惑星Caligula  - 世界観共有創作wiki -

冬京国

最終更新:

kenja

- view
メンバー限定 登録/ログイン

冬京国

ファンタジックなんちゃってチャイナ
紫禁城や清朝時代の街並みをベースに1980年代の北京くらいの発展加減
キョンシーの製造は法律で禁止されています

國の統治機構や政治など

概要

ムーラン大陸の西、北氷洋上に位置する絶対君主制国家。首都は寿陽。
領土は1島から成る。現地では自国を島と表現することは殆どなく、長らく正式な島の名称を定めることもなかったが、国際的には冬京島とされている。
冬京語の発音の複雑さのために地名の表記にばらつきが生じやすい。トウキョウ、トンキンという表記が多い傾向にあるが、現地の発音はドンジンに近い。

冬京島に暮らす人間の歴史は長いが、惑星歴前440年頃に一夜にして都が焼けて滅んだと伝えられ、あらゆる歴史的な資料もその際に焼失している。
この出来事は大兇変と呼ばれ、火山の噴火が原因という説が有力だが詳細は不明である。
国の中央が壊滅した状態から徐々に復興し、群雄割拠の時代を経て現在に続く王朝が成立したのは惑星歴106年のことである。

国土の7割近くが氷雪地帯となっており、人が定住することができるのは翠山を中心とした火山地帯に限られる。
火山地帯は温泉が豊富で、高緯度であるにもかかわらず冬の寒さはそれほど厳しくはない。
最大の河川である紫昌江より西の地域を西台、東の地域を東台と呼ぶ。


主要な都市は首都である寿陽と港湾都市である善治のふたつで、国の直轄地となっている。
火山地帯はいくつかの行政区(県)に分けられ、それぞれに皇帝より任命された知事か置かれる。
氷雪地帯の殆どは無人で、国有地とされる。

最高峰:千山 4,518m
最大の河川:紫昌江
最大の湖沼:陽天池

 関連ページ
  寿陽
  善治
  黒上


政治

皇帝を国家元首とする絶対君主制。皇帝の下に宰相が置かれ国政を補佐する。
立法については諮問議会が置かれる。諮問議会の議員は皇帝により任命され、議会は政治的実権を持たない。
司法権は司法庁に属するが、司法庁長官の任命は皇帝によって行われる。

公共設備

電気 地熱発電と水力発電が行われている
   都市部では電気が普及しているが、農村地域では電気の通っていない集落も小数ではあるが存在する
水道 都市部では上下水道が整備されている
   農村地域では生活用水を井戸から汲み上げていることも多い
通信 電気が普及している地域では電話が利用されている
   農村地域では都市部に比較して個人が所有する電話は少ない

皇帝批判は不敬罪に当たり、文書化した場合には極刑の例もある。
多数の新聞社、テレビ局、ラジオ局が存在するが政治に対する批判的な報道は「修正」される。

交通

移動には専ら自動車が利用される。山間部は未舗装の道路も多い。
鉄道は寿陽と善治を結ぶ国営鉄道のみ。通過する県のいくつかの市街地にそれぞれ駅があり、重要な交通、運送の手段となっているが、惑星歴183年の開通から70年余りを経て路線は一切拡張されていない。

産業

農業 主要農作物は小麦、稗、芋類、大豆、小豆、キャベツ、カブ
   リンゴやプラムなど寒さに強い果物や、砂糖の原料として甜菜も栽培されている
漁業 タラ、カレイ、エビの漁獲量が多い
   捕鯨が行われており、クジラは食用としてだけではなくその骨や油も重宝されている
畜産 羊の飼育数が最も多く、牛、豚がそれに次ぐ
   鶏やアヒルなど家禽の飼育も盛ん
鉱業 岩塩、石炭、翡翠(硬玉)が産出される
工業 食品工業、鯨骨や翡翠の加工、繊維業(羊毛)
   自動車や船舶、コンクリートの製造

言語

公用語は冬京標準語。
国土は広大だが人口は西台地域に集中しており、言語はそれほど分裂していない。
特に現王朝成立以降は言語統一政策が敷かれており、地域による発音の差もなくなっている。
氷雪地帯を移動しながら生活する少数民族は冬京標準語とは語彙も発音も異なる独自の言語を持っていることも多いが、近年では標準語をまったく話せないという者はほとんどいない。独自の言語が失われつつあることを憂い、保存するべきという声も上がっているが、国の言語政策に異を唱えることにもなるため現地の人間が積極的に活動することは困難と言える。
(*繁字体の中国語の雰囲気)

気候

年間を通して寒冷な気候だが火山地帯は比較的暖かく、真冬の最低気温の平均は氷点下3℃程度である。
降雨は冬よりも夏に多い。北部の山岳地帯(北千嶺)では天気が短時間で変わりやすい。

火山

冬京島には78の活火山が確認されており、特に人々の生活圏に近いのが火山としては国内で最も標高の高い翠山(3,018m)、である。
翠山が最後に大きな噴火をしたのは惑星歴前364年で、それ以来は噴気活動や小規模な噴火は頻繁に見られるものの記録上死者は出ていない。
翠山に限らず、火山灰などが農作物や家畜に与える影響は無視できないものではあるが、比較的温暖な火山地帯を離れて生活することはできず、また首都である寿陽は翠山の麓の温泉(国内最大の湖でもある陽天池)を利用して発展した都市であり、人々の生活は火山と密接に関わっている。

暦や単位など

暦・時間

惑星歴、世界標準時間に準拠する
古くは独自の暦や単位が用いられてきたが、現王朝成立時に統一された

祝祭日など

国民の休日 日曜日 役所は休みになる
元日 1月1日 新年を祝う日
星明節 4月10日
国恵節 9月22日
喜陽節 11月11日

星明節
先祖の霊を慰める行事。
家族で先祖の墓に参って墓石を洗い、食べ物と酒を供えて紙幣を模った紙を燃やす。
供え物には亡くなった人が死後の世界で不自由しないようにという意味がある。
墓が汚い、供え物が不十分だと死者は死後の世界にいられなくなり、現世に戻って悪鬼になってしまうと言われる。
先祖を悪鬼にすることは恥であり、誰しも星明節だけは墓の手入れに勤しむ。
もちろん普段からまめに墓の掃除をすることは推奨されている。

国恵節
現王朝が国土を統一したことを記念した祭り。
寿陽では閲兵式が行われ、皇帝の居城(禁城)の一部、南熊門広場が解放される。
一般人が禁城に足を踏み入れることができるのは原則として国恵節のこの時のみである。
国恵節には伝統衣装を身につける人も多く、華やかな装いが目を惹く。

喜陽節
天地に酒を捧げて無事に冬を越すことを祈る行事。
天を守護する慧翔公主、地を守護する蒼落太子、それぞれに供え物をする。
天と地は隔てられていてこそ泰平であるとされ、祭壇は必ず別にして供物を捧げる。
慧翔公主はコケモモやサンザシなどの果実酒を、蒼落太子は強い白酒を好むと言われるため備える酒もそれに倣うことが多い。
大人は酒を楽しみ、子供には小豆などの豆を甘く煮た汁粉が振る舞われる。

単位

長さと質量はメートル法に準拠する
通貨は玄と合。100合で1玄、1玄は100円程度。
銅貨:1、5、10合
紙幣:1、5、10、100玄

在住種族

主なもの

彬族(ひんぞく)
冬京国の人口の大多数を占める民族。
厳密には戦国時代の分布から複数の派閥に分かれているが、今日ではほとんど区別されない。
彫りの浅い顔立ち、白い肌が特徴。髪は暗色が多いが、瞳の色は個人差が大きい。
男性の平均身長は175cm、女性の平均身長は158cmとやや大柄な部類。

家族と金銭を重んじる傾向があり、義理堅いが人情味は薄い。
もちろん例外はあるが、たいていの人は血の繋がった家族を優先する。また、家同士の繋がり、釣り合いも重視される。
金銭や仕事に対する誠実さを求め、成立した取引については間違いなく履行しようとする。後に請けた仕事よりも先に請けた仕事を優先する。
しかし、長い付き合いだからといって無条件に契約が更新されるということはなく、売り手も買い手も条件の良い取引先に積極的に乗り換えていく。

庶民は素朴で、特に外国からの客には優しい。
官僚や上流の者ほど礼儀に細かく神経質に見える。

少ないが在住している種族

娥州族(がしゅうぞく)
西台の氷雪地帯に住む民族。トナカイの放牧を生業としている。
ニンジンのような赤毛が特徴。顔立ちは彬族と変わらない。
火山地帯に近いところに暮らして何らかの副業を持っている人がほとんどだが、氷雪地帯を移動し続けている集団も小数ながら存在する。

拿族(なぞく)
東台の氷雪地帯に暮らす狩猟民族。数世帯からなる小さな集団で移動している。
外見的特徴は彬族と変わらない。伝統衣装は毛皮を縫い合わせたものである。
東台でも比較的西寄りに暮らしている集団が多く善治に出稼ぎに来る者もいるが、島の東端まで移動する集団もある。

冬京人の命名

姓+個人名で構成される。
姓、個人名ともに漢字で一文字または二文字である。二字姓はやや珍しい。
男性はその父親の名前から1字を受け継ぐことが多いが、必須ではない。

三文字の姓は皇帝の一族のみに許される。
現王朝の皇族の姓は恒河沙(ごうがしゃ)である。
(*姓は百家姓あたりを参考にしてください)

治安

法律

六恒律という法令が定められている。
君主の権利と義務、人民の権利と義務、刑法、民法、商法、軍法から成る。

刑罰については五刑が定められる。
鞭刑:房状の革の鞭で受刑者の臀部を叩く最も軽い刑罰。叩く回数は罪状により10回から50回の5段階に分けられる。
杖刑:鞭刑に次ぐ軽い刑罰。受刑者の臀部または背部を木製の杖で叩く。60回から100回の5段階に分けられる。
徒刑:受刑者を獄に拘禁して労役に服させる刑。病気の際には労役を猶予されるが回復後にその分の刑期が延長される。
流刑:辺境への追放刑。現在は事実上廃止され形骸化している。
死刑:強盗殺人や海賊行為などの凶悪犯に適用される生命刑。死刑囚に対しては主に斬首刑が執行される。
不敬罪に適用された例もある。

君主に背き兵を動かすべからず
君主の宮殿また墳墓を破壊すべからず
外国と共謀し本国に害なすべからず

上記を犯すことは国家反逆の大罪とされ、斬首刑の執行の後に遺体は3日間衆目に晒される。
皇帝弑逆は未遂であっても企図していたことが明らかにされれば極刑は免れず、過去には凌遅刑が執行された記録もある。

犯罪を取り締まる機構

国土の防衛、海上保安は冬京陸軍および冬京海軍が担う。
治安の維持には軍警察と一般警察を兼ねる憲兵軍がその任にあたっている。

犯罪組織など

いわゆる黒幇といった反社会的勢力が存在する。
たいていの街に根を張っており、特に性風俗産業や個人経営の飲食店などはこれと無関係ではいられない。
誘拐、人身売買、麻薬の製造密売、キョンシー製造がひっそりと、しかし確実に蔓延しており、国家的組織との癒着が噂されている。

キョンシー製造

大兇変以前には一般的だった死体利用技術。人間や動物の死体に命令を書き込んだ呪符を貼ることで死体を動かす。死体に意思はなく、呪符に書きこまれた命令以上のことは行えない。主に荷運びなどの単純労働に用いられていた。
現在ではキョンシー製造取締法によって死体売買とともに禁止されているが、未だに愛好者がいるのが現実である。

国際関係



宗教

玄盈道(げんえいどう)

体系化された厳格な宗教というよりは冬京に暮らす人々に根付いた思想のようなものであり、玄盈思想とも呼ばれる。
玄は明かりの及ばない暗いところ、盈は満月の明るさを表す。
何事にも暗いときと明るいときがある、殊に真理などというものを求めると道は険しく暗いが、進むべき道が見えたときには目の前が明るくなるものである、暗いだけの道も明るいだけの道もない、よく歩みよく生きよ、という理念を基本とする。
明暗や生死は表裏一体であり、どちらも一方のみでは存在し得ない。

多神教的な宗教であり、火山の神、商売の神、学問の神、航海の神、土地に祀られてその土地を守る神などが多く存在する。
冬京の人々にとって大切なことはどういう宗教に属しているかではなく、どんなご利益を求めてどの神に祈るかである。

玄盈道における祈祷師は道士と呼ばれ、葬儀・法要での読経や地鎮祭などの宗教行事を行う。
出家した道士は道院で寝起きする。男性道士が住まう院は乾院(けんいん)、女性道士が住まう院は坤院(こんいん)と呼ばれる。

葬儀

寒冷地においては微生物による遺体の分解が十分ではなく、また土を掘り返すことも困難なため火葬が主流となっている。
大兇変以前には比較的若い死者の遺体をキョンシー用に売却することもあったが、無論現在は禁止されている。
また、彬族では少数派となるが天葬(鳥葬)の習慣もあり、遺体を裁断する専門の職人が存在する。この職業は特に被差別的なものではない。開業には国への届け出が必須である。

娥州族、拿族の定住しない民族集団は伝統的な天葬の習慣に従っている。

慧翔公主と蒼落太子

今日の冬京で最も重要視されている二柱が慧翔公主と蒼落太子である。
慧翔公主を祀る慧翔廟、蒼落太子を祀る蒼星廟が各地に建立され、道院が併設されていることも多い。
この二柱への供物を同一の祭壇で捧げてはならない、廟を近くに建てるべきではないとされる。
天と地は隔てられていてこそ泰平であると言われるが、二柱が不仲なためという説もある。

慧翔公主
火山に棲む鳥の女神。破壊と再生、力の象徴であり、天を守護するとされる。
太古の昔より存在し、冬京の人々の暮らしが火山から離れては成り立たないこともあり厚く信仰されている。
現王朝も国道統一にあたって慧翔公主が住まうとされる翠山の麓、巨大な温泉である陽天池のほとりに首都を置き、女神を崇めている。

蒼落太子
雪山に棲む蛇神。繁栄と繁盛の象徴であり、地を守護するとされる。
大兇変の後より東台を中心に信仰されるようになったため慧翔公主に比べて歴史は浅い。
泰清山を本山とする。

文化

建築

煉瓦や石で造られた伝統的な建物と近代的な高層建築が混在している。
慶事の色として赤を好み、建物の屋根や装飾にも赤が多用される。
(*観光地としての北京と1980年代の北京をいいかんじに混ぜた雰囲気)

服飾

被服は寒冷な気候に合わせた毛皮、羊毛を織った布製、詰襟のもの(いわゆるチャイナ服、満州服の雰囲気)が多い。
国慶節や婚礼の儀式で身につける伝統衣装は漢服に近い。
礼装はマオカラーのスーツにポケットチーフ。黒や濃紺、ダークグレーやダークブラウンのものに白いチーフを合わせる。
より儀礼的な場面ではサッシュを着用する。
チーフを省く、合わせを開けてシャツを見せるなどすると正装としての格は落ちる。また、礼装としては光沢のない生地が望ましい。
光沢のない黒のスーツに黒のチーフを合わせると喪服になる。
(*現代的な服や靴にチャイナ服要素をてきとうに混ぜた雰囲気)

食文化

寒冷な気候に強い品種の小麦が栽培されており、主食は麺や饅頭。
稗も一般的な食材だが、粘り気がないため炊飯するよりも水気の多い粥にすることが多く、主に朝食として供される。

最も消費量が多い肉は羊で、串焼きや煮込み、水餃子、肉餅(ハンバーグ)など調理法も多様。
山羊乳や牛乳、チーズの消費も多い。
沿岸部では魚も多く食べられている。煮る、蒸す、揚げる、すり身にするなど火を通す調理法が一般的だが、近年では刺身も注目されている。
独特のにおいのある羊肉の調理とともに香りの強いハーブの利用も発展した。しかし、唐辛子の類いは現地に自生しておらず、冬京の料理の味付けに辛さはほとんどない。

伝統的な菓子類は小麦と甜菜糖を使った焼き菓子や揚げ菓子、蒸しパンなどで、素朴な甘みが特徴。
豆類を甘く煮た餡を用いたものも多い。首都の寿陽では皇帝への献上する菓子を口当たり良く上品に仕上げたことから、餡は裏漉しして豆の種皮を取り除いたものが主流となっており、喜陽節の汁粉も同様に豆を裏漉しする。善治では豆の粒と食感を残した餡が主流。

酒類は麦、芋を原材料とした蒸留酒が生産される。アルコール度数は総じて40%以上と高い。
砂糖を加えてリンゴやプラム、山査子やコケモモを漬けた果実酒も好まれる。


教育機関

義務教育

義務教育は満6歳の4月からの9年間。
公立の学校については授業料・教科書を含む教材費が無料。

  公立校  初等学校:6年制(6歳~12歳)
       中等学校:3年制(13歳~15歳)
  私立校  初等私塾:6年制
       中等私塾:3年制

高等教育

義務教育課程を修了した者は上級教育機関に進学することができる。入学、進級試験があり、授業料は有料となる。
公立の全ての学校は入学金、授業料ともに同額である。
また、成績優秀者には授業料が一部返還される。

  公立校  高等学校:3年制(16歳以上の義務教育課程修了者)
       陸軍士官学校:4年制(同上)
       海軍士官学校:4年制(同上)
  私立校  高等私塾:原則3年制(同上)

  国立大学校:4年以上(高等学校および高等私塾卒業者)
   憲兵学校:4年制(同上、および士官学校卒業者)

教師の免状を取得するためには国立大学校の教育者過程を終了する必要がある。
添付ファイル
ウィキ募集バナー