名誉のため――いや、自己保身のためだった。 この事件の1年後、彼は町長に当選。もちろん、これはゲイツ家の援助ありきのもの。 罪を暴かれた彼は「起訴は全て取り下げ、ゴメズを保安官の謝罪つきで釈放するように」という一家からの要求を飲まざるを得なくなったのだった。 第6話ではゲイツ邸から出てくる所をウェンズデーに目撃される。 この事件の黒幕に感づいた事をドノバンに連絡し、会いに行こうとするが…… その矢先に何者かにひき逃げされて瀕死の重傷に、さらに生命維持装置の管を抜かれて死亡してしまった。 その死後、彼自身がローレル・ゲイツについて、地域交流の日から調べていた事が明らかになる。 } ・&bold(){ルーカス・ウォーカー} 演:イマン・マーソン ウォーカー町長の息子。 ネヴァーモアの学生に対する差別意識バリバリで、仲間と共にウェンズデーやユージーンにちょっかいを出していたが、返り討ちにされている。 第4話では、何故かエイジャックスにデートをすっぽかされて傷心のイーニッドにレイヴンのお誘いをしていたが……? #openclose(show=ネタバレ){ 当然純粋にレイヴンを楽しみたいわけでなく、仲間達とレイヴンを台無しにする事を企んでいた。 が、父に迷惑がかかるからやめようと仲間を説得するも、止められなかった。 そしてレイヴンのクライマックス、&bold(){&color(red){スプリンクラーから真っ赤な血が噴き出し、会場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化したのであった……}} この下りは名作ホラー映画『[[キャリー>キャリー(スティーヴン・キング)]]』のオマージュとなっている。 &font(l){なお、ウェンズデー曰く「実際はペンキ」で豚の血は使われていなかった模様} しかしこの件でイーニッドとの交流をしていた彼は、のけ者達は本当は悪い存在ではないのでは?と考えを改め始めていた。 第6話では、罰として学園で奉仕活動をさせられていた所で、ビアンカと出会う。 その腕には「モーニング・ソング」の腕輪が…… 組織の実態を知っているビアンカは、今すぐ脱会するように警告。 その後、脱会した彼は似たような境遇にあるビアンカに、自分の悩みを打ち明けるのだった…… } **余談 ---- 〇劇中で圧倒的な目力を発揮しているウェンズデー。 ジェナ・オルテガのこの演技は、スタンリー・キューブリック監督の映画『シャイニング』のジャック・ニコルソンにインスパイアされたもの。 この瞬きをしない演技をタイラーと初めて出会う場面で見せたところ、バートンはいたく気に入り、&bold(){&color(purple){「この後も、瞬きはしないでほしい」}}と言われたという。 そのため、その後数週間にわたる撮影では、瞬きをしないように過ごしていたのだとか。 ちなみに演技のコツは、「顔の筋肉の力を全部抜き、眉間から見るようにする事」らしい。 〇本作のマスコットポジションとして活躍するハンド。 その自由自在な動きと細かい感情表現から一見全てCGに見えるかもしれないが、実はこれは“手”作業で作られたもの。 演じたピーター・ドロバントゥの本業はマジシャン。 デジタル処理で姿を消すためにブルーのボディスーツを着用し、机の下に潜って穴から手を出したり、床に這いつくばったりと、様々な場面で窮屈な体勢を強いられながら撮影に挑んでいた。 また、感情表現については毎回ドロバントゥと制作チームがその場で決めていたとのこと。 〇ハンドは作劇中外でもマスコットとして大活躍。 ニューヨークをお出かけして子供を泣かせたりスケボーしたり&footnote(出典:https://twitter.com/TimBurton_JP/status/1598150119907790851)、&bold(){&color(purple){バートンに(ケーキ製とはいえ)唐竹割りをかまされたり}}&footnote(出典:https://youtu.be/q_48s5HG8tI)と、微笑ましい姿を見せてくれる。 〇寮母役&footnote(完成版とは名前が異なり、タマラ・ノヴァクとなっている。)は元々『ゴーストワールド』のソーラ・バーチが演じる予定で、大部分の出番は撮り終えていたが、家族の病気のため、降板。 ちなみに『ゴーストワールド』で彼女が演じた役名は&bold(){イーニッド}である。 〇のけ者だけを集めてもその中でヒエラルキーが生まれ、再びのけ者になってしまう者がいるという部分も描いた本作。 実際、バートンは脚本に自分自身の過去を重ねており、 #blockquote(){&bold(){&color(purple){脚本を読んだ瞬間に学生時代の思い出が蘇ってきたんだ。}} &bold(){&color(purple){プロムに行った時のことや、学校が嫌いで、馴染むこともできなかった、あの時の気持ち。}} &bold(){&color(purple){変わり者として変わり者の集団の中にいてもやっぱり孤独だった。}} &bold(){&color(purple){それから、親の事や、セラピーや、あの頃経験したこと全部ね。}} &bold(){&color(purple){水球のシーンもあったけど、実は高校時代に水球をやっていたんだよね(笑)}} &bold(){&color(purple){そんな風に、学校や両親にまつわる奇妙で、ちょっと辛い、変な思い出がたくさん蘇ってきたんだ。}} } と語っている。 #center(){ &bold(){THE END?} &bold(){追記・修正は死ぬほど楽しいでしょう?} } 参考文献 [[アダムス・ファミリーの新ドラマ「ウェンズデー」について、わかっていることのすべて>https://www.vogue.co.jp/lifestyle/article/vanityfair-meet-the-new-addams-family-from-tim-burtons-wednesday/amp]] [[「ウェンズデー」のクセ強ダンスシーン、ウェンズデー役が自ら振り付けしていた>https://theriver.jp/wednesday-dance/]] [[「ウェンズデー」主演、クセ強ダンスシーン撮影中はコロナ感染中だった>https://theriver.jp/wednesday-dance-covid/]] [[一度も「まばたき」をしないように…『ウェンズデー』主演俳優が明かす驚きの役作り>https://news.yahoo.co.jp/articles/d749639819b28c9450084f3d59207c0d8c5621ce]] [[「ウェンズデー」劇中でウェンズデーがまばたきをしない理由とは?>https://theriver.jp/wednesday-no-blink/]] [[「ウェンズデー」ハンドの撮影風景、大変そう ─ 机にもぐったり床に這いつくばったり>https://theriver.jp/wednesday-hand-bts/]] [[「ウェンズデー」ティム・バートン、精神年齢は「14歳の女の子」ヒロインに投影した学生時代>https://www.cinematoday.jp/news/N0134161]] [[‘Wednesday’: Thora Birch Departs Netflix’s Addams Family Series For Personal Reasons>https://deadline.com/2021/12/wednesday-thora-birch-exit-netflix-addams-family-series-1234888017/]] [[Wednesday star came up with viral dance herself in just 2 days>https://www.radiotimes.com/tv/fantasy/wednesday-viral-dance-2-days-newsupdate/]] [[『ウェンズデー』がNetflixで最も視聴されたドラマシリーズ歴代第2位に>https://jp.ign.com/wednesday/64625/news/netflix2]] #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - アダムス乙女ゲードラマが面白くなるとは、すごい時代だ… -- 名無しさん (2022-12-07 11:45:10) - 映画版のアダムス家を求めるも1話脱落もあり得るけど、原作が同じなだけの別軸作品として割り切れば充分楽しめる。 -- 名無しさん (2022-12-12 16:50:43) - アダムスファミリーの項目でも書いたが、ウェンズデーの性格が高校生としてはかなりアレなので、それを受け入れられるかどうかで評価が大幅に変わりそう(俺は無理だった) -- 名無しさん (2022-12-20 07:25:18) - 祝:シーズン2配信決定! -- 名無しさん (2023-01-07 13:29:12) - ルーカスが仲間を止めようとしたのは父に迷惑がかかるからじゃなくてイーニッドと話すうちにこいつらべつに悪者じゃないんじゃ…?と気付いたんだと思ったが。 -- 名無しさん (2023-01-16 03:51:05) - 傍若無人で人の善意を簡単に利用して踏みにじることを厭わず反省も謝罪もしないのに何故か周りはついていくし惚れたりしてるのが意味わかんねえわ。映画版はまだチビだったしキャンプでの除け者仲間とは仲良かったようだから付いていくのはわかるのだか。 -- 名無しさん (2023-01-16 03:54:44) - ウェンズデーは正直探偵としてはへっぽこだけどあの目力だけで有能に見えるから不思議 -- 名無しさん (2023-01-16 06:14:31) - 2↑彼女の普通と周りの普通は違うからね -- 名無しさん (2023-01-16 07:10:24) - 探偵ものとして見たときわりかし彼女は本格派よりもハードボイルド派なことに驚いた -- 名無しさん (2023-01-18 22:31:38) - ウェンズデー(水曜日)に因んで水曜日のカンパネラとのコラボ動画がYouTubeで公開されてたね。ただこの動画、カンパネラの方のチャンネルでは好評なのにネトフリのチャンネルだと「色使いがウェンズデーへの嫌がらせ」だの「断ることも勇気」だの言われててなんでこんなにコメに差があるんだ!?って思った、 -- 名無しさん (2023-10-04 22:06:39) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2022/12/07 Wed 00:00:41 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 34 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &bold(){誰の思い付きか知らないけどどうかしてる。} &bold(){思春期の子供達を何百人も資金不足の学校に入れるなんて。} &bold(){しかも経営者はとっくに夢破れた奴ら。} &bold(){まあサディスティックでいいけど。} } **概要 ---- &bold(){&color(white,#274a78){『ウェンズデー』(原題:Wednesday)}}は、2022年11月23日&bold(){(水)}よりNetflixにて独占配信されたドラマシリーズ。 様々なメディアで展開される世界的人気作『[[アダムス・ファミリー>アダムス・ファミリー(映画)]]』の長女・ウェンズデーを主人公に据えたミステリー風ダークファンタジーで、ティーンとなった彼女の活躍が描かれる。 監督(第1話~第4話)・製作総指揮は、本作が初のドラマシリーズとなる[[&bold(){&color(purple){ティム・バートン}}>ティム・バートン]]。&footnote(単発作品ではハロウィン特番として放送された『ヘンゼルとグレーテル』、『フェアリーテール・シアター』の『アラジンと魔法のランプ』、『新・ヒッチコック劇場』の『ビン詰めの魔物』を手掛けている。) 第5話・第6話はガンディア・モンテーロ、第7話・第8話はジェームズ・マーシャルが監督している。 これまでダークファンタジーやはみ出し者をテーマにしてきたバートンと、お化け一家の物語『アダムス・ファミリー』。 &bold(){今まで手がけてこなかった事が不思議に思えるほどぴったりの組み合わせである。} 事実、91年の映画版の時にオファーを受けていたが、『[[バットマン リターンズ>バットマン リターンズ(映画)]]』の撮影のために断ったといういきさつがあった。 そのため、企画の発案者である『ヤング・スーパーマン』のプロデューサー、マイルズ・ミラーとアルフレッド・ガフは、オファーしても再び断られるのではと考えていたという。 ところが2人の予想に反して、バートンは第1話の脚本を受け取ってから3日後、彼らに連絡をしてきた。 2人によると、彼はミステリーの謎の部分に関心を持ち、過去に手がけたテレビドラマについて、どのようにして作り上げたのかたくさん質問をしてたのだという。 さらにバートンは、映画と違いドラマなら短い尺で完結させる必要がなく、じっくりとキャラクターを掘り下げられる点を気に入っていた。 中でも主人公のウェンズデーには&bold(){&color(purple){「彼女にはとても強い繋がりを感じるんだ。彼女の人生観、人間観、親や教師に対する考え方など、僕らはどれも共有している。だから、この作品にはとても共感できたし、何故かよりリアルに感じられたんだよ」}}と、深い共感を寄せる姿も見せていた。 こうして出来上がった本作は、近年の作品で見られがちだった&bold(){「いい大人になっちゃって昔ほどの才気がないなぁ」}という評価を覆すほどの&bold(){&color(purple){バートン色たっぷりの快作}}に仕上がっている。 ネトフリのドラマという新たな舞台で、水を得た魚のように才気をほとばしらせるバートン。 どうやら[[恐ろしい巨大サーカスから脱出できた>ダンボ(実写版)]]というのは事実だったようである。よかったね。 ミラー曰く、本作は&bold(){&color(purple){「上映時間8時間のティム・バートン映画」}}。ファンにとっては大変贅沢な作りと言えるだろう。 評判も上々で、配信開始から1週間の総視聴時間で3億4120万時間を記録。&bold(){ネトフリの英語シリーズ作品として、1週間における最多視聴時間の新記録を達成}。 さらに&bold(){視聴時間は1カ月で10億時間以上を記録し、配信開始からわずか数週間で最も視聴されたドラマシリーズ歴代第2位に上り詰めた}。 そして2023年1月には、早くもシーズン2の制作が発表されている。 また本作は映画版、特に『[[アダムス・ファミリー2]]』への[[オマージュ]]もしっかり完備している。 カヌーレースに感謝祭やピルグリム&footnote(旧大陸で続く迫害から逃れるためアメリカへ移住した清教徒達。「ピルグリム・ファーザーズ」と言えば世界史で習うだけにピンと来る人も多いだろう。)への強烈な皮肉、“健全な”映画を観せられてゲンナリする場面などは、知っていればニヤリとなるはず。 他にも、学校の名前などエドガー・アラン・ポー作品由来の小ネタが盛りだくさんなので、調べたり読んだりしてみるのもいいだろう。 **あらすじ ---- 変わり者の一家、アダムス家の長女・ウェンズデー。 彼女は優等生でありながら、その独特の価値観や我の強さ故に行く先々でトラブルを起こし、5年間で8度もの転校を繰り返していた。 そんな彼女が送られた先は、両親の母校にしてのけ者達のための学園、ネヴァーモア学園・オフィーリア寮&footnote(オフィーリアはモーティシアの姉の名前でもある。)。 しかし、彼女がそこに転校する前から周辺では、謎の怪物による殺人事件が相次ぎ始めていた。 さらにそれは、アダムス家にも深く関わるものらしいというのが明らかになってくる。 周囲を巻き込みながら謎解きに挑むウェンズデー。 そこから浮かび上がってきたのは、一族や学園、ジェリコの町との因縁の歴史であった。 **用語 ---- ・&bold(){ネヴァーモア学園} ニュージャージー州にある、のけ者達のために設立された寄宿制の学園。 モーティシアとゴメズだけでなく、かのエドガー・アラン・ポーの母校でもある。 一口にのけ者といってもその対象は広く、&bold(){超能力者はおろか、人外までもがひしめいている}という、そっち方面のエリート校。 故に、&bold(){普通の世界で変わり者扱いでも、こちらでは変わり者のハードルが高すぎて逆に平凡になってしまい、再びのけ者になってしまうという部分も描かれている。} 校内では主に[[ヴァンパイア>吸血鬼]]の&bold(){&color(red){牙族}}、[[人狼>狼男]]の&bold(){&color(brown){毛皮族}}、[[セイレーン>セイレーン(ギリシャ神話)]]の&bold(){&color(teal){鱗族}}、[[ゴルゴン>ゴルゴン(ギリシャ神話)]]の&bold(){&color(gray){石族}}の4つの派閥がある。 イーニッド曰く、 牙族……何十年も在籍している生徒がいる。 毛皮族……[[バカ>馬鹿]]の集まり。満月の夜に変身し、ノイズキャンセリングのイヤホンを持っていた方がいいほどうるさくなる。 鱗族……学園の女王蜂&footnote(女子のスクールカースト最上位を表す言葉。「クイーンビー」とも。)ポジションのビアンカが属する。 石族……かわいいけど、脳味噌が石。 名前の由来は、ポーの詩『[[大鴉>大鴉(詩篇)]]』で繰り返し用いられる&bold(){「Nevermore(もはやない)」}というフレーズから。 バートンの監督デビュー作に当たる短編『ヴィンセント』でも使われていたので、そちらから知った人もいるかもしれない。 ・&bold(){ジェリコ} ネヴァーモア学園の近隣にある田舎町で、徒歩25分圏内の距離にある。 生徒達がそこに行くには許可が必要で、週末にはバスが出ている。 学園との地域交流の日もあり、この日は学生達がボランティアにやって来る。 しかし、そこの住民の多くはのけ者である学生の事を快く思っておらず、露骨な差別意識をむき出しにする者も少なくない。 実際はこの学園がスポンサーとなり、公共事業費などこの町を支えているのだが。 ・&bold(){ポー・カップ} 125年の歴史を持つ、ネヴァーモア学園の伝統行事。 寮対抗のカヌーと陸上の混合レースで、クラックストーンの霊廟から旗を獲得し、“沈むことなく”ゴールする事が勝利条件。 ……“沈むことなく”で察した人もいるかもしれないが、その展開は&bold(){ルール無用}という過激さを持ち、&bold(){&color(red){破壊工作や殺人未遂}などが当たり前に行われている。} この大会の参加に乗り気でなかったウェンズデーだが、ビアンカの策略で欠員を出したと知り、参加を決意。 途中、霊廟に辿り着いた時に幻視が発動し遅れてしまうも、他の舟を沈めて見事勝利。 オフィーリア寮にとってはモーティシアがリーダーだった時以来の優勝であり、ビアンカにフェンシングの時のリベンジを果たしたのであった。 ちなみに、カヌーや衣装デザインはポーの短編作品をテーマにする事になっている。 ウェンズデーやイーニッドのチームは『[[黒猫>黒猫(小説)]]』、ビアンカのチームは『[[黄金虫>黄金虫(小説)]]』とメジャー所だが、 他チームは『落とし穴と振り子』や『アモンティラードの樽』と、なかなか渋いチョイスとなっている。 そして黒猫チームの衣装は『バットマン リターンズ』の[[キャットウーマン]]のセルフオマージュ。 ・&bold(){レイヴン} ネヴァーモア学園のダンスパーティーで、「rave(音楽パーティー)」ならぬ「rave&bold(){n}(大鴉)」。 ウェンズデーは殺人事件の犯人候補となったゼイヴィアを観察するために彼と参加しようとするが、秘密を嗅ぎ回りすぎた事で拒絶される。 その後何やかんやでタイラーと共に参加する事に。 他の生徒達も様々な事情を抱えながら参加しており、パーティーという舞台でそれぞれの人間模様は複雑に絡み合うのだった。 ここでウェンズデーが披露した&bold(){一度見たら忘れられない奇妙なダンス}は、演じたジェナ・オルテガ自ら振り付けたもので、本作でも屈指の人気シーン。 このシーンの撮影2日前、バートンとこんなやり取りがあったとか。 &bold(){&color(purple){「ジェナ、自分で振り付けしたいって言ってたけど……君なら大丈夫だよね、信じてるよ♪」}} &bold(){「任せて♪(やっばい、チェロやフェンシングの練習が忙しくて何も準備してない……)」} そこで彼女は、英ロック歌手のスージー・スー、リサ・ローリング&footnote(『アダムスのお化け一家』のウェンズデー役。つまり実写作品における元祖ウェンズデーということになる。)、80年代のゴス系のダンスを元に振り付けして乗り切ったという。 さらにこの時、彼女自身&bold(){コロナに感染して体調最悪の状態}で撮影に望んでいた事が明かされている。 ・&bold(){ベラドンナ・クラブ} ネヴァーモア学園にある秘密クラブ。 ローワンへの幻視や、予言の絵に花の紋章の透かしが入っていた事がきっかけでその存在を知ったウェンズデーだったが、ソーンヒル曰く「何年も前に解散した」という。 しかし、ポーの像に紋章が入っているのを見たウェンズデーはそこに刻まれていた暗号を解き、拠点である秘密の図書館へ足を踏み入れる。 そこでローワンに切り取られた絵の出所であるベラドンナの会誌を見つけるが、何者かに捕らわれてしまう…… 「像の前で指ならし2回」は、有名なテーマ曲のオマージュだろう。 #openclose(show=ネタバレ){ 実はこのクラブは現在も存続しており、現在はビアンカ、ゼイヴィア、エイジャックスらがメンバー。 ローワンもこ々のメンバーだったのだが、追放されている。 彼ら曰く「30年前に人間の女の子が死んで解散させられたが、金持ちのOBのおかげで波風立てないという条件付きで黙認状態」なのだという。 ウェンズデーを捕えたはいいが、どうすればいいものかと考えあぐねている隙に&bold(){あっさり帰られてしまった。} 名前の由来は、創設者グッディ・アダムスが毒草ベラドンナでクラックストーンを殺した事からつけられた。 } ・&bold(){ピルグリム・ワールド} ジェリコの名所の、開拓者をテーマにしたテーマパーク。 舞台設定はジェリコにピルグリムが入植した1625年&footnote(ちなみに後のニューヨークとなる、オランダの入植地ニューアムステルダムが設立された年でもある。)。 見所はクラックストーンにまつわる歴史的遺物が展示されている集会所、&bold(){アメリカ初の性別不問トイレ、魔女裁判ショー}など。 地域交流の日にウェンズデーはクラックストーンの謎に迫るべく、イーニッドと職場を交換し潜入&footnote(元々ウェンズデーが引いた職場は「ユーライアズ・ヒープ」なる剥製の骨董屋でイーニッドからドン引きされたが、エイジャックスもそこに割り振られたと知るやあっさりOKした。もちろん仕事内容にはドン引きしていたが……)。 ファッジ&footnote(イギリス発祥のキャラメルに似た菓子。ちなみに実際に生まれたのは入植の258年後なので、このテーマパークの欺瞞を象徴していると言えるだろう。)専門店で働く事になるが、彼女らしく&bold(){白人入植者の犯した罪や欺瞞}を語る宣伝で客を追い出していた。 &font(l){一方でユージーンはファッジをドカ食いしており、いじめた連中にゲロをぶちまけていた} 立ち入りを禁じられていた集会所にユージーンを利用して侵入した彼女は、クラックストーンの霊廟で幻視した少女の描かれた絵画を発見するのだった…… ・&bold(){コブハムの森の集会所} ピルグリム・ワールドで発見した絵画に登場する集会所を探している時、タイラーに教えられた場所。 既に廃墟になっており、ホームレスやジャンキーのねぐらになっているため、かなり危険な場所。 そこで見た幻視は、自分の先祖とクラックストーンの因縁にまつわるものだった…… ・&bold(){ジョセフ・クラックストーン} ローワンの母が描いた予言の絵の片方に描かれていたピルグリムの長。 その絵では学校の中庭に立っており、ウェンズデーと対峙するような構図になっている。 ジェリコの町の創設者で町民からはとても尊敬されているが、その実態は土地を奪い、異端や先住民を徹底的に迫害した典型的な侵略者。 その恐ろしさは、ウェンズデーが幻視で姿を見た時に初めて恐怖の感情を抱かせた程。 新たな銅像の落成式の時には[[復讐]]のため、像の立つ噴水の中にガソリンを混ぜて&bold(){&color(red){炎上}}させた。 皆が逃げ惑う中、ウェンズデーは不敵にチェロでヴィヴァルディの「四季~冬」を演奏するのであった…… #openclose(show=ネタバレ){ 第5話のラストで、校内に炎で&bold(){&color(orange){「炎の雨が降る」}}の文字が浮かび上がる。 さらにゲイツ邸に侵入した時クラックストーンの祭壇を見つけるが、そこにも&bold(){&color(orange){「我が蘇る時、炎の雨が降る」}}の文字が…… その立場は&bold(){本作の[[ラスボス]]}であり、ローレルの計画により遂に復活。 のけ者を滅ぼすという目的の元学園を襲撃し、火の海に変えていくが、ウェンズデーの活躍により弱点の心臓を刺され、今度こそ永久に葬られた。 } ・&bold(){グッディ・アダムス} ウェンズデーの幻視に度々警告するかのように現れる、アダムス家(父系)の先祖に当たる少女。 第一世代の開拓民のメキシコ人で、ベラドンナ・クラブの創設者。 先住民とも仲良く共存していたが、クラックストーン率いるピルグリム達が現れた事で魔女裁判にかけられ、火あぶりの刑に処される事に。 そこから脱した後、クラックストーンに復讐を果たしたが、強すぎる復讐心により身を滅ぼしたという。 果たして、「あなたが鍵となる」の言葉の真相とは? #openclose(show=ネタバレ){ 彼女はクラックストーンを殺しただけでなく、ある呪いもかけていた。 それは、彼の棺にグッディ自身の直系の子孫にしか解けない封印をかける事だった。さらにそれを開けられるのはブラッドムーンの夜のみ。 つまり、彼女の言う鍵とはクラックストーン復活のための鍵ということであり、ローレルにとって、ウェンズデーの転校は千載一遇のチャンスだったわけである。 クラックストーン復活後、何とか拘束を解いたウェンズデーだったが、彼に刺されてしまう。 生死の境をさまようウェンズデーだったが、その元にグッディが現れ、自身を取り込ませる事で命を救った。 } ・&bold(){ゲイツ家} ジェリコで絶大な権力を持っていた名家。 しかし、32年前の事件で長男のギャレットが殺されて以降、一家は崩壊の一途を辿っていった。 母は首吊り[[自殺]]、父アンセルは酒浸りで早死に、身寄りのなくなった妹ローレルは船で海外に送られる途中で溺死したという。 アンセルは学園の土地は200年前に先祖から盗まれたものと主張、のけ者達を激しく憎んでいた。 #openclose(show=ネタバレ){ 第6話では、グッディから指示を受けたウェンズデーが仲間達と共に廃墟化した邸宅へ潜入する。 すると、ローレルの部屋には人が住んでいたかのような痕跡が。 他にも、被害者の体の一部を切り取った標本の数々が見つかったり、ローレルの部屋にあったオルゴールからウェンズデーの写真が発見されたりする。 第7話では、実際にはローレルの遺体が見つかってない事が明らかに。 さらに邸宅は昨年90歳の女性が購入したが謎の死を遂げており、介護士の「&ruby(Teresa){テレサ}・L・&ruby(Glau){グラウ}」なる人物が相続したという。 それは&ruby(Laurel){ローレル}・&ruby(Gates){ゲイツ}のアナグラムだった。 つまり彼女は生存しており、名前を変えてジェリコに戻って来ていた。 &bold(){……一族を滅ぼした者達への復讐のために。} } ・&bold(){怪物} ネヴァーモア学園やジェリコ周囲の森で出没する怪物。 犠牲者からは何故か体の一部が切除されており、そのため正体は人間ではないかと疑われている。 #openclose(show=ネタバレ){ フェスターおじさん曰く、その正式名称は&bold(){「ハイド」}。名前の由来は二重人格をテーマにした古典『ジキルとハイド』から。 のけ者コミュニティの記録者ナサニエル・フォークナーの日記によると、芸術家肌だが、邪悪で執念深い性格。 その名の通り、[[トラウマ]]や化学薬品、催眠療法などで怪物に変身してしまう人間の事を指す。 また、その本性を解放した人間に主人として仕える習性があり、どんなに極悪非道な命令でも実行する道具となる。 フォークナーは長年彼らを研究しており、無意識に殺すのか、自分の行動を認識しているか調べていたが、結論が出る前にハイドに殺されてしまった。 彼の研究を引き継ごうとした者達もいたが、その危険性により30年前に研究は禁じられ、彼らは追放された。 なお、その風貌はギョロ目でどこかチープな造形であり、&bold(){&color(purple){バートンの趣味を感じさせるデザインとなっている}}。 } **登場人物 ---- ***【アダムス家】 ・&bold(){ウェンズデー・アダムス} 演:ジェナ・オルテガ / 日本語吹替:遠藤璃菜 ご存じ、お化け一家アダムス家の長女。 名前の由来はマザーグースの『水曜日に生まれた子は不幸』からだが、実際の生まれは[[13日の金曜日>13日の金曜日(映画)]]。 文武両道の優等生ながらも、その性格は冷徹にして危険。&bold(){口を開けば語彙力キレッキレの皮肉が飛び出し}、何があっても決して折れたり媚びたりしない孤高の少女。 その分人間の感情に疎い所があり、周りを利用するかのような言動で傷つけたり、危険な目に遭わせたりする事も少なくない。 しかし、イーニッドと衝突した時は流石に少し落ち込んでいた他、ハンドが何者かに刺されて死にかけた時にはいつもの冷静さが嘘のように取り乱し、涙していた。 このように、学園生活を経て感情を見せる事が多くなっていくのは見所の一つ。 実際、周りからも何だかんだで認められており、サプライズの誕生パーティーを開いてもらえるほど。 もっとも、本人の性格が性格なのでうんざりしていたが…… 色彩アレルギーを持つため、制服は黒とグレーの特注品&footnote(通常の制服は紫と黒のストライプ。)。相部屋のステンドグラスも「虹のゲロに耐えられない」と、半分色を剥いでしまった。 趣味は探偵小説『&ruby(ヴァイパー・デラ・ムエルテ){死の毒蛇}』の執筆だが、アナログ派でタイプライターで書いている。 とはいえ、イーニッドにPCの使い方を教えてもらったりしている辺り、必ずしもテクノロジーに否定的というわけでもない模様。 チェロも得意で、第1話でローリング・ストーンズの「黒くぬれ!」を演奏する場面は必見。 運動神経も良いほうで、フェンシングや弓術・カヌーの操作もこなし、ケンカの際も複数の男子を一人で瞬殺するほど強い。 また、学園に来る2~3か月前から触れた対象の残酷な過去や未来が見える能力を持つようになったが、その発動は不安定で家族にも打ち明けていなかった。 曰く「電気ショック療法に似てるけど、あんな素敵な余韻がない」。 この能力を知った母は、強い幻視能力を持つ分正しく鍛えないと正気を失う事と、その訓練には先祖グッディの協力が必要である事を教えるのだった。 第1話での制服姿を始め、カヌーチームの服装やファッジ販売時の衣装など各エピソードで様々な姿を見せてくれる。&font(l){ほとんどの場合、本人は嫌々着ているが……} #openclose(show=ウェンズデー語録){ 「SNSは意味のない承認のために魂を吸い取られる」 「“知っていることを書け”という言葉が私は嫌い。そんなの想像力不足の言い訳だ。でも現実がねじ曲がったミステリーの場合は……試してみるのもいいかもしれない」 「もう一度聞いたら命を8つに減らすよ?」 「素人が誘拐なんて100年早い」 「私の悲鳴を聞いても気にしないで。多分楽しんでいるだけだから」 「彼女(メアリー・シェリー((小説家。19歳の時に『フランケンシュタイン』を執筆した。)))はヒーローで宿敵。私にはあと3年マイナス1日ある」 「人が悪の道を選ぶのは、それを幸せだと誤解するからである。このシェリーの言葉は、善意に見せかけて悪事を働く校長のような人を指している」 「虹を見てムカついたり、ポップソングを聴いて耳から血が出るたびに、あんたを思い出す」 } ・&bold(){ゴメズ・アダムス} 演:ルイス・ガスマン、ルシアス・ホヨス(学生時代) / 日本語吹替:辻親八 ウェンズデーの父。 モーティシアとはいつもラブラブだが、娘からはウザがられている。 しかし、ドノバンによると実は&bold(){&color(red){殺人容疑}}をかけられた過去を持っているらしいが……? なお、伊達男な映画版を知っていると「役者のイメージが違う!」となるかもしれないが、原作に近いのはこちらである。 #openclose(show=ネタバレ){ 当時の捜査資料が発見され、32年前にギャレット・ゲイツ殺人の容疑をかけられた事は事実だった事が明らかに(身の潔白こそ証明されてはいたのだが……)。 参観日というタイミングで、当時この事件を担当していた検視官が&bold(){自殺}。 さらに、この事件の嘘の報告書を書いた事を苦にしていたという遺書が見つかったために遂に証拠が揃ってしまい、ドノバンに逮捕された。 父が言うには、ギャレットはモーティシアに親切にされた事から惚れ込み、[[ストーカー]]化。 警察にも相談したが、ジェリコ一の名家出身だったため不問に。 そしてレイヴンの日にモーティシアと共に外にいた時、校内に忍び込んだギャレットに襲われた。 嫉妬と憎しみで暴走したギャレットはモーティシアでも止められず、とっさに落ちていた剣で刺し殺してしまったのだという。 その語りは誠実だったが、その細かい仕草や状況に不信感を感じたウェンズデーは父の無実を信じて奔走する。 } ・&bold(){モーティシア・アダムス} 演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、グウェン・ジョーンズ(学生時代) / 日本語吹替:深見梨加 アダムス家の女家長で、ウェンズデーの母。旧姓はフランプ。 学生時代はフェンシング部の部長、闇プロムの女王、霊媒協会の会長と様々な肩書を持ち、ポー・カップでは4度の優勝経験を持つ。 絶賛反抗期中の娘にどんなに毒づかれても動じず、母子の絆の印として「W(M)」のイニシャルの入ったお守りを渡す。 これに使われている黒曜石はアステカの僧侶が儀式に使ったもので、霊を呼び寄せる強い力を秘めるという…… また、娘と同じく幻視能力を持つが、見える内容は対照的にポジティブな内容なのだという&footnote(ポジティブな幻視は「ハト」、ネガティブな幻視は「カラス」と呼ばれる。)。 #openclose(show=ネタバレ){ ゴメズに容疑がかけられていた32年前の殺人事件の真相、それは&bold(){彼女自身がとっさにギャレットを刺した}というもの。 その後、彼女を守るためにゴメズ自ら罪を被ろうとした事が明らかにされた。 母の話からウェンズデーはギャレットの様子に違和感を抱き、彼の墓を暴いて調べようとするが、警察に見つかり留置所にアダムス一家勢揃いになってしまった。 こんな状況でも夫婦は再会できてラブラブ状態の中、ウェンズデーは抜かりなくギャレットの指を拝借しており、真の死因はベラドンナの毒である事を見抜いた。 そしてここで彼女の幻視が発動。 それは、父親から生徒を皆殺しにする事を命じられたギャレットは、毒をレイヴンの飲み物に混ぜようとしたが、誤ってその小瓶を割って毒を身に浴びた結果、狂死したというものだった。 この事実を知ったアダムス一家は、当時を知るウォーカー町長の元へ直談判へ行くのであった。 } ・&bold(){パグズリー・アダムス} 演:アイザック・オルドネス / 日本語吹替:永竹功幸 ウェンズデーの弟。 ナンシー・レーガン高校にて、水球部の生徒から縛られた状態でロッカーに閉じ込められるといういじめを受けていた。 これを知ったウェンズデーは「私の弟をいじめてもいいのは私だけなの」と、&bold(){&color(red,lightskyblue){プールにピラニアを放ち殺人未遂}}という、初っ端から強烈な報復をかました&footnote(この場面で流れた曲は、クリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』でも使われたエディット・ピアフの「水に流して」。皮肉が効きすぎている……)。 &font(l){ちなみに1人はタマを失いましたとさ} この事件によって、ウェンズデーはネヴァーモア学園に転校してくる事になる。&font(l){そのせいで姉の水責めの拷問がなくなって寂しいらしい……} キンボットが置いておいた室内香のポプリをおやつだと思ってゴメズと食べたり、手投げ弾で魚釣りしたりと自由気まま。 ・&bold(){フェスター・アダムス} 演:フレッド・アーミセン / 日本語吹替:落合弘治 第7話で登場した、ウェンズデーの伯父。手から電流を流す力を持つ。 いつもは鉄面皮のウェンズデーも、再会した時は満面の[[笑み>笑顔]]になるほど心を開いている。 ネヴァーモア学園には学力が足りなくて入学出来なかったが、弟のゴメズにはよく会いに行っていたという。 その生き方は自由人……というかかなりのアウトローで、ハンドと共に金庫破りをやったり、&bold(){触法精神障害者の施設でロボトミー手術を受ける事にハマったりしてた}らしい。 そして彼曰く「40年前にも怪物と遭遇した経験がある」という。 ・&bold(){ハンド} 演:ビクター・ドロバントゥ 両親からウェンズデーのお目付け役として送り込まれた「手」。 お気に入りはオレンジとベルガモットの香りのハンドローション。「ペット」と言われると怒る。 物陰からその様子をうかがっていたものの、その匂いで彼女にあっさり見つかり、事件の謎解きのために働かされる事に。 実際、映画版同様大変有能で、要所要所で大活躍する。 また、従来のハンドとは違いツギハギとなっており、&bold(){&color(purple){バートンの趣味を感じさせるデザインとなっている。}} ***【ネヴァーモア学園関係者】 ・&bold(){イーニッド・シンクレア} 演:エマ・マイヤーズ / 日本語吹替:天野心愛 ウェンズデーのルームメイトになった、毛皮族出身の少女。 アイスホッケーのシャークスのファンで、好きな映画は『ドラゴンへの道』。 カラフルなものが大好きで、様々なSNSを使いこなして学園の情報を発信するいわゆる陽キャ。自分を監視していたハンドと仲良くなったりもした。 しかし、毛皮族でありながら爪を長く伸ばす事しか出来ず、専門家からも一生変身出来ない可能性を宣告されたため、人知れずコンプレックスを抱えていた。 意外と怖がりな部分もあり、ウェンズデーが調査の過程で集めたグロ写真を見せられた時は失神したほど。 一方で、母親からは狼化のためのキャンプに行く事を押しつけられそうになっても、「いつ変身するかは自分で決める」と言い切る芯の強さも見せている。 このように、ウェンズデーと対照的な性格からお互い初見時の印象こそ最悪だったが、 ・彼女の個性を認め、苦手なことは無理強いしない ・好みのカラーに合わせた誕生日プレゼントを贈る ・ウェンズデーのわがままに振り回され、ケンカして部屋を去った後も彼女のことを気遣う ・そして最後はウェンズデーの元に戻る ……など、とにかくいい子。 #openclose(show=ネタバレ){ 最終話にて遂に[[狼>オオカミ]]への変身能力に目覚め、ハイドに襲われていたウェンズデーの危機を救った。 事件解決後、それまでハグが苦手だったウェンズデーが彼女にハグする場面は&bold(){本作の涙腺崩壊ポイント。} } ・&bold(){ビアンカ・バークレー} 演:ジョイ・サンデー / 日本語吹替:高梁りつ 鱗族出身の「女王蜂」。 セイレーンらしく声で相手を操る能力を持ち、クラブ活動ではコーラス部に所属。 イーニッド曰く「最も高貴な方」だが、学期の初め頃にゼイヴィアに振られた事で没落しかけている。 それでも実力は高く、ウェンズデーからフェンシング勝負を挑まれた時は返り討ちにしている。 一方で、別れたゼイヴィアについては未だに未練がある様子。 レイヴンではよりを戻したかのように見えたが、結局ウェンズデーの件で再びケンカしてしまう。 そしてウェンズデーに、本当に誰かに好かれているのか分からない事や、ゼイヴィアを信じられなかった事への悩みを打ち明けるのだった…… #openclose(show=ネタバレ){ そんな彼女の最大の天敵は母のガブリエル。 彼女はカルト団体「モーニング・ソング」の主催で、セイレーンの力を利用する者と再婚していた。 この学校に来たのも家族から逃げ出すためだったのだが、「女王蜂」の地位に上り詰めたのはそのセイレーンの力によるものだった。 セイレーンとしての力が弱まりつつある母は、「戻らなかったらその秘密をバラす」と脅迫。 しかし、最後は学年末まで留まる事を求め、「手伝い終わったら絶縁する」と告げるのであった。 また、本名はブランディ・ジェーンだったが、母への反発から別の名を名乗っていた事も明らかとなった。 最終話ではセイレーンの力を活かして崩壊の危機に陥った学園から生徒達を避難させたり、クラックストーンと戦うウェンズデーをアシストする活躍を見せた。 } ・&bold(){ゼイヴィア・ソープ} 演:パーシー・ハインズ・ホワイト / 日本語吹替:熊谷健太郎 ビアンカの元カレで、描いた絵を動かす能力を持つ。クラブ活動ではアーチェリー部に所属。 別れた理由は、操られる事に耐えられなくなったからだという。ビアンカ曰く「それは誤解」だというが…… 幼い頃のウェンズデーを知っており、落ちてきたガーゴイル像が直撃しそうになった彼女を助けた。 助けた理由は、10歳の時祖母&footnote(字幕では代母。また、ウェンズデーの祖母と共に若い頃は詐欺師としてヨーロッパ中を荒らしまわったらしい。)の葬式でかくれんぼをしていた所、祖母の棺に入ってあわや生きたまま火葬されそうになったのを救われた借りなのだという。 父親は有名な超能力者で、パグズリーも大ファン。 そのため彼女の幻視能力にも勘づいており、超能力は論理に根差してないとし「見えた事が全てじゃないから幻視は鵜呑みにするな」「正直、感情は君の長所じゃないだろ?」と忠告する。 が、首元にフェンシングのものと思えない傷跡があるのを見られた事を切っ掛けに、 アトリエに大量に怪物の絵があった事や、タイラーが負傷し助けに行こうとした絶妙なタイミングで現れたりした事で、連続殺人事件の容疑者として見なされていく。 怪物の絵を描いていた理由はその悪夢を頭の中から追い出そうとしていたためで、首筋に傷跡があったのも描いた怪物に襲われたためにできたものだというが…… #openclose(show=ネタバレ){ ウェンズデーが怪物ハイドの習性を知った事や、彼がキンボットと密会していた場面を見られた事から完全にクロ認定される。 さらにアトリエ内部に被害者の持ち物があった事から、遂に逮捕されたが……直後に真犯人の存在が明らかに。 つまり、&bold(){純粋に彼女の事を思って行動していたのに、ことごとく不信感を抱かれた挙句冤罪を着せられた事になる。}あまりにも不憫である。 事件解決後は無事に釈放され、留置所での非礼を詫びたばかりか、彼自身の電話番号入りのスマホまでプレゼントする心の広さを見せている。 &bold(){……これだけの目に遭ってもここまで出来るとは、もはや聖人の域と言っていいだろう。} } ・&bold(){ローワン・ラスロー} 演:カラム・ロス ビアンカにフェンシング勝負を挑んでいた男子学生。喘息持ち。 イーニッド曰く「陰キャのぼっち」で、ゼイヴィアのルームメイト。 のけ者の学園でものけ者になってしまった事を悩んでおり、似たようなタイプのウェンズデーに共感していた。 しかし感謝祭の日、ジェリコから脱出しようとしていたウェンズデーは&bold(){&color(red){彼が殺害される未来}}を幻視してしまう。 #openclose(show=ネタバレ){ 自らが見た幻視を伝えようとするウェンズデーだが、何故か彼は念動力で彼女を攻撃し始める。そして、ガーゴイル像を落としたのも彼だった。 曰く、25年前に母が描いた絵にウェンズデーらしき少女が描かれており、&bold(){その子は学園の全てを破壊すると予言された}ため命を狙ったのだという。 が、その時。幻視通りに怪物に襲われて殺害されてしまった。 &bold(){……怪物の行動はまるで、ウェンズデーを助けようとしているかのようだった。} この件で予言の絵を手にしたウェンズデーは、学園や一族の真実を知るべく本格的に動き出すのだった。 ……しかし、第2話では&bold(){全くの無傷の姿で彼女の前に現れた}。 さらに翌日、校長から退学した事が告げられる。 学園から去っていく彼をハンドに尾行させるが、バーリントン駅のトイレで撒かれてしまう。 ……実はその正体は、変身能力を持つウィームス校長だった。 その後、ウェンズデーは森の中に彼の眼鏡が落ちているのを見て、事件が隠蔽されたと確信。 また、ゼイヴィアからも彼と連絡が取れなくなっている事を聞かされる。 ……そして第5話で、ウィームス校長によりその死が隠蔽された事が明らかになった。 } ・&bold(){エイジャックス・ペトロポラス} 演:ジョージー・ファーマー / 日本語吹替:野津山幸宏 石族出身の学生で、イーニッドが思いを寄せている。 見た相手を石にしてしまう能力のため、普段はニット帽を被っている。 その危険性から他者と関われない種族出身故に、奥手で鈍感な性格だが、イーニッドと共に「ユーライアズ・ヒープ」で働いた事により、初めてデートのお誘いを受ける。 ところがデートの前にシャワーを浴びた後、誤って鏡に映っていた自分の姿を見てしまい[[石化]]。 おかげでデートをすっぽかす事となり、イーニッドは深いショックを受けるのだった…… この場面では各々の人間模様がシリアスに描かれているだけに、&bold(){彼のうっかりが際立つ形になっている。} #openclose(show=ネタバレ){ レイヴンでの惨劇の後、ルーカスに裏切られた挙句、ピルグリム達に絡まれていたイーニッドを助ける。 その時自身がデートに行けなかった理由を打ち明け、無事よりを戻す事が出来た。そして晴れて立派なカップルになりましたとさ。 } ・&bold(){ユージーン・オティンガー} 演:ムーサ・モスタファ / 日本語吹替:永竹功幸 養蜂部の創立者の生徒で、自らのクラブを&bold(){&color(black,#fcc800){「ブンブンズ」}}と呼んでいる。 両親は母親2人の同性カップル。 部員や友人は誰もおらず、「選ばれし者の部活だ」と呼んでいたが、ウェンズデーとイーニッドが来た時は心底嬉しそうな様子を見せた。 こんな立場だが、相手から振り向いてもらえる可能性がわずかでもあれば決して諦めない健気な性格。 ウェンズデーからも「あなたや私はみんなとは違うの。自分を持ってて、思春期の吹き溜まりの中ではどうしても浮いてしまうけど、バカな通過儀礼なんかなくてもブレずにいられる」と、&bold(){珍しく好意的に評価されている}。 クラブの創立者だけあって養蜂[[オタク]]で、知識を語りだすと止まらなくなる。さらに吹き替え版でのセリフ回しは必見。 #openclose(show=ネタバレ){ 第4話でゼイヴィアの怪物の絵を見せた時、そこに描かれていた洞窟は彼が標本採集のために訪れた事のある場所だった。 調査に向かうと、怪物の存在する証拠となる爪を発見。さらにウェンズデーは洞窟に2人で張り込んで怪物の正体を突き止めようとしていた。 ……が、ハンドがタイラーにレイヴンへのお誘いの手紙を送った事でダブルブッキングに。 「洞窟の張り込みに向かうのは明日にしよう」とウェンズデーから言われたが、結局1人で洞窟に向かってしまう。 そこで何者かによって洞窟が燃やされるのを目撃。 さらにウェンズデーが彼が怪物に襲われる幻視を見た事で駆けつけるも、あと一歩及ばなかった……((この時は大声で彼の名前を呼びながら森を全力疾走していた。)) その後一命は取りとめたものの、昏睡状態に陥ってしまい、鉄面皮のウェンズデーも胸を痛めていた。 しかし、最終話では無事昏睡状態から回復。 ウェンズデーにハイドを操っていた人物の決定的な証言をして事件解決の糸口になったり、イーニッドに黒幕の存在やウェンズデーの危機を伝えたり、 さらに最後の悪あがきとしてウェンズデーを殺そうとしたローレルに蜂の群れをけしかけて足止めするという、&bold(){それまでの鬱憤を晴らすかのような大活躍を見せたのだった}。 } ・&bold(){ラリッサ・ウィームス} 演:グウェンドリン・クリスティー / 日本語吹替:きそひろこ ネヴァーモア学園の校長で、モーティシアとはルームメイトだった。 本来学期途中の編入は認められていないものの、ウェンズデーが成績優秀だった事やアダムス家と学園の長い付き合いもあって、特例を認めてもらったのだという。 彼女が問題児という事もあってガッツリと監視しようとするが、何度も何度も校則を破って楯突いてくるウェンズデーに手を焼く羽目に。 そしてモーティシアとの間にも因縁があるようだが……? #openclose(show=ネタバレ){ ポー・カップでは副キャプテン、レイヴンではゴメズを取られてしまうと、モーティシアの影に隠れた存在だった事が示唆されている。 また、32年前の殺人事件を目撃しており、当時保安官だったウォーカーに事件の発端となったのはモーティシアだと告げ口していた。 モーティシアは純粋に友人だと思って接していたのに、そのコンプレックスから結果的に彼女を危機に陥れる事になったのは皮肉である。 最終話では変身能力でタイラーに化けてローレルを阻止しようとするが、&bold(){毒を注射されてあっさり死亡。} ここから校長大活躍か?と見せかけてこの展開だったため、唖然とした人もいるとか…… しかし、学校や生徒を思う気持ちは本物であり、ウェンズデーからも「鬱陶しい人だった。でもタフで、本当にこの学校が好きで、そのために死んだ」と評された。 } ・&bold(){マリリン・ソーンヒル} 演:クリスティーナ・リッチ / 日本語吹替:小島幸子 オフィーリア寮の寮母で、植物学の教師。 寮生に合わせて歓迎の印の花をプレゼントしており、ウェンズデーの場合は「ブラック・ダリア」。 彼女も「大好きな未解決殺人事件の名前だから」とまんざらでもない様子だった。 また、&bold(){学園スタッフで唯一の普通の人間}であり、かなり苦労している模様。 演じたクリスティーナ・リッチは、映画版でウェンズデーを演じた女優。 つまり、新旧ウェンズデーの共演という事で、ニヤリとさせられることだろう。 また、バートン作品でも『[[スリーピー・ホロウ>スリーピー・ホロウ(映画)]]』に出演しており、元から縁があると言える。 #openclose(show=ネタバレ){ その正体は、死んだとされていた&bold(){ローレル・ゲイツその人。} 町中ののけ者を調べていた父から、ハイドを輩出していたガルピン家の事を知り、母親の正体という弱みを利用してタイラーを操っていたのだ。 彼を利用して、本性に勘づいたウォーカー市長やキンボットを殺害させ、ゼイヴィアに濡れ衣を着せ、真相に近づいた者達を次々に排除。 そして、ウェンズデーをクラックストーンの霊廟へと拉致。 その目的は、一族の先祖にしてのけ者最大の敵であるジョセフ・クラックストーンを復活させる事。 ピルグリム・ワールドから盗み出した魔導書『影の書』、犠牲者達の体の一部が6つ、そしてグッディ・アダムス直系の子孫の血…… 復活のカギは遂に全て揃ってしまった。そして復活するクラックストーン…… &font(l){先祖の横暴な姿には幻滅した様子だったけど} クラックストーンが撃退された後、最後の悪あがきでウェンズデーを殺そうとするが、ユージーンと彼女に制裁される。 &bold(){先祖代々に渡る復讐心と、のけ者への憎悪のために生きていた彼女の野望はこうして潰えたのだった。} } ***【ジェリコの町の人々】 ・&bold(){タイラー・ガルピン} 演:ハンター・ドーハン / 日本語吹替:岩中睦樹 風見鶏カフェの店員。ウェンズデーと同じくキンボットのカウンセリングにかかっている。 イタリア製のエスプレッソマシンが故障したところをウェンズデーに修理してもらった事で、学園からの脱出の手引きを依頼される。 この計画はローワンの事件で失敗に終わったものの、唯一怪物の存在を信じてくれた。 純情な性格でウェンズデーに惚れ込んでいくが、彼女自身その手の感情に疎いので散々振り回される羽目に。 しかし、ゼイヴィアは彼について何かあったらしく、ウェンズデーに再三「あいつには近づくな」と警告していた。 さらに父ドノバンとは死んだ母親の件で何かしらわだかまりがあるようだが…… #openclose(show=ネタバレ){ レイヴンにてウェンズデーが知った彼の過去、それはゼイヴィアの壁画を壊した事があるというものだった。 自分でもどうしてそんな事をしてしまったのか分からず、その後非行矯正キャンプに送られたという。 第7話では、前回で散々な結果に終わったデートのやり直しを求めてくる。 そこで遂に告白。後日めでたくファーストキスにまで至る。 するとその時、ウェンズデーの幻視が発動。 ……そして彼女は遂に真相を知る事になる。彼こそが&bold(){真のハイド}だったのだ。 彼の母親はネヴァーモア学園出身のハイドであり、父ドノバンはその症状が遺伝する事を恐れていた。 キンボット曰く「母親を喪った事が深いトラウマになっており、そのことに触れると豹変する」という危険な状態だった。 ゼイヴィアに冤罪をかけさせた件では「負けた気分はどう?」などと、口調は穏やかながらも遂にハイドとしての本性を覗かせるのだった…… 彼はローレルに利用され続けるうちにすっかり従順になってしまったのだ。 ウェンズデーがクラックストーン復活の儀式に使われた後、彼女を始末しようとするが、狼に変身出来るようになったイーニッドが阻止。 事件解決後は護送されるも……&bold(){再びハイド化}する場面で物語は幕を下ろす。 } ・&bold(){ドノバン・ガルピン} 演:ジェイミー・マクシェーン / 日本語吹替:増元拓也 タイラーの父で、ジェリコの保安官。 謎の殺人事件の犯人をネヴァーモア学園の生徒だと決めつけており、証拠が見つかるまでは熊の仕業にして隠蔽する事にしていた。 昔起きたギャレット・ゲイツ殺害事件の犯人はゴメズだと信じて疑わず、ずっと追い続けている。 当然、ウェンズデーは彼に睨まれる事になるが、彼女自身も事件解決のために協力を申し出たため、だんだんその働きを無視出来なくなってくる。 ・&bold(){ヴァレリー・キンボット} 演:リキ・リンドホーム / 日本語吹替:[[園崎未恵]] 法廷命令により、カウンセリングを受ける事になったウェンズデーを担当する臨床心理士。 性格的にカウンセリングと相性最悪のウェンズデーは当然反発しまくり、最初のカウンセリングでは脱走された。 その後も効果ははかばかしくなかったため、親子参観の日にアダムス一家全員でカウンセリングを受けさせる。 また、「ユーライアズ・ヒープ」の常連らしく、そこで色々な置物を購入している。 #openclose(show=ネタバレ){ 怪物ハイドの習性とローレル・ゲイツの生存を知ったウェンズデーにより、ローレルの正体だと見なされたが、ハイドに殺されてしまった。 &bold(){……ぶっちゃけこちらも冤罪である。}哀れ。 } ・&bold(){ノーブル・ウォーカー} 演:トミー・アール・ジェンキンス ジェリコの町長。 元保安官でドノバンとは旧知の仲であり、ウィームス校長から資金援助を受けている。 #openclose(show=ネタバレ){ 32年前の冤罪事件についてアダムス家が直談判に訪れた時、その真相を明かした。 ギャレットの真の死因も、その父アンセルが学生達を皆殺しにするよう命じていた事も、検視官に死因を捏造させたのも、町と学園の名誉のため――いや、自己保身のためだった。 この事件の1年後、彼は町長に当選。もちろん、これはゲイツ家の援助ありきのもの。 罪を暴かれた彼は「起訴は全て取り下げ、ゴメズを保安官の謝罪つきで釈放するように」という一家からの要求を飲まざるを得なくなったのだった。 第6話ではゲイツ邸から出てくる所をウェンズデーに目撃される。 この事件の黒幕に感づいた事をドノバンに連絡し、会いに行こうとするが…… その矢先に何者かにひき逃げされて瀕死の重傷に、さらに生命維持装置の管を抜かれて死亡してしまった。 その死後、彼自身がローレル・ゲイツについて、地域交流の日から調べていた事が明らかになる。 } ・&bold(){ルーカス・ウォーカー} 演:イマン・マーソン ウォーカー町長の息子。 ネヴァーモアの学生に対する差別意識バリバリで、仲間と共にウェンズデーやユージーンにちょっかいを出していたが、返り討ちにされている。 第4話では、何故かエイジャックスにデートをすっぽかされて傷心のイーニッドにレイヴンのお誘いをしていたが……? #openclose(show=ネタバレ){ 当然純粋にレイヴンを楽しみたいわけでなく、仲間達とレイヴンを台無しにする事を企んでいた。 が、父に迷惑がかかるからやめようと仲間を説得するも、止められなかった。 そしてレイヴンのクライマックス、&bold(){&color(red){スプリンクラーから真っ赤な血が噴き出し、会場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化したのであった……}} この下りは名作ホラー映画『[[キャリー>キャリー(スティーヴン・キング)]]』のオマージュとなっている。 &font(l){なお、ウェンズデー曰く「実際はペンキ」で豚の血は使われていなかった模様} しかしこの件でイーニッドとの交流をしていた彼は、のけ者達は本当は悪い存在ではないのでは?と考えを改め始めていた。 第6話では、罰として学園で奉仕活動をさせられていた所で、ビアンカと出会う。 その腕には「モーニング・ソング」の腕輪が…… 組織の実態を知っているビアンカは、今すぐ脱会するように警告。 その後、脱会した彼は似たような境遇にあるビアンカに、自分の悩みを打ち明けるのだった…… } **余談 ---- 〇劇中で圧倒的な目力を発揮しているウェンズデー。 ジェナ・オルテガのこの演技は、スタンリー・キューブリック監督の映画『シャイニング』のジャック・ニコルソンにインスパイアされたもの。 この瞬きをしない演技をタイラーと初めて出会う場面で見せたところ、バートンはいたく気に入り、&bold(){&color(purple){「この後も、瞬きはしないでほしい」}}と言われたという。 そのため、その後数週間にわたる撮影では、瞬きをしないように過ごしていたのだとか。 ちなみに演技のコツは、「顔の筋肉の力を全部抜き、眉間から見るようにする事」らしい。 〇本作のマスコットポジションとして活躍するハンド。 その自由自在な動きと細かい感情表現から一見全てCGに見えるかもしれないが、実はこれは“手”作業で作られたもの。 演じたピーター・ドロバントゥの本業はマジシャン。 デジタル処理で姿を消すためにブルーのボディスーツを着用し、机の下に潜って穴から手を出したり、床に這いつくばったりと、様々な場面で窮屈な体勢を強いられながら撮影に挑んでいた。 また、感情表現については毎回ドロバントゥと制作チームがその場で決めていたとのこと。 〇ハンドは作劇中外でもマスコットとして大活躍。 ニューヨークをお出かけして子供を泣かせたりスケボーしたり&footnote(出典:https://twitter.com/TimBurton_JP/status/1598150119907790851)、&bold(){&color(purple){バートンに(ケーキ製とはいえ)唐竹割りをかまされたり}}&footnote(出典:https://youtu.be/q_48s5HG8tI)と、微笑ましい姿を見せてくれる。 〇寮母役&footnote(完成版とは名前が異なり、タマラ・ノヴァクとなっている。)は元々『ゴーストワールド』のソーラ・バーチが演じる予定で、大部分の出番は撮り終えていたが、家族の病気のため、降板。 ちなみに『ゴーストワールド』で彼女が演じた役名は&bold(){イーニッド}である。 〇のけ者だけを集めてもその中でヒエラルキーが生まれ、再びのけ者になってしまう者がいるという部分も描いた本作。 実際、バートンは脚本に自分自身の過去を重ねており、 #blockquote(){&bold(){&color(purple){脚本を読んだ瞬間に学生時代の思い出が蘇ってきたんだ。}} &bold(){&color(purple){プロムに行った時のことや、学校が嫌いで、馴染むこともできなかった、あの時の気持ち。}} &bold(){&color(purple){変わり者として変わり者の集団の中にいてもやっぱり孤独だった。}} &bold(){&color(purple){それから、親の事や、セラピーや、あの頃経験したこと全部ね。}} &bold(){&color(purple){水球のシーンもあったけど、実は高校時代に水球をやっていたんだよね(笑)}} &bold(){&color(purple){そんな風に、学校や両親にまつわる奇妙で、ちょっと辛い、変な思い出がたくさん蘇ってきたんだ。}} } と語っている。 #center(){ &bold(){THE END?} &bold(){追記・修正は死ぬほど楽しいでしょう?} } 参考文献 [[アダムス・ファミリーの新ドラマ「ウェンズデー」について、わかっていることのすべて>https://www.vogue.co.jp/lifestyle/article/vanityfair-meet-the-new-addams-family-from-tim-burtons-wednesday/amp]] [[「ウェンズデー」のクセ強ダンスシーン、ウェンズデー役が自ら振り付けしていた>https://theriver.jp/wednesday-dance/]] [[「ウェンズデー」主演、クセ強ダンスシーン撮影中はコロナ感染中だった>https://theriver.jp/wednesday-dance-covid/]] [[一度も「まばたき」をしないように…『ウェンズデー』主演俳優が明かす驚きの役作り>https://news.yahoo.co.jp/articles/d749639819b28c9450084f3d59207c0d8c5621ce]] [[「ウェンズデー」劇中でウェンズデーがまばたきをしない理由とは?>https://theriver.jp/wednesday-no-blink/]] [[「ウェンズデー」ハンドの撮影風景、大変そう ─ 机にもぐったり床に這いつくばったり>https://theriver.jp/wednesday-hand-bts/]] [[「ウェンズデー」ティム・バートン、精神年齢は「14歳の女の子」ヒロインに投影した学生時代>https://www.cinematoday.jp/news/N0134161]] [[‘Wednesday’: Thora Birch Departs Netflix’s Addams Family Series For Personal Reasons>https://deadline.com/2021/12/wednesday-thora-birch-exit-netflix-addams-family-series-1234888017/]] [[Wednesday star came up with viral dance herself in just 2 days>https://www.radiotimes.com/tv/fantasy/wednesday-viral-dance-2-days-newsupdate/]] [[『ウェンズデー』がNetflixで最も視聴されたドラマシリーズ歴代第2位に>https://jp.ign.com/wednesday/64625/news/netflix2]] #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - アダムス乙女ゲードラマが面白くなるとは、すごい時代だ… -- 名無しさん (2022-12-07 11:45:10) - 映画版のアダムス家を求めるも1話脱落もあり得るけど、原作が同じなだけの別軸作品として割り切れば充分楽しめる。 -- 名無しさん (2022-12-12 16:50:43) - アダムスファミリーの項目でも書いたが、ウェンズデーの性格が高校生としてはかなりアレなので、それを受け入れられるかどうかで評価が大幅に変わりそう(俺は無理だった) -- 名無しさん (2022-12-20 07:25:18) - 祝:シーズン2配信決定! -- 名無しさん (2023-01-07 13:29:12) - ルーカスが仲間を止めようとしたのは父に迷惑がかかるからじゃなくてイーニッドと話すうちにこいつらべつに悪者じゃないんじゃ…?と気付いたんだと思ったが。 -- 名無しさん (2023-01-16 03:51:05) - 傍若無人で人の善意を簡単に利用して踏みにじることを厭わず反省も謝罪もしないのに何故か周りはついていくし惚れたりしてるのが意味わかんねえわ。映画版はまだチビだったしキャンプでの除け者仲間とは仲良かったようだから付いていくのはわかるのだか。 -- 名無しさん (2023-01-16 03:54:44) - ウェンズデーは正直探偵としてはへっぽこだけどあの目力だけで有能に見えるから不思議 -- 名無しさん (2023-01-16 06:14:31) - 2↑彼女の普通と周りの普通は違うからね -- 名無しさん (2023-01-16 07:10:24) - 探偵ものとして見たときわりかし彼女は本格派よりもハードボイルド派なことに驚いた -- 名無しさん (2023-01-18 22:31:38) - ウェンズデー(水曜日)に因んで水曜日のカンパネラとのコラボ動画がYouTubeで公開されてたね。ただこの動画、カンパネラの方のチャンネルでは好評なのにネトフリのチャンネルだと「色使いがウェンズデーへの嫌がらせ」だの「断ることも勇気」だの言われててなんでこんなにコメに差があるんだ!?って思った、 -- 名無しさん (2023-10-04 22:06:39) #comment(striction) #areaedit(end) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: