導かれし者たち
「良いだろう。サラディン、貴様も我がオスマンと肩を並べる文明として認めようではないか!」
「ヤツラに対抗して行くには我らイスラム勢の助け合いが不可欠なのだ。これからも一層
共に力を合わせてやっていこうぞ。スレイマン」
AD1695、サラディン・スレイマンが永久同盟を締結! スレイマンが仲間になった!
これにより、スレイマンが持つ既存の技術を全て獲得。互いの交易資源の取引の代価にゴールドを
支払う必要がなくなった上、諜報ポイントを共有。少し前まで弓も知らなかった文明は一夜にして
先進国の仲間入りを果たすことになった。
「めふめどが なかまにしてほしそうにこちらをみている! なかまにしますか?」
「→いいえ。 そういうことは、その十字架を捨ててから言えよ」
「(´・ω・`)」
スレイマンは電気を研究中だったので、こちらも合わせて、まずは電気を開発することに。
そして大商人がなかなか出ない代わりに出てきた大技術者がスタンバイ。
AD1710 電気獲得。即緊急生産で翌ターン、第3都市にブロードウェイ建設。
AD1725 生物学獲得。同年、第4都市で大科学者誕生。黄金期を発動する。
AD1730 首都で大芸術家誕生。
「……シド寿司に使う大商人がまるで出てこないぞ。しまったな。首都でも出たばかりなので、
どうやらこの黄金期の間でも出そうにない」
「確率は70%近くあるんですが……。こればかりは運ですな。大技術者がまだ余っていますので
先に無線通信にいくのも手です。いざとなれば飢餓覚悟で全員商人を雇用し、無理矢理出させましょう」
大商人が出るまで医術があっても仕方がないので、先に無線通信を入手。
第3都市に大技術者でロックンロール建設。首都でエッフェル塔着手。技術者一人分を投入する。
それから医術へ。それまでにも、偉人はかなりの数を出してしまったために最終手段で
首都で16人の商人を雇用。人口が最終的には11まで減るが、ようやく医術の直前に大商人を確保できた。
AD1800。首都にてシド寿司開業。大急ぎで各都市にばら撒いて行く。
「研究はこのまま産業主義に向かってもいいのだが──大技術者が一人余っているのと
マスメディアがすぐそこだからな。少しぐらいの寄り道はいいか。ウチはハリウッドを建設し
スレイマンにはその間、国連でも作ってもらおう。後、悪いがスレイマン。寿司ダネを分けてくれんか」
「あー。まあこんなMAPではどこも魚や貝をもっとるし、6つも7つも余ってても仕方ないからな。
でもタダというのもな……。おや、見れば1000ゴールドちょいと、なかなか小銭を持っておるではないか。
代わりに貸してくれんかのう?(チラッ)」
「…払ってやれ。ワシらがそのまま研究費につぎ込むより、アカデミーやOX等の補正のかかる
スレイマンに託した方が効率がいいのは確かなのだ」
「承知…。ではスレイマン様、お持ちくだされ。あとこの領収書にくれぐれもサインを」
「おお、返す返す! そのうち、な!」
後にハリウッドは東の第4都市で一人技術者を投入した後、強引に購入。
国連は残念ながらユスティ・ヤコブが先に建設した。事務総長選挙には自分の名前も出たが
イザベル達がこっちに入れることは考えられず、素直にここはユスティ達に入れ恩を売っておく。
どっちにしろ外交勝利に必要な票はスレイマン・サラディンの票も含めなければ届かない。
続・そういうことをするから
AD1810。全都市にシド寿司を展開完了。スレイマンにも一人重役を派遣し出店させる。
ここで官僚制から表現の自由へ変更。加速第一段階へ入る。
スレイマンに食い込んだ第2都市は、文化を高くすると食い合い、邪魔になってしまうので
首都・南の第3宝石都市・東の小島第4都市にターゲットを設定する。その第2都市では代わりに
商人を雇ったり富を生産したりして、企業の運営費などを稼ぐ。
スレイマン以外の他国からの海産資源の輸入は、あくまで自力で賄える範囲にとどめる。まだ無理はしない。
そして、それまで沈黙を続けていたシャルル・イザベル組がついに動く──
AD1810.シャルルマーニュ・イザベルがメフメド2世に宣戦布告!
「キリスト教徒のくせに、先の戦いで何異教徒にあっさり負けてるわけ!?
いいわ、属国にして鍛えなおしてあげる!」
「ありがた迷惑──!? ていうかなんでウチなんだ! イザベルとは宗教で親しみだった筈だし
用心してるサラディンやスレイマンの方に行くほうが筋だろう!?」
(永久同盟直前。スレイマンには向かわないのに、メフメド・ユスティには手一杯の姐さんの図)
「ワシにとっては異教徒だからな貴様。それに、こそこそオスマンと付き合ったり、神権をやめて
組織宗教に変更して、イザベルの機嫌を損ねたりするからだ。それにAD1700より前から実は
ずっと手一杯だったりもする。まあ深くは知ったことではないな。邪教徒は死ねばいいと思うよ」
「や、やめっ、たす、助け…(´・ω:;.:... 」
「おい、メフメフが消えかかってるぞ。助け──なくていいか。もう」
「ユスティ達には前から睨まれ、味方の筈のシャルルに攻め込まれた以上、可愛そうだが
小国のくせに何故か世界の敵だからな。助けようがない。アッラーアクバル、メフメド」
さようなら、そしてありがとうメフメド。君の死は無駄にはしない。
思いがけずシャルル・イザベルからの不意宣戦の可能性がしばらく消えることになった。
その間に、寄り道をした分も急いで取り返す。技術は戦艦を解禁する産業主義へ向かって一直線。
解禁された施設を軒並み建設していった首都では、先駆けて乾ドックの作成を始める。
他の都市でも、やっぱり観光にはこれがなければということで、飛行船を数隻購入へ。
たまに潜水艦がいたらおまけで見つけてもらう。
「動かすのは、わたしです」
「おい、飛行船の船室で焚き火とかするなよ。やるなよ、絶対やるなよ」
ターンを終了するごとに、メフメドから輸入していた魚の取引が、笑える速度でガンガンと消えて行く。
どうやら長くは保ちそうにない。
「さて……。少し余裕はできたとはいえ、メフメド戦が終われば次の矛先はウチらだろう。
少なくとも戦艦を相当数配備し終えるまではヤツらに攻め込まれるわけにはいかん」
「とはいいますが…。今ここで信教の自由を選択しても、既にマイナスがあるため不満がないまで
持って行くのは難しいでしょう。かといって開拓者で新規都市譲渡できるスペースは、ほぼ残って
おりません。氷土の方にはまだ若干場所がありますが、建てたはいいが受け取ってもらえないことも
多々ありますので、普段この手法を得手としていない者としては避けたい所ではありますが」
「では確実な手で行こう。ここはメフメドを反面教師にしようではないか。
まずは社会制度を神権政治に変更。そして宗教なしを選択する!
ヒンズー教を失い一時的にユスティからの宗教補正が消えるが、ヤコブの宗教マイナスも消え
そして神権政治による、好む社会制度ボーナスが加算され始める」
「成程。確かに、ユスティ・ヤコブ・イザベルは神権政治を好みますので面白い手ではありますな。
表現の自由は必要になってきますので、シャルルの方は合わせることはできませんが
イザベルの方はひょっとすると、不満がないまで持っていけるかもしれません」
普通では明らかにそんな意味のない体制のために革命を起こし貴重なターンを消費するのは
馬鹿らしいところではあるが、サラディンは宗教志向のためロスはない。
前は神学がなかったために取ることができなかった手だが、永久同盟後で技術を入手できたおかげで
採用することが出来る。
宗教マイナスが消えたことにより、イザベル・シャルルとも通商・資源取引が可能に。
宝石、ヒット曲やミュージカル、ヒット映画など、どうせ渡しても幸福が余って無意味な資源を
放出し、僅かな差額で無理なく海産物資を集めて回る。
AD1830.メフメド死亡確認。シャルル・イザベルの属国に。
ちゃんとイザベルはメフメドに技術を提供してやっているようだが、1ターンに贈れる限界を利用して
間に割り込み、取りこぼしの技術をちゃっかり交換。
AD1840、産業主義完成。最強の海上ユニット、戦艦が解禁される。
「よし! ロケット光学・冷房技術もイザベルからの属国技術提供に横槍を入れる形でメフメドから
交換で手に入れた。後は適当に飛行機でも研究させてるウチに、スレイマンの艦船ユニットの
アップグレードを完了させ……なんでコイツは今更ガレオンなど作っておるのだ?」
「えーと……判明。どうやらヤコブからの石油の供給を切られたようですな。スレイマンの領土に
石油は……洋上に一つ、氷土に一つですか。今の所氷土の方は改善しにいく気配がありませんね」
「何をやっておるのだ、あやつは! ええい、一つしかないが手持ちの石油を無償供与!
その間、研究はプラスチックへと促し、洋上プラットフォームを解禁させてやる!
9ターンか……。まあ予定のアップグレード・増強期間が長引いたと考えるか。攻め込まれた時の
一応の保険にもなるしな」
本来はここらで打ち止めにする筈だった技術研究の終了とスパートの開始が少しだけ伸びる。
石油をヤコブから借り入れることも考えたが、155ゴールド/ターンとか言われたので
流石にこのまま待つことに。
そしてAD1858。プラスチック完成。翌ターンには石油を返してもらう。
これにて、全ての条件が完了。スレイマンは既存艦船ほぼ全てをアップグレードし
戦車・戦艦もいくつか見られるように。
資源交易の方も、全文明と交渉可能。神権政治のボーナスも上がってきて、ザラヤコブが
国連賛成票などにより、親しみに変化。
イザベルの方もまだ用心ではあるが、後一歩で不満がないというところまできた。
「よし、ではラストスパートを開始するぞ。各国に赴いて、全ての余剰海産物を購入してきてくれ。
くれぐれも相手に失礼のないようにな」
「はっ、心得ました。では行って参ります」
「──それで俺のところにきた、と。だが、海産物資の余りはもう貴様らに渡してやってるでは
ないか。今更、これ以上くれてやるものなぞないぞ」
「いえ。御座いますよ──まずはこちらをご覧下さいませ」
「なんだこれは……領収書? どういうことだ?」
「それがし、舐められた仕打ちにはキッチリと返す主義でございましてな。
それは、忘れぬためのメモがわりとでも申しましょうか。いつぞやからの貸し、約定通り
今ここで利息付きでお返し願いますぞ。──さあ、行くぜ! 覚悟しろよ、このヒゲ野郎!!」
「ひょっ?」
「罠(トラップ)発動!『永久同盟の証』! 通常、取引では一つしかない資源は交換することが
できないが、永久同盟を結んだ相手からは唯一の資源であっても無償で譲り受けることが出来る!!
俺のターン! 全ての余剰幸福資源をテーブルに捨て──スレイマンから全海産物資、全衛生資源を
特殊召喚!!」
「おい馬鹿やめろ! このままでは俺の都市の寿命が不衛生でマッハ!
こんな暴挙が許されると思うか!? 同盟なぞ今すぐ解消だ!! 戦車大隊で貴様らの
首都など腰ミノごと吹っ飛ばしてくれる!」
「甘いぜ、一度締結された永久同盟はプレイヤー・AIの任意でこれを解除することはできない!
更に俺は、有り金の498ゴールドと(165)ゴールド/ターンを要求!一旦交渉画面を終了する」
「こ、ここ、こんのハゲタカがああ! 帰れ帰れ! 貴様らの顔など二度とみたくないわ!」
「何勘違いしてるんだ。俺の要求はまだ終了してないぜ! 再び交渉画面をオープン!
堪りかねて金銭税率を上げたスレイマンより、更に(190)ゴールド/ターンを要求!同様にして
また(191)ゴールド/ターンを要求!ドロー!(201)ターン! ドロー、(191)ターン!
ドロー、(191)ターン! ドロー、(188)ターン! ドロー!(189)ターン! ドロー!」
「もうやめテ! スレイマンの国庫はとっくにゼロよ!」
むしれるだけむしる……! 後には骨も残さない……!
「敗因はただひとつ……てめーは俺を怒らせた」
戦艦の作成技術、ある程度の現有戦力(主に海軍)を確保できた以上、もうこの先のスレイマンの
軍備増強・研究促進は必要ない。スレイマンの領土がいくらズタボロになろうともアラブの都市が
文化と幸福に満ち溢れ、勝利条件を満たせば「我々」の勝ちだ。チーム戦とはそういうものよ…!
世界中の海産物資を購入し、文化100%に振ってなお(1000)ゴールド/ターン以上の収入を得たアラブは
全都市で乾ドックを購入後、2ターンに1回の割合で戦艦を購入して回る。
それに、こちらも鬼ではない。いくら乾いた雑巾を絞れるだけ絞り切ったからといって、ユニットが維持できず
消えて行くような事態にはなってないはずだ。だってほら、富生産してない都市がまだあるじゃあないか。
「な、ならばこちらも同様にやり返してやるまでよ! サラディンから手持ちの全資源と
(1134)ゴールド/ターンを要求!」
「『お断りします』。…おや、またどこからか費用を捻出されたようですな。
では258ゴールドと(320)ゴールド/ターンを、ドロー」
「ありえん! ありえんぞぅぅ」
瞬く間に増強されていくアラブ新鋭艦隊。たまに金が余ってきたりする場合は
キューを入れたそのターンに購入などという大尽プレイをしつつ、整備に努める。
都市内部では誰に誘われたんだか各都市20人の芸術家とかいうアホな数と、世界中から集めた
魚(42)貝(20)とかいう食べ放題の寿司文化に、ブロードウェイやらロックンロールだとか
ハリウッドだとかの娯楽が合わさり、エルミタージュのある第3都市では&icon:culture;1579/ターンの数字を叩き出す。
AD1876。首都の文化が&icon:culture;42000を突破。文化出力は+1146/ターン。
第3都市は&icon:culture;40000。出力は約1500/ターン。
第4都市も&icon:culture;23000を突破。文化出力は約+1000/ターン。
ここで、5人目の大芸術家が誕生。誤差を考慮に入れた上でも条件が整った所で
相変わらず用心しているシャルルマーニュは放っておき、神権政治のボーナスが上がり
不満はないまで到達したイザベルの方と回線を開く。
「たった10ゴールドなんかが欲しいの? しわいヒゲね! 別にいいわ。くれてあげる!」
「何勝手なことしとるんだ、イザベル──!?」
同様にして、今やなんとなく親しみ同士になったヤコブから10ゴールドを貰い平和協定。
万一に備え、作成後待機させておいた戦艦たちが自由になったので
シャルルとの国境、第4都市に集結。せっかくなので、連環の計(真)を発動する。
うん。またなんだ。すまない。でも君はこれを見た瞬間、きっと言葉では言い表せない「ロマン」のような
ものを感じてくれたと思う。
そしてAD1888。一足先に第3都市ダマスカスが文化の全盛に到達。
翌、AD1890。ついに首都メッカも文化の全盛へ。第4都市バクダットの文化も30000を越えた。
「とうとう我らの首都も文化の全盛か……。長いようで短かったな。ここまで至るには
苦労の連続ではあったが。それも報われた気分だ」
「今回の首都文化全盛を祝う祭りに先駆け、盟友スレイマン様からも
早くこの汚い忍者が死にますようにと書かれたカードと特別の贈り物が届いております。
まさに今期の国庫を空にするような豪華な代物ですな」
「最早そんな気遣いをするまでの仲でもあるまいに。後できちんと礼を言っておいてくれ。
さあ、今日は祝祭だ。皆も日頃の仕事は忘れ、存分に楽しんでいってくれよ。
……おや、大芸術家達の姿が見えないようだが。彼らがいればさぞ賑やかだったろうに」
「彼等は彼らで、何やらサプライズイベントを企画しているようですよ。
ここは一つ──楽しみに待つといたしましょうか」
「遂に首都も文化全盛かあ……皆、幸福+52 &icon:happy;とかついて凄く楽しそうだ」
「ホント、3食昼寝付きとか今までに比べてまるで夢のようだったもんな!
何か俺達もサラディン様に恩返ししようじゃないか」
「そう言えば文化全盛のスピードが速すぎて、祭りに使う大型花火の発注が間に合わなかったと
この前会った時、忍者さんが言っていました。と、大芸術家005号は密かにリークしてみます」
「それで思い出したが、いつぞや貰ったこの花火。実はこの小ささでも高性能の打ち上げ型なんだ
そうだ。火力が強いから取り扱いには注意してくれと言っていたぞ」
「御都合的にも程があるな! でも嫌いじゃないぜ、そういうの!
バラバラじゃ見た目にもしょうがない。皆集まって一気に打ち上げるとするか。
場所はそうだな、首都の東にある小島。あそこなんてどうだ。海に上がる花火は綺麗だぞ」
「おーい、皆準備はいいか?」
「いつでもいいぜ! でっかい花火を咲かせてやるよ!」
「アラブ万歳! サラディン様万歳! ついでに綺麗な忍者もバンザーイ!」
「バンザーイ」
「よし! じゃあ──点火!」
カッ
「英雄」サラディン(BC4000~)
5000年以上の長きにわたり、アラブ及びこの惑星の発展に貢献した人物。
圧倒的不利なスタートを強いられ多くの者が絶望する中、それでも諦めずに
散らばったイスラム勢の力を結集。ついに栄光を取り戻すことに成功した。
厳しい制約を逆手に取り対外的な戦争を一切行わず、その資金を全て国民生活のための
施設・文化に充てた名君であり、外国からの評価も高くその礼に適った態度は
敵国にも「イスラムの騎士」とまで呼ばれるに至った。永久同盟を結んだ盟友スレイマンなどは
その姿勢に深く感じ入り、自らの国が傾く程にその援助を惜しまなかったと言われる。
ヒット曲や映画といった最新文化をいち早く取り入れる一方、近衛兵士は全て伝統の腰ミノを
着用するなど古きを大事にする心も忘れず、古今を融合させた素晴らしい文化を促進させ
ついに──首都の文化全盛の祭りの日、東の島から轟音と共に光の柱が立ち上り
列強に先駆けて文化勝利を達成した。
その様子を見ていた市民・観光客らは「ああ、やっぱり芸術家は爆発だな」と
感嘆の声を上げたという……。
「AD1892、とある忍者記す……と」
もう一つのロードス島戦記 ~とある科学相の消失~ 完
「チーム戦の面白さ、おわかり頂けたでしょうか?
大事なのは協力しあう心、そして相手を思いやる気持ちなのです。でござるよ」