本作で出てくる用語一覧です。名前順に並べています。
読み仮名は名前順にならべるための暫定のもので作中に明示されているものではありません。
”ダブルコーテーション”内は原作より引用。()内はWEB版出典話数です。
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- あ行
- アウグステの服
- 青いドレス
- アキアヌ公爵家
- 悪について
- 新しい”人道的な”処刑装置
- アナリゼに対する悪口
- アナリゼに対する誉め言葉
- アナリゼの結婚装束
- アニェスのデート服
- アングラン
- アングランによるサンテネリ本土進攻作戦
- アングランの二大政党
- アングランの政権交代
- アングランの議会
- 「暗君の光と闇ー近世サンテネリ王宮を彩る王と王妃たちー」
- 不正(アンジュ)
- 大講堂(アンテアトル)
- イーザン
- イーザンの大聖堂
- イーザン会談
- イーザン大聖堂でのフライシュ3世の服
- 王国の島(イレン・サンテネリ)
- 王国の島教区(イレン・サンテネリ教区)
- イレンのお堂
- ヴァノー
- ヴェノン
- ヴェール
- エストビルグ宮(-ぐう)
- エストビルグ宮の貴賓室
- エストビルグ王ゲルギュ5世の服
- エストビルグ王国
- エネ
- 遠足(えんそく)
- オイルランプの灯柱(-とうちゅう)
- 大きな緑輝石をあしらった指輪
- 応接室でのアナリゼの服
- 応接の間
- 王と最後の会見の際のメリアの服装
- 王の器
- 王の執務区画に隣接した中規模の会議室
- 王の執務室
- 王の授業
- 王の私室
- 王の肖像(荒野の王)
- 王の証(おうのあかし)
- 王を見舞うアナリゼの服
- 王党史観(おうとうしかん)
- 王様係(おうさまがかり)
- 王妃の証(おうひのあかし)
- 王妃居住区画(おうひきょじゅうくかく)
- 王妃居住区画の応接室(おうひきょじゅうくかくのおうせつしつ)
- オルブル大宮殿
- オルリオ公爵家
- か行
- 国家親衛隊(ガール・サンテネリ)
- 海外領土
- 改革派
- ガイユールの魚紋
- ガイユール公爵家
- ガイユール館
- 学位授与式のレスパンの大判布
- 渇病
- 神の御裾
- ガリアール書店
- 大判布(カルール)
- 光の美術館(ガレ・ルミエ)(21期)
- 監察官
- 関税枢密院令第1号
- 関税枢密院令(素案)
- 寒波に伴う暴動
- 期
- 貴族家
- 旧市街
- 宮廷大臣
- 『共和国の守護女神』
- 共和都市
- 巨大なダイニングテーブル
- 勤王派
- 金の刺繍が入った黒い軍服
- グイヨン川
- 黒いサンテネリ国軍の略礼服
- 黒いドレス
- 黒のドレス
- 黒森の間
- グロワス13世からの「私信」
- グロワス13世の学校
- グロワス13世の教育方針
- グロワス13世の時計
- グロワス13世の葬儀
- グロワス9世校
- グロワス9世校の校章
- グロワス9世校卒業式での王の馬車
- グロワス9世校理工科
- グロワス大王
- グロワス大王(グロワス・グロー)
- グロワス9世校卒業式でのグロワス夫妻の服
- グロワス9世校学位授与式
- グロー
- 軍の組織
- 軍学校
- 群青色のドレス
- 下女
- 献辞
- コアラのぬいぐるみ
- 高貴な女性
- 高級ファッションブランドのブティック
- 口語表現を纏めた冊子
- 公爵
- 国王大権(こくおうたいけん)
- 黒色蛇旗
- 国民議会(こくみんぎかい)
- 国民史観(こくみんんしかん)
- 極秘シュトロワ再開発計画
- 穀物価格の上昇
- 小鳥の首飾り
- 5707
- 近衛軍
- 近衛軍の準礼装
- これまでのサンテネリの法整備
- 枢密院(コンシー・エン・サンテネリ)
- 枢密院の閣僚(コンシー・エン・サンテネリのかくりょう)
- 枢密院主催者(コンシー・エン・サンテネリしゅさいしゃ)
- 貴族会(コンシー・エン・シュルオン)
- 国王顧問会(コンシー・エン・ルロワ)
- 指導者(コントゥール)
- 大騒乱(コンフェルシオン・グロー)
- さ行
- 最近の生活で何か面白いと感じたこと
- 再度の王権委任の勅令承認のための貴族会の際のぼくの服
- 最初の王冠(さいしょのおうかん)
- サラスの戦い
- 三王会談(さんおうかいだん)
- サンテネリの大学
- サンテネリの政治勢力
- サンテネリの跪礼(-きれい)
- サンテネリ共和国(第1共和制)
- サンテネリ共和国(第2共和制)
- サンテネリ海軍
- サンテネリ王国初の法的正当性を持つ政府
- サンテネリ王家の負債額
- サンテネリ近衛軍(-このえぐん)
- 参与(さんよ)
- CHK
- 勇者徽章(シーニュ・クールール)
- 首相(しゅしょう)
- 首相宮の執務室
- 執務室付属のお茶室
- 弱者の演説(じゃくしゃのえんぜつ)
- 獣欲(じゅうよく)
- 盾上蛇紋(じゅんじょうじゃもん)
- 小グロワスのデート服(しょうぐろわすのでーとふく)
- 小グロワスの机(しょうぐろわすのつくえ)
- 小等学校最終期の歴史の授業(21期)
- 諸民族のうねり(しょみんぞく-)
- 初代枢密院内閣(しょだいすうみついんないかく)
- 初代枢密院閣僚(しょだいすうみついんかくりょう)
- 司令官(しれいかん)
- 白いドレス姿
- 白輝石の首飾り(しろきせきのくびかざり)
- 深紅のコート(しんく-)
- 親族贈与論的世界(しんぞくぞうよろんてきせかい)
- 新大陸独立戦争(しんたいりくどくりつせんそう)
- 新聞(しんぶん)
- シュトゥビルグ王国(-おうこく)
- シュトゥール・エン・ルロワ
- シュトロワ
- シュトー地方(-ちほう)
- シュバル公領
- ジュール・レスパンの手稿(-しゅこう)
- 『女王戴冠』(じょおうたいかん)
- 上半身を覆う紫色の大判布
- 『人文学の基礎としての理性の探究』
- (真)王妃の証(しんおうひのあかし)
- 随想(ずいそう)
- スーツみたいなヤツ
- 黒針鼠(スール・ノワ)
- 会堂(セアトル)
- 会堂(セアトル)の玉座
- 会堂(セアトル)入場時のぼくのいでたち
- 聖印の秘蹟授与(せいいんのひせきじゅよ)
- 聖印の秘蹟時のグロワス13世の服
- 聖印の秘蹟時のメアリの服
- 聖句典派(せいくてんは)
- 正教(せいきょう)
- 正教の守護者たる地上唯一の王国
- 正教新暦1731年8月、王と最後に会うレスパンの服
- 正妃居室(せいひきょしつ)
- 1742年暴動
- 1742年決起
- 戦費令(せんぴれい)
- 造園会社(ぞうえんがいしゃ)
- 双獅子紋(そうじしもん)
- ソー
- 祖国戦争(そこくせんそう)
- ゾフィの懐中時計(-かいちゅうどけい)
- ゾフィの腕時計(-うでどけい)
- た行
- 対アングラン大同盟
- 第一回アブラム招集
- 第二回アブラム招集
- 大回廊の勅令(だいかいろうのちょくれい)
- 大寒波(だいかんぱ)
- 大グロワス(人物)
- 大グロワス(時計)
- 大陸一の騎士(たいりくいちのきし)
- 民(たみ)
- 弾劾演説(だんがいえんぜつ)
- 弾劾演説時のゾフィの服
- 弾劾演説時のメアリの服
- 小さな物置
- 地上で最も美しい言葉
- 地方長官職(ちほうちょうかんしょく)
- 巷で流行る歌劇の第2幕
- 帝国(ていこく)
- 帝国大管長(ていこくだいかんちょう)
- 帝国宮(ていこくぐう)
- 偉大なる軍(デオン・グロー)
- 針鼠の巣(テリ・エン・スール)
- デルロワズ公爵家(-こうしゃくけ)
- 時計(とけい)
- ドリー婦人の服
- お世話(トレ)
- な行
- は行
- 勇者の宮殿(パール・クールール)
- 勇者の宮殿訪問時のぼくの服
- 勇者の宮殿訪問時のアナリゼの服
- 光の宮殿(パール・ルミエ)
- 光の宮殿の広大な庭
- 光の宮殿の敷地内にある小礼拝堂
- 光の宮殿一階大会議室
- 初の枢密院会議でのグロワス13世の服
- バ・モンフェルの18年
- 春の宮殿(はるのきゅうでん)
- バロワ
- バロワ伯爵家
- 半人(はんじん)
- 石(ピエ)
- 東蛮地の小娘(ひがしばんちのこむすめ)
- 光の大回廊
- 「人の自然に関する宣言」
- 人は、自由の刑に処せられている
- 深い青の衣裳
- 深紫の衣裳(ふかむらさきのいしょう)
- 付帯法院(ふたいほういん)
- フロイスブルの家族広間
- フロイスブル家
- フロイスブル家屋敷
- フロイスブル屋敷の書斎
- フロイスブル屋敷訪問時のバルデルの服
- フローリアが王に会いに行くときの服
- フロールの店
- ブシュオンの店
- ブラウネの侍女衣装
- ブラーグの工房
- ブラーグ社(21期)
- ブルテ地方
- ブルノー商会
- プロザン王国
- 葉っぱ(フュー)
- ぼくの旅行
- ぼくの日記
- ぼくの結婚式
- ぼくの結婚装束
- ぼくの腕時計
- ぼくの運動着
- ぼくの運動着にメアリがつけようとした勲章
- ぼくは欲情している。
- ボルデヌ
- ま行
- な行
- や行
- ら行
- わ行
あ行
アウグステの服
分類:ファッション 初出75話。明るい茶色の髪は結い上げている。日の光を浴びてやや明るさを増した深紅の布地に金糸で描かれた細かい文様が敷き詰められた、足首まで覆う貫頭衣。
青いドレス
分類:ファッション 初出17話。後見依頼時にゾフィが着ていたドレス。濃い茶色の髪によく合うロイヤルブルー。小鳥のネックレスをあわせていた。ガイユール大公は娘と国内関税権を手放すことに。
アキアヌ公爵家
分類:貴族家 初出12話。ガイユールと並んで広大な領地と富を占める。グロワス10世の正妃子がアキアヌ大公女を娶ってルロワ傍流となった。独自の歴史と文化を持ち、言語もシュトロワの標準語とは離れている。
悪について
分類:アイテム
個別記事
初出65話。ポルタ教授の推薦により正教新暦1716年の献辞奉納者に選出されたジュール・レスパンが執筆した献辞。”導き手コントゥール”、”大指導者コントゥール・グロー”ジュール・レスパンの処女論文。正式名称は『悪について ー人倫の起源としての”魔力”概念の欠如態仮説における社会構造の創建についてー』。のちにサンテネリ共和国小等学校教育課程の必修事項となる。
個別記事
初出65話。ポルタ教授の推薦により正教新暦1716年の献辞奉納者に選出されたジュール・レスパンが執筆した献辞。”導き手コントゥール”、”大指導者コントゥール・グロー”ジュール・レスパンの処女論文。正式名称は『悪について ー人倫の起源としての”魔力”概念の欠如態仮説における社会構造の創建についてー』。のちにサンテネリ共和国小等学校教育課程の必修事項となる。
新しい”人道的な”処刑装置
分類:アイテム 初出24話。「罪人に対しても人道的でありたい」との名目でぼくが内務卿に開発を指示した。ギロチン的なものか。絞首刑の装置という意見も。
アナリゼに対する悪口
分類:肩書 初出76話。”東方の悪鬼”、”蛮地の女”、”エストビルグ女の股下”(76)”
アナリゼに対する誉め言葉
分類:肩書 初出76話。”大陸一の淑女”、”エストビルグの至宝”、”神が創造された最大の美”(76)”
アナリゼの結婚装束
分類:ファッション 初出25話。くるぶしまで覆う純白の貫頭衣をベルトで絞り、背中合わせに配置された二頭の獅子の紋章が描かれた黒い大判布を肩口から緩やかに羽織る。帯剣はせず、ぼくのものよりも一回り小ぶりな金の冠を被る。
アニェスのデート服
分類:ファッション 初出96話。極薄手の羊毛地を鮮やかな薄紫で染色した衣裳。見事な漆黒の髪が持つ重さを和らげる。肩から緩やかに純白の大判布カルールを纏うことで彼女が生きる”狭間”の年頃を際立たせた。
アングラン
分類:国家 初出5話。イギリス風海軍国家。サンテネリの西海にある島国。首都はランデネム。大陸諸国の中で唯一、貴族による合議体制を法制化しており、内閣の決定をそのまま国家の行動とする。各国を操りサンテネリ王国にあの手この手でいやがらせをしてくる。
アングランによるサンテネリ本土進攻作戦
分類:イベント 初出88話。アキアヌ公領南部に位置する港湾都市ローシェをおとし大陸侵攻の橋頭堡とすることが目的。8000の兵と工兵部隊で要塞を無力化し港を占拠。後に2万の兵を断続的に送り込む計画。東に集中するサンテネリ軍を西海側に誘引することでプロザンへの圧力を緩和し、サンテネリ本土を挟撃するもくろみであったが、先遣の工兵隊は近代改修された要塞の奪取に失敗、遅れて上陸した陸軍は海軍の艦砲射撃援護を得られず壊滅し、作戦は悲惨な結末を迎えた。
アングランの二大政党
分類:組織 初出88話。王の親衛隊に端を発した陸軍は勤王派の勢力範囲。私的な武装海運業者を原点とする海軍は独立派に近い。土地と農業に力の源泉を置く勤王派は大陸諸国を割安な穀物の流入元、商売敵と見なす一方、独立派は自国製品を売りさばく市場と見なす点で対応に相違があるものの、大陸諸国の団結を妨げる意思では共通。
アングランの政権交代
分類:組織 初出88話。正教新暦1717年に締結されたサンテネリ・プロザン・エストビルグ同盟の関税協定により、アングラン製品が大きく販路を狭めたことへの不満を背景に独立派の力が大きくなる中で、アルバ公爵、実働を担ったトラフォード子爵らは勤王派内閣を維持し続けたが、サンテネリの海軍再建と新大陸交易再開を目指す動きが決定打となり人民議院選挙は独立派の勝利に終わる。貴族議院においても独立派議員の発言力が強まる中、政権は交代した。
アングランの議会
分類:組織 初出88話。貴族議院と人民議院で構成されており、勤王派と独立派の二大政党がアングランを二分。貴族議院は勤王派が多勢を占め、人民議院は流動的。人民議院は主に爵位を持たず、積極的に商業に加わり都市に拠点を置く地主達により構成されている。百年前には貴族議院の下僚に過ぎなかったが。今や、貴族議院と伯仲する”自分たちの意見”を持った機関となっている。急速に勃興しつつある都市部の富裕商人階層の意見を代弁する機関であり、商人地主であり商業貴族であるような人々が集う独立派の牙城。
「暗君の光と闇ー近世サンテネリ王宮を彩る王と王妃たちー」
分類:イベント 初出101話。正教新暦2015年、グロワス13世没後280年を記念した特別企画展。光の美術館(ガレ・ルミエ)でブラーグ社後援のもと開催。新しいグロワス13世像が世間に広まる契機となる。
不正(アンジュ)
分類:その他 初出77話。”だが、なぜこの世界には恵まれている者といない者が存在するのか。それは偶然なのか?偶然であれば仕方がない。それは不条理であり理性の範疇を超える。だが、理由があるのであれば、それは検証されねばならない。その理由が正当なものであるかどうか、綿密に、正確に。そして、理由に筋が通らないものがあるとすれば、それは不正(アンジュ)だ。不正は糺されなければならない。”
大講堂(アンテアトル)
分類:場所 初出79話。グロワス9世校の学舎の中で最も大きい部屋に対する学生たちの呼称。演台や備え付けの座席もない、約100人を収容できる広間。
イーザン
分類:場所 初出50話。サンテネリ北東部とプロザン西端の間に申し訳程度に突出したシュトゥビルグ王国の都市。ぼくがフライシュ3世と会見を行った。元々正教会の大僧卿管区として栄えた地方の中心都市。
イーザンの大聖堂
分類:場所 初出50話。ぼくとフライシュ3世の会見の舞台。創建された第8期当初のものを改修拡張してきたためか、名声に比べて大きくない。屋根のアーチを支える柱が縦長の室内に二列ならび、大扉から演壇へと続く花道の左右には木製の長いベンチの行が連なる。演壇背後の上方にはステンドグラスの絵画がかかる。絵の中心にはドレープが掛かった白い布とおぼしき図柄がどんと配置されていて、その右下に小さな人型が跪いて布の端を握っている。
イーザン会談
分類:イベント 初出53話。イーザン大聖堂においてグロワス13世とフライシュ3世の間で行われた密談。プロザンにシュバル公領の一部領有を公認することを明示し、三カ国の和約と対アングラン同盟を提唱。サンテネリはプロザンによるシュバル併合の補償として、シュトゥビルグ王国に対し持つ権益を放棄するとし、プロザン王の同意を取り付けた。
イーザン大聖堂でのフライシュ3世の服
分類:ファッション 初出51話。深紅の上着に黒い大判布をストールよろしく纏う。
王国の島(イレン・サンテネリ)
分類:場所 初出21話。ルロワ家領の古い雅号。
王国の島教区(イレン・サンテネリ教区)
分類:場所 初出21話。イレン教区。
イレンのお堂
ヴァノー
分類:場所 初出31話。バロワ家首府。ロワ河から少し離れた小高い丘の上に建つ首城は今から一千年近く昔に建築された旧時代の要塞。現在の市街地は城壁に囲まれた川沿いの平地エリアである。市街の周囲には多くの兵舎と広大な演習場が広がり、近衛軍の主力であるバロワ兵の訓練基地となっている。
ヴェノン
分類:場所 初出27話。エストビルグ帝国首都。帝国の中心都市。”重厚にして荘厳、まさに帝国の精神を体現したような都”。中央大陸東部を縦断する大河ドンヌの中流域に位置する。”諸民族のうねり”の最中、北西から川辺を伝ってこの地に居を定めた部族集団は自分たちの支配領域を「東の国(エストゥス・ベルグ)」と呼んだ。いち早く混乱期を脱し何らかの社会秩序を確立したレムル半島の諸都市、サンテネリや帝国西部に比して混乱は長引き、後進地域、あるいは蛮地とみなされた。初期(中期前半)はシュトゥビルグを代表とする西部諸侯が勢力を誇ったが、サンテネリ王国との戦争により徐々に疲弊。より東の「蛮族」たちと婚姻による協力関係を結ぶ。西部諸侯から先進文化を吸収した「東の国」は14期に「エストビルグ公国」となり、正教新暦1453年にはエストビルグ国王オテル1世が帝国皇帝に選ばれることでエストビルグ朝帝国が樹立された。以降250年以上にわたってヴェノンは大陸中部の中心地として繁栄を保ち続けている。
ヴェール
分類:その他 初出40話。ユニウスの剣の柄の中央に彫刻されている文字。「注ぐ」を意味する一般動詞だが、慣例的に”貫き通す”と解釈されている。
エストビルグ宮(-ぐう)
分類:場所 初出73話。エストビルグ王の住まいであり、王国政治の中枢である。帝国における「宮廷」とはこの宮殿と出仕者の総体を指す。
エストビルグ宮の貴賓室
分類:場所 初出75話。光の宮殿の建築様式に強い影響を受けて100年ほど前に新造された区画。黒羅紗張りの長椅子が設置。”大きな窓から取り入れられた陽光は白い壁に反射され室内を照らす。空中を舞う微小な埃が星の欠片のごとく漂っていた。”
エストビルグ王ゲルギュ5世の服
分類:ファッション 初出75話。マルセルが謁見した際の衣裳。平服。ほとんど装飾のない黒い衣装。胸元を締めた大判布には黒地に二頭の獅子が左右を睥睨する形、エストビルグ家の双獅子紋が白く描かれている。
エストビルグ王国
分類:国家 初出9話。オーストリアがモチーフ。帝国皇帝の家系。国土はサンテネリの半分程度。サンテネリとは不倶戴天の敵同士であったが、長女、アナリース・ヴォー・エストビルグとグロワス13世の婚約により和約を結ぶ。
エネ
分類:肩書 初出47話。血のつながりにかかわらず年長の相手に呼びかけるごく普通の言い方。妃達が互いに敬称を略すようになったあたりからゾフィがメアリやブラウネにたいして呼び始めた。”「アナリゼ姉様(エネ・アナリゼ)は、この間、雪のお庭に出ようとしたんですよ!」「あれは…その、私は雪が好きなので」(66)”
遠足(えんそく)
分類:イベント 初出60話。小等学校第5期のメアリが楽しみにしている体験学習。目的地は光の美術館(ガレ・ルミエ)。
オイルランプの灯柱(-とうちゅう)
分類:アイテム 初出42話。最近サンテネリに導入された最新の照明設備。以前はろうそくを用いていた。
大きな緑輝石をあしらった指輪
分類:アイテム 初出56話。グロワス13世を心配して訪れたマリエンヌの小ぶりな手にはめられていた指輪。
応接室でのアナリゼの服
分類:ファッション 初出66話。ゾフィのいたずらに付き合ってガイユール大公を迎えた際にアナリゼが着た衣装。”白地に小さな花の文様をちりばめた裾の長い貫頭衣。ルロワの大蛇紋が大きく刺繍された厚手の大判布カルールで上半身を覆っている。背の高い女性だ。””「サンテネリ北方の護り、その繁栄を広く大陸に知られるリーユの主たるガイユール大公殿、丁寧なご挨拶痛み入りましてございます。今後ともよしなにお付き合い下さいませ」”
応接の間
分類:場所 初出41話。光の宮殿の一室。王の執務室に隣接する。
王と最後の会見の際のメリアの服装
分類:ファッション 初出98話。くすんだ青の略軍装に身を包み、かつての母と同様、肩で切りそろえた金髪。
王の器
分類:その他 初出30話。”「ピエル殿は”王の器”というものが存在すると思われるか?」「陛下、私は謀反人ですかな?」”
王の執務区画に隣接した中規模の会議室
王の執務室
分類:場所 初出92話。”王の執務室はその住人が占める地位に比して、それほど豪奢ともいえない。見慣れた白地に金装飾の家具がいくつか。応接用の長椅子と低机が一つ。そして最奥には巨大な書物机が、これまた天井ぎりぎりまで続く硝子窓を背に置かれている。”
王の授業
分類:その他 初出85話。グロワス13世自らが行った授業。参加者3名。王太子グロワス、王子ロベル、そして王女メアリ・アンヌ。最年長15歳のメアリ・アンヌ。次に14歳のロベル、最後に13歳のグロワス。需要と供給。均衡価格。“新しい価値“の創出。会社組織の仕組み。銀行と株、債券といった経済活動の基礎などの現代理論を教えた。
王の私室
分類:場所 初出62話。”広い。規模に見合った巨大な暖炉はその存在感を存分に発揮しているものの、部屋の端まで熱気を届けることは叶わない。暖かいのは近くだけ。”
王の肖像(荒野の王)
分類:アイテム 初出60話。光の美術館2階にひっそりと飾られているポートレート。荒涼たる大地を背景に立つ男の肖像。金糸で縁取りされた黒い軍服を身につけ、腰には剣を提げ、左手を柄におき、右手を上着の合わせ目の中に入れた、痩せた緑色の瞳の中年男。金の髪を後ろに流し7分3分に固めている。タイトルは「グロワス13世(ロー・グロワス・トレージエン)」。その王の名はメリアが与えられた小等学校の教科書には載っていない。
王の証(おうのあかし)
分類:アイテム 初出27話。グロワス13世の腕時計についての説明を聞いたアナリゼの言葉。
王を見舞うアナリゼの服
分類:ファッション 初出99話。くるぶしまで覆う白い貫頭衣は腰帯で絞られ肩から緩やかに羽織った深紅の大判布には槍に貫かれた大蛇を模した刺繍模様。艶やかな茶の髪を結い上げている。
王党史観(おうとうしかん)
分類:その他 初出101話。神の意思を受けた王権の維持と拡大こそが人々を幸福に導くとする。ラースの16期の素朴な正教史観の近期的なバリエーション。共和国においてなお国民史観と併存する。王党史観の主役にはグロワス7世や11世、12世、そして流浪王グロワス14世、あるいは復古王ロベル3世を挙げる。
王様係(おうさまがかり)
王妃の証(おうひのあかし)
分類:アイテム 初出72話。腕時計。以前、グロワス13世がアナリゼに王の証と説明していたものをうけて。貴族会演説以来変貌した王との間に私的な関係を手に入れたいという思いにより、アナリゼは王に時計への興味を打ち明けた。
王妃居住区画(おうひきょじゅうくかく)
分類:場所 初出66話。中央大陸において後宮は存在しない。諸侯の力が強く、王が諸侯の首座に過ぎない時代が長かったため、妃達に与えられた居住区には多くの人間と応対するための応接室があるほか、簡易的な食事室も備えられている(84)。
王妃居住区画の応接室(おうひきょじゅうくかくのおうせつしつ)
分類:場所 初出66話。主応接室は王のものよりもかなり小さいが、それでも二十人近くが余裕を持って過ごせる広さ。中央に置かれた背の低い机と長椅子はルロワ家の象徴的な色合わせ、白地に金で装飾が施されている。椅子は赤い羅紗張。
オルブル大宮殿
分類:場所 初出73話。ドンヌ河の西岸に位置する都市ヴェノンの中核。エストビルグ王の居城であり皇帝の座所、またエストビルグと帝国双方の各行政機関までも包含する巨大な区画。サンテネリの光の宮殿(パール・ルミエ)に比較して圧倒的に巨大であり、面積的にはシュトロワ新市すべてと比するべき壮大さ。光の宮殿と同程度の規模を誇る宮殿を三つ包含する。
オルリオ公爵家
分類:貴族家 初出21話。グロワス13世の実母マリエンヌの実家。サンテネリ南東部に領地を持つ小領主。政治的存在感は皆無に近いが、乱立する小領主をまとめ上げたグロワス7世が正妃第三子を封じて創建して以来、ルロワ傍流最大の名門。領地としては街一つながら家格としては諸家を圧倒する「ルロワ王家のスペア」。
か行
国家親衛隊(ガール・サンテネリ)
分類:組織 初出38話。グロワス13世が思いついた近衛軍と黒針鼠部隊を完全に融合したサンテネリ国軍の精鋭部隊の名称。なんだか危険な響きがある。名実ともにサンテネリ陸軍の最精鋭連隊群だが完全な統合の道は遠い。初代?司令官はぼくの義理の父、旧近衛総監であるバロワ伯爵(50)。
海外領土
分類:場所 初出4話。サンテネリが介入している新大陸領土。アングランとの度重なる戦いで海軍がすりつぶされた結果、干渉不能の状態。二重戦争の結果すべて失われた。
改革派
分類:組織 初出108話。パルト・ヴェル・レフォルマシオン。国民会議で圧倒的な多数派を形成した派閥。大組織者ブルノー・ボスカルはシュトロワやリーユの商業資本家達のみならず都市労働者階級を取りまとめ、グロワス13世の死の直後サンテネリに帰還した大指導者ジュール・レスパンは、アキアヌ首相時代の潜伏を経て、グロワス14世の親政が始まる1738年以降大々的に活動を開始。貴族籍を利用してアキアヌ派閥を引き込み、1741年、初の国民会議においてシュトロワ選出議員として公的な地位を手に入れた。
ガイユールの魚紋
分類:その他 初出40話。青と白で四等分に塗り分けられた盾型。青地部分には黒い小さな点で魚の模様が配されており、ガイユールが海に向けて開かれた地方であることを表す(33)。
ガイユール公爵家
分類:貴族家 初出2話。サンテネリ北西部に超巨大な領地(ガイユール公領)を持つ貴族。諸民族のうねり後期に誕生し、サンテネリに臣従を誓うが実質独立国家。第9期以降幾度かの衝突の末、帝国と結んだルロワ家に屈服(66)。婚姻政策によりルロワ家に正式に臣従。海運、金融により莫大な収益をあげている。ブルゴーニュ公国がモチーフ。羊毛の紡績と織物業で知られる(87)。首府リーユ。
ガイユール館
分類:場所 初出6話。シュトロワの宮殿の一つ。ガイユール公がシュトロワに滞在する際の宿泊所。100年ちょっと前、ルロワの姫がガイユール公爵家に降嫁した際の持参金として贈られた。500人くらいが参加するパーティが開催できる。光の宮殿から徒歩30分程度に立地(40)。
学位授与式のレスパンの大判布
分類:ファッション 初出80話。黒無地の大判布。
渇病
分類:その他 初出95話。グロワス13世が罹患した病。患者が一様に喉の渇きを訴えることから付いた名。糖尿か。体内の汚れた血が行き場を失い身体中に充満するところから生じ、廃血は体内から身体を腐らせていく。大抵の者は実際に身体が腐敗する前に脳がやられて死に至る。患者達が水を欲するのは、本能的に汚れた血を薄めようとしているのだと考えられていた。標準的な治療法は、汚染された血を大量に抜き取る「瀉血しゃけつ」。
神の御裾
分類:その他 初出51話。正教において、神は「足」で表される。その足を覆い隠す長衣の裾。その側で裾布に包まれて憩いのときを過ごすのが人の幸福とされる。ゆえに挨拶の定型句は「神の御裾の元、ご健勝でいらっしゃいますか?」等となる。”原初的な「神」概念は、ひょっとしたら大木(たいぼく)がモチーフなのかもしれないね。”
ガリアール書店
分類:場所 初出110話。サンテネリの出版社。メリア・フロイスブル著『市民メリア』『18期サンテネリの家庭生活』『ブラウネ手稿読解』などを出版。
大判布(カルール)
分類:ファッション 初出2話。スカーフ。グロワス13世が侍従さんに巻いてもらう。貴族たちが昔首から肩にかけて巻いていた大振りのスカーフ由来の、ネクタイ的なもの。紋章がカッコよく見えることが重要らしい。
光の美術館(ガレ・ルミエ)(21期)
分類:場所 初出60話。サンテネリの偉大な歴史的建造物の中でも指折りの名所。世界でも五指に入る著名な観光地で、旅行客達が必ず訪れる。メリアも遠足で訪れた。
監察官
分類:肩書 初出29話。兵隊リクルートのため国庫が支出した資金の、連隊長による横領をふせぐための監視役。彼ら自身も往々にして買収される。
関税枢密院令第1号
分類:イベント 初出71話。王の反対により、素案最終三行を省いて成立した関税枢密院令。改革の速度と範囲に関して王と首相、財務卿は意見を異にすることが明白になり、後に「18期の内戦」と呼ばれるようにサンテネリ王国の政治を大きく揺り動かすこととなる。
関税枢密院令(素案)
分類:イベント 初出71話。「穀物及びその他生産物に対する領主関税徴収権期限付き凍結に関する枢密院令」。領主関税権の段階的廃止により、最終的には地方行政区自体の解体を目指す狙い。(新暦1716年?)4月下旬に財務卿ザヴィエ・エネ・エン・ガイユールにより議題に上げられ、徴税監察官の権限と配置について王と首相・財務卿らの間で論戦が行われた。
寒波に伴う暴動
分類:イベント 初出67話。大寒波による燃料用薪の価格高騰に伴う暴動。補助金が投入されたシュトロワ付近を除き、サンテネリ中部、南部を中心に二十以上の地域で、貧民から中層の市民が主体。燃料を扱う商会が主なターゲットではあったが範囲は拡大、政庁が襲撃された市さえも存在する。枢密院は軍と警察によって鎮圧したが、10万人程度の死者が出たとみられるが、凍死による死者数はそれを上回るとされる。
期
分類:その他 初出6話。第9期、等と使われる。世紀的な意味か。
貴族家
初出4話。サンテネリ王国王家。1500年程前に大陸全土を覆った混乱直後より諸家を束ね政治的文化的まとまりを形成した。
旧市街
分類:場所 初出57話。旧城、会堂等のある旧市街。都市防衛戦を意識した構造を残し、道はぐねぐねと細く蛇行し行き着く場所が分かりづらい。ある程度計画的に整備された新市街とは趣を異にする。
宮廷大臣
分類:肩書 初出36話。王家のお世話係。枢密院主催者である王に助言を行い補佐する役職。ちなみに宮廷予算も管轄する。
『共和国の守護女神』
分類:アイテム 初出82話。19期中葉に活躍した心情主義の大家エルナン・ヴィクトの代表作。王女メアリ・アンヌ・エン・ルロワ、または市民メリアがモチーフ。光の美術館(ガレ・ルミエ)の一階、巨大な近期絵画展示室に展示。第17期から19期にかけて描かれた世界的名作の中でも極めて著名な一枚で、展示室最奥に掲げられている。縦が成人の背丈ほどある、若い軍人の立像。灰がかった青地の軍装。腰には剣を佩き、左手が柄に添えられており、柄の終端についた翆貴石が鈍く光る。
共和都市
分類:国家 初出80話。諸民族のうねり以前、遙か遙か昔に存在したという。王を頂かない都市。
巨大なダイニングテーブル
分類:アイテム 初出56話。アキアヌ邸のダイニングテーブル。”これは大理石かな?黒と白の模様は偶然のもたらした最上の美だ。乳白色の地にのたうつ黒い筋と斑点。濃淡もまた、長い年月をかけてこうあるように形成された。”
勤王派
分類:組織 初出88話。アングランの政党。古くからの大貴族と地方の地主階層を支持母体とする。長くその首魁であったアルバ公爵は、都市と商人に対する伝手を求めて若いトラフォード子爵を引き入れた。
金の刺繍が入った黒い軍服
分類:ファッション 初出32話。サンテネリ国軍、黒針鼠士官の制服。ルエン閲兵式で登場。
グイヨン川
分類:場所 初出35話。ガイユール公領を流れる川。北に向かって下れば低地諸国に、南に上ればロワ河にと、二つの経済圏を結ぶ交通路として機能してきた。
黒いサンテネリ国軍の略礼服
分類:ファッション 初出20話。デルロワズ公が着用。無理なく身体に沿ったスーツ形状で、肩章の金糸が華麗さを添える。
黒いドレス
分類:ファッション 初出8話。無能な王の夜会にてメアリが着用。ブラウネのドレスより露出が控えめ。
黒のドレス
分類:ファッション 初出27話。結婚からほどなくグロワス13世が居室を訪れた際、アナリゼがまとっていた服。黒の生地に、細かいレースで作られた色とりどりの花飾りが腰周りを飾るドレス。肩からは薄手の大判布カルールを緩やかに纏う。
黒森の間
分類:場所 初出73話。帝国宮の小休憩室。三国同盟へのエストビルグの賛意を得るため同国を訪れたフロイスブル侯爵が招かれた、非公式を強調した少々手狭な内輪の部屋。帝国宮一階の中庭に面し、黒と見まごうばかりの深緑を基調とした壁面が、重く落ち着いた空気を醸し出す。
グロワス13世からの「私信」
分類:アイテム 初出75話。グロワス13世がゲルギュ5世に送った直筆の手紙。一読したゲルギュ5世はマルセルに王との面談を望んだ。
グロワス13世の学校
分類:組織 初出106話。グロワス13世治世下、「国立軍学校」「国立理工科学校」「国立行政学校」「国立土木学校」の4校が設立。既にあった「グロワス9世校」と合わせて、国家運営に必要な高等官僚を安定的に供給することとなる。21期サンテネリにおいてもこの5校は高等教育における最高位の存在として君臨。
グロワス13世の教育方針
分類:その他 初出84話。18期当時の通念に反し、強く叱り理非を伝えるのはよいが過剰な体罰は不要として、子ども達を殴打することを教師達に許さなかった。また本来であれば後継序列を明確にするために、幼時から呼び名でもはっきり区別を付けられるべき王の息子達が、(母同士の関係性に習い)互いを堅苦しい肩書きではなく「兄さん」「姉さん」呼びすることを許した。グロワス13世は週に一度、2時間ほどかけ、王の茶室にて子どもたちに直接講義を行っている。
グロワス13世の時計
分類:アイテム 初出11話。ぼくはデザインを気に入っているが、機械が見えないことだけ不満に思っている。”ケースに何の装飾も施されていないシンプルな金の本体。蓋をあけると美麗なギョシェ彫り。三針のスモールセコンド。あー、秒針が小さくて6時位置のちょっと上あたりについているやつね。”
グロワス13世の葬儀
分類:イベント 初出108話。1735年9月10日、シュトロワ近郊の大僧卿座”王国の島イレン・サンテネリ”聖堂において行われた。ルロワ王家を構成するおよそ全ての人々に加え、枢密院閣僚と各地方の有力貴族たちが参列。火葬。
グロワス9世校
分類:場所 初出65話。グロワス7世のレムル半島北部侵攻によりその大学文化を吸収した結果、サンテネリ国王グロワス9世によって設立された王立大学。学位授与の式典には王本人あるいは王族のしかるべき者が招かれる。サンテネリの主要都市に複数存在する王立校の中でもグロワス9世校は王本人の臨席回数が最も多い。サンテネリの主要都市にある王立大学の中でも、このグロワス9世校は最上の格式と評判を得ている。その名は国内に留まらず、レムル半島の絢爛たる大学群と伍するとの世評(79)。中央の庭をぐるりと3階建の校舎が四角く取り囲む、少々古い建築様式をもち、街路に面した正面棟の一階部分に正門が設置されている。(79)。
グロワス9世校の校章
分類:アイテム 初出79話。交差した筆記具の上に意匠化された王冠が描かれたもの。学位授与式で掲げられた。
グロワス9世校卒業式での王の馬車
分類:アイテム 初出79話。”白く塗られた車体のそれは、良好とはいいがたい視界の中にもよく映えた。”
グロワス9世校理工科
分類:組織 初出79話。サンテネリ枢密院により決定。来年度よりグロワス9世校に現状存在する神学科と人文学科に加えて、新しく設置される課程。基礎自然学と応用工学の専門家育成をデルロワズ家領の工学校から移管し、国家の管理下に置く。そしてゆくゆくは理工科学校として独立させることが目的。
グロワス大王
分類:その他 初出62話。マルセルの言葉。”「陛下は”国家”を創建される。剣を用いずに。ブラウネ、我々は大王(ロー・グロー)の治世を生きているぞ。そしておまえは大王にお仕えしているのだ」(62)”
グロワス大王(グロワス・グロー)
分類:その他 初出101話。”すべてが噛み合った時、「王冠の台座に過ぎない」とまで軽侮された男は一躍新たな装いを纏うこととなった。半ば独立国とも言える大公領の主と中小貴族たち、そして旧態然とした軍を強大な政治力で統御しつつ、一方では大指導者レスパンを心服せしめるほどの知性と開明性を誇る、多分に現代的な価値観を備えた男。軍制改革を皮切りに、枢密院の設置、平民階層の政治参加容認、全国統一税制の確立、貴族課税と、サンテネリが現代国家となるために必須のものである諸要素を生み出した男。その治世の立証し得ない部分を極限まで好意的に解釈した場合、グロワス13世に冠する称号は一つしかない。グロワス大王という。”
グロワス9世校卒業式でのグロワス夫妻の服
分類:ファッション 初出79話。黒い外套と付属の頭巾をかぶったグロワス13世。群青の外套と白く輝く傘を手に持ったゾフィ妃。ゾフィ妃の外套の下は深い臙脂の貫頭衣を腰帯で絞り、肩からルロワ紋が散らされた白い大判布カルールを纏っている。
グロワス9世校学位授与式
分類:イベント 初出79話。正教新暦1716年9月10日13時開催。霧雨。グロワス9世校の手狭な中庭にて開催。学監を筆頭に各講座の担当教授、学位を授与されることとなる50名ほどの学生および祝辞を述べるグロワス13世、その妻ゾフィが参加。
グロー
分類:その他 初出51話。「偉大な」を意味するサンテネリ語。グロワスという名前もグローから派生している。直訳すれば「偉人」。
軍の組織
分類:肩書 初出29話。連隊長の下に士官、下士官、兵。連隊長に組織された連隊を集めたものが軍となる。連隊長同士の公式な軍内の上下関係は存在せず、慣例的に各自の爵位に従っていたが、領地の規模や権威と爵位の齟齬のため近年は命令系統が乱れている。
軍学校
分類:組織 初出86話。デルロワズ領とバロワ領で行われていた士官教育を全土に広げるために作られた国立の高等単科学校。当初学生は母体となった両公領の出身者が大半を占めるが、少数ながらも他領出身者、あるいは平民も存在。王女メアリ・アンヌが入学。
群青色のドレス
分類:ファッション 初出8話。無能な王の夜会にてゾフィが着用。
下女
分類:肩書 初出15話。洗濯や清掃、汚物処理などを行う。貴族の娘がその役につくことはあり得ず、富裕層の平民でさえ娘を下女として出仕させることは非常に稀。中流以下の平民が担う、生活の実務担当者。貴族平民問わず王宮に集う男性すべてを潜在的な”相手”として性欲の発散をも「世話(トレ)」するのも下女の仕事。
献辞
分類:その他 初出80話。ジュール・レスパンにより学位授与式にてグロワス13世に向け読み上げられた。ユニウス思想を多分に含んだ危険な内容。学監をはじめ列席者は肝を冷やした。これを称賛したことが王の知能の低さを示すという言説が長く学会の主流となる。
コアラのぬいぐるみ
分類:アイテム 初出59話。ぼくが小さい頃に両親に連れて行ってもらった動物園の売店で買ってもらったコアラのぬいぐるみ。灰色の、結構大きなやつ。
高貴な女性
高級ファッションブランドのブティック
分類:組織 初出6話。ちょっとしたパーティ向け。ファッション全振りの極めて尖ったデザインの服が多い。
口語表現を纏めた冊子
分類:アイテム 初出73話。アナリゼが自ら作成したサンテネリ語練習ノート。
公爵
分類:肩書 初出6話。元は王家と並ぶほどの独立勢力であった、あるいは王家の近しい親族である貴族の称号。
国王大権(こくおうたいけん)
分類:その他 初出36話。軍権も含む国家の政策全ての決定権。枢密院の設置と大権委任に伴いグロワス13世が手放した。国王に残された実権は枢密院各卿の指名任命罷免権と枢密院主催者の権利。
黒色蛇旗
分類:アイテム 初出57話。サンテネリ軍旗?
国民議会(こくみんぎかい)
分類:組織 初出2話。商工会議所青年部や若手経営者の会的なもの。
国民史観(こくみんんしかん)
分類:その他 初出101話。歴史とは、不正と隷属の中にあった人間が偉大な人物の活躍を契機として、徐々に自由を手に入れていく営みであるとする史観。21期の現代に至るまで隠然たる力を持ち続けている。ジュール・レスパンやメリア・ルロワなどがこの史観の主役、文学的表現を用いるならば“英雄“と呼べる。
極秘シュトロワ再開発計画
分類:その他 初出54話。会堂で自身の旧市街開発をやじられたアキアヌ公が飛ばした冗談。会堂のまわりに屋台を出すことを提案。
穀物価格の上昇
分類:イベント 初出67話。ガイユール館での演説により王を好戦的と見た商人たちによる買い占めは一旦抑え込まれたが、雪の王による不作を見越した買い占めにより再度穀物価格が上昇。主要都市の穀物価格は軒並み二週間前の1.2倍の上昇を見せた。政府は市場価格を下回る価格での強制的買い付けを諦め、穀物関税の領主徴税権の停止により安価な穀物を北部に流すことを決めるが、これはルロワ王家譜代諸家の収入基盤を破壊することでもあった。
小鳥の首飾り
5707
分類:アイテム 初出101話。アブラム・ブラーグがグロワス13世の子供達に手渡した手製の時計の一つ。メリアが唯一受け取り、以降死ぬまで腕に巻き続けた作品。実物は現在ルー・サントルのブラーグ社本店に併設された博物館に展示されている。
近衛軍
分類:組織 初出37話。バロワ家の司る王軍。「サンテネリの青」として大陸中に名高い青い制服がトレードマーク。
近衛軍の準礼装
分類:ファッション 初出9話。メアリが着用。金ボタンついて首まで閉じた鮮やかな青の上着。ひらひらのついた肩章、胸の略綬。下はスラックス。しっかりクリースを掛けているからその細さが際立つ。側面の黒い側章がまたいい。脚線美。
これまでのサンテネリの法整備
分類:その他 初出36話。各専門部署が素案作成→国王顧問会で審議→王の決裁→勅令→貴族会にて承認→効力発揮
枢密院(コンシー・エン・サンテネリ)
分類:組織 初出36話。。直訳はサンテネリの会議。立法機関。主催者はサンテネリ国王。グロワス13世が国王顧問会を廃して新たに設置した公的な意志決定機関。旧来の勅令に代わり枢密院令が法となる。枢密院閣僚の指名任命権と罷免権は王が持つが、枢密院閣僚の任命には貴族会の承認が必要。従来通り司法は内務卿が、行政は各卿の監督下にある機関が担う。枢密院勅令は貴族会の承認を必要としないため、事実上貴族会は無力化された。
1716年2月10日、枢密院設置勅令(通称大回廊の勅令)が貴族会の承認を経て成立。サンテネリ共和国における”内閣カビヌ”の直系の先祖であると同時に、一部機構は貴族会と合流することで現代の”国会(オネ・コンシー)”を構成するに至るもの。現在サンテネリ共和国が備える立法・行政機構の元祖と言うべき存在。国政の中枢から遠ざけられてきた二大公領がついに国政に参加したこと、および平民階層がついに国家と繋がったこと、それらの面で社会階層の視点からも一個の画期である。
1716年2月10日、枢密院設置勅令(通称大回廊の勅令)が貴族会の承認を経て成立。サンテネリ共和国における”内閣カビヌ”の直系の先祖であると同時に、一部機構は貴族会と合流することで現代の”国会(オネ・コンシー)”を構成するに至るもの。現在サンテネリ共和国が備える立法・行政機構の元祖と言うべき存在。国政の中枢から遠ざけられてきた二大公領がついに国政に参加したこと、および平民階層がついに国家と繋がったこと、それらの面で社会階層の視点からも一個の画期である。
枢密院の閣僚(コンシー・エン・サンテネリのかくりょう)
分類:組織 初出36話。大筋において旧国王顧問会のそれを踏襲。内務卿、外務卿、軍務卿、財務卿。旧来の陸軍卿と海軍卿が軍務卿として一本化され、財務監が財務卿へと権限強化の上昇格。首相と宮廷大臣、そして参与の3ポストが新設された。
枢密院主催者(コンシー・エン・サンテネリしゅさいしゃ)
分類:肩書 初出36話。サンテネリ国王。枢密院閣僚として1票を持つ。枢密院における首相の最終決定権に対して首相を含む閣僚の解任権と新規任命権を行使できるが、貴族会はその新規任命を否認できる。千日手防止のため、以下の補足あり(アルコール入りでの討議のため殴り合いに発展しかけた)。①王”のみ”が反対票を投じている場合、首相の決定権優越が発動。/②王を含む複数名の閣僚を反対している場合、王の罷免権が発動。/③貴族会は一度は王の首相任命を拒否することが可能だが、二度目は王の決定が優越する/※首相には緊急時の独裁権は付与されていない(63)。枢密院への王権委任後、グロワス13世が使い始めた称号。ゲルギュ5世への私信にもこの名乗りが記載されていた。
貴族会(コンシー・エン・シュルオン)
分類:組織 初出18話。貴族達の集会。勅命を承認する機構。仕組みとしては形骸化しており、ここ100年以上まともに席が埋まったことはなく、委任状での運営が常態化。グロワス7世の御代、戦時における軍資金の調達手段として生まれた。王国の主要機関としては珍しく未だシュトロワ旧市街に立地。議場は会堂(セアトル)と呼ばれる建物。大広間には演台とその上段に王の座所がしつらえられていて、大体200人分の座席がそれらを半円形に取り囲んでいる。枢密院令は貴族会の副署を必要としないため、枢密院発足後はほぼ完全に形骸化した。(各部門が作成した素案は諸卿の会議を経て御前会議に上奏され、国王が勅命を発する)
国王顧問会(コンシー・エン・ルロワ)
分類:組織 初出36話。閣議。直訳は「ルロワ家の会議」。サンテネリ政府が公的ではなく法制化もされていないため、任命された各卿も建前上はルロワ家政内の役職に過ぎないが、各卿の討議の結果が国王顧問会に上がり、王の決裁を受けて勅令となる。
指導者(コントゥール)
分類:肩書 初出85話。
大騒乱(コンフェルシオン・グロー)
分類:イベント 初出101話。王党史観における「大改革」を指す呼称。
さ行
最近の生活で何か面白いと感じたこと
分類:その他 初出4話。警戒しているブラウネにぼくが尋ねた。”「陛下、面白かったことですが、やはりすぐには思い出せません。もしまたお呼びいただくことが叶いますなら、次回までの宿題とさせてくださいませ」””「グロワス様と、過ごしたこと」(100)”
再度の王権委任の勅令承認のための貴族会の際のぼくの服
分類:ファッション 初出57話。古来からの白い長衣を腰のベルトで締めて、剣を佩く。首元にはルロワ紋の入った金地の大判布。ターバンのない砂漠の遊牧民っぽい感じ。
最初の王冠(さいしょのおうかん)
分類:アイテム 初出9話。ルロワ家に伝わる古い王冠。献辞で言及される。
サラスの戦い
分類:イベント 初出109話。1747年10月3日開戦。北部中核都市フィーリアスへの交通路を抑える要衝サラスで起こった戦闘。極北部アングラン領から南下した植民地軍約10000(うち3000はプロザンからの傭兵)と連邦王国軍15000の激戦。両軍平野を大きく移動しながらの戦闘は3日継続され、連邦王国軍に包囲されたアングラン軍の降伏にて終結。同戦闘の最中(二日目4日午前)、グロワス1世がアングラン兵の狙撃に倒れたことによりプロザン軍が撤兵。独立戦争の帰趨を決めた。
三王会談(さんおうかいだん)
分類:行事 初出64話。サンテネリ・帝国・プロザンの王が一堂に会した歴史的会談。
サンテネリの大学
分類:組織 初出79話。グロワス7世のレムル半島北部侵攻によりレムル半島の大学文化を吸収して成立。国の豊富な資金の恩恵を受け、レムル半島より有力な研究者を招聘した。貴族政治下のサンテネリでは学者の政治参加は期待できず、卒業生は各種の実務官僚、あるいは法曹、あるいは研究の世界に進む。国家の管理とレムル半島由来の教授達の講座の混交が権威主義と自由という複雑な校風をもたらした。
サンテネリの政治勢力
分類:組織 初出20話。・王家と家臣団忠誠度高・・・家宰フロイスブル家、近衛バロワ家/忠誠度中・・・国軍デルロワズ家/流動的・・・内務ブルヴィユ家、財務モンブリエ家/・野党グループ反王家・・・アキアヌ大公家ほか/外様諸侯・・・ガイユール大公家ほか
サンテネリの跪礼(-きれい)
分類:その他 初出38話。身分が大きく離れている場合は下のものは両膝をつく。格が近接する場合は片膝。運動着を着たぼくが冗談で行った。
サンテネリ共和国(第1共和制)
分類:国家 初出108話。大改革により王が不在となったサンテネリの政体。正式な政府を持たない。立法機関たる国民会の一部門として立ち上げられた行政委員会が実際の運営を担う。ジュール・レスパンは行政委員会の委員長に就任。祖国戦争終結後、レスパンを中心とする改革派とジェント大公ロベルを核とする王党派の対立が激化。1750年8月20日の王党極派の青年によるレスパン狙撃事件を機に国民会議は枢密院へと名称が変更、1752年、枢密院発議によりサンテネリ国王ロベル3世が即位。サンテネリ王国(復古王政)が成立して終了。
サンテネリ共和国(第2共和制)
分類:国家 初出109話。ロベル3世によるサンテネリ統治権の国民会への委譲。1770年3月1日、国民会が最後の枢密院令、通称「サンテネリ共和国令」を賛成多数で可決したことで成立。ルロワ家の直系当主に対し「枢密院主催者」の名誉称号を独占的に使用する権限が与えられる。
サンテネリ海軍
分類:組織 初出4話。大きく弱体化しており、軍艦を他国に売り払うべきとまで言われている。
サンテネリ王国初の法的正当性を持つ政府
分類:組織 初出63話。正教新暦1716年2月15日発足。王権を委託された枢密院。発足直後、「雪の王」の到来により危機を迎える。
サンテネリ王家の負債額
分類:その他 初出24話。年間収入の10年分。結構な割合を海外の金融資本家から調達しており、国内資産もそれほどではないため絶望的状況。国家破産イコールぼくの首(物理的な)が飛ぶ恐れがある。
サンテネリ近衛軍(-このえぐん)
分類:組織 初出6話。王国軍とは切り離された、兵数1万超のルロワ王家軍。シュトロワ近郊に兵営を構える。約800年前、マリーによる親衛隊以来の創設で代々バロワ家に率いられる。”近衛の青”として名高い(68)くすんだ青の軍服。”国王とその家族の警護を中心として、即位式などの儀式においては儀仗兵の役割も果たす。王に従わぬ貴族を捕縛することもあれば、領地で兵を挙げた貴族を鎮圧することもある。王の警護隊であり王の警察であり王の軍である。(中略)兵の待遇と装備は国軍を圧倒している。彼らは庶民の憧れであり、サンテネリ陸軍の精強さの象徴(10)”
参与(さんよ)
分類:肩書
初出36話。平民のためのポスト。売買には全閣僚の承認が必要だが、身分にかかわらず購入が可能。参与には自動的に貴族籍が付与され、地位を離れても貴族会に議席を保持することが可能になるが、閣僚会議の投票権はない。金銭と引き換えに枢密院に参加する権利を与えられた平民。会議での発言権を持たないが、議題に直接触れることで最新の情報を得ることができる。先行きの怪しい二重戦争下、国内の主立った商工業者たちに「当事者意識」を持たせることに成功する半面、政府と直結した一握りの大商人たちによる支配を生み出した。結果、自由競争が阻害され、工業商業問わず民間の新たな技術開発は停滞。穴埋めとして公金を投入した各種公共事業が必要となった。また拡大する貧富の差は知的階級の間に現状変革のための新たな指導者を求める機運を高めた。
初出36話。平民のためのポスト。売買には全閣僚の承認が必要だが、身分にかかわらず購入が可能。参与には自動的に貴族籍が付与され、地位を離れても貴族会に議席を保持することが可能になるが、閣僚会議の投票権はない。金銭と引き換えに枢密院に参加する権利を与えられた平民。会議での発言権を持たないが、議題に直接触れることで最新の情報を得ることができる。先行きの怪しい二重戦争下、国内の主立った商工業者たちに「当事者意識」を持たせることに成功する半面、政府と直結した一握りの大商人たちによる支配を生み出した。結果、自由競争が阻害され、工業商業問わず民間の新たな技術開発は停滞。穴埋めとして公金を投入した各種公共事業が必要となった。また拡大する貧富の差は知的階級の間に現状変革のための新たな指導者を求める機運を高めた。
CHK
分類:組織 初出52話。サンテネリ放送協会。ぼくの脳内妄想組織。2024年大河ドラマ『汝、暗君を愛せよ』における中盤の盛り上がりの一つとしてグロワスとフライシュ3世の会見が描かれる予定。
勇者徽章(シーニュ・クールール)
分類:アイテム 初出55話。グロワス13世が新しく作り、自ら負傷兵に付けた。奮戦の末重度の傷を負った「兵」に授与する勲章で、横長のピンバッジ。鮮烈な赤の背景に浮き彫りにされたルロワの黒蛇が鎮座している。サイズは成人男性の手のひらに収まる程度の銀製で、正式な勲章というよりも略綬に近い。帰途、その一つが廊下に投げ捨てられているのをぼくが見つけた。”「私グロワス13世は、”正教の守護者たる地上唯一の王国”の君主として諸君に命ずる。諸君の献身を誇れ。諸君は我が国の守護者である!ゆえに、その証、勇者徽章シーニュ・クールールを今日ここに授与する」”
首相(しゅしょう)
分類:肩書 初出36話。旧来の家宰に近い。枢密院閣僚会議で意見の一致がなされない場合における最終決定権を付与されている。
首相宮の執務室
分類:場所 初出88話。アングラン。トラフォード子爵がアルバ公爵の元仕事をした執務室。
執務室付属のお茶室
分類:場所 初出56話。光の宮殿の一室。グロワス13世が母后マリエンヌとおしゃべりした。
弱者の演説(じゃくしゃのえんぜつ)
個別記事
分類:イベント 初出58話。枢密院への王権委任やり直し勅令の際の貴族院でのグロワス13世の演説。実績に乏しい若年王と見なされていたグロワス13世だが、強国プロザンとの会談の成功とこの講演により、サンテネリの貴族達に遍くその意思を知らしめ、名実ともに中央大陸随一の大国の主、国際政治における主役の一人と認知されるに至った。
分類:イベント 初出58話。枢密院への王権委任やり直し勅令の際の貴族院でのグロワス13世の演説。実績に乏しい若年王と見なされていたグロワス13世だが、強国プロザンとの会談の成功とこの講演により、サンテネリの貴族達に遍くその意思を知らしめ、名実ともに中央大陸随一の大国の主、国際政治における主役の一人と認知されるに至った。
獣欲(じゅうよく)
分類:その他 初出46話。”怠け心は「獣欲」の現れであり、それを抑える魔力の不足を意味する。皇女を委ねられた教育係たちは熱心に、全身全霊をもって少女の魔力を育てようと努力した。大きな感情は獣欲である。過ぎた笑みも涙もそれは獣欲である。他者と触れあうこともまた獣欲を喚起する。”
盾上蛇紋(じゅんじょうじゃもん)
小グロワスのデート服(しょうぐろわすのでーとふく)
分類:ファッション 初出96話。貴族男性定番の無造作な普段着風。ありふれた生地にありふれた仕立ての紺上着。胸元には申し訳程度に巻きつけた細い大判布には、肌の触れあう位置にまで近づかねば判別できない盾紋。
小グロワスの机(しょうぐろわすのつくえ)
分類:アイテム 初出89話。"少年に与えられた机は身体に比して少し大きい。椅子に腰掛ければ足は床に着かず、当て所なく宙に揺れる。彼はいつものように赤い布張りの座面に尻から飛び乗り、胸の位置に来る机の天板に腕を乗せた。身体に合ったものを薦める母の言に逆らって、彼はこの机と椅子を選んだ。父の部屋にあるものと似ていたからだ。"
小等学校最終期の歴史の授業(21期)
分類:イベント 初出60話。第18期から第20期が学習範囲。この動乱の時代、サンテネリの悲惨と栄光を表す様々な出来事の舞台となったのは常にシュトロワだった。
諸民族のうねり(しょみんぞく-)
分類:イベント 初出4話。1500年程前の出来事。中央大陸全体を覆った混乱。いわゆる民族大移動で、秩序がほぼ存在しない時代。このころ正教が大陸における霊的覇権を確立した(52)。第5期に始まり第8期に終わった中央大陸の大混乱。気候の寒冷化による食糧不足から発生した流民の移動が玉突きのように部族集団を押し出し、現状の勢力図に落ち着くまで永遠とも言える闘争を繰り返した。その中で自身と隷属民達の安全を確保するために城(シュトゥール)が作られ、領主が生まれた(69)。
初代枢密院内閣(しょだいすうみついんないかく)
分類:組織 初出61話。10時開始。”かつて家宰フロイスブル侯爵が占めた左の上座には首相アキアヌ大公が座し、その対面を財務卿ガイユール大公が位置取る。2列目向かって左に宮廷大臣フロイスブル侯爵、対面に軍務卿デルロワズ公。以下内務卿、外務卿と続いていく。”
初代枢密院閣僚(しょだいすうみついんかくりょう)
分類:組織 初出36話。
首相ピエル・エネ・エン・アキアヌ公爵
財務卿ザヴィエ・エネ・エン・ガイユール公爵
外務卿ベルノー・エネ・エン・トゥルーム侯爵
内務卿クレメンス・エネ・エン・プルヴィユ伯爵
軍務卿ジャン・エネ・エン・デルロワズ公爵・サンテネリ王国元帥
宮廷大臣マルセル・エネ・エン・フロイスブル侯爵
首相ピエル・エネ・エン・アキアヌ公爵
財務卿ザヴィエ・エネ・エン・ガイユール公爵
外務卿ベルノー・エネ・エン・トゥルーム侯爵
内務卿クレメンス・エネ・エン・プルヴィユ伯爵
軍務卿ジャン・エネ・エン・デルロワズ公爵・サンテネリ王国元帥
宮廷大臣マルセル・エネ・エン・フロイスブル侯爵
司令官(しれいかん)
分類:肩書 初出66話。ガイユール大公を迎えた際に登場。軍の指揮権を持つ。
白いドレス姿
分類:ファッション 初出31話。グロワス13世のガイユール行幸途上、バロワ家首府ヴァノーでの夜会でメアリが着用。なお、グロワス13世はたまたま黒いスーツを着ていた。実質披露宴。”「陛下、夏になったら高地に避暑に参りましょう」(ブラウネ談)”
白輝石の首飾り(しろきせきのくびかざり)
分類:アイテム 初出7話。ガイユール家の宝物。グロワス13世のところへ遊びに来たゾフィが着用。直視すれば目が潰れんばかりの輝度を誇る巨大な白輝石の首飾り。
深紅のコート(しんく-)
分類:ファッション 初出32話。ルエンでの夜の散歩時にゾフィが着用。青系統の服を好む彼女にしては珍しいチョイス。首回りと手首のあたりに白い毛皮がたっぷりと縫い付けられている。手には柔らかい毛皮の手袋をはめていた。
親族贈与論的世界(しんぞくぞうよろんてきせかい)
分類:その他 初出51話。”「家」や「共同体」を核とした社会では、どう取り繕っても婚姻は「贈与」の意味を持つ。道徳も法律も言語もない原始の時代においては、相手にとって”価値あるもの”を交換し合うことができた集団だけが生き残り、交換できぬものは交換によって関係を築いた大集団に滅ぼされた。そして、”価値あるもの”の最上は「女」だ。次代の労働力を「生産する」存在だから。”
新大陸独立戦争(しんたいりくどくりつせんそう)
分類:イベント 初出109話。1743年。二重戦争および祖国戦争の諸経費を課税されたアングラン新大陸植民地による、アングランからの独立を求めた反乱。新大陸植民地側勝利にて終結。サンテネリ国民議会は連邦共和国の国家承認を行った。第二次シュトロワ条約にて連邦共和国の独立が承認され終結。
新聞(しんぶん)
分類:アイテム 初出22話。民間で勃興しはじめたメディア。グロワス13世も内務卿に指示して政府広報を始めさせた。目玉はグロワス13世自ら手掛ける文章。エストビルグとの婚姻政策以来、グロワス13世の政策への好意的な世論誘導のために活用される。アングランはしばしば傘下の新聞を用い、サンテネリ国内外に不和の種をまいている模様。グロワス13世没後、枢密院は積極的に新聞を用い、彼の悪評を広めた。
シュトゥビルグ王国(-おうこく)
分類:国家 初出9話。サンテネリ東方の名家。かつては帝国帝位を占めた。その立地からサンテネリ・エストビルグの緩衝地帯的な扱い。「諸民族のうねり」直後から歴史に名を残すが(46)、現在では常にサンテネリとエストビルグ両国から干渉を受けている。サンテネリはシュトゥビルグ王国に対して王の選定に口を出せる程度の権益を持っていたが(51)、イーザン会談の結果、この権益は放棄された(53)。
シュトゥール・エン・ルロワ
分類:場所 初出6話。旧城。ルロワ城。旧市街に建つルロワ家の首城。首都の名前の由来。難攻不落の要塞みたいな石造りの建物。ほぼ洞窟で薄暗い。グロワス13世の婚姻に際し、所蔵の宝物は売却されて負傷兵の収容所に改装された。深灰の石畳。中期創建当時の未発達な建築技術ゆえに通路の幅が狭い(55)。
シュトロワ
分類:場所 初出3話。サンテネリ王都。サンテネリ共和国の中心地。様々な歴史的建造物がひしめいている。
シュトー地方(-ちほう)
分類:場所 初出13話。帝国と東部国境を接する地域。帝国諸侯シュトゥヴィルグ王国も広義のシュトー地方に入る。シュトー(城)地名の由来はおそらく修羅の国であったことから。
シュバル公領
分類:場所 初出29話。プロザン国土の真ん中辺りに存在したエストビルグ帝国領。フライシュ3世の奇襲で現在はプロザン領となっている。
ジュール・レスパンの手稿(-しゅこう)
分類:アイテム 初出79話。第21期初頭、アングラン南部の農村で古びた鞄の中から発見された紙束。通称レスパン手稿。グロワス13世の演説を一言一句漏らさず書き留めたもの。年代測定の結果、300枚以上に上る紙片の製作年代は17期から18期であり、筆跡鑑定によって、他にほぼ現存していないジュール・レスパンの手稿であると判明。彼の他の手稿の多くは散逸しているが、20期中葉に血縁者から提供をうけて国立文書館の倉庫に収蔵されていた手稿と比較によりその類似性が明らかとなった。アングラン南部は亡命時のレスパンが居を定めた地域であることも真作の根拠となった。影響は大きく、大多数の18期研究者たちが自説の修正を余儀なくされる。
『女王戴冠』(じょおうたいかん)
分類:アイテム 初出38話。グロワス13世の執務室奥正面に飾られた絵画。旧城を引き払った際に移設された。サンテネリ中期絵画の大作。
上半身を覆う紫色の大判布
分類:ファッション 初出33話。ロワイヨブルでグロワス13世を出迎えたガイユール大公サヴィエが着用。青と白で四等分に塗り分けられた盾型が描かれている。青地部分には黒い小さな点で魚の模様が配されており、ガイユールが海に向けて開かれた地方であることを表している。
『人文学の基礎としての理性の探究』
分類:アイテム 初出41話。エリクス・ポルタの作。人間の世界認識における理性の構造を理論づけることを試みた。”魔力”の観念を完全に棚上げした上で、人間存在一般が持つ理性の普遍的様式とその限界を論証。18期における思想研究が向かうべき方向性を決定づけるものとして評価された。
(真)王妃の証(しんおうひのあかし)
分類:その他 初出76話。夜会での侮辱事件の際の姿。茶色の髪を豊かに流し、がかがり火を受けて紅くすら見えた。”目を閉じて、唇を強く結んで、息を止めて、彼女は断ち切ることに決めた。何かを得ようとすれば、何かを失わなければならない。何かを得るためには、何かを成さねばならない。それを成すことこそが王妃の証なのだ。””かがみ込む女の胸元を首まで覆う大判布カルールが照明の揺らぎを受けて点滅する。大蛇を貫く槍の盾紋。ルロワの大蛇紋である。”
随想(ずいそう)
分類:その他 初出38話。マルグリテ女王と同時代に彼女の副官ユニウスによって書かれた書籍。中期代のサンテネリ社会と完全に断絶した思想でつづられているため、ぼくはユニウスを自身と同じ境遇の人間であろうと推測している。彼の思想が現在において革命の危機を生じさせ、彼の率いた黒針鼠と近衛の断絶が現在において問題となっている。
スーツみたいなヤツ
分類:ファッション 初出2話。グロワス13世の服。いろいろ装飾のついたスーツ。胸元に巻くスカーフが重要。
黒針鼠(スール・ノワ)
分類:組織 初出20話。サンテネリ国軍が誇る最精鋭歩兵部隊。総数三万を誇る。デルロワズ公領の歩兵軍に起源を持ち、士官から兵までデルロワズ出身者が大半を占める。
会堂(セアトル)
分類:場所 初出57話。旧市街、旧城にほど近い場所に立地。日本の国会議事堂に似た作り。演台を底面にすり鉢状に座席が設置されている。演台脇は閣僚の席。王は中央通路を歩き階段を上って演台の奥の頭上、中二階に置かれた玉座に行き着く。「諸民族のうねり」以前に存在した大帝国の様式を真似た物と言われる。現代では光の宮殿の大回廊が典型で、段差を作らない平面の箱型が主流。収容人数は大体400人くらい。
会堂(セアトル)の玉座
分類:アイテム 初出57話。会堂奥、演台後方上部に備え付けの巨大な木椅子。クッションが二つ置いてある。
会堂(セアトル)入場時のぼくのいでたち
分類:ファッション 初出57話。枢密院令の承認を重ねて求めた際。赤い絨毯。共に近衛軍人である王冠を捧げ持つ侍従とルロワ紋の入った盾を持つ侍従を引き連れて入場(盾を持っているのは近衛軍監)。剣はグロワス13世自身が身に着けている。
聖印の秘蹟授与(せいいんのひせきじゅよ)
分類:イベント 初出82話。生後約一ヶ月、正教僧の手によりこの儀式を施される儀式。この儀式を受けることで人は初めて正教徒、つまり”人オン”と認められる。僧が祝詞を読み、母に抱かれた赤子の額に水滴を一度垂らす。そして母に、子の「名」を訊ねる。母が答えたそれが、子の「名」となる。父はその様を傍らで見守るのが習い。
聖印の秘蹟時のグロワス13世の服
分類:ファッション 初出82話。青灰色の軍装で包み、腰には剣を提げる。妻の出自とはいえ、公式行事における王の近衛軍装は異例。
聖印の秘蹟時のメアリの服
分類:ファッション 初出82話。純白の貫頭衣を纏い、肩からルロワ紋の入った大判布カルールを羽織る。
聖句典派(せいくてんは)
分類:組織 初出50話。正教の一派。教会を介さず聖句典から直接啓示を得ようと試みる派閥。旧来の正教主流派である「正統派」とは不仲で、過去にはそこそこの規模で戦争も起こっている。サンテネリはレムル半島の僧王を奉じる「正統派」の国。帝国内には「聖句典派」を奉じる公国や王国がいくつかある。フライシュ3世のプロザンはその代表的なものの一つ。
正教(せいきょう)
分類:組織 初出4話。サンテネリ王国国教。「人は魔力の多寡により地上にその位置を定められる」と教えている。中央大陸で信じられている最大宗教勢力。レムル半島に総本山を構え、中央大陸全域を網の目のように覆う教会をその配下におさめている。サンテネリでは布教活動と並び、組織として負傷兵の面倒を見ている。聖典は『ラケディア』ベースとのこと。(作者Twitter情報)
正教の守護者たる地上唯一の王国
分類:その他 初出4話。サンテネリ王国の正式名称。今となっては公式行事以外誰も呼ばない。
正教新暦1731年8月、王と最後に会うレスパンの服
分類:ファッション 初出91話。”鍛え上げられた鋼の棒。油を塗り込められ、鈍い黒灰の輝きを秘めた姿。黒づくめの上着には薄手の羊毛、それも目の細かい上質な布地が使われている。胸から垂らす大判布カルールも黒い。”
正妃居室(せいひきょしつ)
1742年暴動
分類:イベント 初出108話。1742年決起に対する王党史観の呼称。
1742年決起
分類:イベント 初出108話。1742年7月、サンテネリ旧市において生じた暴動が全市を巻き込む規模となり、市民たちは光の宮殿を包囲。王の一家はシュトロワを脱出した。王は母の母国エストビルグへ、ロベルとフローリアの兄妹は妻ヴァランティナの故郷デルロワズ公領へ。隣市バロワ領に軍営を構え、王女メアリ・アンヌに率いられた国家親衛軍近衛連隊はシュトロワを包囲したが、レスパンの説得を受け攻撃を中止。この出来事は「シュトロワ城下の会談」と呼ばれる。
戦費令(せんぴれい)
分類:イベント 初出92話。二重戦争戦費として貴族への臨時課税を定めた枢密院令。レスパン判事の妨害工作により長く議論が続いていた。正教新暦1731年9月の貴族会付帯法院審査の終了により成立。王国史上初のこの徴税の決定は中央大陸全土に多大な衝撃をもたらし、サンテネリの断固たる継戦への意志を示した。一方で、自らの権力基盤である貴族への課税を唯々諾々と受け入れる王の姿は、愛娘マルグリテをプロザンへ献上する弱腰とあわせ、「賢王」とあざ笑われる契機となった。
造園会社(ぞうえんがいしゃ)
分類:組織 初出21話。ぼくの家業。祖父が始めた小さな街の園芸屋は拡大を続けて今や行政の仕事を受注するクラスの規模に。ぼくで三代目。
双獅子紋(そうじしもん)
分類:その他 初出25話。背中合わせに配置された二頭の獅子の紋章(75)。
ソー
分類:その他 初出51話。「愚か者」を意味するサンテネリ語。
祖国戦争(そこくせんそう)
分類:イベント 初出108話。1743年。アングラン、プロザン、エストビルグの3国によるグロワス14世復位を名目としたサンテネリ共和国への侵略。アングランが新大陸独立戦争に力を削がれていたこと、プロザンはフライシュ4世妃マルグリテが祖国への侵略に批判的であったこと、エストビルグは旗印として期待していたグロワス14世が出奔したことに助けられ、一時東部諸州とガイユール公領の一部を侵されたものの、開戦二年後には逆襲に転じ、三年目にはサンテネリ国土の大半を回復。1748年11月(109)、アングランとの講和(第二次シュトロワ会議)にて、アングランの連邦共和国承認、サンテネリ共和国承認、サンテネリによる低地諸国南部都市の完全な併合の承認、ローリア・ルロワとアングラン王の婚姻を含む「第二次シュトロワ条約」が妥結され、サンテネリ勝利で終結。
ゾフィの懐中時計(-かいちゅうどけい)
分類:アイテム 初出72話。宝石をふんだんにあしらった豪奢な懐中。王とおそろいの腕時計とは別に、ガイユール大公から贈られた小ぶりなもの。薄造りの筐体の蓋に様々な色の宝石がガイユール紋を模して敷き詰められたそれは、まさに富貴で知られたガイユール大公女の面目躍如、第一級の宝飾品。
ゾフィの腕時計(-うでどけい)
分類:アイテム 初出35話。ゾフィがアブラムに制作させたぼくと同じ腕時計。男であるぼくの手首に合わせて作ったものと寸法が変わらないため、彼女の細い腕には完全にオーバーサイズ。
た行
対アングラン大同盟
分類:イベント 初出44話。アングランの策謀に対抗するべくグロワス13世が立案した。正妃アナリゼのもつ元帝国の皇女という肩書を利用し、帝国内で紛争を続けるエストビルグとプロザンの和平を仲介することで大陸内の軍事的安定を得ることが目的。
”全部お国のためということになっている。...アナリゼさんを手放したくないというよこしまな欲求とサンテネリの混乱を煽るアングランへの私怨の集合体だ。ただね、この「一皮」が重要なんだ。(49)”
”全部お国のためということになっている。...アナリゼさんを手放したくないというよこしまな欲求とサンテネリの混乱を煽るアングランへの私怨の集合体だ。ただね、この「一皮」が重要なんだ。(49)”
第一回アブラム招集
分類:アイテム 初出11話。自分好みの時計が欲しくなったぼくがアブラムを召喚したら、ブラウネとメアリとゾフィも来た。懐中時計と腕時計を発注(お姫様方も懐中時計を発注)。
第二回アブラム招集
分類:アイテム 初出73話。王妃アナリゼの求めに応じて召喚。アブラムはすっかり王と打ち解け、気さくな関係を築いている様子がうかがえる。”「たとえ陛下といえども、我が秘密の工房、簡単にはお見せできませんぞ」”
大回廊の勅令(だいかいろうのちょくれい)
分類:イベント 初出36話。貴族会の承認を受け、正教新暦1716年2月10日に成立。国王顧問会の解体と枢密院の設置を定めた勅令。サンテネリ王国史上初となる王権の委任を定めた内容。光の宮殿の大回廊において発布されたが、貴族会議長コンディ公らの反対をうけて貴族会で否決された。
大寒波(だいかんぱ)
分類:イベント 初出67話。雪の王として知られる新暦1716年1月にサンテネリ北部を襲った寒波。西はアングランから東は帝国に至るまで広く中央大陸全域に居座ったが最も被害が大きかったのはシュトロワを中心とするサンテネリ北部。大量の凍死者を出すこととなった。”2月からの約2ヶ月間、水が凍る基準たる氷時(氷点の意か?)を当地の気温が上回ることはなかった。雪は断続的に降り続いた。”
大グロワス(人物)
分類:その他 初出53話。グロワス・グロー。”「グロワス殿、では乾杯しよう」「二つ。まずは三国の同盟に。そして、”大グロワスグロワス・グロー”の誕生に!」”
大グロワス(時計)
分類:アイテム 初出97話。"「あなたは時計界の王だ。その証を残されよ」""老人は引出から縦長の木箱を取り出し、ゆっくりと蓋を開いた。濃紺の羅紗地張りの中に一本の腕時計が横たわっている。優美極まる青焼きの時針と分針。ブラーグ製作時計の代名詞ともなった文字盤の微細な彫り込み。それらは全て見慣れた意匠である。”グロワス14世が所有した時計。新大陸への渡航時、混乱の中で逸失した。のちにアブラムが残した詳細な設計図をもとにブラーグ社が完全再現。
大陸一の騎士(たいりくいちのきし)
分類:肩書 初出39話。サンテネリ国王の称号の一つ。
民(たみ)
分類:その他 初出43話。”「民は愚かだ。だが賢い。私はそう思う」””「そう。だから民は賢い。彼らが”正しい方”を選ぶのだ。ああ、もう少し正確に言うべきか。彼らが選んだ方が”正しい”。結局のところ、世界は彼らが選んだようにしかならない。わたしはそう思う」”
弾劾演説(だんがいえんぜつ)
弾劾演説時のゾフィの服
分類:ファッション 初出40話。くすんだ青の近衛略礼装を上着だけ着用し、中は同色のワンピース。脇を編んで垂らした長い髪。胸に付けたガイユールの盾紋とサンテネリ国軍、近衛軍の略綬。肩から首元に掛けて、ガイユールの魚紋が刺繍された濃茶の大判布カルールを巻き付けている。のちに平民子女の間で流行し、ガイユール様式と呼ばれる。
弾劾演説時のメアリの服
分類:ファッション 初出40話。明るい金の髪を風に靡かせながら、一分の隙も無く近衛軍装を身に纏う。右手には穂先の根元にルロワ紋とバロワ家の紋章が描かれた旗が巻かれた長槍、初代バロワ女伯が愛用したといわれる古槍を握りしめていた。
小さな物置
分類:場所 初出46話。アナリゼの自室の隅にある。”獣欲”を抑えられなかった際にアナリゼが閉じ込められた。
地上で最も美しい言葉
分類:その他 初出33話。サンテネリ人が自らの言葉を誇って呼ぶ。ルロワ公領のアクセントが王国全体の基準発音となっている。”単語一つ一つの区切りができる限り消しさられ、一続きの旋律のように台詞が流れる”。ガイユール方言は単語一つ一つをある程度独立して発音し、ルロワ系とはひと味違う重みを感じさせる。
地方長官職(ちほうちょうかんしょく)
分類:肩書 初出69話。枢密院が任命する国家機構の役職。そのため、その役職の元で起こった出来事には地方長官を通じて国が対処することになる。雪の王の惨事を受けて領地の維持を重荷に感じていたルロワ譜代諸侯にとっても責任を枢密院に転嫁できるこの仕組みはありがたいものだった。”「だが、問題が一つあるな。あなたがたが縋ろうとするその大木は、実のところ、そう強くない」”
巷で流行る歌劇の第2幕
分類:その他 初出93話。"さる公爵が人民の友となり、華やかな宮廷の夜会に背を向けて街に繰り出す。身分を隠し酒場で平民達と交わる中で、居合わせた給仕の娘に花を贈る。新市の道ばたで売られた花を。"
帝国(ていこく)
分類:国家 初出8話。神聖ローマ帝国がモチーフ。サンテネリ東方で長大な国境を接するルロワ家永年の敵。別名「正教の威光のもと諸王を束ねる権威を与えられた人界の君主が領する地」。多くの王国の集合体。帝位はエストビルグ家の世襲となって久しい。サンテネリとは互いに武力行使を含めたいやがらせの応酬を続けている。
帝国大管長(ていこくだいかんちょう)
分類:肩書 初出74話。帝国法において中小諸侯の中から選任されることが定められている役職。王号を名乗る大諸侯は選帝権を持ち、中小諸侯は帝国の運営権を握る。選抜された大諸侯たる皇帝は帝国の官僚機構を動かすために中小諸侯と協調しなければならないという、大諸侯の専横を抑える仕組みであったが、エストビルグ家が帝位を占有するようになって以来、他の大諸侯はエストビルグに従属するものと距離を取るものに別れ、中小諸侯はエストビルグの家臣に近しい存在へと変質した。
帝国宮(ていこくぐう)
分類:場所 初出73話。名の通りであれば皇帝の座所だが、通常皇帝はエストビルグ宮に所在するため、慣例的に帝国宰相たる大管長の領域となっている。
偉大なる軍(デオン・グロー)
分類:組織 初出107話。21期におけるサンテネリ共和国国軍か。二重戦争の敗北が国民意識を高めたことに由来する。
針鼠の巣(テリ・エン・スール)
分類:場所 初出32話。サンテネリ国軍の中核部隊、黒針鼠(スール・ノワ)の本拠地。デルロワズ首府ルエン近郊に立地する。駐屯地というよりも一つの街。中央の広場から放射線状に板状の宿舎が幾重にも連なっていて、遠目には巨大な城壁のように見える。外延部には兵器工廠も存在。200年以上前のルロワ家によるガイユール侵攻はここから始まった。
デルロワズ公爵家(-こうしゃくけ)
時計(とけい)
分類:アイテム 初出2話。ぼくとグロワス13世共通の趣味。懐中時計をポケットの中でずっと触っている。ぼくとアナリゼの最初の共通の話題。
ドリー婦人の服
分類:ファッション 初出65話。質素な黒い貫頭衣に皺の強い毛織りの羽織り物を羽織る。
お世話(トレ)
分類:その他 初出14話。文字通りの世話のほか、性的奉仕の意味もある。
な行
内閣(ないかく)
分類:組織 初出29話。アナリゼとの婚姻からエストビルグ・プロザン戦争に引きずり込まれることを回避するためにグロワス13世が立ち上げた。アキアヌ大公を首班に、ガイユール大公やデルロワズ公といった有力諸侯が揃う組織。国王が国王大権を内閣に委任することで公式に国家運営の要となる。”ぼくは先祖伝来のサンテネリ王国を諸大公、そして諸侯に奪い取られてしまった正真正銘の暗君になる。”
内戦(ないせん)
分類:イベント 初出67話。枢密院首相アキアヌ公と財務卿ガイユール公により画策された領主徴税権の停止と国による直接徴税の方針に対する貴族たちの熾烈な反発を指す。”「首相殿。これは…戦争だ。武器は用いないが、国を割る」「ですな。ああ、いや、戦争はよろしくない。より正確に言わねばならん。つまり、内戦です」”
ぬいぐるみ
分類:アイテム 初出9話。メアリ手作りのぬいぐるみ。黒い子犬を作っているがなかなか見せてくれなかった。始祖マリーが好んだといわれる黒犬がモチーフ。完成後はぼくの執務机の端に飾られている。羊毛の柔らかい手触りで、垂耳の子犬。しっぽもついている。(59)
ネザール連邦(-れんぽう)
分類:場所 初出88話。低地諸国の一つ。アングラン現王朝ナッソー家発祥の地。二重戦争終結のため、グロワス13世がデルロワズ元帥に占領を指示した。”「首相閣下。プロザンが抜けた後、”腰抜け”のサンテネリ王は”男の決断”をする可能性がある。例えば我らが国王陛下の故・地・にルロワの大蛇紋旗を打ち立てるような…」”
は行
勇者の宮殿(パール・クールール)
分類:場所 初出55話。ルロワ旧城を負傷兵宿舎に改装した建物。内務卿管轄。昔からの城郭を囲む庭園スペースは新築の負傷兵宿舎で埋め尽くされ、どう好意的に見ても宮殿ではない。アパートが並ぶ街中に突如中世の石城が屹立している感じ。500人程度のグロワス12世時代の戦争による負傷兵達が生活。
勇者の宮殿訪問時のぼくの服
分類:ファッション 初出55話。国軍の黒い軍装。
勇者の宮殿訪問時のアナリゼの服
分類:ファッション 初出55話。リサイズした国軍の黒い上着によるガイユール様式。”手足の長いシュッとした感じの猫がキッとポーズを決めてる感じ。メアリさんが日に日にまったりぬいぐるみ職人化していく今日この頃、貴重なキリッと系お妃様だ。軍装姿の若夫婦を見て、マリエンヌ母さんとフェリシア女官長は「まぁ!」って反応だったけどね。”
光の宮殿(パール・ルミエ)
分類:場所 初出6話。光の宮殿の意。新市街に建つ現在のルロワ家居城。シャンデリアや燭台、ガラスをふんだんに使っているので明るめ。5つの大広間があり、それぞれド迫力の絵画で埋まっている。"アニェスはお手柄だな。殿下には是非”檻の外パール・ルミエ”を楽しんでいただこう(94)”
光の宮殿の広大な庭
分類:場所 初出87話。グロワス13世とマルグリテが手を繋いで歩いた初夏の庭。鼻を突く草いきれとともに。
光の宮殿の敷地内にある小礼拝堂
分類:場所 初出82話。グロワス13世と妻メアリの子が聖印の秘蹟を施された、光の宮殿の敷地内にある小礼拝堂。”小”と名付けられながら、その建物は100人程度の収容が可能な規模であり、イレン教区の大聖堂に次ぐ巨大さを誇る。
光の宮殿一階大会議室
分類:場所 初出87話。参与の増加に伴い、枢密院の議場となった。”広大な長机の短辺、会場の最も奥まったところには王が座す。両の長辺を枢密院各卿が埋め、その背後には各卿推薦の参与達が詰める。加えて各卿の補佐官達も近侍する。総勢百名に近い大所帯である。発足当初は国王執務室脇の小会議室を使い二十名に満たぬ参加者で行われた会議も、今やここまで巨大なものとなった。(87)”
初の枢密院会議でのグロワス13世の服
分類:ファッション 初出61話。王が宮殿内で初めて公に着用した軍服。黒地に金糸で縁取りされたサンテネリ国軍の軍服。各家の家紋を主題に工夫を凝らした略綬が付けられている。左胸にはガイユール公領の名誉徽章、アキアヌ公領の名誉徽章、黒針鼠連隊の名誉徽章、メアリが考案した近衛元帥徽章。場違いに簡素な徽章、赤地に黒い蛇の浮き彫りを施した小さな棒型略綬(勇者徽章)も混じっている。
バ・モンフェルの18年
分類:アイテム 初出88話。フロールの店でレスパンを待っていたボスカルが注文したワイン。
春の宮殿(はるのきゅうでん)
分類:場所 初出73話。帝国およびエストビルグ王国の後継者が住まう。前二者に比して必要性が低いにもかかわらず宮殿として独立しているところにこの国の辿った複雑な歴史が現れている。つまり、この宮殿の存在こそが、エストビルグ家による帝位世襲の象徴。
バロワ
分類:場所 初出6話。ロワ河中流より少し下流の地名。バ・ロワ(ロワ河の下の方)の意。バロワ家の本領。
バロワ伯爵家
分類:貴族家 初出6話。900年前にバロワに封じられた軍伯家。代々近衛軍を指揮する。始祖はマリー・エネ・エン・バロワ。首府ヴァノー。
半人(はんじん)
分類:その他 初出80話。第9期に生きた思想家ユニウスの言葉?原初人類の祖形。半人半獣の存在。人類の全ての災悪が生まれ出るところのものである「所有」を知らないため、自己愛と思いやりに満ちているとされる。
石(ピエ)
分類:その他 初出77話。レスパンによる、人がただあることのたとえ。”意味はない。それは人に仕掛けられた最も残酷な罠である。我々はただ在る。だから人オンは石ピエである。大きな石であり小さな石である。使える石もそうでないものもある。理由はない。ただ差異がある””全てが平等に無意味であるならば、この差はなんなのか。この身分の差は。”
東蛮地の小娘(ひがしばんちのこむすめ)
分類:肩書 初出76話。オーブルがアナリゼを指して発した罵声。”「関係とはなんだ!どこに関係が?教えてしんぜよう。陛下は惑わされておいでなのだ。あの蛮族共。我らサンテネリ世界の中心の猿まねばかりする、あの蛮地の女など娶られて。なにがめでたい!ルロワの大蛇紋は世界の笑いものぞ」”
光の大回廊
分類:場所 初出話。光の宮殿の一角、壁を一面硝子張りにした大回廊。アナリゼのお気に入りスポット。公務のない夫を昼食後に連れ出して佇むのがアナリゼの定番。回廊脇に設えられた豪奢な白塗りの椅子が彼女の定位置。普段二人きりで過ごすことのない王妃のために、そば仕えの者たちによる通行止めが行われる。”「廊下が…綺麗です。鏡が多く…」”
21期には美術館として解放されている。"片方の壁面は大量の透明な玻璃ガラス、対面の壁には巨大な鏡。天井から吊るされた金の垂れ燭台。光に満ち溢れた大空間だが、観光客の人口密度のせいでそれどころではない。"
21期には美術館として解放されている。"片方の壁面は大量の透明な玻璃ガラス、対面の壁には巨大な鏡。天井から吊るされた金の垂れ燭台。光に満ち溢れた大空間だが、観光客の人口密度のせいでそれどころではない。"
「人の自然に関する宣言」
分類:その他 初出106話。サンテネリ共和国(第1共和国)の成立に先立ち国民会により採択された宣言。第2共和国憲法の祖型。
人は、自由の刑に処せられている
分類:その他 初出48話。大学生だったぼくが購入した本にあった一節。おそらくサルトルのもの。
深い青の衣裳
分類:ファッション 初出66話。雪の王に降りこめられて光の宮殿に逗留を強いられることとなったガイユール公爵ザヴィエを応接室に招いた際のゾフィの衣裳。”ああ、この子は昔から青が好きだった。”
深紫の衣裳(ふかむらさきのいしょう)
分類:ファッション 初出26話。グロワス13世に女官長を任命された際にブラウネの継母フェリシアが着用。
付帯法院(ふたいほういん)
分類:組織 初出86話。正式には貴族会付帯法院。当初は各領の領主達が持つ裁判権を委託する対象として生まれた合同裁判所。”付帯”の文字はその名残。現在では王権に基づき裁判を行う国家の司法機関となっている。シュトロワの貴族会付帯法院を上級裁判所として、全国の大都市に地方付帯法院が存在。地方付帯法院は日々起こる民事、刑事あらゆる事件を裁き、貴族会付帯法院は控訴審裁判所であり社会的に重要な意味を持つ事件のみを取り扱う。また貴族会付帯法院のみが担う役割として「勅令審査」があり、レスパンはこの点に目をつけることで困窮した多数の貴族を取り込むことに成功、枢密院令の可決を妨害。
フロイスブルの家族広間
分類:場所 初出90話。ブラウネの実家。バルデルが後世の歴史家によるグロワス13世への評価と、ロベルの王位継承について思いをはせた。
フロイスブル家
分類:貴族家 初出2話。ルロワ王家の家宰を務める貴族。ブラウネの実家。サンテネリ中央山塊の麓に王家が直封した軍伯由来の800年以上続く侯爵家。長女は代々ブラウネを名乗る。900年ほど前、初代党首ブラウネ・エネ・エン・フロイスブルがサンテネリ統一戦争初期に功績を挙げフロイスブルに封建されたと言い伝えられる。付近は高原の避暑地として有名。
フロイスブル家屋敷
分類:場所 初出68話。新市街の外れに立地。大公たちのものと比べてかなり小規模だが、家格相応の大きさ。
フロイスブル屋敷の書斎
分類:場所 初出68話。室内の家具は深緑と濃茶で統一されている。
フロイスブル屋敷訪問時のバルデルの服
分類:ファッション 初出68話。”短く刈り込んだ赤みの強い金髪が、纏った緋色の上着によく合っていた。”
フローリアが王に会いに行くときの服
分類:ファッション 初出93話。"しかし、半年ほど前から、彼女は赤地の服ばかり身に纏うようになった。周囲はその変化に疑問を抱いたが、当人は「赤が好きなの」の一点張りである。""母譲りの赤みを帯びた金髪、そして純度の高い蒼眸と、赤い服は奇妙な調和を見せた。"
フロールの店
分類:場所 初出77話。新市河岸に立地。近所の住民を相手に昼は軽食を、夜は酒を出す典型的な”たまり場”。ジュール・レスパンの通学路にあるためよく利用する。大きな日傘と粗末な食卓が三つほど並ぶ野外座席は見晴らしこそよいが、それ以外はとにかく最悪でとにかく臭い。その後移転を繰り返し、一等地とはいえないまでも新市の”そこそこ”よいところに大きな店を構えるようになった(88)。
ブシュオンの店
分類:場所 初出96話。メゾ・ブシェオン。ルー・サントルの宝飾品大店。アニェスと小グロワスがデートで訪れた。石造三階建ての一階部分に展示と商談用の空間を設けている。店主はフレデール。""「我らは意匠に動物を用いることを持ち前としております。例えば鳥や犬、猫。一風変わったところでは針鼠もございます。そしてとっておきは我らが王の証、蛇も」「蛇ですか。それはどれでしょう」""「姫様の白絹のような御手元に可愛らしく巻き付く幼い蛇と見えましょう」"
ブラウネの侍女衣装
分類:ファッション 初出15話。短い袖の付いた黒の貫頭衣。装飾は一切ないが平民のよそ行き服が複数買えるほどの上質な生地で仕立てられている。装飾品の類も身に着けていなかった。”陛下、お手のお怪我、ご不便でございますね!ブラウネが”お世話”いたしますのでご安心くださいませ””そうでございましたか。でも、今後はそのようなことは起こりません!ブラウネが”お世話”いたしますので”
ブラーグの工房
分類:場所 初出97話。メゾ・ブラーグ。アブラムの工房。ルー・サントルの終端間際、勝利広場に続く一角に立地。店の2階は工房になっている。"実用本位の室内だが、広さに比して不釣り合いに大きい窓が思う存分取り入れた陽光が、その質素な佇まいを漂白された美に転換せしめている。"
ブラーグ社(21期)
分類:組織 初出101話。サンテネリを代表する時計・宝飾品企業。創始者アブラム・ブラーグ。18期から20期にかけて目まぐるしく変転するサンテネリ政治の荒波を上手く乗り切った。20期の中葉以降、経営危機に陥ったのち、宝飾品業界再編成時に公金を注入された資本連合体の買収を受けて再生。創始者アブラム・ブラーグが制作した伝説的な一品、世界初の渦型機構タルビロンを搭載した腕時計「大グロワス」を復刻した。高級時計会社の中でも社史を重視する傾向が強いく、グロワス13世の功績の再検証を進めた。
ブルテ地方
分類:場所 初出76話。サンテネリ西部中央に位置。元は独立した公国であり、婚姻で深く結ばれたアングラン王家とは互いに相手の領域に領地を持つほど文化的に近しかった。ガイユールやアキアヌと並ぶサンテネリ領域の半独立国であったが、グロワス7世に征服されその領土の大部分がルロワ朝の王領と化した。グロワス7世はそこに譜代の軍伯を多数封建。公領の独立性は奪われ、ルロワ朝への臣従を誓う中規模諸侯となる。アングランと低地諸国、そしてサンテネリという三大商業圏の結節点の座はガイユール領に占められたため交易拠点としての地位を喪失したが、新大陸との貿易に乗り出して繁栄を取り戻した。結果、アングランと競争関係に陥ったものの、いまだサンテネリに残る数少ない親アングラン勢力。新大陸交易の不調、エストビルグとの和約、連隊の解散、”雪の王”の壊滅的被害により、新王の治世下で彼らブルテ地方の貴族達は苦杯をなめ続けている。
ブルノー商会
分類:組織 初出77話。ボスカルの実家。比較的新興とはいえ、明らかに「上」の領域に入り、近年衣料品の製造や国内の銀行業にまで手を広げている、シュトロワで最も勢いのある商会の一つ。三兄弟の上二人は実業の道に、三男のボスカルは法学の道に進んだ。リーユにも支店がある。
プロザン王国
分類:国家 初出9話。プロイセンがモチーフ。首都はべリオン(54)。帝国中央北部を抑える小王国。元々は牧歌的な公国だったのを、今から二代前の公が礎を築き、先代の王が軍備を整え帝国の戦争で活躍、王号を名乗ることを帝国に認めさせた。
葉っぱ(フュー)
分類:アイテム 初出44話。焼き菓子。グロワス13世とぼくの好物。ブラウネが手作りしてくれるようになった。
ぼくの旅行
分類:イベント 初出31話。アナリゼの輿入れを前にルロワ王家とガイユール公との結束を固めるために行われた国家行事。サンテネリ首都シュトロワからガイユール公領首府リーユまで、往復で約一ヶ月程度の行幸。随伴兵は500人程度。なお先代グロワス12世の同地への行幸では20000人。
ぼくの日記
分類:アイテム 初出59話。転生後、ぼくが日本語で書いていた日記。豪華な革表紙がついた大判のノート5冊につづられた。メアリの妊娠を機に終了。
ぼくの結婚式
分類:イベント 初出25話。正教新暦1715年7月3日、良く晴れた日にイレン大聖堂にて開催されたアナリゼ(18)とグロワス13世(22)の結婚式。サンテネリとエストビルグ両国の和解が目的。財政的問題から慎み深い規模。この日を境にアナリゼはエストビルグの王位継承権を放棄し、ルロワ家の人間となった。
ぼくの結婚装束
分類:ファッション 初出25話。膝丈の白い貫頭衣と白い長ズボン。腰元にはルロワ家伝来の腰留。上半身の大半を覆う大判布は大きな金色の布で、槍を突き刺された大蛇の紋章が大きく刺繍されている。腰留から剣を垂らし、頭には王冠。
ぼくの腕時計
分類:アイテム 初出27話。グロワス13世の注文を受けアブラムが制作した、恐らく大陸初の腕時計。小型懐中にラグを付けて、そこに牛革の革ベルトを装着。ほんとうはアリゲーター革がよかった。自慢された際、ブラウネは腕時計よりもぼくの顔を見ていた。ゾフィは即同じものを発注。痩せ細ったときは革帯に空けた穴が合わず一つ内側に追加穴を空けていた。裏蓋を硝子仕上げにしてあるため中の機械を眺めることができる。破損による怪我防止のため、硝子面の上に金の裏蓋を付け、手で開けられる仕組み。(72)。
ぼくの運動着
分類:ファッション 初出38話。太ってきたことを気にしたぼくにメアリがあつらえた服。ブルーグレーの分厚い詰襟に黒い側帯がついてビシッとクリースをきかせたスラックス。勲章や略綬の類いは全く付いていないが金の肩章が目映い。どう見ても「運動着」には見えないただの近衛制服。
ぼくの運動着にメアリがつけようとした勲章
分類:アイテム 初出38話。夫の軍装姿をいたく気に入ったメアリがノリノリで考えた。近衛軍監が付ける近衛軍最高記章(シニュ・エン・ガール)に王冠を付与したワンオフ。近衛軍には元帥位は存在しないため、「私の考えた最強の近衛軍地位」(ガイユール演説時は間に合わず(39))。加えて黒針鼠スール・ノワ部隊の司令官章とサンテネリ国軍の元帥略綬、アキアヌ公国やガイユール公国の名誉勲章も付ける。
ぼくは欲情している。
分類:その他 初出19話。ブラウネにワインを飲まれたぼくが興奮して思った。
ボルデヌ
分類:場所 初出55話。勇者の宮殿でのぼくの演説に登場した地名。
ま行
魔王(まおう)
分類:その他 初出12話。ぼくが欲しがっている。”赤い国家財政とか無産市民とか新大陸紛争とかそういう無敵の何かじゃなくて、剣と魔法でちゃんと倒せるやつ。”
魔力(まりょく)
分類:その他 初出4話。魔力とは神が人に与えた魂の総量であり、自らを律し人を従える力。その大小が貴賤を定めるとされる。グロワス13世治世ではすでに存在が大きく疑われており、社会階層を正当化するための権力装置と考えられている。
魔力否定条項(まりょくひていじょうこう)
分類:その他 初出106話。「人の自然に関する宣言」第一条の別称。”人を先天的に区分する要素は、およそ我らの生きる自然界には一切存在しない”
緑色の瀟洒なドレス
分類:ファッション 初出3話。ゾフィが着用。「長い濃茶の髪を結い上げて~」
メアリの出産
分類:イベント 初出82話。生まれて間もない娘メアリ・アンヌを抱える妻メアリをグロワス13世は大きく抱き留めた。異例。サンテネリ貴族の女は出産を終えたのち、お産の場となった寝室で赤子と共に一週間を過ごすのが習い。正教の教えでは、この7日間で母親の魔力が子にしっかりと染み渡ることが後の正常な発育に重要な役割を果たすとされる。七日が過ぎて客の訪問が許されても、男の魔力が過度に作用し、自然の性さがに歪みが生じてしまうとして主人が赤子を抱くことは許されない。”私は生まれた時から、こうあるように定められたのです”
申し訳ない
分類:その他 初出73話。グロワス13世がよく使う言葉。宮廷大臣フロイスブル侯爵によると、政の場でのこの王の言葉は非常に恐ろしいもの。
物語(ものがたり)
分類:その他 初出25話。正教による運命の定義。人の世をこの世の初めから定められた「神が描いた物語」であるとする。良いことも悪いことも、それは神によってあらかじめ定められた物語なのだという、ある種の救い。
モンフェル
分類:場所 初出32話。フロイスブル首府。中央山塊の麓にある中部の主要都市の一つ。高原の避暑地としても有名。
な行
何の変哲もない金時計
二重戦争(にじゅうせんそう)
分類:イベント 初出83話。1728年、プロザンがシュトビルグ王国に侵攻したことで開始されたサンテネリ・エストビルグ VS アングラン・プロザンの戦い。グロワス13世の23年に及ぶ治世において、サンテネリ王国が対外的に武力を行使した唯一の機会(107)。メリア王女12歳時に開戦、15歳時は継戦中。列強国家同士の総力戦となった。戦費増大に対応するため、サンテネリ枢密院は平民参与を大きく増員。戦果的にはアングランの大陸上陸を阻止、一時的に低地諸国を占領するなどの優勢も見せるが、破滅的な大戦回避の判断から新大陸植民地の大部分を(グローヴィル(現在の連邦共和国都市グローベル)を含む(106))アングランに割譲、プロザンへ人質として王女マルグリテを送るという屈辱的決着を見た。1733年終結(102)。
二重戦争名の由来:フライシュ3世の後を襲った新王フライシュ=ヴォーダン2世は、サンテネリ主導による三王同盟に含まれる半自由交易が自国の産業を破壊する狙いとして、サンテネリの新大陸再進出を危惧するアングランと結び、秘密協定を締結。新大陸植民地での攻勢をかけるアングランと轡をそろえて中央大陸で開戦、シュトビルグ王国に侵攻した。同時期サンテネリは新大陸における軍の衝突をきっかけに、中央大陸においてもアングランとの戦争に突入、サンテネリ、アングラン、エストビルグ、プロザン、そして帝国諸公国と低地諸国を巻き込んだ大戦争となった。中央大陸と新大陸を舞台に同時に戦われたため、これら一連の戦いを総合して「二重戦争」と呼ばれる。
や行
夜会でのアナリゼ侮辱事件
分類:イベント 初出76話。(新暦1716年?)7月半ば、光の宮殿(パール・ルミエ)の庭園で催されたアナリゼとグロワス13世の婚姻1周年を祝う非公式な夜会にて発生した。泥酔した没落貴族オーブルがアナリゼを罵倒し、いさめようとしていたブルテ公が剣を抜く寸前、グロワス13世が仲裁、アナリゼの手酌により手打ちに。公式な処罰は行われなかった。
焼き菓子
分類:アイテム 初出4話。グロワス13世が好きな甘いお菓子。
「山に住むものは山に。海に泳ぐものは海に生きよ」
分類:その他 初出21話。正教の聖典にある文句。仇敵エストビルグから正妃を迎えようとするグロワス13世に対し、マリエンヌが引用した。”地元が一番”
槍で串刺しにされた蛇の紋章
分類:その他 初出2話。サンテネリの紋章。主にグロワス13世の大判布に刺繍されている。盾上蛇紋。微妙に蛇がリアルに描かれたルロワ家の紋章。
ユニウスの剣
分類:アイテム 初出39話。ユニウス・エン・デルロワズ元帥が所有。マルグリテ女王がまだ王女の頃、「自らの騎士」であるユニウスに贈り、彼の刑死後は終生手放さなかったとされる地味な鉄剣。現代のものよりも刀身の太い諸刃で、結構な重量がある。黒い鞘からは無骨な一文字の鍔が大きくせり出し、長柄の中央には”貫き通さむ(ヴェール)”との文字が彫刻されている。柄の先端には女王の瞳と同色の翆輝石が埋め込まれている。ルロワの宝剣、女王の剣等と呼ばれている(40)。
ユニウス思想
分類:その他 初出41話。9期に突然現れた危険思想。人の価値や意味を信じない。人は無意味な存在である。
傭兵(ようへい)
分類:肩書 初出29話。プロ軍隊。レムル半島の小王国とか帝国内の半独立諸侯とかがやっている。メリットは遠方での戦闘が可能なことと永続雇用の必要がないこと、デメリットは単純に「高い」。低地諸国は活きのいい傭兵の産地。
ら行
ランデネム
分類:場所 初出28話。アングラン首都。本島中部から南東に向けて流れるタムネス河の河口に位置する。河を挟んで北岸に王宮、そして南岸には首相宮がそびえ立つ。
リノニアの撤退戦(-てったいせん)
分類:イベント 初出54話。イーザン会談の帰り道にフライシュ王が息子に語った過去の戦い。プロザンの負け戦と思われる。直衛まで切り込まれてフライシュ王も死を覚悟した。瀕死でも闘志を失わない随伴の兵の思い出から、会談でのぼくの振る舞いを「死ぬ直前の兵」と評する。”「なんだ?何を恐れている?私ではない。他の何かだ。なぁヴォーダン、23の王は何を恐れている?」”
リーユ
分類:場所 初出35話。ガイユール首府。グイヨン川に面して創建された。西海に面する港町カレスとの間に運河を通して以来、北の低地諸国、西のアングラン、そして南のルロワ勢力圏という巨大な人口を誇るこの三つの経済圏の結節点。度重なる市街拡大の結果、古い城壁の跡地は道路として整備され、ガイユール居城と広場を中心に放射線状に走る数本の大路と、それを横切る形で同心円を描く大道という面白い形が生まれた。
リーユの大門
分類:場所 初出35話。4階建てくらいのビルの間に巨大な梁を渡したような不思議な建造物。ガイユール公領の歴史絵巻と思しき精密な浮き彫りが白い壁面をびっしりと彩る。
領主関税権の一時凍結(りょうしゅかんぜいけんのいちじとうけつ)
分類:イベント 初出68話。アキアヌ公、ガイユール公主導で進められた政策。関税権を廃止することで家領の枠を取り払い、地方行政区画の整理を行う。関税権の穴埋めに領主には枢密院により地方長官職と俸給が与えられるが、世襲はされず罷免の可能性もある。この政策はルロワ譜代の中規模領主に甚大なダメージをあたえるため、王はまさにルロワ譜代代表である家宰マルセルが反対しないことに猜疑の目を向けた。
ルエン
分類:場所 初出32話。デルロワズ首府。バロワ首府ヴァノーからは徒歩で4日ほどの距離。
ルロワ大公領(-たいこうりょう)
分類:組織 初出18話。広義のルロワ家。ルロワ家本体と親族、譜代諸家をあわせたグループ。家宰フロイスブル家、軍事デルロワズ家、近衛バロワ家。
ルロワ王家(-おうけ)
分類
ルロワ紙幣(-しへい)
分類:アイテム 初出85話。グロワス13世の授業の経済学を受け、息子・娘たちがたわむれに作った私的通貨。両掌を広げたほどの上質紙を十字に切り、4枚の小片にする。そこに3人が自身の名を記し、一番上に「ルロワ紙幣」と飾り文字で書き込んだもの。自作紙幣を使いたかった子どもたちは、授業料として父へ渡した。
ルー・サントル
分類:場所 初出3話。王都シュトロワ市街地を貫き勝利広場に繋がる大通り。服飾や貴金属商店(高級)が軒を連ねる一等地。銀座。
歴史学(れきしがく)
分類:その他 初出101話。16期、ラースが切り開いた“歴史の学“。その「目的」を置換することによって様々な変種を生み出した。18期後半から19期初頭にかけて勃興した“国民史観“、”王党史観”等に代表される。
旧市(レジー・アンシェ)
分類:場所 初出60話。シュトロワ内、ロワ河北岸の旧市。先の大戦の犠牲者を追悼する公共施設「勇者の宮殿(パール・クールール)」や、国政の中心機関たる国会(オネ・コンシー)が開かれる会堂(セアトル)が立地。旧市は戦後の再開発を経て、その名とは裏腹に若者を誘引する流行の発信地となっている。
新市(レジー・ヌール)
分類:場所 初出60話。シュトロワ内、ロワ河南岸の新市。世界最高峰の高級ブランドが本店を連ねるルー・サントルや、旧ガイユール公家の館を改装した統領プレダン官邸、光の美術館、その他官公庁が点在。少々古めかしい雰囲気で、ルー・サントルこそ華やかな盛り場ではあるが、あくまで富裕な大人向け。
レスパンと最後に会うグロワス13世の服
分類:ファッション 初出91話。金糸縁取りに略綬と比較的装飾の多い国軍装。
大改革(レフォルマシオン・グロー)
分類:イベント 初出108話。1742年6月の記録的な豪雨とそれによる食糧難により引き起こされた一連の出来事。市民暴動により王族が追放された結果、平民と貴族勢の間で内戦に陥る危険のあったサンテネリだが、祖国戦争を機に国民として結束。地方分権構造を一新し、強力な中央集権とそれが生み出す巨大な力を手に入れることとなった。
1742豪雨食糧難→シュトロワ暴動→王一家脱出→一期共和制→1743祖国戦争、新大陸独立戦争→1745グロワスI即位→1747サラスにてグロワスI戦死→1748第二次シュトロワ条約、祖国戦争終結、連邦共和国独立承認→1750レスパン暗殺→1752ロベルⅢ即位(復古王政)→1770サンテネリ共和国令発布→二期共和制。
1742豪雨食糧難→シュトロワ暴動→王一家脱出→一期共和制→1743祖国戦争、新大陸独立戦争→1745グロワスI即位→1747サラスにてグロワスI戦死→1748第二次シュトロワ条約、祖国戦争終結、連邦共和国独立承認→1750レスパン暗殺→1752ロベルⅢ即位(復古王政)→1770サンテネリ共和国令発布→二期共和制。
レムル半島
分類:国家 初出話。イタリアがモチーフ?
レムル半島の大学
分類:組織 初出79話。公的な機関ではなく、学問を趣味とする個人の集団が各自の研究分野について行う一種の意見交換会がその興り。特にレムル半島の諸都市に存在する大学群は当代においてもその色を強く残し、施設も運営資金も私的な寄付を基盤とする。都市の有力市民達にとって大学は誇りであり、その運営の一端を担うことはこの上ない名誉とされるため、寄付に事欠かない。定期的に行われる膨大な資金流入は市の予算に近しい。卒業生の多くがそのまま市の運営を司る政治家となる。
連隊長
分類:肩書 初出29話。サンテネリ軍基本単位連隊の長。貴族諸侯。流民や貧民を兵隊にしたてて連隊を組織する。資金は国庫からの支出。常時の戦争(小競り合い)で砦を攻めているときは中抜きのことしか考えていないが、会戦になると「名誉と栄光」を求めて命知らずになる。
雪の王(ロー・ナーグ)
分類:イベント 初出63話。正教新暦1716年2月15日深夜から降り続いた100年に一度クラスの豪雪。旧市・新市を問わず街は白銀に染まり、ロワ河すら一部凍結した。積雪により枢密院閣僚招集が不可能であったため、グロワス13世は先日放棄したはずの王権を行使して対応にあたった。当時王は24歳。
ロワイユ
分類:肩書 初出62話。王妃の意か。”「ブラウネ妃(ロワイユ・ブラウネ)、王(ロー・グロワス)はその権能を以てあなたを庇護する。あなたが私を支えてくれるように、グロワス13世(ロー・グロワス)はあなたを守ろう」”
ロワイヨブル
分類:場所 初出33話。ガイユール公領の玄関口。バロワ首府ルエンから徒歩3日程度。年季の入った城門から一直線に伸びる大通りの先に市庁舎広場がある。ガイユール侵攻時は最初に陥落した街で、首府リーユ攻略の前線司令部となった。
ロワイヨブルの夜
分類:イベント 初出33話。ガイユール行幸の途上ロワイヨブルで勃発した近衛と黒針鼠の対立。両者はともにサンテネリの民と国を守る仲間であると弁舌をふるったぼくの仲裁により衝突は回避された。
ロワ河
分類:場所 初出6話。大陸北西部を流れる河川。中流域にシュトロワが立地。
ロワ河新市岸
分類:場所 初出77話。夏になると不快な臭気が立ち込める川辺のエリア。旧市に住むほど落ちぶれておらず、新市の一等地には全く手が届かない中層下部の市民達が集う場所。”貧者の王、富者の末”とあだ名される。
ロー
分類:その他 初出51話。「王」を意味するサンテネリ語。偉大なグロワス王ならロー・グロワス・グローとなる。
わ行
ワイゼンベル家
分類:貴族家 初出74話。帝国貴族。帝国大管長ペテル・ヴォー・ワイゼンベルの家。豪胆公の血筋の武門。レムル半島と帝国領域を隔てる白山脈ワイゼンベールの麓に領地を持つ中規模諸侯家。家領が農耕に適さぬ高地のため、長く傭兵業を主産業としていた。中でも9期後半の当主は中央大陸中の戦争という戦争に顔を出し荒稼ぎした名将として”豪胆公”とあだ名される。
若手経営者の会
分類:組織 初出2話。飲み会サークル。